ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

CRAFT OF ZERO ゼロの技工士-5

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匿名ユーザー

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「うんまーい!!」
サーレーは学園の中の台所の中で料理を食べさせてもらっていた。かわいい女の子に出会えるは、うまい料理が食えるは、今日は超が付くほどラッキーデーだ。
      • ここが自分の世界と違う別世界だという絶望的事実を知ったこと以外は。
そこまで行くとサーレーの思考が一気に暗くなる。これでは家に帰ることが絶望的になってしまった。
(・・・・母ちゃん。大丈夫かな・・・・。)
何とかは絶対にするが少々悪いニュース過ぎた。と言うか今までそのことに気が付かなかったのがおかしいと思うのだが・・・・。
すると、暗い表情になったサーレーをみて心配になったシエスタがサーレーの顔を覗き込んだ。
「?」
「どうしました?もしかして・・・・おいしくなかったですか?」
その言葉を聴いてサーレーがはっとした顔でシエスタのほうを振り向いた。
そして急いで、その言葉に反論する。
「んなことねえよ!!うん!まじで!!」
サーレーは堅気の人専用の明るい笑顔を見せるとシエスタはそれを聞いて安心したのかニッコリと太陽な笑顔で返してくれた。
「・・・・・・・俺、この場所に永住しようかな・・・・?」
そんな訳行かないのはお前が一番知っているだろう!!サーレー!!

シエスタと二人で色々と会話をし、色々とこの国の状況を聞きだしていると台所のドアがいきなり開いた。そのドアの中には四十絡みの髭面のコックの服装をした男がいた。
おそらくここのコック長だろう。サーレーは恰幅の良さといかにもベテランという雰囲気がそういう結論にたどり着いた。その男がサーレーを見ると口を開いた。
「あんたが貴族を相手に大暴れしたって言う野郎かい?」
どうやら、顔が笑顔だが目は笑っていないところを見るとなんだか俺を快く思っていなさそうだ・・・・。と、サーレーは結論づけた。
一応、相手の出方を見ようと多少、斜に構えながら本当のことを言った。
「そうだけど?何か?」
これで相手の真意が分かるだろう。サーレーはこの男を警戒していた。
もしかして、俺のボコッた貴族のガキの中にこいつの息子か娘でもいたのか!?
そうなったら、ニコニコしながら杖を取り出して俺を仲間と取り囲んでボコボコに!!

サーレーがあらぬ想像(本日すでに二回目。)をして顔を真っ青にしているさなか、目の前のコック長。
マルトーは感動で涙チョチョ切れだった。四十絡みのおっさんがみっともないことこの上ないがこの男はこれを毎回、自分に他人に良いことが起こるたびに泣く男。
とんでもないくらいの感動屋なのだ。年をとると涙もろくなるというがこの場合はチョット異常だ。異常といえばサーレーの勘違いも異常な妄想の域に行っているが・・・・。
しかもサーレー(と書いてヘタレよ呼ぶ)はこの涙をみて・・・・・。
(このおっさん!子供の復讐ができるからって涙流してやがる!!
殺す気だ!!どんな殺し屋でもこんな明確な意志はでねえ!!)
          • もう呆れて感想を言うこともはばかれる・・・・。

「あの・・・・。サーレーさん?マルトーさん?」
シエスタもこの二人の間の空気がこの数秒間で微妙に変わったことを感じ取っていた。
それと同時に妙な嫌な予感も・・・・・。
ソウコウしているあいだにマルトーの感動ゲージがMAX!!!
やばいぞ!!逃げろ!!サーレー!!
「わ、」
「わ!?(声に出して読むときは普段より一オクターブ高く言おう!)」
「われらが剣よぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
サーレーに向かって一直線にマルトーが向かってきた!!もちろん憎むべき貴族をぶちのめした自分たちの英雄に対して凱旋と感謝の意味で!!
その巨体のダイブと強靭な腕による握激は常人に対しての死刑宣告でも会った!!
「うそだろ・・・・。くるな・・・・。くるなよ・・・。どこから来るんだ?いったい!!」
そしてサーレーは数日後自分のボスの数回目の断末魔に使われえる言葉を先取りして使ってしまうことになった!!

おれの傍に近寄るなー!!
ぼきゃぼきゃぼきゃ!!
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

サーレーがマルトーに抱き潰されてから数時間後 トリステイン魔法学院 食堂
「まったく・・・。あの蜘蛛頭どこ行ったのかしら・・・・?」
ルイズはしばらくしても帰ってこないサーレーを心配になって、あちこち探したのだかまったく見つからずにもう登校時間になってしまった為、仕方なく登校してきた。
サーレーが心配すぎて午前の授業もまったく身が入らなかった。
(まさか、逃げてないわよね?大丈夫よ!!たぶん・・・・。)
そこまでルイズは考えるとなんだか悲しくなってきた。たぶん、なんて無いのだ。彼は家族のために故郷に帰りたかったのだ。ここから逃げるのは当たり前だ・・・・。自分の我が侭に付き合う義理は一切無い。
「なによ・・・・。裏切り者・・・・。」
ルイズは寂しい顔をしながら静かにつぶやいた・・・。彼は自分を裏切ることは無いことは分かっている。なにせ、彼とルイズは何一つ約束もしていない。あるのはただ一つ、自分から押し付けられた“契約”・・・・。
そして彼女は自分が改めて何も無い“零”なのだと気が付いた・・・・。“気が付いて”しまった・・・・。
「ああ、せめて素直になって友達くらい作ればよかった・・・・。」
ルイズは自分を肯定してくれる人を無意識に欲っした。そのまま彼女は泣きながらテーブルに突っ伏してしまった。

そんなルイズを影から心配する希少な人間が数名というところか。存在していた。
「彼女・・・。大丈夫かな?」
その一人、ギーシュ グラモンとその彼女、モンモランシーが泣き突っ伏しているのを遠くから心配そうに見ていた。
この二人は通常ならば敵対するか他の生徒と一緒におちょくるかしているのだが、この世界ではちょっと違っていた。
彼らは、確かに一時期彼女を馬鹿にしていたがとある理由からを影から助けている。
彼女に魔法を教えたり、クラスで孤立しないようにしたりといろいろ手を尽くしたのだが・・・。成功したとは言い難かった。むしろ彼女のプライドの高さに触れ、大失敗を喫した事の方が多かった。
でも彼らはあきらめなかった。表には出なかったが何とかしようと陰ながら努力してきたつもりだった。
やはり、学校一の女好きとして女の子の涙を見過ごすわけには行かなかったのだろう。
モンモランシーもそんなギーシュの愚直さとも言うべき優しさに、浮気ばかりする駄目男だが、惚れたと言ってもよかった。
ギーシュは見かねた様子で席を立つと静かに隣の最愛の恋人の耳元でつぶやいた。
「やっぱり、ちょっと探してくるよ・・・。」
「わかった。昼食はメイドの誰かに言って何とか残してもらうから。授業には間に合うようにネ。」
ありがとう、とギーシュは礼を言うと静かに無駄に豪華な装飾がしてある広い食堂を走り出した・・・。

ギーシュが外に出るとそこで二人、見慣れた人物を見かけた。燃えるような赤髪に背の高いグラマラスなからだの持ち主。そしてその横にはまったくといって良いほどの正反対の青い髪と小柄な眼鏡の少女が食堂の門の前に立っていた。
「あれ?キュルケにタバサじゃないか!食事に行かないのかい?」
よく見ると二人とも制服が少し汚い。・・・・・まさかと思うが。
「まさか・・・・。二人とも捜してたのかい?ルイズの使い魔。」
ニヤニヤと笑いながらギーシュが二人をみる。日ごろから馬鹿にしておいてこんなときに助けるなんて新手のツンデレ使いもいいとこだ。
「ニヤニヤ・・・・。」
「な、なによ!!その顔!!なんか悪い!?」
キュルケが明らかに焦った顔をして、さり気に肯定する。
「イヤー。何だかんだいってもルイズのことが可愛いんだなーって。」
なによ!と起こるのかなぁとギーシュは思っていたのだがそんなことなく「はあ・・・・。」と一つ大きなため息をつくと地面を見ながら、一言呟いた。
「あの使い魔。台所でなんか料理長の手伝いしてたわよ。」
「・・・・・へ?」
灯台下暗し 寝耳に水とキョトーンとした顔でキュルケを見るしかないギーシュだった。
そのとき・・・・・。
「なにすんのよ!!この馬「なめてんじゃねーぞ!!このションベンチビリの餓鬼!!」」
そのルイズと誰かの怒鳴り声の次にバンと物が打ち付けられる音が響いた。
二人は顔を見合わせると慌てて食堂の中に走って入っていった。タバサも二人の後に続くように食堂の扉に吸い込まれていった。

一方サーレーの方は・・・。
「いやーまったく悪かったなあ!!ガハハハハハハ!!」
マルトーが笑いながら、サーレーの体をバンバン叩いた。
そのたんびにサーレーの体がガクンガクンと前後上下に激しく動いた。
「うん。わかった・・・・。わかったから・・・。叩くの止めてくれ・・・。」
サーレーと会話したマルトーはサーレーがマルトーを貴族に親族がいて復讐に来たのかと思ったこと。
自分が召喚された経緯を話した。
そして、サーレーはマルトーが筋金入りの貴族嫌いだと分かった。
最初のほうなんか話したときにあからさまに嫌そうな顔をされたからだ。あと、最後のほうはマルトーとシエスタになら話しても大丈夫だと思ったからだ。
少なくとも、馬鹿にされることもないし、狂っていると思われることも無い。
実際、二人は別世界のくだりを不思議そうな顔でサーレーの話を聞いていたがサーレーの能力と持っていた携帯電話で何とか信じ込ませた。そして、家族のことも話した。案外、あっさり信じてもらったのでサーレーはあまりのあっさりさに驚いていた。
それどころか、マルトーは本気で憤慨し地団太を踏んで床を踏み抜きかけた。
「貴族の身勝手で一人の家族を不幸にしていいのか!!」と。
この二人のお人好しさにたまらずサーレーは二人に叫んだ。
いままでギャングという誰も信じてはいけない環境がこの二人のお人好しについて行けなかったのだ。
「お前ら!!俺の話がうそかもしれないのに!!よくそんな風に信じられるな!!」
サーレーの叫び声に二人がキョトーンとしてサーレーを見た。
「嘘・・・・なんですか?」
その顔のままシエスタが静かにサーレーに質問する。
「いや・・・・。二人ともあっさり信じてもらえるもんだから・・・つい・・・。」
その言葉にシエスタが寂しそうに笑いながら、安心したようにサーレーの言葉の中に隠されている質問の答えを話す。
「ここでは貴族の力が強くて私たちが弱いから・・・・力をあわせて生きていくしかないんです・・・。
私たちが、仲間同士で疑ったら終わりなんです・・・。」
「・・・・そうか・・・・。」
ああ、ここも一緒なんだ。と、サーレーは思った。力があるものは弱い人間を従えられるし、弱い人間は利用されるばかりなのかと・・・・。
「あ!私そろそろ行きますね!もうすぐ、朝食の時間ですから。」
「ん!そっか。じゃあな。」
そういうとシエスタは厨房から食堂に走っていった。
「さーて、俺も仕込みに戻るかな!」
マルトーも行ってしまおうとするとサーレーもマルトーについてくる。
「・・・?どうした?」
「朝飯の礼だ。なんか手伝うよ。」
「それじゃあ、皿洗いでも頼むか。」
マルトーがニッコリ洗いながら、サーレーの肩を叩いた。

そして 時間は現在の少し前に戻る

ルイズは突っ伏して泣いていたが泣き顔をみんなの前で見せていることに気が付き、慌てて泣くのを止めた。
なにやらギーシュが急いで外に出たのが見えたが気にすることは何も無かった。
しばらく、だまって食事が運ばれてるのを見ているといきなり丁度、ルイズの座っている所から反対側の三年の列で怒鳴り声が聞こえた。
「おい!平民!!俺の、俺のマントにケーキひっくり返しやがって!!覚悟できてんだろうな!!」
柄の悪い、本当に貴族かと思うほどの濁声とジャラジャラとなにやらよく分からない金属のアクセサリーを付けるファッションセンス。
センスの悪さと服装の空気の読めて無さはギーシュ並み・・・・。と、明らかに不良だ。しかも、ここの学園の中でもあくどい事で知られる血管針団の一人、ペイジではないか。
その濁声の先にはか弱そうなメイドの少女が必死で頭を下げている。
「申し訳ありません!!貴族様!!どうかお許しを・・・。」
「誤ればすむ問題じゃねえんだよ!!覚悟しろよ!! 」
ヒッ、とメイドが小さく叫んだ。誰も近くの人間はメイドを助けに行こうとしない。というか助ける気も無いのだろう。たかが平民ごときに四人全員がトライアングル級の血管針団と喧嘩をするやつはいない。結局、こいつらは自分のことしか考えていないのだ。
そう考えると、ルイズは考えなしに立ち上がっていた。自分でも理由はわかっていなかった。

「ちょっと!止めなさいよ!!」
ルイズは二人の間に割って入る。ペイジは「アアン?」とルイズのほうを見た。
「これはこれは、ヴァリエールの不肖の娘、ゼロのルイズ様では御座いませんか~。今時人助けですか~。涙ぐましいことですね~。」
「いいからそのメイドを放しなさい!!あなた貴族でしょう!!誇りは無いの!?」
すると後ろのちょうどルイズの肩から声が聞こえてきた。
「それが無いんだなー。誇りなんかでご飯は食べれないよ~。」
ルイズが後ろを見るとそこには血管針団のリーダー:ボーンナム ド デスブロウド
が自身の杖である折りたたみの金属の棍棒をルイズのほほにぐりぐりと突きつけながらニッコリと笑って答える。
彼の後ろには同じく団員のプラントとジョーンズも自身の杖である長いナイフとスティレット形の銀の杖を構えて立っている。
「いやーさ。僕らの家って誇りとか大事にしすぎてつぶれかけた家系だから、誇りとかドーデモいいんだよね。むしろ、だいっ嫌いなんだよ・・・。」
だからさ・・・・と、ボーンナムがルイズの耳元でぞっとするような冷たい声で囁く。
「能力も無いくせに誇りとか喚く君も嫌い。」
そしてボーンナムは自分に部下のプラントに命じた。
「プラント~。その女の子、僕の部屋に押し込んどいて・・・・。体で分かってもらおう・・。」
端正な顔から邪悪な笑顔を出しながらボーンナムが冷徹に命じた。
「はい。ボーンナムさん。」
プラントが無表情で命令を実行する。
「いや・・・・。止めて・・・・。お願いですから・・・・。」
そのメイド、シエスタが泣きながら連れて行かれていくのをみて、ルイズがボーンナムの腕をすり抜け、そのままプラントにタックルをかました。
ぬ、っといってプラントが少しよろめいた。
「なにするのよ!!ば「なめてんじゃねえぞ!このションベンチビリの餓鬼!!」」
プラントに気を取られて気が付かなかったが近くにはペイジがおり、即座にルイズの胸倉をつかみ地面に引き倒した。
ルイズは自分の懐の杖を掴もうとするがその手をペイジに胸倉と踏まれてしまった。
「げほっ!!」
「あぶねえあぶねえ。お前の爆発はラインか、もしかしたらトライアングルに届く火力だからな。」
ボーンナムが倒れたルイズを見下しながら嘲笑う。
「おやおや・・・・。もしかして、君も俺らの“説教”に混ざりたかったのかな?
まさかゼロのルイズがエロのルイズとは!!」
そのまま、ジョーンズがルイズを立たせるとそのままルイズも一緒に連れて行こうとする。
「な、なによ!離しなさいよ!!この鬼畜!!」
「鬼畜で結構。きみ、顔は中々上玉だから楽しめそうだよ・・・・。」
「い、いや・・・・。」
ルイズはここでなぜ彼女を助けようと思ったのかわかった。自分を唯一否定しないひと、自分のすぐ上の姉が自分が平民を見捨てたなんて知ったら・・・・今度こそ私は一人ぼっちだ。そんなの嫌だと思ったからだ。結局、自分本位の考え方の末路だ。
改めてルイズは自分が自分のことしか考えてないのだと痛感してしまった・・・。

「さあ、二人とも行こうか・・・・。」
ボーンナムがニッコリと冷徹な笑みを二人に向けると同時にペイジがいやらしい笑みを二人に向けた。
それと同時に・・・・。
グワッーーーーーーーーーーーーーシャーーーーーーーーン!!
なんといきなりペイジの体が中を浮いてテーブルに突っ込んだのだ。
「なんだーテメーら、ロリコンかよぉ!!よくこんなチンクシャに欲情できんなぁ!!」
こいつらチンピラと変わらない濁声だがどこかで聞いたことのある声。
そして、印象に残る甲殻類か蜘蛛の一種のような髪型。季節外れのノースリーブの服装。
そして何故か下半身の動きやすそうなズボンの上にエプロンをしていた。
「あんたどうして・・・・。」
ルイズはその男、サーレーを見上げる。何故、帰ってきたのかと問おうとする前にサーレーが口を開く。
「他人を助けようとするあんたの甘さが一つだけあんたに帰ってきたのかもな・・・・。」
「なんだ!!てめえ!!」
ジョーンズがサーレーに殴りかかるがそのパンチを右手で簡単に止められ・・・・。
「軽い軽い!魔法に頼りすぎると体鈍るよぉ~。坊主。」
最初のところまでは小ばかにしたように笑っていたが最後の坊主の部分はギャング特有の殺気を込めた迫力のある濁声を張り上げた。
ジョーンズの顔に左ストレートがめり込む。
「ブッ!!」
ジョーンズがペイジと折り重なるようにテーブルの上に吹っ飛ばされた。
貴族の一人の少女が近くのテーブルを飛ぶように滑ってくる二人をみて、ヒッ!と悲鳴を上げた。
その近くの男がその姿を見てサーレーに講義する。
ちなみに彼らはサーレーが昨日、二年生全員を相手に大暴れしたことなど知らなかったのでただの厨房の従業員かと思っていた。
「おい!平民!!こっちに被害を出す気か!!喧嘩なら外でやれ!!」
「そうだ!!」
「そのままボーンナムたちにやられちまえ!!」
周りからブーイングの嵐が吹き荒れるがそんなこと物ともせずにサーレーはギロリと周囲の野次馬を睨んだ。
一瞬、食堂内が水を打ったように静かになった。
「おまえらの中で、こいつらを助けようと思って行動したやつがいるのか?お笑いだぜ!!
平民だのゼロだの馬鹿にして、自分たちは安全なところで高みの見物しやがって!!自分のルールも誇りも自分で勝ち取ったものも無いくせに!!偉そうにしやがって!!お前らがより、ルイズのほうが数千倍価値のある人間だぜ!!まったく!!」
サーレーは一言、野次馬たちに激を飛ばすとルイズとシエスタを不良たちから引き離した。
「まったく、あいつら。やっぱり甘ちゃんだな。あんなのが将来軍人とか国の高官になるとかもうこの国終わったな・・・・。」
ギャングの自分には関係の無い話ではあるが、とサーレーは一人ごちた。
「・・・・・きみ、何してくれちゃってんの?」
ボーンナムが殺気満々の目でサーレーを睨んでいた。
「・・・自己満足。」
サーレーは軽く言うとニヤッと笑う。
ボーンナムもフッと笑うと杖をサーレーに向けた。
「そうだ君。決闘しよう。」
「はあ?」
サーレーは拍子抜けしたような表情で叫ぶがボーンナムはいたって本気だった。
「君が勝てば、この二人は放す。二度と近づかない。ただ、僕らが勝てばこの二人は僕らの“教育”を受けてもらう。いいね?」
「いや、全員だ。」

へっ?というボーンナムに対し、今度はサーレーが本気だった。
「ここにいる全員が平民とルイズを馬鹿にしねえ。それが条件だ。」
「・・・僕の一存ではどうにもならないけど、まあ良いや。」
「「「「「「「「いいのかよ!!」」」」」」」」
周りからまたブーイングの嵐になりそうだったが、サーレーとボーンナムのにらみで黙らせる。
「じゃあ、僕らは先に広場で待ってるよ。」
プラントとジョーンズが今だ気絶するペイジを抱えてボーンナムについていった。
それを見送ったサーレーにルイズが声を掛ける。
「あの・・・・ありが「何でなんですか!サーレーさん!!」」
いきなり横のメイドに邪魔をされた。
ちょっとルイズがむすっとした様子でサーレーとシエスタを睨んだ。
「殺されちゃいます!!何であんなこと・・・・。」「そうよ!!あの四人は学校でもトップクラスのメイジなのよ!!今すぐ誤って・・・・。」
ルイズもそういったが、その時にサーレーが二年相手に互角以上に渡り合った実力者であると気が付いた。
その二人のあせった様子にサーレーはヘラヘラ笑うと二人の肩をポンポンと叩くと、こう言った。
「ダイジョブだ。俺はあんな雑魚に負けねえ。二人とも俺の力、判ってんだろう?
あ、あと悪かったな。いきなり居なくなって。」
サーレーがルイズに向かって詫びた。
「へっ?・・・・分かっているなら・・・良いわよ・・・。」
ありがとな、とサーレーは礼を言うと食堂を出て、広場の場所に進んでいった。
その後姿は今までのへたれの雰囲気は微塵もなく、とても頼もしく見えた。

さあ、真似しましょう。うまく、うまく真似しましょう。死と恐怖だけ真似しましょう。
いつもの如く真似しましょう。誰か誰もが泣き叫ぶような悪夢に真似しましょう。
ここには希望は一人もいません。遠い東国の少年も、金色の心を持つものも、運命のトリックスターはどこにもいません。
悪に対する取立人はこの国にはやってこられない。この世界にはやってこられない。ワクワクワクワク・・・・・・。
あの男の代用品がどこまで生きていられるか楽しみでしょうがない。まずはゆっくり調理しましょう。
邪魔者を消しましょう。彼女と邪悪な心の鉄球使いを使って今日は一組のイレギュラーを消しましょう。
ついでにキザな土使いとその彼女も消しましょう。邪魔で、邪魔で仕方ない・・・・。
ただのギャングには止められない。ただの少女には止められない。ただの戦士や百戦錬磨の武人なんかまず無理だ。ワクワクワクワク。
楽しくて楽しくて・・・・・。
楽しさだけで絶頂しそうだ!!
さあさあ、皆さんお立会い!グランギニョル座の開演だ!!

同日 トリステインにて変死した政府高官の貴族の持っていた一通の手紙より・・・・・


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