ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの兄貴-11

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「………きー」
突如武器屋の中でどこからか声がした

何故に武器屋なんぞに居るかというと

シエスタに連れられ厨房裏で食事を取りマルトーから自分が平民達から
『我らの剣』などと言われている事を知った後食堂でまたしても暗い|||線を作っているルイズを発見した。
そりゃあもうその場にプッチ神父がいたら間違いなくハイウェイ・トゥ・ヘルを選択するだろうと言わんばかりの状況だッ!

「…朝から調子の上がり下がりが激しいヤツだな」
「その原因作ったのはあんたじゃないのよぉ…」
もう今にもヤケ酒大会Part2に発展しそうな状況を見たキュルケが昨日の二の舞は御免だと別の話を切り出す。
「ほ、ほら、今日は虚無の曜日なんだからダーリンに城下街を案内してあげたいんだけど」
「頼むからその呼び方は止めろ…プロシュートでいい」
「それはお互い名前で呼び合う関係になったって思っていいのかしら♪」
「主人に話し通さずに何やってんのよツェルプストー!」
魔法学院名物『ゼロ』vs『微熱』の口喧嘩が開始され辺りが騒がしくなり五分程時を加速させた結果――

「なんですって!」
「なによ!」
もう内容がプロシュートと全く関係ない話に発展している。

(幹部連中がこれと同じとは思いたくねぇがリゾットもよく胃に穴が開なかったな……メタリカか?メタリカで塞いでんのか?)
当の本人はチーム一の苦労人を思い出し同じ持続力Aでもこうも耐性が違うものかと感慨に浸っていたのだが。

「ったく…何やってんだオメーらは!…だが、街は見ておきてぇ案内頼めるか」
もちろん真の目的は万が一の逃走経路の確認にある。
「もちろんよプロシュート」
「ちょっと…使い魔が主人に断りもなく勝手に何やってんのよ」
「爺に事の次第が分かるまで同じ行動するように言われてるからな。オメーも一緒に来るに決まってんだろーが」
「それじゃあ、あんたが私に合わせるのが当然じゃない!」
「着いてこねーのは勝手だがどうなるかまでは責任取らねーからな」
「……分かったわよぅ」
さすがにオスマン直々の言葉であるからには逆らうわけにはいかない。
「タバサー、シルフィードお願いねー♪」
親友に送り迎えを頼もうとするが
「虚無の曜日」
そう短く言い放ち本に目を戻された。つまりまぁ断られたという事だ。
「仕方ないわねぇ…」


そんなこんなで馬に3時間程乗って城下町に着きスリをグレイトフル・デッドで捻り上げつつ案内を受け最後に着いたのは武器屋というわけだ。

スタンドを備えてはいるがもちろん暗殺者だけあってある程度の武器は扱いなれている事もあり立ち寄ったのだがそこで
「……きー」
という声を聞いたのだが周りには店主とルイズとキュルケしか居ない。
「…にきィー」
また聞こえたがやはり他三名しか居ない。居ないのだがその言葉が自分にとって聞きなれた単語であったような気がした。
「…何か言ったか?」
「何も言ってないわよ」
だが、直後プロシュートを驚愕させるに十分の言葉が聞こえたッ!
「兄貴ィーーー」
「ペッシかッ!?」
短くそう叫び声が聞こえた方向に向き直るがあるのは積み上げられた剣の山だ。
「ペッシがここに居るわけねぇが…何だ?一体」
「ここだぜ兄貴」
声のする方向を凝視する。一本の錆がある薄手の長剣がそこにあった。
「剣が…話しただとッ!?」
さすがのプロシュートも剣が話すという超事態には驚きを隠せないッ!
「こんな所にインテリジェンスソードがあるなんて珍しいわね」
「意思を持つ刀ってのは組織の情報網に過去一つあったってのを見た事はあるが…」
スタンドの可能性を考慮に入れたが話を聞く限りこの世界にはそういう剣は結構あるらしいのでその可能性は除去しておく。

少しばかり気になる事もあったのでその『剣』と話す事にした。
「テメー…何でオレを兄貴と呼んだ?何故オレを『知って』いる?」
「この辺りじゃ貴族に決闘を挑まれそれを返り討ちにして殺した見たことも無い服を着てる平民が居るって噂は知らねーヤツはいねーぜ兄貴ィ」
情報統制というものは現代においても完全に行うことは不可能だ。
どこからか水道管の水漏れのように漏れだしてしまう。
もっともその情報統制を恐怖と暴力によって完璧に行っていたのが『パッショーネ』のボスであるのだが。
この中世レベルのハルケギニアならその手の噂が広まるのは当然だった。
「フン…オレを知っている理由は分かった。だが兄貴ってのは何だ」
「そりゃあその動きを見れば兄貴が一級のプロのてのが理解できるぜ」
「デル公がお客様相手にそんな話し方するなんざ明日は雪だなこりゃあ…」
そんなこんなで剣をいじくり倒していると剣がまた話始めた。
「兄貴はスゲーや!『使い手』だったのか」
「『使い手』…だと?」
「俺を買ってくれ」
(オレにはグレイトフル・デッドがある…攻撃に関して言えば必要ねぇが…
     情報面では使えるかもしれねぇな、何より『使い手』ってのが気になる)
「親父、こいつの値は?」
「いい加減厄介払いしたいんでエキュー金貨百枚で結構でさ」
見えないようにギーシュの遺産をグレイトフル・デッドで数える。
「ギリギリってとこか…」
カウンターの上に剣と金貨を置こうとするが横槍が入った。

「ちょっと…剣なんか買ってどうするのよ?使った事あるの?というかその金貨は何?」
「刃物なら扱った事はある。金は出所を聞きてーのか?」
「……いい、聞きたくない」
聞いたら多分…いや、絶対不幸になる。聞いちゃダメよルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!
と心の中で堅く誓う。

だが、そんな心中を無視して別の方向から横槍が入ってくる。
「彼にそんな錆た剣を持たせるなんて…神経がどうかしたんじゃあない?」
「…プロシュートがこれ選らんだんだし関係無いじゃない」
「私ならもっと立派な剣を選んであげるけど…仮にも貴方の使い魔なのに彼に出させるってのはどうかと思うわよ?ヴァリエール」
「仮にもってどういう事よツェルプストー!私だって剣ぐらい買ってあげれるわよ!」
魔法学院名物『ゼロ』vs『微熱』第二ラウンド『城下町武器屋』よりお送り致します。


金だけ回収し無言で店の外に出るが――
「ここに居るとペッシがマトモに見えてくるな……」
この世界に来てリゾットの気苦労の多さが初めて理解できたと本気で思っていた。


戻る<         目次         続く
+ タグ編集
  • タグ:
  • 第五部
  • プロシュート

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー