ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

おれは使い魔になるぞジョジョー!-1

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匿名ユーザー

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おれは…死ぬのか…吸血鬼にもなれず…無様な姿をジョジョに晒して…死ぬのか…
……いやだ、そんなのは嫌だーーーッ!!!!

おれは使い魔になるぞジョジョーッ!第一話

ふと我に返るとおれは地面に仰向けに寝ころんでいた。抜けるような青空が眼前に広がっている。
周りからは太陽の光を浴びた青草の匂いがかすかに漂ってくる。
おれは死後の世界など信じていない。だが、もし本当に死後の世界があったのだとしたら…

まさかおれは天国に来たのか?

反省も後悔もする気はないが自分の行っていた事が良い行いだとは到底思えない。
だとしたら神という奴はとんでもない―馬鹿野郎だと言うことだッ!
と、いきなり視界に少女の顔が写る。おれを覗き込んでいるらしい。
「あんた…誰?」

変な髪の色だ―それがディオの第一印象であった。幼さを残しながらも顔立ちは整っている。
だが髪の色が桃色がかっているのはどういう事だッ!天使というのはまさかピンク色の髪をしているのか?
それにあのスカート!ボヘミアン(*19世紀の自由人)の踊り子でもあんな短い丈ではないぞッ!
顔を上げてあたりを見回すと、似たような格好をした人間が沢山いることに気がついた。
遠くには中世を思わせる城もある。どうやらここは天国でもあの世でもないようだ。

「あんた誰って聞いてんのよ!」
先ほどおれを覗き込んでいた少女(ガキ)がまた尋ねてきた。まずは状況を把握する必要がある。
「ここは…どこだい?」
「質問を質問で返すなーっ!!疑問文には疑問文で答えろと、教えられてるのか!?」
どうやら怒らせたらしい。フン、自分から聞いてきて勝手に怒り出す。これだからガキは。

手で草を払いながらできるだけ丁寧に対応する。
「失礼した、ぼくはディオ・ジョースター…」
ここで考える。おれはジョースター卿を殺そうとした。また、あのジョナサンと同じ姓でいる事にももはや耐えられなかった。
そろそろジョースターの名を棄ててもいい頃合いだろう。
「すまない、言い間違えた。ディオ・ブランドーだ。」
「どこの平民?」
胡散臭い目で見つめてくる。それよりも平民だとッ!?このディオの格好はどう見ても貴族の格好だ。
少なくともよほど裕福な庶民でない限り間違える事はないだろう。
だが、こいつは今おれの事を平民だと断定した。よく聞くと周りからも
「ゼロのルイズが平民を召還した…」
「やっぱりルイズはルイズだ…」
という声が聞こえてくる。ところどころから笑い声も聞こえる。どうやらあのガキはルイズというらしい。
だが奴らの目――まさかこのディオを笑っているのか!?年端もいかないガキどもが――ッ!

「フン、どこに目がついているのかは知らないがこれでもぼくは貴族でね」
「はぁ?マントも杖もないのにどこが貴族なのよ?」
杖?マント?何を言っているんだ、こいつは。
よく見ると周りの奴らも全員マントに杖を持っている。
するとおれは死んだのではなく黒魔術かなにかでここに召喚されたというのか…?
よく見ると奴らの足下には様々な動物がいる。まさかおれがあいつらと同じだというのかッ!
このディオがッ!

ルイズはショックを受けていた。今まで魔法は失敗だらけ、この春の召喚に失敗したら

ひと思いに退学…させて…NO!NO!NO!
りゅ…留年?NO!NO!NO!
りょ…両方ですかぁーっ?YES!YES!YES!
もしかして家門の恥として絶縁ですかぁーっ!YES!YES!YES!OH!MY!GOD!

な結果になるのは目に見えている。だからこそ爆発の後、なにかが倒れているのを見た時は喜びで泣きそうになった。
だが現れたのはドラゴンはおろかネズミでも蛙でもない、一介の平民だった。
そ、そりゃちょっとハンサムだけど今私が欲しいのは使い魔であってイケメンの平民じゃない!
だからこそルイズは詰め寄る。
「ミスタ・コルベール!もう一度召喚をやり直させてください!」
だが現実の壁は非情だった。
「ミス・ヴァリエール、それはできない。二年生に進級する際、君達は『使い魔』を召喚する。今やっているとおりだ。
 それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進むんだ。一度呼び出した『使い魔』は
 変更する事はできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ」
「でも…」
「ミス・ヴァリエール。今君の選べる選択肢は二つだ。あの青年と契約するか、それとも留年するかだ。」
「くっ…」
「あら、よく見るといい男じゃない。ねえ、タバサ」
「…。」
この一連の流れを外野は楽しんでいた。
「あの」ゼロのルイズが使い魔召喚に成功したと思ったらよりによって平民を召喚したのだ。
『全く期待していなかったサーカスを見に行ったら意外と面白かった』その場の空気の殆どがそんな感じであった。
特にキュルケは楽しんでいた。ルイズはツェルプストー家にとって今、最低限張り合うに値する人物となったのだから。
タバサは…見ていなかった。本を読む方に既に意識を移していたのである。

視界の片隅で先ほどのガキが禿の男と揉めている。話の内容から察するにどうやら本当におれは奴らに『召喚』されたらしい。
吸血鬼だってこの世に存在するんだ、今では召喚だってあり得る話だ。ディオがそう考えていると
男との口論を終えた少女はディオに歩み寄ってきた。

「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから!」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
またも意味のわからない事を畳みかけてくる少女に反論しようとした瞬間、ルイズの唇がディオのそれと重なる。

ズキュウウゥンッ!!

どこからともなくそんな音が聞こえてきた。
「やった!さすがゼロのルイズ!俺たちにできないことを平然とやってのける!そこに痺れるあこがれるぅ!」
とは後に当時の事を語るマリコルヌの弁である。

(ど…どうなのかしら…?)
ルイズがディオの顔を見ると、ディオは醜悪な顔――はっきりと人間の表情でいえば怒っていた。
「貴様!このディオに対していきなりなんの真似だーッ!」
ディオの拳がルイズに迫る。避けられない!ルイズは思わず目を瞑った。だがいつまでたっても殴られる気配はない。
恐る恐る目を開けるとディオは左手を庇うようにして屈み込んでいた。
「ぐっ……貴様…何をした……ッ!」
そこにははっきりと使い魔のルーンが刻まれていた。
(も…もしかして成功した?)

「ミス・ヴァリエール、進級おめでとう」
ふと気がつくと後ろでコルベールが微笑んでいた。
『ゼロ』のルイズ、魔法が生涯で一度も成功した事がないと揶揄されたルイズであったが使い魔の儀式は成功したのだ。
今まで張り詰めていた気が抜けたルイズはへたへたと座り込んだのであった。

                     to be continued…



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