ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

D0C-09

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匿名ユーザー

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大統領はフーケがいると思われる小屋を茂みから覗き見る、
(罠である事は間違いない、すぐ逃げられる体勢はとっておくべきだが…)
自分の主人に視線を移す
(ルイズは“それ”を拒否するだろうな…)
ルイズはこの世界で魔法を使えないという最大級の下手を引いた
そのせいでルイズに逃げるという選択肢を消してしまっているのだ
(本来なら破壊の杖を取り返す事ができればそれだけでいい、倒す必要はどこにもない)
だが…と大統領は再び考える、(倒さない必要もどこにもないか…)


ここでルイズが仲間と一緒にフーケを捕まえれば(過程にもよるが)
“自信”がつく、過信になると危険だがそれでも今の状態よりはマシになるはずだと大統領は考える
(仮にも私の主人になるんだ…成長してもらうぞ、ルイズ)

「で?どうするの」
ルイズは痺れを切らしたように言い放つ
「とりあえず何人かを偵察、のこりをここで待たせる」
タバサはそう言うと大統領に目を向ける
(まあ私は偵察役確定だろうな…)
結局偵察役にロングビルを除く全員が行く事となった
タバサが探知魔法で小屋内部を調べるが、誰もいないことを確認したため、中へ入っていく
小屋の中は思ったよりも広かったが破壊の杖は直ぐに見つかった
「これが破壊の杖?」
大統領の問いにタバサは無言で頷く
(なんだこれは?…引き金や砲身があるところを見ると銃か!?しかしこの大きさは…もはや砲と言っても…)
大統領が破壊の杖に対して推測しているうちに外から地響きが聞こえ始める


大統領達が小屋から出るとフーケのゴーレムが暴れていた
ルイズが一足先に爆発する魔法を叩き込んでいる
大統領はルイズの元へ走った
(ここまでは予想通りだが…さて、)
大統領は先ほどの破壊の杖を見てフーケの目的をかなり把握していた
(恐らくはアレの使い道が知りたいと言った所なのだろうが…)
自分でも正確な使い方がわからないのだ、科学技術が発達していないこの世界では仕方ないだろうと
大統領は続けて考える
(最悪の場合の交渉材料にはなるだろう…使い方を教えて逃げる…逃がしてくれるわけはないだろうが)
考えを終えると同時にルイズまで辿り着き…ルイズを抱えてゴーレムから遠ざかる!
「ちょっと!何すんのよ!!」
いきなりの事で動転したがすぐに怒鳴り声を上げるルイズに大統領は叱咤する
「何をしているかはこちらのセリフだ!学院の時でも同じ事をやったが駄目だっただろう!無駄だ!」
「無駄でもよ!魔法を使えるのが貴族なんじゃない、敵に後ろを見せないものを貴族というのよ!!」
「ルイズ…」
大統領はフーケのゴーレムがタバサ、キュルケが牽制している為こちらにはすぐには来れない事を確認し
ルイズを降ろし、肩を掴んでルイズの目を見ながらゆっくりと話す
「ルイズ…誇りを引き合いに出せるのは自分の命までだ…それ以上は駄目だ」
それならっ…と言いかけたルイズの口元に指をそなえる
「ルイズ言った筈だ…思慮深く行動しろと、君が死んだら家族はどんなに悲しむ?それだけじゃない
君を行かせてしまったオールド・オスマン校長にも迷惑がかかる」
ルイズはその言葉を聞きすこしずつ頭が冷静になっていく…
「私に…どうしろって言うのよ…」
冷静になったと同時に力も抜けていくのがわかり、ルイズは大統領に問う
「今この場では生きる事を前提に考えればいい、」

そう言った大統領の頭上に竜が1頭羽ばたいていた

「たしかあの風竜はタバサの…」
「あの子が呼んでくれていたらしいな、あの竜に乗れば逃走は可能だろう」
ルイズは大統領の言葉を“理解”できたし逃げられることが可能にもなった…
しかしやはり己の誇りを取り戻せる絶対の好機を手放す事に絶対の“納得”ができなかった
それは大統領も理解している…自身の言葉一つ二つ程度で感情を左右できるほど
ルイズの人生は軽いものではない筈だ

(心の隅に留めておいてくれればいい…そもそも、相手がそう簡単に逃がしてくれるはずも無いだろうしな)
使い方がわからないために敵に使わせるという綱渡りなやり方を試すという事は
逆に使わずに取ったらそのまま逃げるという相手側の思考も考えてるはずだ
(あの程度の誤算でどうにかなる訳がない、竜の背中は安全だろうが乗せてくれないだろうな)


破壊の杖を所持しているのはタバサであり、ゴーレムもタバサを狙っていた
しかし中々攻撃にでようとしなかった、でたとしても狙いを外した踏み付けや拳の叩きつけである

大統領はルイズを風竜の背中に乗せ自身はタバサ達を助けに行き、
ルイズには上空から失敗魔法で牽制するように伝えた
(恐らくは破壊の杖を持っている奴に使わせようと生かさず殺さず嬲り殺しにするつもりだろうな…
その間はタバサは大丈夫だろう、だが…破壊の杖を使えないとわかったら迷わず殺される)
大統領はタバサとキュルケの元へ向かう間に考える

(この状況を打破するには…、 1ゴーレムを撃破 2フーケを見つけ拿捕 3逃げる現実は非情である のどれかだが…
私が○を付けたいのは2だがまず無理だろう、この森の中から盗賊のフーケを見つけ出すのは至難の業だ
とすれば1だが…正直骨が折れる、下手すりゃ2より難しいだろう…3はルイズの成長の為には選びたくないな)
そして最後にもう一つの可能性を大統領は考える…
ギーシュとの戦いの前に行った…平行世界へ行き攻略法を覗き見るという反則技である
(正直現時点で一番現実的な方法はこれだろう…ただこれの問題点は私が他の世界へ行っている間に
仲間の身が心配だという点だが)
自分が他人の心配できる程実力があるのか?と考え直す

(どの道にしろこれ以外では全て現実味がない…しかし、ルイズは自分の一時的とは言え主だ、
死なせる訳にも行かない…何か無いか?ルイズ達の身の安全を約束しつつ並行世界へ行ける方法…
“有る”な一つ…簡単な方法が)
考えを終えた大統領が覚悟を決めさらに速度を上げて突っ走る、
そしてタバサ、キュルケを庇うようにゴーレムの前に立つ


「ミス・タバサ!破壊の杖を貸してくれ!」
大統領の叫び声にタバサは一瞬だけ躊躇するが破壊の杖を大統領に放り投げる
破壊の杖を受け取った大統領は回りこむようにゴーレムへ接近する
タバサ、キュルケは主人の身を案じ、助けようとしていた風竜の背中へ飛び乗る
ゴーレムはというと本来タバサ、キュルケを風竜に乗せないようにするべきだが
本命である破壊の杖を大統領が持っているため反応しきれず、
結果としてゴーレムと大統領が一対一で対峙する形となった


(さあて…二人が竜に乗れたのは計算通りだが…ここからは運だな、基本の世界がゴーレムを倒していることを祈ろうか)
大統領は更にゴーレムに接近し、攻撃を誘う…ゴーレムは当てるつもりの無いパンチを大統領に向けて放つ。
ゴーレムの拳が加速し、止められなくなるあたりで大統領は、ゴーレムの拳へ向かっていった…
(ルイズがパニックを起こさないといいが…まあタバサ、キュルケがいれば大丈夫だろう)
拳が当たる寸前で大統領は自分が異世界へ行っている間のルイズの行動を考えていた


「ま…まさかファニーが…アイツが死んじゃうなんて…」
ルイズは目を潤ませ、震えていた…キュルケも顔を青ざめて言葉を無くしている…
唯一タバサだけが無表情を貫いていた
「大丈夫」
ぽつりと呟いたタバサの言葉にルイズとキュルケは振り向く
「血が流れていないし彼は自分から向かって行ったように見えた、だから多分…」
タバサの言葉に呼応するかのようにゴーレムが拳を退かせた場所に大統領の亡骸は無かった
拳の方に引っ付いてるようにも見えない
「本当!ギーシュの時と同じ手だわ!!でもそれならダーリンはどこへ?」
キュルケの言葉にタバサも疑問を抱く
(確かにどこへ行ったか気になる…でもそれ以上にどうやったらこんな真似ができるのか?
ギーシュの時とは違い今度は手品を仕込む暇など無かった…それさえわかれば“どこへ行ったのかも”わかるはず)



タバサが大統領の技を疑問視している頃、大統領は暗闇の中にいた
(さて…破壊の杖も一緒に持ってきたことだ…向こうではゴーレムが私を探して躍起になっているだろう
ルイズ達は風竜に乗っているから安全も確保されている、しかしまあ…策というほどのものでもなかったな)
大統領の考えは破壊の杖を自身が持ち平行世界へ行くというものであった
フーケの狙いである破壊の杖を持った状態で平行世界へ行けばフーケは世界から居なくなった大統領を探そうとする
そしてタバサ、キュルケを風竜に乗せればゴーレムも直ぐには手が出せず、仲間全員の一時的な安全は確保できるのである
(竜がいなければ人質を取られて出なければいけない可能性もあったが…まあいても可能性自体はあるわけだが、
ほんの少しの時間ならまず安全だし、フーケとの戦闘からこれだけ時間が経てば基本の世界で倒したか、逃げたかくらいならわかる、
ただまあ…手品という言い訳はもう苦しいだろうが…)



大統領の強みとはD4Cだけではない、
Dioやホット・P、ジャイロ・ツェペリとジョニィ・ジョースター達を圧倒したのはD4Cだけでなく
“大統領自身の思考速度と状況を即座に理解する力にあった”

「あのゴーレム、ファニーを探しているみたい…」
ルイズが慌てて木を弾き飛ばし、小屋を倒壊させているゴーレムを見てそう呟く
「ダーリンはどこに行っているのかしら?もうずっと姿が見えないわ、ルイズ!アンタわからない?主人でしょう」
キュルケに言われてばつが悪そうに俯くルイズ、視界の共有は使い魔を持っているものにとっては基本的な事だが、
人間という事もあってかルイズではできなかったのだ
タバサは二人を尻目にじっと視線をゴーレムから放さなかった、警戒という意味だが
大統領が何かするのでは?という直感もあった



やがてゴーレムが一旦動きを止めると風竜に襲い掛かる、十分に距離が離れているため安全に逃げられるはずだったが
ゴーレムが腕を振り上げたと思うと大きな塊が飛んできた
慌てて風竜を旋回させるが完全に不意を突かれたのと途中で塊が幾つにもばらけたため避けきれず、翼や胴体に当たる

そのまま三人とも落ちる所だったがすんでのところでタバサがレビテーションで浮かせる
(抜かった!)
先ほどの塊は弾き飛ばした木や小屋を倒壊させた時の瓦礫をゴーレムに握らせ、丸めたものだ
丸めたというよりも握りつぶしたため途中でばらける
(先ほどのはルイズの使い魔を探しているのと同時に飛び道具を用意したと気づかせない為…)


落ちた三人を捕まえようと近づくゴーレム、風竜は気絶していて飛べない
三人は諦めず魔法を放つが、ゴーレムは意に返さずゆっくり手を伸ばす…
もう駄目だと三人が諦めかけたその瞬間



爆音と共にゴーレムは破壊された

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