朝食を終えたルイズと康一は、授業が行われる教室へと向かっていた。
今後、どうやったらルイズと衝突せずに生活できるか、などと考えている康一。
ちびの癖に生意気な犬をどうやって躾けようかしら、などと考えているルイズ。
二人とも無言で、今後についてのことを一生懸命考えていた。
今後、どうやったらルイズと衝突せずに生活できるか、などと考えている康一。
ちびの癖に生意気な犬をどうやって躾けようかしら、などと考えているルイズ。
二人とも無言で、今後についてのことを一生懸命考えていた。
そんな二人の前に、一人の色気を放っている赤い髪のナイスボディな女性と、真っ赤な巨大トカゲが現れる。
思案に暮れていた康一は、目の前に現れた魔物とおっぱい星人に気づいておらず、
おっぱい星人の使い魔である、真っ赤な巨大トカゲと思い切りぶつかった。
思案に暮れていた康一は、目の前に現れた魔物とおっぱい星人に気づいておらず、
おっぱい星人の使い魔である、真っ赤な巨大トカゲと思い切りぶつかった。
「うわっ!?」
尻餅をつき、顔とお尻をさすりながら前を見ると、のっそりとした巨大トカゲが康一をジーッと見ていた。
「うわぁぁあああああっ!?」
その姿に思わず驚き、康一は半身起こしただけの状態で後ずさりする。
「あら、大丈夫? おチビちゃん」
「ちょっとキュルケ! 私の使い魔に何するのよ!」
「あら、余所見をしていたのは貴方の使い魔でしょ」
「ちょっとキュルケ! 私の使い魔に何するのよ!」
「あら、余所見をしていたのは貴方の使い魔でしょ」
そう言って、キュルケと呼ばれた女性はせせら笑う。
康一は床に手をつきながら立ち上がり、ペコリと頭を下げて謝った。
康一は床に手をつきながら立ち上がり、ペコリと頭を下げて謝った。
「す、すみません、考え事をしていたもので……」
素直に謝る康一を見て、ルイズは不機嫌そうな顔をする。
「ちょっと! こんな奴に謝らなくてもいいの!」
「僕が余所見してたんだから、悪いのは僕だし、ちゃんと謝らなくちゃいけないよ」
「僕が余所見してたんだから、悪いのは僕だし、ちゃんと謝らなくちゃいけないよ」
そんなやり取りを見ながら、キュルケはニヤニヤと笑いながら康一を見ている。
「それにしても、平民を使い魔にするなんて、貴方らしいわ。さすがはゼロのルイズ」
「うるさいわね」
「うるさいわね」
とっとと目の前から消えろと言った感じの表情で、ルイズはキュルケを睨みつける。
「ところでそっちのおチビちゃんは、誰かさんと違って随分と礼儀正しいみたいね。一瞬、どっちが使い魔なのか分からなかったわ」
立て続けに嫌味を言うキュルケに、ルイズは康一を指差しながら怒鳴った。
「こいつのどこが礼儀正しいのよ!」
「少なくとも貴方よりは品性があるわね」
「ど・こ・が! 目が腐ってるんじゃないの!?」
「あらあら、品性のかけらもない言葉遣いね、ヴァリエール」
「少なくとも貴方よりは品性があるわね」
「ど・こ・が! 目が腐ってるんじゃないの!?」
「あらあら、品性のかけらもない言葉遣いね、ヴァリエール」
余裕のある笑みを浮かべるキュルケと対照的に、ギリギリと歯軋りさせながら怒りの形相を浮かべるルイズ。
少なくとも、彼女達は礼儀正しくないよなぁ、などと思いながらルイズ達を見ている康一。
少なくとも、彼女達は礼儀正しくないよなぁ、などと思いながらルイズ達を見ている康一。
「何か用でもあるわけ!? 用がないなら鬱陶しいから早く私の視界から消えて」
「あら、用ならあるわよ。あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「あら、用ならあるわよ。あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
そう言って、巨大トカゲの頭を撫でるキュルケ。
「えーと、その大きなトカゲがキュルケさんの使い魔って奴ですか?」
康一は物珍しそうに、キュルケの隣でのっそりとしている巨大トカゲを見て言った。
「そう、素敵でしょ。火トカゲよー。見て? この尻尾。
ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ?ブランドものよー」
ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ?ブランドものよー」
康一は、あんなにそばにいて熱くないのかなぁ、などと思いながらサラマンダーに近づいた。
「凄いなぁ~、こんな生き物見たことないよぉ~。 カッコいいなぁ~」
「そうでしょ? 貴方、見る目があるわ。誰かさんと違って」
「そうでしょ? 貴方、見る目があるわ。誰かさんと違って」
康一は、サラマンダーを触ったり撫でたりして、目を輝かせている。
自分の使い魔を称えられているキュルケも、気分よさそうに康一に色々とサラマンダーについての説明をしていた。
和気あいあいとした雰囲気の中、一人だけ暗黒の空気に包まれている者がいた。
他でもない、ルイズである。
目を逆三角形にしながら、康一の背中を引っつかんで自分のそばに引き寄せる。
自分の使い魔を称えられているキュルケも、気分よさそうに康一に色々とサラマンダーについての説明をしていた。
和気あいあいとした雰囲気の中、一人だけ暗黒の空気に包まれている者がいた。
他でもない、ルイズである。
目を逆三角形にしながら、康一の背中を引っつかんで自分のそばに引き寄せる。
「何楽しそうにおしゃべりしてんのよ! あんたは私の使い魔でしょ!」
「あら、私の使い魔になりたがってるんじゃないかしら? あなたと違って、魅力があるしね」
「あら、私の使い魔になりたがってるんじゃないかしら? あなたと違って、魅力があるしね」
そう言われて、キッと康一を睨みつけるルイズ。
康一は、必死に顔を横に振って否定の意を表す。
「ハイ、そーです」なんて肯定したら、殺されそうな勢いだった。
康一は、必死に顔を横に振って否定の意を表す。
「ハイ、そーです」なんて肯定したら、殺されそうな勢いだった。
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったわね」
「あ、広瀬康一です」
「ヒロセコーイチ? ヘンな名前ね。ま、覚えておいてあげるわ」
「あ、広瀬康一です」
「ヒロセコーイチ? ヘンな名前ね。ま、覚えておいてあげるわ」
そう言うと、炎のような赤髪をかきあげ、颯爽とキュルケは去っていった。
大柄な体に似合わない可愛い動きで、サラマンダーがその後を追う。
大柄な体に似合わない可愛い動きで、サラマンダーがその後を追う。
「くやしー! ただ自慢しにきただけじゃない! 火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって!」
「ま、まぁまぁ……」
「ま、まぁまぁ……」
ルイズは、自分をなだめようとしてくる康一を睨みつける。
「うるさいわね! 今日は晩御飯もヌキッ!」
「えぇ~ッ! 何でェー――ッ!?」
「ご主人様をそっちのけにして、他人と仲良くした罰よ! なによ、私にはあんな顔しない癖に!!」
「えぇ~ッ! 何でェー――ッ!?」
「ご主人様をそっちのけにして、他人と仲良くした罰よ! なによ、私にはあんな顔しない癖に!!」
そりゃ、キミがワガママ言うからだよ、などとは口が裂けても言えない康一。
これ以上刺激したら、もっと空気が悪くなりそうだ。
これ以上刺激したら、もっと空気が悪くなりそうだ。
「行くわよ! フンッ!!」
ドッカドッカと、品性のかけらも無い歩き方で教室へ向かう。
康一は、どっと疲れたような足どりで、肩を落としながらルイズの後を追った。
康一は、どっと疲れたような足どりで、肩を落としながらルイズの後を追った。
重い空気の中、やっとのことで教室につく。
康一とルイズが中に入っていくと、先に教室にやってきていた生徒達が一斉に振り向いた。
そして、康一とルイズの姿を見るなり、クスクスと笑い始める。
そんな生徒達を無視して、康一は辺りをキョロキョロと見回す。
教室は、大学の講義室のようだった。 ちょうど、教室の真ん中くらいの所には先ほどのキュルケもいた。
周りには、数人の男が取り囲んでいる。どうやら相当モテるらしい。
康一とルイズが中に入っていくと、先に教室にやってきていた生徒達が一斉に振り向いた。
そして、康一とルイズの姿を見るなり、クスクスと笑い始める。
そんな生徒達を無視して、康一は辺りをキョロキョロと見回す。
教室は、大学の講義室のようだった。 ちょうど、教室の真ん中くらいの所には先ほどのキュルケもいた。
周りには、数人の男が取り囲んでいる。どうやら相当モテるらしい。
よく見ると、皆、様々な使い魔を連れていた。
キュルケのサラマンダーをはじめ、フクロウや、巨大な蛇や、よく分からない謎の生物も沢山いた。
キュルケのサラマンダーをはじめ、フクロウや、巨大な蛇や、よく分からない謎の生物も沢山いた。
「へぇ~、色んな使い魔がいるなぁ~」
「あんたも使い魔でしょ。まったく、少しは自覚しなさいよ」
「あんたも使い魔でしょ。まったく、少しは自覚しなさいよ」
ルイズは不機嫌そうな声で答え、席の一つに腰をかけた。
康一も隣の席に座る。ルイズが康一の横っ腹を肘で小突いた。
康一も隣の席に座る。ルイズが康一の横っ腹を肘で小突いた。
「イテッ! こ、今度はなに?」
「ここはね、メイジの席。使い魔のアンタは床」
「ここはね、メイジの席。使い魔のアンタは床」
康一は、ムッとしながらも、床に座った。
机が目の前にあって窮屈だったが、康一は我慢する。
そうこうしている内に、扉が開いて、先生が入ってきた。
紫色のローブに身を包んだ彼女は、教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。
机が目の前にあって窮屈だったが、康一は我慢する。
そうこうしている内に、扉が開いて、先生が入ってきた。
紫色のローブに身を包んだ彼女は、教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。
「皆さん、春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。
このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
ルイズは俯いた。
「おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズが、康一を見てとぼけた声で言うと、教室中がどっと笑いに包まれた。
「ゼロのルイズ! 召喚できないからって、その辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」
キュルケの件もあって、かなり不機嫌だったルイズは、机をバンッ叩いて大きな声で怒鳴りつける。
「違うわ! きちんと召喚したもの! こいつが来ちゃっただけよ!」
「嘘つくな! 『サモン・サーヴァント』ができ……ッ! ッ!!」
「嘘つくな! 『サモン・サーヴァント』ができ……ッ! ッ!!」
突然、ルイズをバカにしていた男が、一言も喋れなくなる。
周りで笑っていた生徒は、突然喋らなくなった男を不思議そうに見ていた。
周りで笑っていた生徒は、突然喋らなくなった男を不思議そうに見ていた。
「フン! 言いたいことがあるなら最後まで言ってみなさいよ、かぜっぴきのマリコルヌ!」
マリコルヌと言われたその男は、反論しようとしたが、声が出なかった。
否、出ないというよりは、防音室にいる時のように、声が全く響かなかった。いくら喋っても、声が届かない。
否、出ないというよりは、防音室にいる時のように、声が全く響かなかった。いくら喋っても、声が届かない。
「みっともない口論はおやめなさい。授業を始めますよ」
シュヴルーズは、こほんと重々しく咳をすると、杖を振った。机の上に、石ころがいくつか現れた。
「私の二つ名は『赤土』。 赤土のシュヴルーズです。『土』系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します」
授業は淡々と進んでいき、康一はその光景をボーっと見ていた。
『火』、『水』、『土』、『風』の四つの魔法があるだとか、『土』系統の魔法は重要だとか、そんな話だった。
『火』、『水』、『土』、『風』の四つの魔法があるだとか、『土』系統の魔法は重要だとか、そんな話だった。
「今から皆さんには、『土』系の魔法の基本である、『錬金』の魔法を覚えてもらいます」
シュヴルーズの話を聞いていた康一の横から、ルイズが話しかけてくる。
「ねえ」
「なに~? 今、先生が何かやってるみたいだよ。ちゃんと見なくていいの?」
「そんなことはいいの。あんた、さっき『何か』した?」
「『何か』って?」
「だから……さっき、マリコルヌがいきなり喋らなくなったでしょ?」
「なに~? 今、先生が何かやってるみたいだよ。ちゃんと見なくていいの?」
「そんなことはいいの。あんた、さっき『何か』した?」
「『何か』って?」
「だから……さっき、マリコルヌがいきなり喋らなくなったでしょ?」
康一は、「ああ、あれね」と言った表情でルイズを見た。
「そうだね。何でだろうねぇ~。でもま、静かになって良かったんじゃない?」
「……そうね。ま、いいわ。良く考えたらあんたが何か出来るわけないし」
「……そうね。ま、いいわ。良く考えたらあんたが何か出来るわけないし」
そう言って、ルイズは再び授業に参加した。
康一はエコーズで、マリコルヌに張り付いていた『シーン』という文字を密かに回収し、
誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。
康一はエコーズで、マリコルヌに張り付いていた『シーン』という文字を密かに回収し、
誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。
「いくらワガママでも、自分の主人をバカにされるのは、気分が良くないからね……」
「……今、何か言った?」
「何も~?」
「……今、何か言った?」
「何も~?」
康一はとぼけたような声で言った。
ルイズが、康一を怪訝な目で見つめていると、シュヴルーズに声をかけられる。
ルイズが、康一を怪訝な目で見つめていると、シュヴルーズに声をかけられる。
「ミス・ヴァリエール」
「え……? は、はい!」
「今日はあなたにやってもらうわ。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
「え? わたし?」
「え……? は、はい!」
「今日はあなたにやってもらうわ。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
「え? わたし?」
ルイズは立ち上がらずに、困ったようにもじもじとしている。
その様子を見て、頭に?マークを浮かべながら康一は質問する。
その様子を見て、頭に?マークを浮かべながら康一は質問する。
「……行かないの?」
「……」
「……」
ルイズは康一の質問を無視し、困った顔をしているだけだった。
なかなか立ち上がらないルイズに、シュヴルーズは再び声をかける。
なかなか立ち上がらないルイズに、シュヴルーズは再び声をかける。
「ミス・ヴァリエール! どうしたのですか? 早く立ち上がってこちらに来なさい」
しかし、それでもルイズは立ち上がらない。
「ねえ、行かなくていいの?」
その様子を見ていたキュルケが、困ったような声で言った。
「止めた方がいいと思いますけど……」
「どうしてですか?」
「危険です」
「どうしてですか?」
「危険です」
キュルケがきっぱりと言うと、教室のほとんど全員が頷いた。
「危険? どうしてですか?」
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。でも、彼女が努力家ということは聞いています」
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。でも、彼女が努力家ということは聞いています」
そういう風には見えないけどなぁ、などと思いながら康一はルイズを見る。
「さぁ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい。失敗を恐れていては何も出来ませんよ?」
「ルイズ。やめて」
「ルイズ。やめて」
キュルケが蒼白な顔で言った。
しかし、ルイズは立ち上がった。
しかし、ルイズは立ち上がった。
「やります」
そして、緊張した顔で、つかつかと教室の前へと歩いていった。
せめて声援は送ろうと思った康一が、ルイズに向かって言う。
せめて声援は送ろうと思った康一が、ルイズに向かって言う。
「頑張ってねー!」
しかし、周りの生徒たちは「余計なことを言うな」という顔をしている。
皆、何であんなにおびえた表情をしているのかなぁ? と康一は思った。
皆、何であんなにおびえた表情をしているのかなぁ? と康一は思った。
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
こくりと頷き、ルイズが手に持った杖を振り上げた。
唇をへの字に曲げ、真剣な顔で呪文を唱えようとする。
すると、他の生徒たちが一斉に椅子や机の下に隠れた。
何で皆、机の下に隠れてるんだろう? と康一が思った瞬間――。
唇をへの字に曲げ、真剣な顔で呪文を唱えようとする。
すると、他の生徒たちが一斉に椅子や机の下に隠れた。
何で皆、机の下に隠れてるんだろう? と康一が思った瞬間――。
ドグォンッ!
――大きな音を立てて、机と石ころが爆発した。
爆風をモロに受け、ルイズとシュヴルーズ先生は黒板に叩きつけられた。
「うわあああああっ! な、な、何事!? まさか敵スタンドッ!?」
大きな爆発によって、康一は半ば混乱しながら、ACT2を出して辺りを見回した。
過去に、敵を爆破するスタンドに襲われた康一は、汗をダラダラと流しながら、攻撃に備えている。
もっとも、爆発を引き起こしたのはルイズなので、敵スタンドなど存在はしない。
過去に、敵を爆破するスタンドに襲われた康一は、汗をダラダラと流しながら、攻撃に備えている。
もっとも、爆発を引き起こしたのはルイズなので、敵スタンドなど存在はしない。
そうこうしてる内に、驚いた使い魔たちがあっちこっちで暴れていた。
キュルケのサラマンダーがいきなり叩き起こされたことに腹を立て、炎を口から吐いた。
その炎で、マリコルヌが黒焦げになった。
マンティコアが飛び上がり、窓ガラスを叩き割り、外に飛び出していった。
割れた窓ガラスのシャワーがマリコルヌに全部突き刺さった。
キュルケのサラマンダーがいきなり叩き起こされたことに腹を立て、炎を口から吐いた。
その炎で、マリコルヌが黒焦げになった。
マンティコアが飛び上がり、窓ガラスを叩き割り、外に飛び出していった。
割れた窓ガラスのシャワーがマリコルヌに全部突き刺さった。
「うわあああッ! そ、そこにいるのかッ!?」
窓ガラスの音に反応し、康一がACT2の音攻撃をする。
バゴーンという文字は、不幸にもマリコルヌに命中した。
口から血ベトを吐いて、痙攣するマリコルヌ。
駄目押しと言わんばかりに、割れた窓の隙間から入ってきた大蛇が、マリコルヌを飲み込んだ。
バゴーンという文字は、不幸にもマリコルヌに命中した。
口から血ベトを吐いて、痙攣するマリコルヌ。
駄目押しと言わんばかりに、割れた窓の隙間から入ってきた大蛇が、マリコルヌを飲み込んだ。
教室が阿鼻叫喚の大騒ぎになる。教室の隅では、丸飲みにされたマリコルヌの救出活動が行われていた。
「だから言ったのよ! あいつにやらせるなって!」
「ええい! ヴァリエールなんて退学になればいいんだ!」
「マリコルヌーッ! しっかりしろーッ! 食われちゃいかーんッ!!」
「ええい! ヴァリエールなんて退学になればいいんだ!」
「マリコルヌーッ! しっかりしろーッ! 食われちゃいかーんッ!!」
康一は呆然としていた。
誰かの攻撃かと思っていたが、生徒全員が口を揃えてルイズの文句を言っている。
つまり、さっきの爆発はルイズの仕業である可能性が高い。
至近距離で爆発に巻き込まれたシュヴルーズ先生は、ピクピクと痙攣している。
何やらうわ言で「ビ・チ・グ・ソ・が……」と言っているような気がしたが、康一は聞かなかったことにした。
誰かの攻撃かと思っていたが、生徒全員が口を揃えてルイズの文句を言っている。
つまり、さっきの爆発はルイズの仕業である可能性が高い。
至近距離で爆発に巻き込まれたシュヴルーズ先生は、ピクピクと痙攣している。
何やらうわ言で「ビ・チ・グ・ソ・が……」と言っているような気がしたが、康一は聞かなかったことにした。
一方、爆発を引き起こした張本人であるルイズは、煤で真っ黒になっていた。
ハンカチを取り出して、顔についた煤を拭うと、淡々とした声で言った。
ハンカチを取り出して、顔についた煤を拭うと、淡々とした声で言った。
「ちょっと失敗みたいね」
当然、他の生徒達からは猛然と反撃を食らう。
「ちょっとじゃないだろ! ゼロのルイズ!」
「そうだ! お前のせいで、マリコルヌが…マリコルヌがなぁ……!」
「いや、マリコルヌは生きてるぞ」
「そうだ! お前のせいで、マリコルヌが…マリコルヌがなぁ……!」
「いや、マリコルヌは生きてるぞ」
康一は、何でルイズが『ゼロのルイズ』と呼ばれて、バカにされてるのか理解した。
シュヴルーズ先生――この後、治療を施された。
マリコルヌ――再起不能。
マリコルヌ――再起不能。
To Be Continued →