ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ジョルノ+ポルナレフ 第二章-10

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匿名ユーザー

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あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
俺がサイトの奴に協力していたらジョルノはいつの間にか俺を置いてトリスティンに戻っちまいやがった。
な、何を言っているかわからねーと思うが、俺にも何が起こったのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった!
ちょっとした冗談とか最近アイツが忙しいみたいだからとかそんなちゃちなもんじゃねー恐ろしい疎外感を味わったぜ!

「うっさいわよポルナレフ! 今明日の演説を覚えてるんだから静かにして!」
「わ、悪い」

怒鳴りつけられた俺はやるせなさから深くため息をついてソファに寝そべった。
ジョルノがトリスティンに戻ってから…アルビオンで王党派が勝利し今俺を怒鳴りつけてきたルイズが聖女様になっちまってからもう暫くが経っていた。

『ニューカッスルの聖女』なんて呼ばれるようになったルイズの奴は張り切っていて、毎日楽しそうに聖女の仕事をこなしてる。
教会やウェールズ達からの指示通りに演説をしたりちょっとした集会に顔を出して顔を売る毎日だ。


俺は相変わらずだが、周りは色々変わっちまったんでついでに今のアルビオンや他の奴らの近況も報告しておこうと思う。

ウェールズ王は頑張ってるらしいが、今のアルビオンはすげー最悪な国になっちまってる。

今のアルビオンは知っての通りガリアとゲルマニアの軍を置かれちまってて、半分以上の領地が二国に統治されちまってる。
内乱で貴族の数が減っちまったせいで二国が統治してる領地に回す人材はないとは聞いているが…アルビオン側は腸が煮えくり返ってるようだ。

そりゃそうだ。
内乱に勝ったと思ったら他国に賞品を分捕られちまったんだからな。
暫定的になんて言ってるが、ガリアにもゲルマニアにもアルビオンに領地を返還する気は更々無いのは、亀の中でマンガ本を読んでる俺にだってわかるくらいあからさまだ。

それに加え、領土が減った今の状態で内乱中ずっとテューダー王家を支えてきた貴族達に褒美を分配したんで不満が続出している。
渡さなくても不満は持っただろうが、得られるはずの貴族派の所領がないってのはデカかった。
懐だけでなく、他国の軍が我が物顔で駐留している現状にプライドも傷ついてる…ウェールズ王はどうする気なのか俺にはわかんねぇ。
他国に渡っちまった領地の貴族や、テファと一緒に復帰したテファの親父さん関係の貴族共は先祖伝来の土地が他国の貴族や政敵達に分配されて殆ど戻ってこないんでキレてるしな。

ゲルマニア軍と市民が衝突したって話も耳にするし、貴族派の残党がゲリラ的に攻撃をしかけてるって話も聞いている。
昨日も元貴族派のメイジが見回りをしてたゲルマニア兵士を襲うって事件があったくらいだ。
治安はまだまだ悪いし、正直復興はあんま進んでねぇ。

まぁ例外も、あるっちゃある。
テファの領地とジョルノの領地だ。

ゲルマニアがジョルノにアルビオンの領地を褒美として与えた。
テファが貰った領地の近くだって話で、まだまだきな臭い話も耳に入る今のアルビオンの中じゃあ奇跡的に治安が良く復興も進んでいる。
聞くところによるとテファの父親縁の貴族だった奴らが代官を務めているってのと、組織の人間が裏で街や村の平和を守ってるらしい。
テファニア王女をお守りしてウェールズ陛下の下へお連れしたとか、ウェールズを暗殺から守ったとか王党派の首領クロムウェルを討ったとかで人気もあるし、金も撒いて人気取りもバッチリだ。
内乱中に彼等から搾り取ったお金で開いておいた銀行からアルビオンへの貸付もおいしいです、らしい。

テファはこの国の王女として仕事を少しずつ始めている。
足りない所はマチルダ姉さんとかがフォローしてるから評価もいいらしい。
ずっとジョルノと一緒に行動してたんで、アイツに置いてかれたのはちょっとショックだったようだが今は見た感じ大丈夫そうだ。

領地は突然現れた王女様を慕って人が集まり始めてるらしい。
治安もジョルノと同じ理由でいいんで今の所うまくいくんじゃねぇかなって雰囲気がある。

心配なのはジョルノもテファも味方も多いが潜在的な敵も多いってことだ。
愛人の子でハーフエルフって生まれは受け入れがたく、現状の不満を向ける矛先に挙げやすい。
今は他国へ向いているが、他国人で成り上がりの若造と仲が良すぎるってのも内心不満に思う奴がいるらしい。

それに…牛野郎が協力してるとこだな。全く尻尾は掴めてねぇがなんかこそこそしてやがる気がする。
ジョルノには悪いが、あの牛は案外腹黒だぜ。

マチルダ姉さんはテファを支えてやりながら時々ここに飲みに来る。
組織との関係とか、案外ストレスが溜まってるようだ。

苦労人同士最近ちょっとだけ親密になったような気がするぜ。

ん?
まさか…これがサイトが言ってたフラグって奴か?

俺がフラグの予感に首を捻ったその時だった。

「師匠、飯持ってきたぜ!」
「おお! メルシィー。ンン~~ッ」

狙ってたんじゃねーだろうなってタイミングでサイトが今日の夕飯を抱えてやってきた。
パーカーの上にマントを羽織った姿に相変わらず似合ってねぇなと笑いながら、俺は皿に盛られた料理を一口つまみ。

一口で唸り声をあげた。

「ト・レ・ビ・ア・ン、だぜ。サイト! 今日はどうしたんだ? いつもと比べてやけに…えーっと、お前が前に言ってたそうだ! メシマウ? ウマ?だぜ」
「へへっ、昨日こっちの飯があんまり美味くねーってラルカスに言ったろ。そしたらアイツ、ラ・ロシェールで働いてたコックを連れてきてくれたんだぜ」

得意げに言うサイトに俺は、おおーっと歓声をあげた。
ラルカス…!! 野郎ッ俺を美味い飯で買収しようって魂胆と見た!!

「この俺がそんな手に引っかかると思って「師匠…せめて手を止めてから言おうぜ」

飯はいただくが信用はしない。
両方やらなくっちゃならねぇのがツライとこだな。

「アンタ等、うるさいって言うのが聞こえないのかしら?」
「わ、悪かったって。そう怒るなよルイズ「様!」あーはいはいルイズサマすいません」

全く誠意の篭っていない謝罪をしながらサイトは持ってきた料理をテーブルに並べていく。
その言い方が癪に障ったのか、ルイズが亀の中に頭を突っ込んできた。

「何よその言い方! 私はね、公爵家の娘で聖女様なのよ!? 本当だったらアンタみたいな平民じゃ一生かかっても関わる事がないんだからね!」
「何だと!? お前が枢機卿とかに利「止めとけって、飯が不味くなる」
「「フンッ」」

俺が止めに入ると二人は同時にそっぽを向いた。
こうして見ると仲は最悪なような気がするんだが、二人とも素直じゃねぇんでよくわからん。

サイトは、シュヴァリエとかいう爵位を与えられ、聖女様付の護衛になった。

マリコルヌの使い魔じゃないかって?
詳しくはしらねぇが、竜を複数同時に操るサイトの使い魔としての能力を利用しようって言う連中の方が声がでかかったんだろうさ。

サイトがプッチ枢機卿から貰ったとか言うヴィンダールヴの能力はそれだけ強力だった。
…もしかして、サイトがこれだけ取り立てられたのも野郎が関係してるんじゃねぇのか?

DIOの友人だとか抜かす野郎が何を考えているのかわからねぇからって俺が過敏になってるのかもしれない……ただの思い付きだったが、そう考えると驚くほど納得がいった。
飯を食う手を止めて俺は考え込んだ。
だがその間に食器を並べ終えて飯を食い始めるサイトを見下ろして、…アホらしくなった俺は考えるのをやめた。

どっちにしろ今はなるようにしかならねぇ、とあっさり結論がでたからだった。

「そういやミキタカはどうした?」
「パッショーネの職人とかの前で地球の道具に変身してる。簡単な奴から再現しようとしてるらしいぜ。服とか農具とか本当に色々変身させられてるって話だ」
「そか」

素っ気無い俺の返事。
それと共に二人の間に奇妙な沈黙が訪れた。

「………………ミキタカに頼んでさ。テファ用のブラが出来たら見せてもらえるようにしようぜ」
「だな。ジャンにも手紙送っとくぞ」

トリスティン紳士たる彼なら新型の船に乗って一目散にやってきてくれるはず…そんな確信があった。

ジャン。
今はゲルマニアで研究をしている紳士仲間のことを思い出したポルナレフはしんみりとした口調で呟いた。

「ジャン・ジャックめ。無茶しやがって…」

ルイズにしたことが許せないサイトは、紳士的に聞き逃した。

 *

ポルナレフがしんみりとしている頃。
ジョルノはガリアへ向かう道の途中、立ち寄ったある大きな街の教会に足を運んでいた。
当初の予定ではただ通り過ぎるだけの予定だったその場所で最も良い貴賓室に通されたジョルノの目の前にはプッチ枢機卿が寛いでいた。
ルイズの母カリーヌの頼みにより、プッチとカリーヌを引き合わせる為連絡を取ったところプッチはすぐにココで落ち合おうと連絡を寄越したのだった。

カリーヌを別の部屋で待たせ、ジョルノへと友好的な笑みを浮かべるプッチにジョルノは問いかけた。

「プッチ、何故ルイズを聖女にした? 『テファをこのハルケギニアで帽子を被らずに暮らせるようにする』その為に今のブリミル教を改革していく予定だった。だがそれに聖女ルイズは必要ない」
「ジョジョ。だからこそだ」

プッチは幼い生徒を諭す教師のような顔つきで返事を返した。

「私は、結果だけを求めている」

そう言って腰掛けていたふかふかのクッションで覆われた椅子から立ち上がったプッチは、同じ真っ赤な椅子に座り自分を見上げるジョルノにはっきりと言った。

「時間は有限だし機会という物もある。過程や方法を選んでいると、そこにつけこまれ何時までも目的にたどり着けないだろうからな」

一瞬だけ苦々しい口調で吐き棄てたプッチの表情は、ブリミル教のシンボルマークの枠が嵌められた窓から差す光に照らされて肩書き通りの聖職者らしさを持っていた。
正しい道を模索する求道者のようだった。
挫折を味わった者…運命のような抗い難いものに今も苦しめられ続けている者のように見るものには見えただろう。
「そんな私だからこそ、いつかは結果にたどり着くだろう。そこまでして目指しているわけだからな。いいかジョジョ。もう一度言うが大事なのは結果なんだ」

徐々に熱を帯びる神父の表情を爽やかな笑み、しかし何処か怜悧なものを含んだ表情で見つめながらジョルノは話を聞いていた。

「私は君の父を神を愛するように愛していた。良く似ている君も同様に愛している。その君の目的を達成するのに十年や二十年かかっても達成できないような方法を選ばせるわけにはいかなかったのさ」
「なるほど。確かに貴方の言う事は、本当に大事な事だ」

噛み締めるように言うジョルノにプッチはうむ、と大きく頷き返した。

「わかってくれたようで嬉しい。知らせられなかったのは申し訳ないと思うが、まさか君があの場に居合わせるとは思ってもいなかったのだよ」

ジョルノはそこで、ふと気付いたかのように視線をあらぬ方向へとやった。その向けられた方向に何があるかに気付いたプッチは笑みを深くする。

「ああ、公爵夫人を余りお待たせするわけにはいかないな。会ってくるとしよう」
「頼みます。僕はこのままガリアへ向かわなければいけませんからね」

ジョルノに言われ、プッチは自信に満ちた態度で胸を叩いた。

「任せてくれたまえ。今度はこちらから連絡しよう。その時に良ければ私の計画を聞かせよう」
「それは楽しみですね」
「楽しくなるさ。まだ詳しくは言えないが、帰る為の手立ても見つかるかもしれない」

相槌を打つ年下の友人に思わせぶりに言って、プッチは共に部屋を後にした。

ジョルノはプッチが言った言葉、特に『帰る為の手立て』について考えながらプッチへ別れの言葉を言い、教会の外へと出て行った。
王族達やガリア内の組織の様子を見に行くというジョルノと笑顔で別れたプッチは、教会の中へと戻っていった。
ギシ、と微かに軋む廊下を進み、カリーヌが待つ部屋へと向かう内にプッチ枢機卿の表情からは笑みが消えていく。
赤く染め挙げられた扉の前に立ち、懐から手袋を取り出したプッチは指にぴったりとフィットするそれを嵌めてから扉を開けた。

ジョルノと会っていた部屋よりは落ちるが、大事な客を持て成す為の部屋には毛足の長い絨毯が敷かれ、その上にカリーヌが膝を突いてプッチ枢機卿を迎えようとしていた。
トリスティン有数の大貴族が頭を垂れて迎えるのを見ても、プッチ枢機卿は何の感慨もなく細めた目で見つめゆっくりと部屋に入っていった。

ゆっくりと入っていきながらプッチは今目の前にいるカリーヌが遍在であるか否かを見定めようとした。
だが、枢機卿に会うに当たって武器を持つのは不敬だと言う理由から杖は持っていないが、カリーヌが本体かどうかプッチには見当がつかなかった。


扉が閉まる。

「お待たせしてしまったようですな」
「拝謁の機会を下さり感謝いたします。プッチ枢機卿閣下」
「楽にしてください。感謝はネアポリス伯爵様にされるとよい。私も彼からの申し出でなければ貴方とは会わなかった」

面を上げたカリーヌ、はプッチ枢機卿の物言いに返事が一拍遅れた。
服だけでなく、肌も黒いこの枢機卿の表情には、友好的な色が全く見受けられなかった。
相手がたとえロマリアの枢機卿であろうとも、いやだからこそトリスティンでも五本の指に入る大貴族であるヴァリエール公爵家のカリーヌ。
彼等が今現在祭り上げている聖女ルイズの母であるカリーヌに向けるには、余りに配慮に欠けていた。
敵だとでも言わんばかりだと感じたカリーヌに向けて、プッチは薄く微笑んだ。

「用件はわかっておるつもりです。なんでも聖女ルイズのことでご相談があるとか」
「はい。あの子は」
「ちょっと待ってください。まだ私の話は終わっていない」
「申し訳ありません…はしたない真似をいたしました」
「いえ、娘を思う貴方の事と思えば、当然と言えましょう。それで聖女ルイズのことですが…あの娘には既存のブリミル教の教義を否定して分裂させる役目が終わるまでは利用させてもらう」
「…!?」
「そのまま"楽にして"聞きたまえ。あえて言っておくが今私に毛筋でも傷を付けたなら、教皇聖下が直々にヴァリエール家を破門するぞ」

一瞬のうちにブーツの中に仕込んだ小型の杖を引き抜いたカリーヌの手が、その言葉で止まった。悔しげに眉根を寄せるカリーヌをプッチは鼻で笑う。

「何故ルイズを…閣下の目的がそれならば、虚無が使えるにしても、あの子では役者不足ではありませんか!?」
「友人の頼みと私の目的を一致させた結果の人選だ。公爵夫人、私は、使い魔としてハルケギニアに召喚された平民なのだ。その腹いせにブリミルが残したものを壊したり君達を苦しめようというわけだ」

始祖ブリミル…その王家の血はヴァリエール家にも流れている。
プッチ枢機卿が使い魔でしかも平民であるということや、今の教義を変えようとしている友人がいるという話も十分カリーヌにとっては驚くに値する事だったが、カリーヌはそれを押さえ込みプッチに言う。

「つ、使い魔にされかけたというお怒りは最もだと思います。ですが! それは聊か度が過ぎているのではありませんか?」

平民がメイジの使い魔になれば、それはある意味では幸運ではないとさえカリーヌの、トリスティン貴族の常識は感じていたが、相手に合わせて彼女はそう語りかけた。
だが、その言葉にプッチ枢機卿の表情はカリーヌの譲歩に険しくなる。
怒りが表情を歪め皺となって顔に走り、細められた眼が暴力的な光を放ちながらカリーヌを睨みつけた。

「度が過ぎているだと? いいか!!」

どうしようもない愚者を糾弾しているかのような自分に酔った、鋭い声がプッチから発せられた。

「六千年かけてろくすっぽ進歩しない怠惰な猿以下の原住民が、主がお生まれになって二千年足らずで既に月に足跡を残した私達を誘拐し、肉体と精神を汚したのだぞ!?」

叫ぶプッチの言葉に含まれた差別的な感情に嫌悪するカリーヌへと禍々しい笑みが向けられる。

「寧ろ君の娘の件に関しては言えば魔法が使えるようにしていただいてありがとうございます、と感謝されるべきじゃあないか?」
「イカれてる…」

呆然とするカリーヌをプッチは蔑みを込めて嘲笑った。

怒りに顔を赤く染め、感情の迸りを魔力のオーラとして身に纏いながら、だがあくまでも怒りなど欠片も仕草や声に出さずにカリーヌは言う。

「…それならば、どうして貴方を召喚したメイジだけに」
「既にそれは済ませた。だが『DIO』の息子までがそんな目にあったと知った。これは最早個人を超越している問題だ。憎むべきは個人ではなく付け上がったメイジ共の慣習!」

迷うことなくプッチは言う。
それを聞いて、怒りと養豚場の豚でも見下ろすような不遜な態度が見られる目の前に男と交渉し、娘の安全を確保するなどと考えた自分をカリーヌは恥じ入った。
この男とは、どうやっても手を取り合うことなど出来ない。
そう実感していた。

「そして何より…私達を誘拐せずにいられない貴様らの呪われた血統だと私は理解した。完全な虚無など復活させん。してもどーでもいい代物にまで私が引き摺り下ろしてやる」

言いたいことを言って少しは溜飲が下がったのか、怒りを納めてプッチは部屋を去ろうとする。
交渉は入るまでもなく消滅していたし、プッチは無駄な時間をここで過ごそうとは思わなかった。

扉を開けて、プッチは肝心なことを忘れていたと愉しげな表情を浮かべて振り向いた。

「ん、そうだ。公爵夫人、ギアスという禁呪を知っているかね? 私が死ねばそれによってトリスティンは勝ち目の無い戦争状態に入るだろう。貴様は娘が何事もなく役目を終えられるように静かにしているのだな」

トリスティンで最強と呼ばれたメイジへこれ以上ない釘を刺して、プッチは部屋を出て行く。
部屋を出たプッチは、彼の用が済むのを飼い犬のように待っていた枢機卿の旅に同行する神官達と合流し、一人に嵌めていた手袋を棄てるよう言いつけて出立した。

残されたカリーヌは、一方的に姿を見せたどす黒い悪に生まれて初めて足元が崩れるような感覚を味合わされていた。

ギアス『制約』。大昔に使用が禁じられた心を操る水系統の呪文。
かけられた者は、任意の条件を、時間や場所などの条件を満たした時に、詠唱者が望む行動をとる。
発動するまでは、呪文にかかっているのかどうかは見破れずかかっている本人も気付かない。

しかもそれをかけられたのは他国の貴族や聖職者であり、かけたのは枢機卿の地位にいる者。
見つけるのは、かけられた可能性のある者達の地位を考えれば見つけようとすることさえも容易ではない。

だがこのままプッチ枢機卿の思惑に乗り続ける事も出来ようはずもない。

今はまだおぼつかない足取りで、カリーヌは動き出した。

To Be Continued...

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