ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

亜空の使い魔-2

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匿名ユーザー

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「成る程、ここが魔法とやらがある世界だというのは理解した」
少女に連れられた部屋の床に胡坐をかき、ヴァニラは憮然とした表情でベットに腰を下ろしたルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、通称ルイズ、そして自称・ご主人様へ頷いてみせる
「分かった?平民が貴族の使い魔になるなんて普通じゃ考えられないことなのよ、感謝なさい」
ルイズの偉そうな態度に思わずプッツンしそうになるがここは堪える
まだ聞きたいことがあるのに殺しては拙い、ここは冷静になるべきだ
「それで私はどうすればエジプトに、元の世界へ帰れる?」
この傲慢な貴族の小娘に構っている暇など無い、DIO様に万が一などありえないがまだ戦えるのなら直ぐにでもお傍に参じたい。切なる思いを胸に訊ねる
しかしッ
「は?無理に決まってるでしょ。サモンサーヴァントで召喚された使い魔が帰れるわけ無いわ」
ルイズがさらりと告げた事実は忠誠心の塊であるヴァニラを凹ませるには十分ッ!
しかしヴァニラは凹みはしなかった、逆に
「ふざけるなこの小娘がッ!!」
「きゃっ!」
突然の怒声と共に立ち上がったヴァニラに気圧され、ルイズは思わずベットの上に倒れる
ガオンッ!!
「な、何よ突z・・・・」
気圧された事で貴族としてのプライドが若干傷付いたが直ぐにその考えを改めた
「・・・・何、これ?」
ベットに仰向けに倒れたままのルイズの視界に映ったのは見慣れた天井と、まるでワインの コルクを抜いたように綺麗に刳り貫かれた壁、そしてそこから覗く外の景色だった
「ちょっとヴァニラ、アンタいったい何したのよッ!?」
慌てて起き上がりヴァニラに詰め寄るが何故かヴァニラはヴァニラで驚いていた
「何だこれは!?」
長身の男が怯えたように身体を震わせるのは滑稽を通り越して異常ッ
ましてやルイズにはその原因が見えないのだから尚更だ
そう、原因はルイズに見えないもの
即ちヴァニラのスタンド、クリームだった
「小さい!縮んでいるのかッ!?」
この世界に来て始めた発動させたスタンドの姿は彼が子供の頃の状態に近かった
もし元の大きさならルイズが倒れたところで問題なく亜空間にばら撒いていただろうが
生憎小さくなったスタンドではそれは叶わなかった
「何だか分からないけど・・・・・これはアンタがやったのね?」
ショックを受けているヴァニラにルイズは恐る恐る声をかける
「ああ、私がやった・・・」
ありえない、等とぶつぶつと呟きながら上の空で返すヴァニラを他所にルイズは
「凄いじゃないの!平民なんて使い魔にしてこれからどうしようかと思ったけどこれならキ
ュルケにも・・・・・・」
泣きたくなるような小さな胸の中に青写真を描き、はしゃぎだした
「ヴァニラ!アンタこれから・・・・・あれ?」
青写真を現実にすべく使い魔に指令を出そうと現実に戻ったルイズ、しかし部屋には自分以外誰も居ない
おまけにドアには鍵がかかっているし開錠もドアの開閉される音も聞こえなかった
他に出口といったら同じく鍵のかかった窓と
「・・・・・・まさか、この穴?」
壁にぽっかりと開いた穴の縁に触れてみるがとても人が、ヴァニラのような大男が通れるはずも無い
「いったいどこに消えたのよ・・・?」
ルイズの呟きは、壁に開いた穴から漏れる宵闇に、静かに溶けた



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