ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第五話 サーレー君とボーンナム君よ:中章 固定と風と土と(前編)

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匿名ユーザー

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マルトーが仕込みをしているときにその事件は起こった。
実の娘のようにかわいがっていたメイドの一人が貴族のぼんくらに絡まれたのだ。
貴族の少女にすぐに助けてもらっていたがそれもすぐにやられてしまった。
皿洗いをしていたサーレーがマルトーのすぐ横に立ってぼそっと呟いた。
「助けに行かないのか?」
マルトーはその言葉に苦い顔をした。
「助けに行きたいにきまってらぁ・・・・。でもよ・・・。」
「力が無いからどうにもできない・・・か?」
サーレーは少し考え込むとこう呟いた。
「力があったらどうにかできんのか?」
サーレーの言葉に厨房の中にいた人々が息を飲む。サーレーはその様子を見ると黙って厨房を出て行った。
「力があるからちょっと行ってくる。」
軽い声が厨房に響くとそこにはもうサーレーはいなかった。
マルトーが周りを見まわすとすでにサーレーはルイズとシエスタのほうに歩いていった。
「頑張ってきてくれ・・・・。我らの剣・・・・。」
マルトーはその背中に最大の賛辞を送った。力の無い代わりに戦う彼は自分たちの救世主に見えていたのだ。

CRAFT OF ZERO -ゼロの技工士―
第五話 サーレー君とボーンナム君よ:中章 固定と風と土と

トリスイテン魔法学院 校長室
「平和ですね・・・・。」
「平和じゃのう。ミス・ロングビル。」
校長室の中で若い女性と立派な髭を生やした老人がのんべんだらりと過ごしていた。
校長のオールド・オズマンとその秘書、ミス・ロングビルだ。
「あの校長・・・・・。暇に漬け込んで私にセクハラするの辞めてもらえます?」
そうロングビルが言うと
「良いではないか。良いではないか。」
毎日のことながら、この爺は性欲を持て余すのかどうか知らないが世界が世界なら訴えられるようなことを秘書にやってのける。
その点では痺れないし憧れないが、まあ仕事面では優秀だし人格者なので“校長”としては生徒や教師から慕われているのはまちがいない。
セクハラ爺を人格者と呼ぶのにいろいろ問題はあるが・・・・。
未だに尻を触り続けるエロジジイはついにこんなことをほざき始めた。
「おお!!この感触!純白!・・・しかし、やっぱりミス・ロングビルは黒のほうが良い気がするノー。」
ブチッ!!ロングビルの眼鏡と額の丁度真ん中から何かが切れる音が響いた。
HEAT ACION!!
コ・ノ・エ・ロ・ジ・ジ・イ・!
まず最初に校長の手を尻から離し、その手のままひねり上げる。
「イデデデ!!ちょ!ミス・ロングビル!?」
そして、そのまま見事な延髄蹴りを食らわすと次にこける様に丁度いいタイミングと場所にローキックをかました。
これは老人には辛いが同時に自業自得でもある。
よって弁解の余地はまったくといって良いほどない。
そしてこけた校長の後頭部に向かって・・・・。
「寝てろイ!!このセクハラ爺!!」
〔ロングビル式追撃の極み〕
校長の首の付け根にヒールのピンが軽く突き刺さった。
「おぶっ!!」
オズマン校長は奇声を上げると一気に静かになった。
ロングビルはその“校長だった者”の脇にさらに思いっきり蹴りをかました。
「このエロジジイ!!給料もろくに上げないくせに毎日毎日セクハラばっかりしやがって!!死ね!!この世から消え去れ!!サッサトアノヨニイキヤガレー!!」
と、老人虐待も甚だしい攻撃の最中にいきなりドアが開いた。
「校長たいへ・・・・・。失礼しました・・・・。」
中に入って来たコルベールは中でロングビルが校長を蹴り続けているのを確認すると早速奥に引っ込んだ。
ロングビルはその様子に焦る。もしも校内で自分に対する変なうわさが立ったら、と思うと背筋が凍る思いだった。
「あの、違うんです。コルベール先生?コルベールセンセー!!」
ロングビルは泣きながらコルベールの後を必死で追った。

「・・・・そうでしたか。・・・・このセクハラ爺。」
「こ、コルベール君まで・・・・。酷いのー。ワシャ悲しいーのー。」
追ってきたロングビルに事の説明を受けたコルベールは校長にキツイ言葉を早速投げかけた。校長は校長室の自分の机の上で突っ伏して嘘泣きし始めた。
「それにしても、見事な体術じゃったのぅ・・・・。にして、何かな?コッパゲく「フレイムボール。」ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
コルベールは鬼神の如き顔で[火 火 火]の特大魔法を校長にこともなげに放った。
威力は加減しているし、もちろん校長もとっさに水のバリアを作っていたので死にはしないだろうがそれでも攻撃の余波で十分ともいえるダメージを負った。
「誰が禿だ!!横にあるから禿げてない!!訂正しろ爺!!」
「いてててて・・・・。まったく今日はついてないのぅ・・・。して、何かのぅ。」
はい、とコルベールは教師の顔に切り替えると大量の資料をテーブルに並べた。
「この前にヴァリエールという生徒が人間を召喚したのはご存知でしょうか?」
「ああ、知っておる。たしか、蟹か蜘蛛のような頭と物の時を止める特殊能力を持っているとの噂じゃったのぅ。」
校長は昨日、生徒の会話を{使い魔と召喚主は感覚を共有する}というルールでネズミの使い魔、モートソグニールを使って幾つかの話を聞いており、二年生がみんな同じような会話をしていた。
なぜ、自分の使い魔を生徒に近づかせていたのかはご想像にお任せする。(ヒント:近づいた大半が女生徒)
「そうです。そして、ここを見てください。」
コルベールが分厚い本の表紙を捲り、机の上に置くとその問題のページを指差した。
そのページの部分を校長とロングビルが覗き込む。
「・・・・・ガンダールブのルーン?これがどうしたんじゃ?」
校長が不思議そうにコルベールに質問した。
するとコルベールは興奮したように早口でけたたましく喋った。
興奮の度合いも子供の、まるで新種の昆虫を見つけた少年のようなレベルで大人の研究者や教師といった雰囲気は空のかなたに吹っ飛んでしまっていた。
「この紋章が、その問題の彼にこのルーンが出たんですよ!!」
「・・・・なんじゃと!?」
すると、またいきなりドアが開いて今度は別の教師が中に飛び込んできた。
「校長大変です!!ヴァリエールという生徒の使い魔とあの血管針の連中が決闘をやらかしています!!」
「「「!!」」」
ありとあらゆる人間にとっての怒涛の一日の始まりだった。

トリスイテン魔法学院 食堂
「何だって!!ルイズの使い魔とあの血管針の連中が決闘!?」
ギーシュはモンモランシーに今までのことを事細やかに聞き、ルイズがメイドを庇って血管針の一人に突っかかったこと、
そして二人が連れて行かれそうなところを使い魔、サーレーが助けに来たということ。血管針のリーダーが、勝てばルイズと平民を馬鹿にしないことを条件にサーレーに決闘を申し込んだことなどを聞いた。
「どう考えても無茶じゃないか!!いくら、あの物を空中で止める力を使ったとしても勝てる相手じゃない!!」
ドットの自分やラインの連中が多い二年の烏合の衆よりも連携も取れて全員がトライアングルの連中で模擬戦闘で一対一でもキュルケやタバサが苦戦した相手は厳しいことこの上ない。
「でも、彼も一応タバサやキュルケって言う二年の実力者を倒してるじゃない。きっと大丈夫よ。」
その言葉にギーシュはさらに不安の表情をあらわにした。
「それはどうかな・・・。彼らは土から水まで全ての属性のスペシャリストが揃っている。スクウェアも夢じゃないって連中が“三人”もね。タバサはともかく、キュルケや僕なんかじゃ相手にならないような連中が四人・・・・。ほとんど絶望的だよ・・・。」
その言葉にモンモランシーが反論をする。
「でも、彼のあの物の時を止める能力を使えば、あの四人なんか楽勝じゃない。どうして、そんなことばっかり言うわけ?」
あれだけ強力な力の持ち主の戦闘慣れした動きを間近で見たらそんな考えは月の果てにでも吹っ飛ぶはずだ。それでも、その力の猛威をすぐそこで見たはずのギーシュがそんなことを言うとは・・・・いったいどうしたのか。
「・・・・そうか、モンモランシーは回復が得意だから奥で見ていただけなんだった・・・・。」
サーレーの能力には一つ欠点があった。万能そうに見えて一つだけとんでもない弱点を回りに知られてしまったのだ。
少なくともギーシュには気がつかれてしまっていた。
「・・・・・この前の戦いで気が付いたんだけど・・・彼・・・固体しか空中で止められないと思うんだ・・・・。」
そう、サーレーの力は固体、もしくは触れることのできるものしか固定できないのだ。
つまり、四つある属性のなかで火と風、二つも弱点が有るということだった。
モンモランシーはさっきギーシュに言われて気が付いた意外な真実に、えも知れぬ不安を感じた。
「・・・・勝算はあるの?」
モンモランシーがギーシュに不安げに聞く。
「分からない・・・。あくまで本人しだいさ・・・・。」
ギーシュもまた不安げな顔をすると宙を仰いだ。

トリスイテン魔法学院 ヴェストリの広場
「「「「・・・・・遅い・・・・。」」」」
血管針団の四人は待ちぼうけていた。サーレーが来ると行ってもうすでに十分も経っている。
ここから食堂まで約一分もかからない。それにこの決闘を見に来るギャラリーが増えていくのを見れば分かるようにこの人の流れをみれば自分たちがどこにいるか簡単に分かるからだ。
ボーンナムはふわぁと欠伸をすると楽しそうにかつ、呑気そうに土を弄っていた。
「・・・・ボーンナムの兄貴。そいつぁ、緊張感無さ過ぎっすよ。」
ペイジが呑気に土いじりに興じるボーンナムに抗議をする。するとボーンナムは自分の使い魔のミーアキャットに掘らせた穴の土の砂一粒一粒を見ながら楽しそうに答えた。
「ペイジ・・・。僕は土のメイジだよ?土を知るのは僕にとって戦闘をする上での最重要事項だよ。僕はゴーレムを作るのが下手だからね。」
それに・・・・。とボーンナムはペイジに続ける。
「この事件の元々の発端は誰だったのかな?ペイジ。」
ボーンナムはついさっきまで使い魔と土に向けていた笑顔が消え、邪悪な何かをペイジに発した。
「す、すみません。兄貴。」
自分より頭二個分も小さい男に気押されているペイジも変だがそれよりもボーンナムの発した殺気にも似た負の感情とでも言うべき何かはその奇妙さをはるかに凌駕していた。
その目は十代の堅気の人間の目ではなかった。まるで、幾多の戦場を駆け抜けた戦士か暗殺者にも似た目をしていた。


「・・・・・やばいな。」
「相当やばいわよ・・・。勝算は有るの?」
「無えに決まっていんだろう?」
サーレーとルイズはとっくの昔にこのヴェストリの広場についており、そこで四人の様子を伺っていた。
いままでこの二人がこの場所にこなかったのはサーレーがメイジに関しての知識やあの四人についての情報がまるで無かったからだ。
サーレーはメイジがどんな魔法を使うのか分からなかったし、属性とかどういう魔法があるのか知らなかった。そんなもの、向こうの世界では関係なかったし、スタンドというまた別の脅威があったからだ。
仕方ないのでルイズはメイジや魔法について必要最低限のことを教え、いまはあの四人について聞こうとしているところだった。
「・・・・スタンドで戦うから結構有利に戦えるんじゃ・・・・。」
サーレーが呟く。固定の能力を無しにしても不可視の精神のビジョンによる威力の高い格闘は向こうにとってもかなりの脅威だろう。
「さっきからよく言うそのスタンドって、何?」
ルイズがさっきからの疑問を口に出した。
「ああ、お前はスタンドを知らなかったな。スタンドって言うのは、なんだ、一人に付き一体の強力な守護霊みたいなもんダ。使える人間は一握りでそいつらはスタンド使いっていう。」
そして、とサーレーは自分の体の中からスタンドを呼び起こした。すると凶悪な顔つきをした鉄人形のようなものがルイズとサーレーの間に立つ。ルイズはいきなり現れたスタンドにおどろいたのか「ひゃぁ」と気の抜けた叫び声を出すと地面に尻餅をついた。
「お前は見えるみたいだから紹介するぜ。俺のスタンド“クラフトワーク”だ。
名前は俺の好きなミュージシャンから取った。」
「こ、これがスタンド・・・。」
そうだとサーレーがいった。
「こいつは一般人には見えない。そしてこいつは触れたものをいくらでも空中に留めておく力がある。俺のスタンドの種類は近くで俺を守る“近接パワー型”に分類されている。
名前の通り、遠くには行けないけどな。」
サーレーがへらへらしながら説明する。
それでもクラフトワークは地面に足を付けるか付けないかというところを浮遊しながら待機している。
「さーて、俺は俺の質問に答えたぜ。あの四人のことをいい加減教えてくれ。」
「あ、ああ、そうね。」
ルイズがそう言うのを確認するとサーレーはスタンドを自分の体に戻した。
「あの四人組は血管針団って言って、この学園で不良たちのトップにいる連中よ。表では普通の学生として生活してるけど、逆らったやつを片っ端からぼこぼこにするから、性質の悪い不良扱いされているのよ。」
ふーんと人に聞いといて興味の薄そうな態度をとるサーレーに不快感を覚えながらもルイズは次の言葉を続けた。
「まず、私とあのメイドに突っかかってきたあいつ。ペイジは水のトライアングルで精神攻撃系。つまり、水を痺れ薬や精神毒に変えて空気中にばら撒くのを得意にしているわ。
その次があのデカブツ。プラント、風のトライアングル。風を使って味方をサポートするのが得意よ。その横の厚着で顔の見えない人がジョーンズ。火のトライアングルで周りを燃やしたりするのが得意ね。まあ、当然か。そして次に土のボーンナム。」
ここまで来るとルイズは少し困ったような顔をした。
「おい、ボーンナムはどうした。あいつは土のトライアングルなんだろ?」
サーレーがルイズに会話の再開を求めたがルイズは黙ったままだった。
少しの間の沈黙の後にルイズは決心したようにサーレーのほうをみた。
「いい、よく聞きなさい。ボーンナムは・・・・土の・・・・・。」
「土の?」
サーレーがルイズのか細い声に続けるように復唱する。
「土の・・・・スクウェアよ。しかも戦闘特化型のね。」
「・・・・マジで?」
サーレーが冷や汗を地面にたらした。スクウェアということは魔法使いの最上級だ。
一つの魔法の種類しか使えないドットや辛うじて二つ使えるラインとは違う。
実際、彼は模擬戦で二年最高の実力者のタバサと引き分けている。しかも手加減して。
その姿は「烈風」と呼ばれ、恐れられたルイズの母親の現役時代を彷彿とさせたらしい。
「・・・・俺はそんな化け物に喧嘩を売ったのか・・・・?」
「「・・・・・・・・・・・」」
二人の沈黙をやぶったのはサーレーの一言だった。
「俺逃げてい「絶対にダメ!!」はい・・・・。」
ルイズの般若顔にサーレーはすぐさま土下座体制に移行しわびをいれた。
自分からこの事件に首を突っ込んだくせに知り合いの少女二人の貞操が危ないということをまるで他人事のように忘れていたサーレーなのだった。
まったく食堂で見せた頼もしさはいったいどこへ行ったのか・・・・。
と、そこにガサガサと生垣と掻き分ける音が聞こえた。
「見つけました!!ボーンナムさん!!」
「「!!」」
サーレーとルイズが同時に後ろを振り向くとそこには二年のマントを着たデップリとふとった少年がいた。
「ゼロのルイズとさっきの蟹頭です!逃げようとしていたようです!こ、これで僕はお役御免ですよね!?」
「うん、良いよぉ。まったく平民君、逃げるならその子は置いていってねぇ。」
生垣の遥か後方からボーンナムの呑気な声が聞こえた。
さっきの会話を聞くと分かるようにこの太っちょは自分の保身のためにあの二人をボーンナムに売ったのだ。
この表現はサーレーとルイズが中々出てこなかったからボーンナムがこの生徒:
マリコルヌに“お願い”をして捜させただけのことで適切ではないが、さすがにさっきの会話だけならどこのだれかに誤解されても可笑しくは無かった。て言うか売ったのだが。
マリコルヌの背筋に妙な寒気が走った。
「おい・・・・豚・・・・。よくもやってくれたな・・・・。」
「へ、「クラフトワーーーーーーク!!!!」「マ~ル~コ~ル~ヌ~!!」アバァァァァァァァァアァア!!」
生きた肉がただの肉片になった瞬間だった。
「あ~あ。可哀想に・・・マルコルヌ君。」
ボーンナムは、けたたましく鳴り響く拳打の音と爆発音を聞いた後にぼそりとつぶやいた。

「まったく、待ちくたびれたよ。逃げたんじゃないかと思ったね。」
ボーンナムがニコニコしながら余計な一言を付け足す。
「うるせえ!!」
サーレーは右手に肉を素手のハンマーのような拳打で叩いた跡に爆発でミディアムレアにこんがり焼けたマリコルヌを持ちながらその言葉に突っかかった。
「んで僕らは四人で行くけど君は何人で行くの?まさか一人ってことは無いでしょ?」
その問いにサーレーは意外な答えを出した。
「この馬鹿を使う。」
サーレーは右手のこんがり肉を刺しながらボーンナムに言った。
「へ!?」
「ああん?」
マリコルヌが素っ頓狂な声を出したがサーレーに睨まれたせいで逆らったら殺されるのが分かったのか抗議はしなかった。
「あと、そこのルイズって子以外だったら誰でも仲間にして良いんだよ?四人以内でならね。」
四人以内というところが少々せこい気がするがまあ名目上は決闘なのでしょうがない気がする。少なくともルールはフェアーなのだから。
サーレーはべネ!!(良い!!)といって、早速戦闘態勢に入った。
「ああ、ちょっと待って。」
ボーンナムがサーレーを静止すると後ろで待機していた三人に声を掛けた。
「おーい。みんなー何時ものやるよー。」
すると四人が・・・・

「今宵弾けるのは俺の杖!!性格の悪さはメンバー1!!水と毒で気になるあの子もイチコロだ!!“毒霧”のペイジ!!」
「燃える火炎はおれの心の火!!燃える闘魂は炎使いの証!!だけど頭の悪さは筋金入り!!平均点数は自主規制だ!!“炎虐”のジョーンズ!!」
「風とは友達!!だが人間の友達は3人しかいない!!無口とノリの悪さで友達は作れるのか!?“風盾”のプラント!!」
「好きなものはカブトムシ!!趣味は土壌観察と昆虫採集!!ただいま彼女募集中!!できたら可愛い子が良いな!“土葬”のボーンナム!!」
そしてボーンナムが真ん中で右手で顔を隠し左手を後ろに回す。ボーンナムを中心に右にジョーンズ。左にペイジが立ち左右対称に腕を水平にして飛び上がる。
そして最後に後ろに立っていたプラントも飛び上がり、体をそこで大きく仰け反らせ・・・
「「「「我ら血管針団!!ただいま参上!!」」」」
バアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

「・・・・・・・・。」
サーレーやギャラリーたちの時が数秒止まった。正確には空気が。空気そのものが動くことを拒んだ。
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
「笑ってよ。もしくは誰か突っ込んでよ・・・・・。」
ボーンナムがぼそりと言うがだれも聞いているものは無かった。
「もう良いや・・・・。立会人君。お願い。」
若干テンションが低くなったボーンナムが自分たちが立てた立会人に合図するように言う。
それを聞いた立会人の三年の生徒が前に出る。
「それではこれより決闘を開始する!!両者、公平に戦うように!!以上!!」
肝が据わっているのか無感情なのか淡々と合図の言葉を交わす。
そして、運命の言葉がついに立会人の言葉から発せられた。
今日という怒涛の、そしてこれからの激動の日々を・・・・。
「騒ぎ出せ!!」
「「「「「どんな合図の言葉!?」」」」」
ギャラリーとサーレーの突っ込みで戦いの火蓋が切って落とされた。

サーレーの右脇を火炎が飛び、左を風が吹き荒れる。
「ちっ・・・・。クラフトワーク!!弾け!!」
火炎を強烈な拳の一撃で回避し、その勢いで火炎を払ったことにより安全地帯になった右に飛ぶ。その一方でマルコルヌが強風を受けて悲鳴を上げつつ転がった。
「へえ・・・俺たちのコンビネーションを避けるとは・・・・。こいつは中々。やはりあの噂は本当らしいな・・・・。」
プラントがスティレット兼杖をサーレーに向け、牽制しつつ適度な距離を見極めるために少しずつ後ろに下がっていく。
「あの噂だとぉ!?」
サーレーも他の三人に警戒しつつプラントの話しに注意を払う。
「二年の召還儀式の最中にお前が大暴れしたということだよ!!さすがに時を止めるとか言っていたのは信用しなかったがお前は面白い力を持っているようだ。エルフか何か・・・ではないな。先住魔法でも無さそうだな。面白い・・・・。」
プラントがスティレットを構えなおすとそれを合図に後ろの三人中二人が飛び掛る。
それにあわせてギャラリーも、「おおお!!」や「ヤッチマエ!!」などの野次を飛ばす。
「ちっ・・・やっぱりばれてやがったか。」
あれだけ派手にやればわかるに決まっている。実際、二年生から他の学年の生徒にあの噂が回っていくまで時間の問題だった。
「おい!!豚ぁ!!早く風のバリアを張れ!!」
「ひっ、わ、分かったよ・・・・。」
マルコルヌが杖を取り出しながらサーレーに向けて風のシールド魔法をかける。
「ふん。そんな魔法で何とかできるほど俺たちは軟じゃない・・・・。」
プラントが後ろに飛び、距離をさらに開けると次の攻撃態勢に入る。その間にジョーンズがサーレーとの間を詰め、長ナイフによる斬撃でサーレーを圧倒する。
その隙に後ろのプラントとペイジが呪文を完成させ攻撃に入る。
「エアハンマー!!」
「ウォーターショット!!」
二つのラインクラスの攻撃がサーレーに吸い込まれるように向かう。
誰が見ても完璧なコンビネーションだった。おかげでクラフトワークで殴る暇さえない。
「クラフトワーク!!防御しろ!!」
彼の後ろの守護神が彼の前に立ちはだかり水の弾丸を弾く。そしてマルコルヌの防御呪文により風の衝撃が空中で霧散する。
「む!あの二年生を侮りすぎていたか・・・・・。」
その勢いでサーレーは一気に走り、三人のど真ん中に立った。そして・・・・。
「クラフトワーーーーーク!!」
ジョーンズのわき腹にクラフトワークで蹴りを入れ、その体制のまま後ろを向きプラントに渾身の右ストレートを腹にかまし、そして後ろを確認しながらペイジの顎に馬蹴りをかます。
岩さえ砕く攻撃力判定Aのスタンドの力は計り知れなかった。
そしてこの一瞬のためにサーレーはマルコルヌを味方に選んだのだ。
そう!この防御しきって相手に隙ができるその瞬間に!!
クラフトワークだけでは防御面で心配だったサーレーはルイズに手ごろなメイジを聞き、都合よく風のラインクラスだった彼を見つけたのだ!!

サーレーの右脇を火炎が飛び、左を風が吹き荒れる。
「ちっ・・・・。クラフトワーク!!弾け!!」
火炎を強烈な拳の一撃で回避し、その勢いで火炎を払ったことにより安全地帯になった右に飛ぶ。その一方でマルコルヌが強風を受けて悲鳴を上げつつ転がった。
「へえ・・・俺たちのコンビネーションを避けるとは・・・・。こいつは中々。やはりあの噂は本当らしいな・・・・。」
プラントがスティレット兼杖をサーレーに向け、牽制しつつ適度な距離を見極めるために少しずつ後ろに下がっていく。
「あの噂だとぉ!?」
サーレーも他の三人に警戒しつつプラントの話しに注意を払う。
「二年の召還儀式の最中にお前が大暴れしたということだよ!!さすがに時を止めるとか言っていたのは信用しなかったがお前は面白い力を持っているようだ。エルフか何か・・・ではないな。先住魔法でも無さそうだな。面白い・・・・。」
プラントがスティレットを構えなおすとそれを合図に後ろの三人中二人が飛び掛る。
それにあわせてギャラリーも、「おおお!!」や「ヤッチマエ!!」などの野次を飛ばす。
「ちっ・・・やっぱりばれてやがったか。」
あれだけ派手にやればわかるに決まっている。実際、二年生から他の学年の生徒にあの噂が回っていくまで時間の問題だった。


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