ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

『鉄塔』の使い魔@最終塔

最終更新:

familiar_spirit

- view
だれでも歓迎! 編集
ズキュウウウウウウウウウウウウウウウン
鉄塔から凝縮された破壊のエネルギーが発射される。
圧倒的なエネルギーの奔流は渦を巻きフーケとそのゴーレムに襲い掛かる
「ひっ・・・」

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!

先ほどとまったく同じ爆発がフーケを包み込む。
「アラヤダーーーーーーーー!!!!」
ゴーレムは粉々に消し飛びフーケはきれいに吹っ飛んで星になった。キランという効果音つきで。

「あなたの敗因はただ一つ・・・あなたは私を侮辱した」

ビシ、とポーズを決めルイズは空を見上げる。
屋根は完全に崩壊し空に浮かぶ二つの月が煌々と辺りを照らす。
月の光を浴びる錆びた鉄塔はちょっとした絵画のようだった。

「ふ・・・ふふ・・・なんか悪くないわね、こいつ」

フーケを撃退したルイズはいたくこの鉄塔を気に入った。
そうだとも、閉じ込められて最悪の気分だったがこの鉄塔は悪くない、悪くないのだ。
破壊の杖の魔法すらはね返すこいつはある意味最強の盾だ。どんな外敵も恐れる必要はない。
床を整備すれば二階にも住めるようになるだろう。貴族の住処としては、まぁ及第点だ。
ご飯は・・・給仕に運んでもらえばいいか・・・いやそれ以前にまずトイレを・・・
ルイズの妄想が加速し思考が一巡しようとしたとき、

ヴォン ヴォン ヴォン    カッ!

「きゃっ!」
まばゆい光が辺りを包み込んだ。その光が消えるとそこには、
「・・・あれ?」
鉄塔は消えうせ足元には一枚の円盤が落ちていた。

次の日学園は大騒ぎになった。
当然だろう、あの土くれのフーケをやすやすと学内に侵入さえあまつさえ宝物庫を叩き壊されたのだから。
だがそれは一人の英雄によって阻止された。言わずもがな彼女、ルイズ・フランソワーズ~中略~ヴァリエールの手によって。
フーケは近くの森で上半身が地面に刺さった状態で衛兵に発見された。
あの爆発でよく生き残れたものだとルイズは感心した。ギャグって素敵ね。

「ミス・ヴァリエール、良くぞフーケより破壊の杖を死守してくれた」
「いえ、オールド・オスマン。残念ですが破壊の杖は・・・」

破壊の杖はフーケのゴーレムと一緒に消し飛んでしまった。
当然と言えば当然だろう。フーケが生きていることのほうが奇跡なのだから。

「よいよい。フーケに杖を盗まれなかった、このことが重要なのじゃ。貴族の面子と宝物庫の宝一つ。
 どっちが重要かは火を見るより明らかじゃ」
「ミス・ヴァリエール、あなたには精錬勲章の申請を行うことにしました。あ、もちろん
 使い魔の再召喚もすぐに行えるように手配しています。建物が直るまでもう少し待ってください」
「・・・・・・・・・・・・・」

そうだ。彼女の召喚した使い魔はあれ以来消えてなくなった、銀色の円盤を残して。

「ちょっと! ちょっとあんたどこいったの?答えなさいよ! ねえ!」
「ご主人様に黙って消えちゃうなんて許されると思ってるの? 使い魔のくせに!」

しかしその呼びかけに答えが返ってくることはなかった。
最初から最後まで鉄塔は無言を貫き通し、そしてクールに去っていった。

「はぁ・・・・・・」

それゆえに彼女は精錬勲章の話を聞いてもあまり嬉しくなかった。
無論一生鳥籠の中よりは絶対今の状況がましなのは事実だが。
あーあ、せっかくあいつとなんとかやっていけそうになるかなと思ったのにな。
ルイズはひとりごちた。

銀色の円盤の正体はは結局何なのかわからなかった。それは光に当てると虹色の輝きを発する不思議な円盤だった。
円盤の裏にはなにやら文字が書き込まれてあったがトリスティンで使われている文字でないらしく、読むことは出来なかった。
ガラクタ好きのミスタ・コルベールは早速目をつけこの円盤が何なのかを研究に取り掛かった。
しかし、彼の知識をもってしてもこの円盤がなんなのかをついに解明することはできなかった。

「いやいや、解明できなかったとは失礼じゃぞい。確かにこの円盤の正体はわからなかったが裏側に書いてあった
 文字はほれ、解読できたぞ」

「! なんと書いてあるのですか?」

「うむ、この文字はトリスティンはおろか、ゲルマニア、アルビオン、どの国の言葉でもない。
 しかし東方から伝えられたと言う書物に同じ文字が使われておった。
 この左側の五文字は「SUPER」、右側の三文字は「FLY」と読むらしいのじゃ」

「SUPER・・・FLY・・・スーパーフライ?」

「うむ、書物どおりに読み解くと『素晴らしき大空』という意味らしい」

「素晴らしき・・・大空ですか」

それがあんたの名前なの?
その問いかけには無論、円盤は答えなかった。

結局円盤は破壊の杖の代わりに宝物庫に収められる事になった。
トリスティン魔法学園を救った英雄の使い魔、そのなれの果てとして。

2ヵ月後

「それではミス・ヴァリエール前へ」
「はい」

待ちに待った再召喚の儀式の日。
私の心は嫌が応にも高まった。
今度こそちゃんとした使い魔を。あいつなんかより愛想がよくて働いてくれて・・・そしてクールでかっこいい使い魔を!



「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ… 神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ
私は心より求め、訴えるわ 我が導きに…答えなさいッ!!」






・・・・この後彼女はトリスティン魔法学園の地下一円に広がる大迷宮を呼び出してしまうことになるのだが、

それはまた別のお話。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー