ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

戦闘零流-01

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
爽やかな風が吹くのどかな場所だった。
ハルケギニアと呼ばれる世界に存在する由緒ある王国、トリステイン。
その王国内に存在するトリステイン魔法学院。その敷地の外れの丘に人だかりが見える。
「さっさと終わらせろよ!」
「いつまでまたせんだ!ゼロのルイズ!」
「もう何回目だよ。忘れちまったよォ~!」
「もう帰りましょうよー。成功しっこないわよー!」

少年少女達の罵声が飛び交う。

その中心には桃色の髪の少女がいた。
彼女は、頭の禿げ上がった中年男性に言った。
「ミスタ・コルベール!もう一度!もう一度やらせて下さい!お願いします!どうか、も
う一度…!」
中年の男性ジャン・コルベールは悩んだ。
時間的な余裕もすでになく、未だに『サモン・サーバント』は成功する気配は無い。
しかし少女が誰よりも勤勉で努力家であることを、禿げ上がった教師は知っていた。
彼女に納得いくまでさせたやりたい。そしてできることなら成功させてあげたい。
頭輝く教師、コルベールはそう願っていた。
「……わかりました。ですがもう時間も時間です。あなたの疲労も溜まっている。次が最
後ですよ。それで駄目ならば明日にしましょう。」
コルベールは微笑みながら桃色髪の少女に告げた。
少女は頷く。
そして。
桃色髪の少女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは集中した。
これまでの短い自分の人生の中でおいてもかつて無いほどに集中した。
(なんとしてでも『サモン・サーヴァント』を成功させる!もはや後ろは無いのよ!自分
を信じるのよ!ルイズ!)
自分を必死に叱咤し観衆の冷たい視線の中、彼女は叫ぶ。
「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ…神聖で美しく、強力な使い魔よ!私は心より
求め、訴えるわ!我が導きに…答えなさい!!」
彼女がそう叫んで杖を振り下ろした瞬間、爆音が響く。

ドォゴォオォォォォ

盛大に煙が巻き上げられ視界を塞ぐ。
(お願い成功して!このさいなんでもいいわ!頼むから何かいてちょうだいッ!)
土煙が風で掻き消えていく。爆心地に影が見えた。

「な、なんだ!何かいるぞ!」
「ウソだろッ!『ゼロ』が成功するなんて!」

周りで囃し立てていた生徒たちは驚いたが、ルイズも驚いていた。
しかしルイズのそれはベクトルが違っていた。
やった!成功した!
そう思った。
しかし土煙が完全消え去った後、彼女の高揚は一瞬にして霧散した。

そこに倒れていたのは男だった。どう見ても人間の男。しかも血だらけ。
左腕の肘から先が存在しておらず、右膝は何かで溶かされ抉れている感じだ。
体の各所に火傷、切り傷、打撲も見られる。
左腕の、磨かれた鏡のように綺麗な切断面からはおびただしい量の血が湧き出ていた。

亜人でもない只の平民のように見えるが今はそんことはどうでも良かった。
「……………ッ!!!ミ、ミスタ・コルベール!こ、この人!どうしよう!怪我をッ…!
わ、私がッ!私の爆発で…殺…した!?死んでしまった!あ、あぁ……!そんな……!」
ルイズは顔面を蒼白にし声を震わせた。ルイズは怯えた。
自分の爆発で!一人の人間の命が失われてしまった!自分は他人を傷つけ、とうとう取り
返しのつかないことをしてしまった!
『ゼロ』どころではない。自分は最低最悪だ。ルイズの中を絶望が駆け巡っていた。
貴族にとって平民など、どれ程失われようとも代替が利くモノでしかなく、基本的に殺す
も奪うも貴族の自由である。それが常識であった。
しかし、ルイズは魔法が使えずとも心は誇り高い貴族であった。民草は略奪の対象ではな
く守るべきもの。ヴァリエール家の根幹の思想は清く正しいものだった。
囃し立てていた生徒たちも衝撃を受けた。
これ程生々しい傷や血など見たことが無かった。平民が死のうが気に掛けるまでも無いが
凄惨な死体(と思われる男性)には恐怖した。

「皆さん落ち着きなさい!ミス・ヴァリエールも落ち着くのです!大丈夫。大丈夫です!
少なくとも、あなたの爆発が原因ではありません!左腕は明らかに鋭利な刃物によるもの
です。それにまだ彼は息があります。誰か!救護室に知らせなさい!」
コルベールの発言に、観衆の中から即座に青髪の少女と赤髪の少女が飛び出していった。
コルベールは『レビテーション』で、男を浮遊させすぐさま救護室へ向かっていった。

コルベールが去り際に授業の終了を告げたので、ざわめきながらも生徒たちは解散した。
しかし、ルイズは唖然とした表情のまま、ただ地面に座り込んでいた…。


To Be Continued…

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー