ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

偉大なる使い魔-34

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匿名ユーザー

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わたしは夜遅く魔法の練習を広場の隅で行っていた。
「ウル・カーノ」
火は起こらず爆発するだけだった。錬金、風鎚、凝縮、着火・・・
相変わらず何を唱えても爆発しか起こらない、変わった事といえば
抜群にコントロールが良くなった事位ね。
夜も遅いというのに本塔からメイドたちがゾロゾロと出てきた。
「精が出ますねミス・ヴァリエール」
その中の一人が声を掛けてきた。
「シエスタこそ、こんな時間まで仕事してたの?」
「はい、厨房と食堂は常に清潔にしておかないと、虫が出たら大変ですから」
確かに食事に虫が入っていたら大騒ぎよね。
「ミス・ヴァリエール・・・あまり根を詰めると体に良くありませんよ」
「それは、あなたの方じゃないの?」
わたしがこんな生活を始めたのは、つい最近だというのにシエスタは
今まで朝早くから夜遅くまで働き詰だ。
「私ですか?私はキチンと息抜きしてますよ」
エプロンの下からスッと一冊の本を取り出し、わたしに手渡した。
「さあ、どうぞどうぞ」
読んでみろっていうの?建物の明かりを頼りに本を読んでみる。
なになに・・・バタフライ伯爵夫人の優雅な一日。

なっ、何?何なのコレは!?××××って何!?
「あががががががががが・・・か、返すわ」
シエスタに本を突っ返す。
「お気に召しませんか?」
「召さないわ」
本をエプロンの下に戻すと今度は紙束を取り出した。
どれだけ入れてんのよ。
「では、こちら等いかがでしょう」
紙束を受け取り読んでみる、また同じような内容なんだろうか。

見つめ合うギーシュとプロシュート。
ギーシュ、プロシュート、ギーシュ、プロシュート。
お互い名前を囁き合いながら顔を近づけ、そして・・・

「えーと、シエスタさん・・・これは一体なんでしょう?」
「ギーシュ様×プロシュートさん。ギーシュ様へタレ攻めですわ」
シエスタは極上の笑みを見せた。
「あの男同士なんですけど?」
理解出来ないわ。
「ミス・ヴァリエール」
シエスタがコホンと静かに告げる。
「そこが、いいんじゃないですか」
「ごめん、わかんないわ」
      • ていうか、プロシュートの名前を勝手に使わないで欲しいんだけど。
「そうですか・・・」
シエスタ、こちらが申し訳なく思うぐらいガッカリしていた。
「お力になれなくて残念です」
シエスタは肩を落とし、トボトボと去って行った。

わたしは走り込みの後建物の周りを息を整えながら歩いていた。
バタフライ伯爵夫人・・・あんな物が平民の間で出回っているの?
それに、あの紙束・・・
角を曲がると出会い頭に紙束を山ほど抱えた人とぶつかり
向うの人が持っていた紙束がバサバサと地面に落ちていった。
「ご、ごめんなさい。拾うわ」
ぶつかった人はマリコヌルだった。わたしは紙束を拾うためにしゃがみこむ。
「ル、ルイズ!?いいよいいよ、僕がやるから」
彼が杖を振るうと落ちていた紙が元通りに纏り、彼の両手の中に納まる。
「じゃあ、僕は急ぐから」
マリコヌルはワタワタと駆け抜けていった。
「なんなのよ一体」
わたしも寮に戻ろうと足を向ける。
カサッ。一枚の紙が足元に落ちていた。
取りこぼしだろうか、わたしは紙を拾い上げるとそこには絵が描かれていた。
キュルケとタバサ、二人が服を半分脱いだ状態で絡み合っていて
下にこう書かれていた。
タバサ×キュルケ

      • ああ・・・世の中って広いなあ・・・


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