康一は、学院長室を退室すると、とりあえずルイズの部屋に行ってみることにした。
ひょっとしたらそろそろ起きてるころかもしれないし。
ガチャリと扉をあける。
ルイズはあどけない寝顔を晒して、すぅすぅと寝息を立てていた。
まぁ、三日間も寝ずにぼくの看病をしてくれてたんだもんなぁ。
もう少し寝かせておいてあげようかな。
康一はルイズを起こさないようにして部屋を出た。
そのへんをぶらぶらしてこよう。
ひょっとしたらそろそろ起きてるころかもしれないし。
ガチャリと扉をあける。
ルイズはあどけない寝顔を晒して、すぅすぅと寝息を立てていた。
まぁ、三日間も寝ずにぼくの看病をしてくれてたんだもんなぁ。
もう少し寝かせておいてあげようかな。
康一はルイズを起こさないようにして部屋を出た。
そのへんをぶらぶらしてこよう。
お昼もかなり過ぎた頃にルイズは目を覚ました。
もぞもぞと起きあがり、きょろきょろと周りを見回す。
「コーイチ・・・?」
あいつどこいっちゃったのかしら。
ご主人様が寝てるってのに出かけてるなんて、いけない使い魔だわ・・・
ふと気づいた。
「あいつ・・・今日からどこで寝させればいいのかしら。」
当初は当然のように床に寝させる予定だった。
でもなぜか、今はそれが悪いことのように感じるのだ。
なぜかしら?
守ってもらったから?
嫌われたくないから?
「そ、そんなことないわ!あいつはただの使い魔だもの!」
じゃあ、この硬くて冷たい床に寝させる?
「・・・それはちょっと・・・」
ルイズは、んー、と唸った。
「そ、そうね。私は優しいご主人様だから、床は勘弁してあげるわ。床は!」
じゃあどこに寝させようか・・・
自分の座っているベッドを見る。
大きなベッドである。
わたしもコーイチも小さいし、十分一緒に寝れる広さはあるわね。
「だ、ダメよ!ダメダメ!いけないわルイズ!結婚の約束もしてない男と一緒のベッドで寝たりなんかしたらお母様に叱られちゃう!」
だいたいあいつは犬っころだ!キュルケに誘惑されてだらしなく鼻を伸ばしていた。
一緒のベッドに寝たりなんか襲われ・・・
ルイズは康一の間の抜けた顔を思い出した。
「・・・襲われないわね。多分。」
大丈夫。子犬を抱いて寝るようなものだ。い、いや抱かないけど!
ルイズは誰にでもなく言い訳した。
「まぁ・・・ちょっとしたごほうびってやつよね!変な気起こしたらひっぱたいてやるんだから!」
なんだかルイズはわくわくしてきた。
一緒のベッドで寝ていいわよ、って言ったらあいつどんな顔するだろう!
ルイズはベッドを飛び出して、午後の授業に出ることにした。
もぞもぞと起きあがり、きょろきょろと周りを見回す。
「コーイチ・・・?」
あいつどこいっちゃったのかしら。
ご主人様が寝てるってのに出かけてるなんて、いけない使い魔だわ・・・
ふと気づいた。
「あいつ・・・今日からどこで寝させればいいのかしら。」
当初は当然のように床に寝させる予定だった。
でもなぜか、今はそれが悪いことのように感じるのだ。
なぜかしら?
守ってもらったから?
嫌われたくないから?
「そ、そんなことないわ!あいつはただの使い魔だもの!」
じゃあ、この硬くて冷たい床に寝させる?
「・・・それはちょっと・・・」
ルイズは、んー、と唸った。
「そ、そうね。私は優しいご主人様だから、床は勘弁してあげるわ。床は!」
じゃあどこに寝させようか・・・
自分の座っているベッドを見る。
大きなベッドである。
わたしもコーイチも小さいし、十分一緒に寝れる広さはあるわね。
「だ、ダメよ!ダメダメ!いけないわルイズ!結婚の約束もしてない男と一緒のベッドで寝たりなんかしたらお母様に叱られちゃう!」
だいたいあいつは犬っころだ!キュルケに誘惑されてだらしなく鼻を伸ばしていた。
一緒のベッドに寝たりなんか襲われ・・・
ルイズは康一の間の抜けた顔を思い出した。
「・・・襲われないわね。多分。」
大丈夫。子犬を抱いて寝るようなものだ。い、いや抱かないけど!
ルイズは誰にでもなく言い訳した。
「まぁ・・・ちょっとしたごほうびってやつよね!変な気起こしたらひっぱたいてやるんだから!」
なんだかルイズはわくわくしてきた。
一緒のベッドで寝ていいわよ、って言ったらあいつどんな顔するだろう!
ルイズはベッドを飛び出して、午後の授業に出ることにした。
次にルイズと康一が顔を合わせたのは夕食時のアルヴィーズの食堂である。
ひょっとしたら・・・と顔を覗かせると、ルイズはちょうど席についたところらしかった。
なぜか上機嫌なルイズに自分の夕食を渡された康一は、さて・・・と考えた。
「どこで食べようかな・・・。」
もう暗くなってきたし、外では食べたくない。
厨房に行こうか・・・でも、今はきっと忙しい時間帯だろうし、康一に構っている暇はないだろう。
そうしていると、暗闇の向こうから火の玉のようなものがふわりふわりと揺れているのが見えた。
「ま、まさか!あれ・・・・・・ひょっとして人魂ってやつですかぁー!?」
しかもその火の玉はこちらに近づいてくるように見える。
「ま、まさかこの世界にも幽霊がいるのかぁー!!」
杜王町の鈴美さんを思い出す。
しかし、その人魂が近づいてくるにつれ、人魂の下に大きなトカゲが浮かび上がってくる。
「ふ、フレイム?」
あれは確か、キュルケさんの使い魔、フレイムだ。
「なーんだ。びっくりした。お前だったのかぁ。」
康一はほっとした。そういえば、フレイムの尻尾は常に火が揺らめいている。なぜ、その辺に燃え移らないのかよく分からないが、そういうものなんだろう。
フレイムは康一の足元に来ると、きゅるきゅると人懐こい声をあげて康一を見上げた。
「な、なんだ?ご主人様とはぐれちゃったの?」
康一は恐る恐るフレイムを撫でてみた。
あたたかい・・・。滑らかな鱗は確かに爬虫類なのだが、まるでサウナの壁を触ったときのような熱さがある。
やっぱこの世界の生き物って面白いよなぁ。でも、なんか可愛いな。でかいけど。
康一がその肌触りを楽しんでいると、フレイムがもぞもぞと近づいてきて、康一の夕飯が入ったバスケットをぱくりと加えた。
「アッ!こら!食べちゃだめだってば!それはぼくのごはんだって!」
しかしフレイムは康一の抗議に耳を貸すこともなく、背中を向ける。しばらく歩いてからこちらに振り向く。
「・・・ひょっとして、ついてこいって言ってるの?」
きゅるきゅる。フレイムはバスケットを咥えたままで答えた。
しょうがないので、康一はフレイムについていくことにした。
ひょっとしたら・・・と顔を覗かせると、ルイズはちょうど席についたところらしかった。
なぜか上機嫌なルイズに自分の夕食を渡された康一は、さて・・・と考えた。
「どこで食べようかな・・・。」
もう暗くなってきたし、外では食べたくない。
厨房に行こうか・・・でも、今はきっと忙しい時間帯だろうし、康一に構っている暇はないだろう。
そうしていると、暗闇の向こうから火の玉のようなものがふわりふわりと揺れているのが見えた。
「ま、まさか!あれ・・・・・・ひょっとして人魂ってやつですかぁー!?」
しかもその火の玉はこちらに近づいてくるように見える。
「ま、まさかこの世界にも幽霊がいるのかぁー!!」
杜王町の鈴美さんを思い出す。
しかし、その人魂が近づいてくるにつれ、人魂の下に大きなトカゲが浮かび上がってくる。
「ふ、フレイム?」
あれは確か、キュルケさんの使い魔、フレイムだ。
「なーんだ。びっくりした。お前だったのかぁ。」
康一はほっとした。そういえば、フレイムの尻尾は常に火が揺らめいている。なぜ、その辺に燃え移らないのかよく分からないが、そういうものなんだろう。
フレイムは康一の足元に来ると、きゅるきゅると人懐こい声をあげて康一を見上げた。
「な、なんだ?ご主人様とはぐれちゃったの?」
康一は恐る恐るフレイムを撫でてみた。
あたたかい・・・。滑らかな鱗は確かに爬虫類なのだが、まるでサウナの壁を触ったときのような熱さがある。
やっぱこの世界の生き物って面白いよなぁ。でも、なんか可愛いな。でかいけど。
康一がその肌触りを楽しんでいると、フレイムがもぞもぞと近づいてきて、康一の夕飯が入ったバスケットをぱくりと加えた。
「アッ!こら!食べちゃだめだってば!それはぼくのごはんだって!」
しかしフレイムは康一の抗議に耳を貸すこともなく、背中を向ける。しばらく歩いてからこちらに振り向く。
「・・・ひょっとして、ついてこいって言ってるの?」
きゅるきゅる。フレイムはバスケットを咥えたままで答えた。
しょうがないので、康一はフレイムについていくことにした。
フレイムを追ってしばらく歩くと、建物の中に入る。階段をのぼり、ルイズの部屋を通り過ぎ、ある扉の前で止まった。
「ここって、確かキュルケさんの部屋・・・だよね?」
フレイムが康一を見上げる。きゅるきゅる。
「入れっていうのか?でも、勝手に入っていいのかなぁ・・・」
康一は躊躇ったが、それでもフレイムがじっと康一を見つめてくるので、ドアノブに手を伸ばした。
「失礼しまーす。」
恐る恐る扉をあけて、顔を覗かせる。
部屋は真っ暗だ。しかし、カーテンからわずかに入ってくる月の光が、ぼんやりと椅子に座った女性のシルエットを浮かび上がらせる。
「いらっしゃいコーイチ。扉をしめてくださる?」
キュルケの声がしたので言うとおりにする。
「あのー、キュルケさん?暗くてよく見えないんですけど・・・」
康一がそういうと、キュルケが指を弾いた。
すると、康一の左右にある蝋燭に火が灯された。
奥に向かって順番に蝋燭の火が灯っていき、最後にテーブルの上にある燭台に火がついて、部屋の中をぼんやりと浮かび上がらせる。
テーブルには白いテーブルクロスをかけられ、アルヴィーズの食堂の料理が霞むようなご馳走が並べられている。
その向こうに、キュルケが座っている。いつもの大きく胸の開いた制服だが、マントは外している。
「待っていたわコーイチ。よろしければ、あたしと夕食をご一緒していただけないかしら。」
揺らめく蝋燭の光に照らされたキュルケは、あっけにとられる康一を見て妖しく微笑んだ。
「ここって、確かキュルケさんの部屋・・・だよね?」
フレイムが康一を見上げる。きゅるきゅる。
「入れっていうのか?でも、勝手に入っていいのかなぁ・・・」
康一は躊躇ったが、それでもフレイムがじっと康一を見つめてくるので、ドアノブに手を伸ばした。
「失礼しまーす。」
恐る恐る扉をあけて、顔を覗かせる。
部屋は真っ暗だ。しかし、カーテンからわずかに入ってくる月の光が、ぼんやりと椅子に座った女性のシルエットを浮かび上がらせる。
「いらっしゃいコーイチ。扉をしめてくださる?」
キュルケの声がしたので言うとおりにする。
「あのー、キュルケさん?暗くてよく見えないんですけど・・・」
康一がそういうと、キュルケが指を弾いた。
すると、康一の左右にある蝋燭に火が灯された。
奥に向かって順番に蝋燭の火が灯っていき、最後にテーブルの上にある燭台に火がついて、部屋の中をぼんやりと浮かび上がらせる。
テーブルには白いテーブルクロスをかけられ、アルヴィーズの食堂の料理が霞むようなご馳走が並べられている。
その向こうに、キュルケが座っている。いつもの大きく胸の開いた制服だが、マントは外している。
「待っていたわコーイチ。よろしければ、あたしと夕食をご一緒していただけないかしら。」
揺らめく蝋燭の光に照らされたキュルケは、あっけにとられる康一を見て妖しく微笑んだ。