わたしは夜遅く魔法の練習を広場の隅で行っていた。
「ウル・カーノ」
火は起こらず爆発するだけだった。錬金、風鎚、凝縮、着火・・・
相変わらず何を唱えても爆発しか起こらない、変わった事といえば
抜群にコントロールが良くなった事位ね。
夜も遅いというのに本塔からメイドたちがゾロゾロと出てきた。
「精が出ますねミス・ヴァリエール」
その中の一人が声を掛けてきた。
「シエスタこそ、こんな時間まで仕事してたの?」
「はい、厨房と食堂は常に清潔にしておかないと、虫が出たら大変ですから」
確かに食事に虫が入っていたら大騒ぎよね。
「ミス・ヴァリエール・・・あまり根を詰めると体に良くありませんよ」
「それは、あなたの方じゃないの?」
わたしがこんな生活を始めたのは、つい最近だというのにシエスタは
今まで朝早くから夜遅くまで働き詰だ。
「私ですか?私はキチンと息抜きしてますよ」
エプロンの下からスッと一冊の本を取り出し、わたしに手渡した。
「さあ、どうぞどうぞ」
読んでみろっていうの?建物の明かりを頼りに本を読んでみる。
なになに・・・バタフライ伯爵夫人の優雅な一日。
「ウル・カーノ」
火は起こらず爆発するだけだった。錬金、風鎚、凝縮、着火・・・
相変わらず何を唱えても爆発しか起こらない、変わった事といえば
抜群にコントロールが良くなった事位ね。
夜も遅いというのに本塔からメイドたちがゾロゾロと出てきた。
「精が出ますねミス・ヴァリエール」
その中の一人が声を掛けてきた。
「シエスタこそ、こんな時間まで仕事してたの?」
「はい、厨房と食堂は常に清潔にしておかないと、虫が出たら大変ですから」
確かに食事に虫が入っていたら大騒ぎよね。
「ミス・ヴァリエール・・・あまり根を詰めると体に良くありませんよ」
「それは、あなたの方じゃないの?」
わたしがこんな生活を始めたのは、つい最近だというのにシエスタは
今まで朝早くから夜遅くまで働き詰だ。
「私ですか?私はキチンと息抜きしてますよ」
エプロンの下からスッと一冊の本を取り出し、わたしに手渡した。
「さあ、どうぞどうぞ」
読んでみろっていうの?建物の明かりを頼りに本を読んでみる。
なになに・・・バタフライ伯爵夫人の優雅な一日。
なっ、何?何なのコレは!?××××って何!?
「あががががががががが・・・か、返すわ」
シエスタに本を突っ返す。
「お気に召しませんか?」
「召さないわ」
本をエプロンの下に戻すと今度は紙束を取り出した。
どれだけ入れてんのよ。
「では、こちら等いかがでしょう」
紙束を受け取り読んでみる、また同じような内容なんだろうか。
「あががががががががが・・・か、返すわ」
シエスタに本を突っ返す。
「お気に召しませんか?」
「召さないわ」
本をエプロンの下に戻すと今度は紙束を取り出した。
どれだけ入れてんのよ。
「では、こちら等いかがでしょう」
紙束を受け取り読んでみる、また同じような内容なんだろうか。
見つめ合うギーシュとプロシュート。
ギーシュ、プロシュート、ギーシュ、プロシュート。
お互い名前を囁き合いながら顔を近づけ、そして・・・
ギーシュ、プロシュート、ギーシュ、プロシュート。
お互い名前を囁き合いながら顔を近づけ、そして・・・
「えーと、シエスタさん・・・これは一体なんでしょう?」
「ギーシュ様×プロシュートさん。ギーシュ様へタレ攻めですわ」
シエスタは極上の笑みを見せた。
「あの男同士なんですけど?」
理解出来ないわ。
「ミス・ヴァリエール」
シエスタがコホンと静かに告げる。
「そこが、いいんじゃないですか」
「ごめん、わかんないわ」
「ギーシュ様×プロシュートさん。ギーシュ様へタレ攻めですわ」
シエスタは極上の笑みを見せた。
「あの男同士なんですけど?」
理解出来ないわ。
「ミス・ヴァリエール」
シエスタがコホンと静かに告げる。
「そこが、いいんじゃないですか」
「ごめん、わかんないわ」
- ていうか、プロシュートの名前を勝手に使わないで欲しいんだけど。
「そうですか・・・」
シエスタ、こちらが申し訳なく思うぐらいガッカリしていた。
「お力になれなくて残念です」
シエスタは肩を落とし、トボトボと去って行った。
シエスタ、こちらが申し訳なく思うぐらいガッカリしていた。
「お力になれなくて残念です」
シエスタは肩を落とし、トボトボと去って行った。
わたしは走り込みの後建物の周りを息を整えながら歩いていた。
バタフライ伯爵夫人・・・あんな物が平民の間で出回っているの?
それに、あの紙束・・・
角を曲がると出会い頭に紙束を山ほど抱えた人とぶつかり
向うの人が持っていた紙束がバサバサと地面に落ちていった。
「ご、ごめんなさい。拾うわ」
ぶつかった人はマリコヌルだった。わたしは紙束を拾うためにしゃがみこむ。
「ル、ルイズ!?いいよいいよ、僕がやるから」
彼が杖を振るうと落ちていた紙が元通りに纏り、彼の両手の中に納まる。
「じゃあ、僕は急ぐから」
マリコヌルはワタワタと駆け抜けていった。
「なんなのよ一体」
わたしも寮に戻ろうと足を向ける。
カサッ。一枚の紙が足元に落ちていた。
取りこぼしだろうか、わたしは紙を拾い上げるとそこには絵が描かれていた。
キュルケとタバサ、二人が服を半分脱いだ状態で絡み合っていて
下にこう書かれていた。
タバサ×キュルケ
バタフライ伯爵夫人・・・あんな物が平民の間で出回っているの?
それに、あの紙束・・・
角を曲がると出会い頭に紙束を山ほど抱えた人とぶつかり
向うの人が持っていた紙束がバサバサと地面に落ちていった。
「ご、ごめんなさい。拾うわ」
ぶつかった人はマリコヌルだった。わたしは紙束を拾うためにしゃがみこむ。
「ル、ルイズ!?いいよいいよ、僕がやるから」
彼が杖を振るうと落ちていた紙が元通りに纏り、彼の両手の中に納まる。
「じゃあ、僕は急ぐから」
マリコヌルはワタワタと駆け抜けていった。
「なんなのよ一体」
わたしも寮に戻ろうと足を向ける。
カサッ。一枚の紙が足元に落ちていた。
取りこぼしだろうか、わたしは紙を拾い上げるとそこには絵が描かれていた。
キュルケとタバサ、二人が服を半分脱いだ状態で絡み合っていて
下にこう書かれていた。
タバサ×キュルケ
- ああ・・・世の中って広いなあ・・・