ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

おれは使い魔になるぞジョジョー!-5

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匿名ユーザー

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ディオはルイズによって召喚された。だが、彼は四系統のいずれにも当て嵌まる覚えはなかった。
ディオは自らが召喚された理由を考えるが、その間にも運命の歯車は回り続ける。

おれは使い魔になるぞジョジョーッ! 第五話

朝食の席で特筆するような事はなかった。食堂に入ろうとするディオをルイズは物陰に引っ張り込み、
使い魔が食堂に入れる事自体が特別なんだから床で十分だと説明した。
そして床に皿を用意してやるからさっきの自分に対する態度を謝れば食べさせてあげない事もないと言ったが、
ディオは憎々しげな視線をルイズに向けると黙って立ち去った。

朝食が終わり(何故か今日の)、授業の為に教室へ行くと、いつの間にかディオが後ろを歩いていた。
大学の講義室のような教室に入るとすでに教室に入っていた生徒達から囁きが漏れる。
ルイズの召喚した前代未聞の平民の使い魔にみな興味津々なのだ。

そんな教室の様子にも我間せずといったかんじで入るとディオはルイズの隣に座ろうとした。

それを制止し
「あんたの席はここじゃないわ。ここはメイジの席。使い魔は…」
と言いかけたところでルイズは先程の出来事を思い出した。床に座れなどと言おうものならまたディオに殴られるか
黙って教室から出ていってしまうだろう。しかも今回は衆人監視の元で。
そうなったら恥ずかしい処の話ではない。使い魔も満足に御せないダメルイズ、やっぱりゼロはゼロだったと
嘲笑雑じりに馬鹿にされるのは目に見えている。
そこでルイズは―――使い魔と同じく剛巌不遜な態度に徹する事にした。
だがルイズは知らない。自分が無意識のうちにディオに恐怖していたという事を。

教室の先客にはキュルケもいた。キュルケの周りには何時も通り男生徒達が群がっている。
だが本当になかった事にしたのか、あるいはプライドが傷つくと考えたのかフレイムを蹴られた事を言い触らすつもりはないらしい。
それどころかディオと目線が合うとウィンクをする始末であった。

そんなキュルケを無視し、慣れた様子で『椅子に』座り、周りを見渡すディオ。
成る程、使い魔にも色々とあるらしいな。蛇や蛙、昆虫といった中にキュルケのサラマンダーをはじめとしてお伽話にしか
出てこないような動物がちらほらと見える。
だが、あいつらは全てジョジョのペットであったダニーと同じように主人の顔色を窺うようなゴミ以下の奴らでしかないッ!
メイジ共は自分に都合良く動くように洗脳しただけのそれを友情とごまかしているだけなのだ!

そうして暫くすると中年の優しそうな風貌をした女性が入ってきた。どうやら彼女が教師らしい。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、
 様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
と、ここで野次が飛ぶ。

「先生!一人その辺を歩いている平民を召喚しちゃって失敗した人がいます!」
小太りの生徒、マリコルヌだ。それにつられて爆笑する生徒達。
シュヴルーズはそれを睨むとルイズの方を向き、ディオをしげしげと観察する。
「おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
その間の抜けた発言と皆の笑いに気をよくしたのかマリコルヌは更にルイズを馬鹿にし、ルイズの応戦に挑発する。
そのやり取りはシュヴルーズがマリコルヌ他の口に赤粘土を貼り付けて口を封じるまで続いた。
その間ディオは表情一つ変えず、まるで自分は全く関係ないかのように一連の騒ぎを冷ややかに見つめていた。

「私の二つ名は『赤土』。『赤土』のシュヴルーズです。『土』系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します。
 魔法の四大系統はご存知ですね?ミスタ・マリコルヌ」
「は、はい。ミセス・シュヴルーズ。『火』『水』『土』『風』の四つです。」
生徒達には今更の話題であるらしく、あまり真面目に聞いていないが、ディオは熱心に聞いていた。
この世界では当たり前の事であるが、ディオにとっては初めて耳にする事ばかりである。
この先この世界で暮らしていく以上、どんな些細な事でも知っておく必要がある。

だが系統の話を聞いているうちにディオには一つの疑問が湧いてきた。『何故おれは召喚されたのか』という事である。
シュヴルーズの話では、使い魔は主人であるメイジの系統に沿ったものが召喚されるらしい。
だがディオには今の四つの系統に当て嵌まるような覚えはない。
主人の系統を知っておく事は大切かもな。そう考えるとディオは熱心に授業を聞いているルイズに尋ねる事にした。

横目でみるとシュヴルーズはどうやら石ころを錬金術で変質させたらしい。キュルケが身を乗り出して質問をしているが、
あまり興味は引かない。魔法や空想の生き物が存在しているのだ。錬金術くらい存在して当たり前である。

「ルイズ、少し聞いてもいいかい?」
「なによ」
ディオは小声で隣のルイズに尋ねる。
「さっき聞いたところ四つの系統が存在しているらしいが、君はどの系統なんだい?」
「…うっさい」
と、ルイズは表情を暗くすると呟く。
「主人の系統を知りたいのは普通だろ?まさか『虚無』の使い手なのかい?」


「うるさいって言ってるでしょ!?」
突然ルイズが怒鳴る。シーンと静まり返る教室。憮然とした顔付きをしているディオが
ふとキュルケを見るとやっちゃったなというジェスチャーをされた。
「ミス・ヴァリエール!私にむかって煩いとは何事ですか!」
「あ…いえ…その…違…」そして盛大に勘違いをする教師。自分の話に熱中していて前後を聞いていなかったらしい。が、
「そこまで自信があるのであれば、あなたがやってみなさい!」
途端にざわめきだす教室。中には早々と机の下に潜り込む者もいる。
「先生、ルイズは止めておいた方がいいです!」
誰かが言う。
「どうしてですか?」
「あまりにも『危険』だからです!」
ルイズ以外の顔を出している生徒全員が頷く。
「な、なんなら私がやります!」
とキュルケ。しかし


「だが断る。」
容赦なく死刑宣告は下された。
「このシュヴルーズの好きな事はできないと思われている生徒に成功させることよ。
しかもミス・ヴァリエールには今回自信があるみたいです。あらゆる機会を捉えて生徒を成長させるのが教師の務めなのですよ。
さあ、やってみなさい」

今度こそ我先にと机の下に潜り込む生徒達。後ろで待機している使い魔を呼び寄せる生徒もいる。
ディオも周囲の危険を察知してゆっくりと机の下に潜る。
ルイズはそれらを横目に暫く逡巡していたが、やがて意を決すると教壇へと足を進めた。
「さあ、錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
必死に連想するルイズ。その顔は美しいが悲しいかな、それを見ているのはシュヴルーズだけである。


次の瞬間、石と教卓が物凄い音を立てて爆発した。使い魔や生徒達の悲鳴や祈りの言葉が教室内に充満する。

グラウンド・ゼロにいたルイズはひっくり返って気絶しているシュヴルーズを見、頭に手を当てた。

「てへ、ちょっと失敗しちゃった」
その場にいた全員から突っ込みを入れられたのは言うまでもない。
先生が気絶してしまったので残りの時間は休講となり、ルイズは罰として教室の掃除を行う事になった。
そしてディオはルイズの文句を聞き流しながらルイズが『ゼロ』と呼ばれている事を理解し、今の出来事について考えるのであった。
                                      to be continued…



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