ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

小ネタ-42

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匿名ユーザー

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「きみたちが、わしらを連れてきた場所が食堂で助かったわい」
「じじい、何言ってやがる?」
アルビオンに雇われた傭兵部隊がトリステイン魔法学院を急襲した
女生徒おおよそ九十人と学院長であるオールド・オスマン氏が
人質にとられ、護衛に来ていた銃士隊も、捕らわれずに済んでいた
キュルケ、タバサの両名も隙を伺うことしかできなかった
そんな中で、オスマン氏は突如としてそんなことを言い放つ
「ここなら、すぐ隣の厨房に、美味いワインがたくさんあるからのう」
「へっ!その美味いワインでどうするってんだ?!
 まさか、飲ませて酔わせる……なんて作戦が、
 今更利くと思ってんじゃねえだろうな!」
メンヌヴィルは、義眼でオスマン氏の方を睨みつける
「いいや、飲ませはせんよ。ただ、たーーーっぷりと味わってもらうだけじゃ。
 ……血管で、直接のう!!」
オスマン氏の目が、かっ!と大きく見開かれた
「うっ?な、何だ?」
傭兵達が何人かざわざわと騒ぎ出し、膝をついていく
「き、気分が、悪ィ……」
「頭痛が、する……」
「は、吐き気もだ……」
ばたばたと床に膝を突いていくメイジ達の体温の変化にメンヌヴィルは困惑する
「てめえ、何をしやがった!!」
「ほっほっほ。知らんかったんかのう?酒を直接血管に入れると、
 簡単に、泥酔した酔っ払いが完成するんじゃよ?」
笑うオスマン氏にメンヌヴィルがわなわなと震える
「てめえら何やってやがる!水メイジ、とっとと治療を……!」
「む、無理です、杖を折られて……わ、わあああああ!!」
「何だあああ、この虫みてえなのはあああ!」
アニエスは、遠巻きからその光景を唖然として見ていた
食堂から何か小さな虫のようなものが現れたかと思ったら
そいつらが傭兵達に近づき、何かをした
そうしたら、傭兵達が次々と倒れていったのだ
その虫の群れは倒れた傭兵達の腕から杖を奪っては折り、
抵抗しようとしたものには容赦なく攻撃を加えていた
ある者は肉を削がれ、あるものは眼球をくり抜かれて悲鳴を上げる
「な、何なんだ、何が起こってやがる?!」
「……聞いたことはあるよ。『白炎』のメンヌヴィル。
 盲目の炎使いの傭兵じゃとな。……ある種の蛇は、
 体温で獲物を見つけるという。主もそうやって敵を判別しておるんじゃろ?」
ゆらり、とオスマン氏が立ち上がる
自身と生徒達を縛っていたロープは既にに彼の『使い魔』によって引きちぎられていた
「ど、どんな魔法を使いやがったんだ、てめえ!」
「魔法ではない。わしの使い魔じゃよ。さあ、みなのもの、今の内に
 逃げるのじゃ!傭兵達には構うでない!!」
きゃあきゃあと悲鳴を上げながら、女生徒達が逃げ出す
「待て、逃がすか!」
メンヌヴィルは生徒達に杖を向けようとして、体中に張り付く何かの違和感に気がついた
「それが、わしの使い魔じゃよ。気づかなかったじゃろう?
 そいつらには、体温というもんが存在せんからのう」
部屋にあった杖は、既に使い魔の手によってオスマン氏の手の中にある
「ぐ、離れろ!」
「一体一体の力は、せいぜい人の肉を削ぐくらいしかできんがのう」
メンヌヴィルはその言葉にぞっとした
やろうと思えば、この虫のような何かは簡単に自分を殺せるのだ
「そんだけ集まれば、身動きをとるのもしんどかろうて……」
「何なんだ、こいつらは、何なんだ貴様は!」
「ふむ、そういえば名乗っておらなんだのう」
オスマンは自身の長く白い口ひげをこともなげに撫でる
「わしは、トリステイン魔法学院の学院長。オールド・オスマン。
 二つ名は『収穫』。そう呼ばれる由来は、二つじゃ。
 一つは、わしの使い魔であるそやつらの名が『ハーヴェスト』であること」
メンヌヴィルの手からは既に杖が奪われている
その体には500を優に超えるであろう『ハーヴェスト』達が群がっている
「もう一つは、わしが『刈り取る』からじゃよ……『敵の命』を、のう。
 やれ!『ハーヴェスト』ッ!!」
甲高い人の声のような鳴き声をあげると、ハーヴェスト達は
一斉にメンヌヴィルの体中に食らいついた
「が、があああああああ!!」


女生徒達は肉を削がれる傭兵達の姿に悲鳴をあげ眩暈を起こし、
銃士隊は呆気にとられてその光景を見つめていた
「お、おい、てめえら!」
聞こえてきた声に、アニエスがはっとなって後ろを振り向いた
どうやら別行動をしていたらしい傭兵が、一人のメイドの喉元に杖を突きつけていた
「う、動くんじゃねえ!今すぐ隊長を解放しやがれ!
 で、でないと、この女がどうなっても知らねえぞ!」
「しまった!」
「杖と銃を捨てて、その妙な使い魔も動かすんじゃねえ!」
だらだらと脂汗を垂らしながら、傭兵は必死に叫ぶ
「あー、構わんがのう。隊長殿は、既に遺体じゃぞ?」
からん、と床に杖を転がしながらオスマン氏はさらりと言い放つ
「それから、もう一つ。お前さん、運が悪かったのう。
 よりにもよって、その娘を人質にしちまうとは……」
「何を言ってやが……」
「あ、あの……」
腕の中のメイドが声を発した
「……私って、子供の頃から興奮すると眼輪筋がピグピグいって
 ちょっと、暴力的な気分になるんですよね」
それは殺されるかもしれない、という怯えた声ではなく
むしろ何かしら怒りを込めた声だ、と傭兵は思った
では、その怒りを向ける対象とは、何だろうか?
……決まっている 彼だ
彼の腕はいつの間にか何か黒い紐のようなもので絡め取られている
「え、あ、あれは?」
事の成り行きを見守っていたキュルケが愕然として呟く
「意外。それは髪の毛」
もう大丈夫だろうと安心しきった様子でタバサが答えた
ただ、さっきの虫と髪の毛は若干夢に出そうだと思ってほんの少し身を震わせた
髪の毛で傭兵を拘束したまま、シエスタは腕の中からあっさり抜け出すと
恐ろしい形相で傭兵に向き直った
「このままションベンたれの(ピーッ)ひきぬいて
 そこから内臓ブチまけてさしあげますッ!」
およそ十代の少女が口にするに相応しくない叫びが彼女の口から出た直後
傭兵の悲鳴が食堂に響き渡った


名も無い傭兵達:肉を削がれたり眼球を抜かれたりしたが生存し捕縛 再起可能
『白炎』のメンヌヴィル:オスマンに命を『収穫』され死亡 再起不能
人質にとった傭兵:ションベンたれの(ピーッ)をひきぬかれ
            さらに内臓もブチまけられた 再起不能
女生徒達:眠ろうとすると髪の毛に拘束されたり虫のような何かに
       たかられたりする夢を見て中々眠れなくなった 再起可能
『収穫』のオスマン:スタンド名『ハーヴェスト』
            女生徒や教師達からちょっと見直されたが
            ハーヴェストを覗きに使ったのがバレて袋叩き 再起不能?
『土くれ』のフーケ:オスマンの能力のことは知っていたが教えなかった
           故郷に帰り妹分や孤児やブチ犬と暮らす 再起可能
シエスタ:スタンド名『ラブ・デラックス』
      同じ能力を持っていた近所の奥さん(ユカコ・ヒロセ)に
      能力の使い方を習っていてよかった、と思う 再起可能
マルトー:スタンド名『パール・ジャム』
      その後厨房に逃げ込んでいた傭兵の一人を石鹸でぶん殴る 再起可能

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