ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

偉大なる使い魔-35

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匿名ユーザー

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いつもの日課をこなす為に広場に出ると隅の方で一人のメイドが泣いていた。
あの黒髪はシエスタだ。
「どうしたのシエスタ。マルトーさんにでも叱られたの?」
シエスタはブンブンと首を横に振った。
「余計なお世話だったかしら・・・わたし、もう行くわね」
この場は、そっとしておこう。
「・・・待ってくださいミス・ヴァリエール、話を聞いてもらえますか」
「ええ、聞かせてちょうだい」
シエスタと建物の階段に並んで座り込んだ。
暫く黙り込んだ後シエスタは静かに語りだした。
「・・・私、帰る所が無くなっちゃいました」
「帰る所が無くなったって、どうゆうこと?」
「たった今聞きました。二日前に私の故郷タルブ村が全滅しました・・・
原因は不明・・・」
      • 全滅・・・原因不明・・・
「王国のアカデミーの調査でも何も解っていません。亡くなった村の人達から
ディレクトマジックの反応無し。現在調査中、村人が持っていた未知の病気が
一斉に発症した可能性が有るという事でタルブ村出身の私にも調査に来られ
ました。そのお蔭でこの事を知る事が出来たんですけど。」
シエスタの目から、いつもの輝きが消えていた。
「ごめんなさいシエスタ・・・何て言葉を掛けて良いのか分からないわ」
「いいんですよ、ミス・ヴァリエールもプロシュートさんを失ったではありませんか」
虚ろな目で微笑むシエスタが痛々しくて見ていられない。
「でも、でも使い魔一人と家族全員じゃ・・・」
わたしの言葉をシエスタはさえぎった。
「ミス・・・数の問題ではありません。命の重さに変わりありませんから」
シエスタの瞳から涙が溢れていた。
「ごめんなさい、シエスタ」
「だから、謝らないで下さい。話を聞いてもらっただけで充分ですから」
      • 軽々しく聞くんじゃなかった・・・なんて無力なの・・・
「調査に来られた方は、こう仰られました。これは始祖ブリミルの怒りだと」
「始祖ブリミルの怒り?」
「いつまで経っても聖地を取り戻さない貴族に始祖ブリミルがお怒りになった
      • そう仰ってました」
何処かで聞いた事あるような無いような。
「だけど、おかしいじゃ無いですか!それなら、何でメイジでも貴族でもない
村の人達が全員死ななきゃならないんですか!」
今までずっと押えてきたのかシエスタの感情が爆発した。
「シ、シエスタ落ち着いて」
「どうして、みんな老衰で死ななきゃならないんですか!どうして!どうして!」
老衰ですって!!シエスタの両肩を押さえ怒鳴りつける。
「シエスタ!!」
シエスタは一瞬唖然としたが、直に気を取り戻した。
「す、すみませんミス・ヴァリエール取り乱してしまいまして」
「いいのよ、それよりも今『老衰』って言った?
何も解らなかったんじゃなかったの?」
「あ!すいません混乱してまして話す順番を間違えてしまいました」
「構わないわ。こんな事があったんですもの、続けてちょうだい」
「村の人達は全員老衰で死んでいたそうです・・・
お爺ちゃん、お婆ちゃん、子供達、赤ちゃんまで・・・原因は不明です」
お爺ちゃん、お婆ちゃん、子供達、赤ちゃんまで老衰で死亡・・・
「グレイト・・・フル・デッド・・・」
「ミス・ヴァリエール・・・なんですって?」
あ、ああああ、ああああぁああああああああああああああああ・・・
お、思い出した。ゆ、夢を・・・唯の夢じゃなかった・・・
何故、忘れていたの・・・オリヴァー・クロムウェル・・・
      • おのれ・・・どこまで、わたしを苦しめれば気が済むの・・・

      • その偉大なる使命のために、始祖ブリミルは余に力を授けたのだ
閣下、始祖が閣下にお与えになった力とは何でございましょう?
よければ、お聞かせ願えませんこと魔法の四大系統はご存知かね?
ミス・サウスゴータその四大系統に加え、魔法にはもう一つの系統が
存在する。始祖ブリミルが用いし、零番目の系統だ。真実、根源、
万物の祖となる系統だ零番目の系統・・・虚無?余はその力を、始祖
ブリミルより授かったのだ。だからこそ、貴族議会の諸君は、余をハル
キゲニアの皇帝にすることを決めたのだ・・・

お、オオオ・・・オリヴァー・クロムウェル・・・虚無ですって・・・
わたしが求める虚無の系統をお前が!?・・・
うあああああああああぁああああァあああ・・・
どこまで!どこまで人をコケにすれば気が済むのオリヴァー・クロムウェル!!

だけど、これで終わりじゃなかった・・・負の連鎖は止まらない。


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