ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

おれは使い魔になるぞジョジョー!-2

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匿名ユーザー

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左手に焼き鏝を当てられたような痛みが走った。気がつくと左手になにかの文字が浮かび上がっている。
まさか…おれは使い魔になってしまったのか?このディオがッ!

おれは使い魔になるぞジョジョーッ! 第二話

「それでは儀式は終了だ。各自寮に戻るように。解散!」
コルベールが告げると生徒達は思い思いに帰って行く。ある者は召喚獣に跨り、ある者は『フライ』を使い…そして後には
「ゼロのルイズ、てめーは歩いて帰れ」
「あいつ『フライ』はおろか『レビテーション』さえもまともにできないんだぜ」
「悪いね、ルイズ。ボクの使い魔は一人用なんだ」
「なんならその使い魔に背負ってもらったらどうだー?」

次々と空に浮かび上がる生徒を呆然と眺めるディオとルイズだけが残されていた。

『ジョナサンを殺して人間を超越しようとしたらいつの間にかピンク色の髪をしたガキの使い魔になっていた』
な…何を言っているのか(以下略

次々と空を飛んで帰っていく生徒達を黙って見つめていたルイズは自らの使い魔に向き直ると大きく息を吸い込んで
怒鳴ろうとして…
「それでは説明してもらおうかッ!これがどういうことなのかをッ!」
使い魔に機先を制されて言葉を飲み込んだ。

「…ハァ。あんた全然状況を理解していないのね。」
使い魔を使役する為には主人が絶対の上にいる事を使い魔に理解させなくてはいけない。
「いいわ、歩きながら話しましょ」
これからが苦労しそうだとルイズは密かにため息をついた。
「まずはじめになぜ彼らは空を飛んでいるんだい?」
このハルケギニアに魔法を知らない平民がいるとは知らなかった。たぶんよほどのド田舎か山奥にでも住んでいたのだろう。
いわゆる『どこいな』である。
「そりゃ飛ぶわよ。メイジなんだから。レビテーションくらい知ってるでしょ?」

ディオの住んでいた世界で人間が空を飛んだのは1852年の飛行船が初である。飛行機に至っては1903年まで待たなければならない。
だがディオはその少ない情報からここが異世界である事、ルイズ達がメイジ…魔法使いと呼ばれる特権階級であり
魔法で空を飛ぶ事は彼らにとって当たり前の事だと言うことを理解した。

その後ディオは歩きながらルイズからこの世界について聞き出した。ハルケギニアについて、メイジについて、
トリステイン魔法学院について、そしてルイズについて…。そして部屋に着くころにはディオはこの世界について概ね把握していた。
一方ルイズも何時間もかけてディオが違う世界から来たであろう事をなんとか理解した。
「なるほど、ぼくが今君の使い魔であるという事は理解したよ、ルイズ」
優雅な格好で窓に腰掛けながらディオは夜食を取っているルイズに語りかけた。ディオに渡された夜食は潰れたパンだけであったが。
「そう、よかった…。」
ちなみにルイズはディオを完全な平民として扱うことに決めた。
ディオの一つ一つの物腰は貴族の気品を感じられるものであったが、ルイズには魔法が使えない貴族というものがどうしても理解できなかった。
それに礼儀程度はどこかの裕福な商人の過程であれば身につくものだ。
ちなみにディオはダリオのことを欠片も話していない。話す価値もない『無駄』な事だからだが、話したところで
ディオが貴族ではなく平民であるという事を隠すための言い訳ぐらいにしか捉えられなかっただろう。

「あんた、元の世界に帰りたいと思わないの?」
夜食をすませ、口元をナプキンで拭きながらルイズは尋ね、ディオはなんの躊躇いもなく答える。
「ああ、元の世界は色々と住み心地が悪くてね。今更帰る気はないよ」
ジョナサンに虐待されていたと嘘をついてもいいがこの甘ちゃんのルイズ(暫く話している内にあの鬱陶しいジョジョと似たものを感じた)
はまず間違いなくディオに同情するだろう。そしてディオは自分が憐れまれることを何よりも嫌う人間であった。

ルイズはこの一日で非常に疲れていた。
召喚に成功したと思ったら出てきたのは平民だし、その上扱いにくい事この上ない。
まるで一見大人いように見えながらも絶対に人を乗せようとしない馬のようだ。
同じ使えないならこんな高慢ちきな奴よりどこかの少しスケベでも従順な馬鹿犬のような使い魔の方がよかった。
使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるはずだけどそんな兆候は全く見えないし
主人の望むものを手に入れてくる事も無理。かといって私を守れるとも思えない。
「それじゃあせめて掃除や洗濯ぐらいはしなさい。手足が付いてるんだし何もできないんじゃないでしょ」
その程度であれば特に問題もない。こんな小学校を卒業したばかりのような小娘にこき使われるのは我慢ならなかったが
この世界のことを全く知らない以上、しばらくは忍耐する必要があるだろう。

無言を肯定と見なしたのかそれに満足したルイズにディオが尋ねる。
「ところで…ぼくの寝床はどこだい?」
ディオの目の前で服を脱ぎながらルイズは黙って床を指さした。古い毛布が一塊おいてある。



「貴様!このディオを奴隷だと見なすのか!この小娘がァッーーーーーッ!!!!」
次の瞬間、ルイズはディオに殴られて床に倒れていた。
19世紀イギリス社会では奴隷は人間以下と見なされていた。貴族の女性が裸でいるところに奴隷が入っても
女性は眉一つ動かさない。最初から人間とは認めていないからだ。人間ではない相手に裸を見られても恥ずかしくない
それがイギリス上流階級の考えであり、ルイズの考えも同じであった。

つまりディオはルイズから
「おまえはこのルイズにとっての モンキーなんだよディオォォォォーーーーーーッ!!」
と言われたに等しいである。

「な、なによ…」
いきなりのプッツンに動揺するルイズの腕を掴んで引き寄せると腹の底から絞り出すような声でディオは恫喝した。
「いいか、これから君の使い魔になったからといってぼくにイバったりするなよな。お前がぼくを奴隷扱いする限り
 ぼくはお前の事は主人だとは認めないッ!」
そう言うとディオはルイズを突き放し、部屋の外へと出て行った。後には唖然とする半裸のルイズと床に散らばるルイズの服だけが残された。
そしてルイズは明日からディオを徹底的にしつけてやろうと決心するのであった。
                                        to be continued…



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