ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

偉大なる使い魔-36

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匿名ユーザー

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「ここは・・・?」
わたしは自室のベットの中にいた。
脱ぎ散らかされた衣類、グシャグシャになったシーツと毛布。
ああ・・・いつの間にか眠っていたのね・・・だるい。
体のあちこちが痛い、変な姿勢で寝ていたからかしら。
わたしは鏡台の前に座り鏡を覗き込む・・・ひどい顔。
目は真っ赤だし、まぶたも腫上がってるし、シワシワだし・・・
「って、皺ァ!?」
寝ぼけた思考がクリアになっていく。
体がだるいのは気持ちが沈んでいたからじゃ無かった。
「グレイトフル・デッド!」
プロシュートが今この学院に対して無差別攻撃を行っている!
壁に立てかけてあったデルフリンガーを持ち辺りを警戒する。
「どうした、貴族の娘っ子?」
「プロシュートが来たわ」
「おいおい、相棒は死んだんじゃ・・・」
「黙ってて」
隣の部屋から、すすり泣く声が聞こえてくる。
わたしは直に着替えるとキュルケの部屋前に移動する。
コンコン。軽くドアをノックする。
「わたし。ルイズよ、入るわね」
鍵は掛かっていなかった。
ベットの中で泣いているキュルケに、タバサが部屋の中にいた。
「見ないで、私を見ないでルイズ」
キュルケが毛布を引き上げ顔を隠した。
「別に隠さなくてもいいわよ。わたしもシワクチャなんだから」
キュルケが毛布を目元まで下ろして視線をこちらに向けてきた。
「あなたも?一体何が起こっているのよ」
「プロシュートよ、彼が学院内で無差別攻撃を行っているわ」
「ちょ、ちょっと待ってよルイズ、彼はもうアルビオンで・・・」
ザッ ザッ ザッ ザッ・・・
この足音は!
「命が惜しかったら黙ってて」
閉じたドア越しから向こう側の様子を伺う。
ザッ ザッ ザッ ガチャリ バタン 
わたしの部屋に入った!?
「どうやら来たみたい。行ってくるわ」
わたしがドアに手をかける。
「行くって、どこに?」
「決まってるわ、プロシュートに会いによ」
それだけ言い残し、わたしは自分の部屋に向かった。
部屋の中からガサゴソと音がする。わたしは思い切ってドアを開けた。
ベッドの前にプロシュートが立っていた。傷も無く服も破れていない生きていた
頃とまったく姿の変わらないプロシュートが目の前にいた。
「久しぶりねプロシュート、無差別攻撃なんて一体どういうつもり?」
言いたい事は山ほどあるが、まずはプロシュートの目的を知ることが第一。
「ようルイズ、これは実験だ」
まったく考えもしなかった答え。
「実験?」
「そうだ、オレの能力が小規模のメイジの集団に対して何処までやれるかの
なァ。あと、お前は生獲りにしてくれと子爵から注文が入ってる」
「ワルド・・・」
「だから、オレのこれからの行動は学院のヤツ等を皆殺しにしてお前を
ゲットする事だ!!」

グレイトフル・デッドがプロシュートの側に姿を現した。

「あらあら、皆殺しなんて穏やかじゃありませんこと」
振り返ると制服に着替えたキュルケとタバサが立っていた。
「ちょっとルイズどういう事よ」
「説明を」
キュルケとタバサが迫ってきた。
「後で話すわ。下がっていて頂戴」
「今この状況で下がれる訳無いじゃない」
「・・・それは、わたしと一緒に戦うという事でいいの?」
「ウィ、綴りは合っているかしら」
キュルケがニヤリと笑う、タバサも頷いた。
そうと決まれば・・・わたしはグレイトフル・デッドを指差した。
「タバサ、プロシュートの前に何か『居る』のがわかる?」
たしかワルドは風の動きでグレイトフル・デッドの存在を把握していた。
「・・・微妙」
しかし、タバサの答えは頼り無いものだった。
動きがあればハッキリと判るかもしれない・・・
「キュルケ、ファイアーボールを」
「なに命令してんのよ」
ジト目でこっちを睨んでくる。
「タバサの為よ、これで倒せたら儲けものじゃない」
「・・・しょうがないわね」
キュルケがファイアーボールを唱え杖を振るう。

バシッ

炎は、あの大きな手によって弾かれ窓を破り外に突き抜けていく。
「起動が逸れた?」
火の扱いには自信のあるキュルケが驚きの声をあげる。
「違うわ、逸らされたのよ。タバサ!どう、判った?」
「・・・判った・・・何か『居る』」
タバサの顔色が悪いような・・・
「おいキュルケ、覚悟はあるんだろうな」
プロシュートがキュルケに話しかける。
「覚悟?戦う覚悟かしら」
キュルケの表情が硬い。わたしにも虚勢を張っているのが分かる。
「違うな、老いて死ぬ覚悟だ」
ギロリとキュルケを睨んだ。
「ひっ」
キュルケから虚勢が消えた。
「・・・やだ・・・」
キュルケは踵を反すとダッシュで逃げていった。
「キュルケェェェ走っちゃ駄目よ!!」
逃げるのは別に構わない。責めるつもりも無い・・・

だけど今・・・この状況で走ってはいけない・・・


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