ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

おれは使い魔になるぞジョジョー!-8

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キュルケはディオを籠絡し、ルイズの鼻をあかそうとする。
しかしキュルケは知らなかった。ディオがどんな男であるのかを…

おれは使い魔になるぞジョジョーッ! 第八話


夜も更けて日も代わった頃、燭台を持ちながら寮の廊下を歩いてくる人影がある。
ディオはあの後上手く隙を見つけて厨房を離れようとしたのだが、既に出来上がってしまったマルトーに捕まってしまい、
結局何回も決闘の顛末を話させられる事となったのだ。昨晩ろくに寝ていなかった事もあり、今のディオはかなり不機嫌である。
部屋に送ろうというシエスタを(何故かパーティーの間中マルトーより絡んできた)適当に振り切り、
やっとあと一つ角を曲がれば部屋に着くところまで来た時、ディオは部屋の前に何か明かりが点くのを見た。

「まさか…ルイズか?いや、あいつはおれを待って起きているほど甲斐性のある奴じゃない。」
不審に思いながらも進んでゆくと、すぐにその明かりは竜の尻尾で燃えている炎のそれだとわかった。キュルケの使い魔、フレイムである。
フレイムの少し怯えたような視線を無視して部屋に入ろうとするディオは何かに後ろから引っ張られるのに気付いた。
振り返ると、フレイムが一心不乱にディオのシャツの袖をくわえ、引っ張っている姿が見えた。

「貴様ッ!そのベトベトなそのツバでおれのシャツを汚すなッ!」
と叫ぶとディオはフレイムを殴ろうとするが、軽率な行動でせっかくある程度の信用を得たのに、
また振り出しに戻すような愚はすまいと我慢する。
だがその間にもフレイムはディオを恐る恐る部屋に引っ張り込もうとするので、今度こそ軽く殴る。
先程の威嚇で怯えきってしまったフレイムは短く悲鳴を上げると、袖口を離す。と、

「人の使い魔をぽんぽん殴るのは感心しないわね…」
とキュルケがため息をつきながら姿を現した。下着一枚で。

「まあいいわ、フレイムを使おうとしたのは失敗ね…。じゃあ改めてディオ、私と少しお話ししてくれないかしら?」
「…明日にしてくれないかな、ミス・ツェルプストー。今ぼくは疲れていてね、早く寝たいんだ」
普通の少年ならあっという間に悩殺されてしまうような下着姿にも全く同じないディオだが、
キュルケは強引にシナリオを進める事にしたらしい。
「もう、キュルケでいいって言ったじゃない。そ・れ・に」
悩ましげな口調でしだれかかったキュルケはディオの腕を掴むと部屋の中に連れ込む。いつの間にかフレイムも後ろに回って押し続ける。
「夜更けに女の子が話があるって言ったら内容は一つだけよ…」
そうしてディオは無理矢理キュルケの部屋に連れ込まれてしまった。

「あなたはあたしをはしたない女と思うでしょうね」
扉を後ろ手に閉めながらキュルケは囁く。
明かりといえば窓から見える二つの月のそれと、幻想的に揺らめくフレイムの尻尾だけである。キュルケは続ける。
「思われてもしかたがないの。あたしの二つ名は『微熱』」
「……それで?」
「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの。だから、いきなりこんな風にお呼びだしてしたりしてしまうの。
 わかってる。いけないことよ」
「……」
「でもね、あなたはきっとお許しくださると思うわ」
キュルケは潤んだ瞳から、圧縮した体液ならぬ男の原始の本能を呼び起こさずにはいられないような色気を発しながら、ディオを見つめる。
「恋してるのよ。あたし。あなたに。恋はまったく突然ね。」
「…。」

一方、ディオはあからさまな嫌悪感を持ってキュルケを見ていた。
なんだこいつは。会って二日しか経っていないおれをを部屋に連れ込んでベッドに誘うなど色狂い以外のなにものでもないッ!
そう、まるであのクズ野郎(ダリオ)の開いていた酒場で夜な夜な男を誘っていた売春婦どものようにッ!

キュルケが口説き続けているのを聞いているふりをしながら上手く脱出する方法を考えていたディオがふと窓に目を向けると、
探していたものを見つけたという笑みを浮かべて話し掛ける。

「ディオ。あなたがあまりにも気になるものだから、フレイムを使って様子を探らせたり……。
 ほんとに、あたしってば、みっともない女だわ。そう思うでしょう?でも、全部あなたのせいなのよ。」
「なるほど、言いたい事はよくわかったよ。」
「本当?」
「ああ。キュルケ、君が嘘を付くのがだと言う事がな。」
突然のディオの言葉にあっけに取られるキュルケ。とっさに言い返そうとするが、
その前に窓を激しく叩く音に注意を逸らされてしまう。それは

「キュルケ…待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば…話が違うじゃないか!」
「キュルケ!その男は誰だ!今夜は僕と過ごすんじゃなかったのか!」
「キュルケ!そいつは誰なんだ!恋人はいないって言ってたじゃないか!」
「キュルケ!お前って奴は…このビチクソがァーーッ!」
「キュルケーッ!何をしているだァーッ!ゆるさんッ!」
「キュルケ!」
「キュルケ!」
「ペリッソン!スティックス!マニカン!エイジャの赤石…じゃなかったエイジャックス!ギムリ!…ええと、あと沢山!」
そこにはキュルケの恋人達が窓という窓を叩き、口々に絶叫しているおぞましい光景があった。
それらを次々と炎で叩き落として一息つき、ふと振り返ると、ディオはいつの間にか消えていた。

「…フン」
ディオはキュルケが恋人を撃ち落としている隙に廊下に出た。実に胸糞の悪くなるような出来事だった。
売女風情がこのディオを口説こうなど無駄なことよッ!

と、ここで思考が切り替わる。ルイズの部屋に行ったところであいつはまた床に寝かせようとするだろう。今夜はどうするべきか…。

悩んでいるとドアからルイズが飛び出して思いっきりディオと衝突した。
「…どうしたんだい、ルイズ」
「どうしたもこうしたもないでしょ!何よあれ!」
ディオが部屋を除くと、部屋は薔薇の強烈な香りが匂ってくるベッドに占領されていた。
「夕食から帰ったらいきなりギーシュ達がこれ運び込んでったのよ!臭くって寝れたもんじゃないわ!
それにさっきからキュルケの部屋であんたの声が聞こえてたけど、あんたもしかして
ツェルプストーと変な事でもしてたんじゃないでしょうね!納得がいくまで説明してもらうわよ!」
その後、ルイズに延々とヴァリエールとツェルプストーの因縁について語られたディオがなんとか眠りについたのは
結局何十分も経ってからであった。


「はぁ…」
キュルケは窓にしがみついていた全員を下に落とすとベッドに突っ伏した。隣からは延々とルイズの声が聞こえてくる。
大方ツェルプストーとヴァリエールの因縁についてでも語っているのだろう。
「まさかあたしが失敗するなんてね…」
今まで狙ってきた男を全員落としてきたキュルケには今回の失敗はかなりショックであった。
だがキュルケは気を取り直す。今回はハプニングがあったせいで失敗したのだ。幸い明日は虚無の曜日、この一日を使ってディオを篭絡し、
今度こそルイズをぎゃふんと言わせるのだ。
それに
「ディオ、あなたにも興味がわいてきたわ…」
ここまで自分を邪険に扱うディオにキュルケは逆に今までの男にない魅力を感じ、情熱を燃やすのであった。
                                        to be continued…



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