ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの番鳥-7

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絶対に起こらないはずの鳴き声が広場に響いた

「キョオオ―――z______ン!!!」
「何ぃ!?!」

慌てて振り向くとそこには不敵な顔でこちらを見るペットショップの姿が。
よく見ると何処にも傷らしい傷は無い、ワルキューレに痛く殴られ、ギーシュの魔法が直撃したはずなのに無傷である。
どうやって防いだのか?疑問だらけのギーシュの目にキラリと光る物が映った。
「それは氷か!?それでワルキューレと僕の攻撃を防いだのか!?」
疑問に対する解を見つけたギーシュ。だが、彼はそれでも信じられなかった。
(あの一瞬で!ワルキューレの拳や『石礫』が当たる寸前に!攻撃を防げるだけの氷を張ったと言うのか!?)
荒唐無稽すぎる事実に脳の処理が追い着かず。一時的に錯乱。
遠目からでもはっきり分かる程うろたえているギーシュに、ペットショップは何も言わない――――いや。
ギーシュは見た!そして更に狂気の渦に引き込まれる事となった。
(わ、笑ってる!?)
ギーシュの目にはペットショップの嘴が歪んで、笑みの形を作ったように見えた
獲物をどれだけ残酷にいたぶる事だけを考えてるかのような禍禍しい笑み。
今のペットショップに比べれば、どんな魔獣を見ても可愛いと思えるだろう。

「ワルキューレェェェェ!!!!」

完全に余裕が無くなったギーシュは全てのワルキューレに槍や剣などの武器を持たせて突撃させる。
ギーシュ自身は杖を掲げて石礫を放つ準備を整える。
「来るなら来い!!!」


恐怖を静め勇気を鼓舞するために叫ぶギーシュ。痩せても枯れても武門で知られるグラモン家の一員だけはある。
ワルキューレの集団がペットショップに殺到する様を、ギーシュは血走った目で見つめていた。


私は青銅の騎士の行動を注意深く観察するべく地面に立ったまま動かなかった。まあ、腹が空いてたから動きたくないのもあったが
そして理解した。あの男はマスターの盾となる下僕の基準を満たしている事を。
攻撃力・・・・・合格レベル。急造とは言えども、私の氷の盾を素手で砕くとは中々だ。
防御力・・・・・これも合格。間接部は脆いだろうが、手加減したと言えどもまともにぶち当たっても少々凹んだだけなのには驚いた。
問題は素早さ・・・・・あまりにも遅すぎる。しかし、これは数を増やせば解消できる問題だろう。
一番重要な所だが、命を持たぬ人形故に、術者の命令には絶対服従する点。
それに、あの男自身もある程度の戦闘能力を持っているのが良い。

「来るなら来い!!!」

下僕となるべき男が何かを言っている。
あの青銅の女騎士全てが私に向かって突撃してくる、どうやら本気になったようだな
私もマスターの事が心配だ、蹴りをつけて早く帰らないと。

―――――終わらせるとしようか

「キョオオ―――z______!!!」
私は一鳴きすると、手近な一体の人形に向かって突進した。

「キョオオ―――z______!!!」
ゴガッ!
ペットショップが動いたと同時に、一体のワルキューレが空中に飛んだ。
観客の生徒達の目には不可解な現象として映っただろう、が。
極限まで集中しているギーシュの目には真実が映った!
(体当たりでワルキューレを跳ね上げた!?そんなバカな!)
子供にも劣るような図体をしながら!体当たりだけで!青銅で構成された人間大の人形を上空にカチ上げる!常識を超越した行動。
だが、それは圧倒的な暴虐への序章に過ぎない、ペットショップの周りに突如冷気が集まり―――――氷の弾丸が発射された!
それは朝、ルイズの部屋の前でキュルケとタバサにやった事を彷彿させる。だが、量と速度と強度が桁違いすぎる!
氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱、氷柱!!!!
マシンガンの掃射を超える勢いで発射されるそれは、もはや番鳥の猛攻と言うべき恐るべき行為!!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッッッッッッッッ!!!!!!!!
空中に吹っ飛ばされて、回避も防御も間々ならないワルキューレは全弾をまともにくらう!
一瞬で青銅の女騎士が部品となり!破片となり!塵となる!

「!?」
絶句するギーシュ、あまりに非常識な出来事に頭が真っ白!一時的に心神喪失状態になる。
だがそれは致命的な隙!

「グガガガガガガ!!」

鳴き声を聞いて我を取り戻した時には遅かった。
目の前には何時の間にか至近距離まで接近していたペットショップの姿!
「うわぁっ!!!」
慌てて杖を振ろうとするギーシュ!だが!それよりも先にペットショップは!
足を!ギーシュの! 目の中に…………突っ込んだ!

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