ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

偉大なる使い魔-33

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匿名ユーザー

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朝昼は授業、夕は図書館、夜は体を鍛えるために広場でデルフリンガーを
抱えながら走り込みをしていた。
「貴族の娘っ子、もう止めとけバテバテじゃねえか」
「何を言っているのデルフリンガー・・・ハアハァ・・・あなたが言ったんじゃない
      • 体を鍛えることの基本は・・・走り込みだと・・・ハアハァ・・・」
虚無の手がかりはデルフリンガーの記憶の中にあるというのなら、わたしが
振って思い出してもらうしかない。
「やり過ぎだ、最初からそんなんじゃ鍛えるどころか体をブッ壊しちまう」
「まだよ・・・まだ全然足りないわ・・・」
「どうなってもしらねーよ俺ァよー」
さて、もう一頑張りしますか。顔を上げると月に照らされて人影があらわれた。
「誰?」
わたしが声をかけると、人影はびくっ!として持っていた何かを取り落とした。
がちゃーん!と月夜に陶器の何かが響き渡る。
「わわわ、やっちゃた・・・。また、怒られちゃう・・・、くすん」
「シエスタ!?」
月明かりに照らされて姿を見せたのはメイドのシエスタだった。
メイドの名前なんか覚えないわたしだけどプロシュートが結果的に助けたという
縁で言葉を交わすようになっていた。
「あのっ!とても珍しい品が手に入ったので、ミス・ヴァリエールにご馳走しよう
と思いまして、お茶っていうんです。走られて喉が渇いているんじゃありません
か、よければどうぞ」
「覗いてたの?」
「いえ、その、そういうわけじゃ!」
シエスタに見られても別に問題ないか・・・
「まあいいわ、淹れてちょうだい」
「はい、お待ちください」
お茶に口をつける・・・独特の味ね・・・
「シエスタ、ミルクは無いの?」
「いえ、これは何も入れずに飲むそうですよ」
「ふーん」
思っていたより喉が渇いていたのか、あっという間に飲み干した。

ぐー

わたしのお腹が大きな音を立てる、シエスタにもしっかりと聞こえたようね。
走りまくったせいでお腹の中が空っぽになったようだ。
「あははは・・・はしたないわね」
「お気になさらず、こちらも宜しければいかがですか?」
シエスタが小皿を差し出してくる、そこにはクックベリーパイが!
「い、いいの?」
「ええ、どうぞ」
「ありがとう、頂くわ」
本当ならかぶりつきたいところを我慢してフォークで行儀良く食べていく。
「ンまーい!」
      • ああ・・・しあわせ・・・
「お茶の御代りもどうぞ」
紅茶が欲しいけど、しょうがないか。新しく淹れられたお茶を飲む、これは・・・
「甘さが口の中からスッと引く感じがする、悪くないわね・・・
それにクックベリーパイもディ・モールト(非常に)美味しいし・・・
マルトーさん、いい仕事してるわね」
「いえ、あの違うんです」
シエスタが声をあげる。
「あの、これは私が焼いたんです」
「本当なの?町で売っている物より美味しいわよ」
「はい練習しましたから」
「まさか、わたしの為に?」
「はい、ミス・ヴァリエール最近元気が無いように見えたものですから」
自分で気がつかなかったけど、シエスタにはそう見えたのか・・・
「ありがとシエスタ、おかげで元気百倍よ!」
「喜んで頂いてなによりです」
「じゃあ行くわ、ご馳走様シエスタ」
「ミス・ヴァリエール今日のところはその辺りにしておいたほうが・・・
明日に差し障りが出ますので・・・」
「大丈夫よ、これ位。じゃあねシエスタ」
わたしはデルフリンガーを抱え再び走りだした。

翌日シエスタの言った通り体が痛くてベッドから出る事が出来なかった。


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