ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

風と虚無の使い魔-30

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匿名ユーザー

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「いざ進めやギーシュ!めざすはヴァルダンテ♪」
トリステインの南方目指し、馬を駆る
「ねえ、なんでこいつがいるのよ、キュルケ」
ルイズがため息をつく。
「説明しよう!ギーシュは宝探しなどという面白そうなことに関しては
鋭い嗅覚を持っているのである!」
「要するにあんたが勝手についてきたわけね、このアカポンタン」
「まあそうともいうね」
「じゃあ帰りなさいよ、一応私のためなんだから」
「なにも成果を得ずに帰ったらおしおきされちゃうじゃないか!」
「誰によ誰に」
「まあまあ、ミス・ヴァリエール、いいじゃないですか」
シエスタが宥める。
「さすが、美しい女性は僕のことをわかってくれるな!ハハハ!」
「シエスタ、こんな奴かばうことないわよ、
まあシエスタがそう言うなら許してあげるわよ、感謝しなさい」
キュルケが地図を開いて先導する。
「えーと、まずはここから東に1キロね…」

トリステインを数日かけて各所を周り、六日目には大量にあった宝の地図ももう残り数枚になっていた。
「なによキュルケ、宝なんて全然ないじゃない。なによこのガラクタの山は!」
「ヒンタボアイランドへの地図、星がいくつか入った黄色いボール、
変な円盤、DISCって書いてあるわね…しん・よげんのしょってなによこの汚い紙は…
あとは…波動エンジン設計図?なによこれ」
キュルケがひとつ黒いノートを拾う。
「この黒いノートなんか使えるんじゃない?なにか書いてあるけど読めないわね…
とりあえずギーシュの名前でも書いておくわ」
「あれ、ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー、ミスタ・グラモンが心臓を
抑えてもがいていますけど…あ、動かなくなりました」
「いいのよ、ほっときなさい、ギーシュだから」
「ギーシュだもんね」
「そうですか…」
ルイズが振り向いてキュルケに尋ねる。
「あとどこが残ってるのよ」
「あとはタルブ周辺だけね、シエスタ案内してくれるー?」
「ええ、もちろんですよ」
「じゃあ、ギーシュいくわよ、って動かないんだったわね…フレイムー、
ギーシュひきずってきなさーい、重かったら焼いてもいいから」
「ぎゅるぎゅる!?(そ、そんなご主人さま、それはひどすぎるんじゃあないですか!?)」
といいながらギーシュを引きずり、馬に乗せる。

「さあ、目指すは南よー」
キュルケが行く先を指さした。



「なんか薄気味悪い森ね…」
ルイズが呟く。
「いかにも今回の山場って感じだね、諸君」
「あら、ギーシュ生きてたの?」
「ギャグキャラは死なぬ!何度でも蘇るさ!」
「なにか出るかもしれないわね、警戒して進みましょう」
その言葉を聞いてギーシュがバラをあしらった杖をくわえる。
「ふふ、こんなこともあろうかと、今週のびっくりドッキリワルキューレ!
名付けて、ワルキューレ旅団!全国の女子高生の皆さんどうぞご覧下さい!」

説明しよう!ワルキューレ旅団とは、大型のワルキューレを手のひらサイズまでに小型化し、
数を増やした物である!数は増やしたが体積は減っていないため、戦力を集中させることによって
従来の敵にも対処でき、かつ一体一体の体積は小さいため、全滅させることは困難、という代物である!
偵察、威力偵察、囮、遅延作戦、多方面攻撃など幅広い任務に使えるぞ!
「そして、最終的には合体して超電磁やゲッター線、ミノフスキー粒子などを使えるようにする予定だ!
どうだ、すごいぞ! かっこいいぞー!戦いは数だー!ワハハハハハ!」
「…まあいいわ、やってみなさい」
大量のワルキューレをばら蒔き、森の中へ進ませる。

「第一青銅大隊はそのまま前進、第二黒金大隊は停止し、第四…じゃなかった第三偵察小隊を十時の方向に、
えーと第二青銅大隊は停止じゃなかった第五白銀大隊が、えーとそんなにないよなあ…第三黒金大隊でいいのかなあ」
「指揮が混乱を究めてるわね」
「う、うるさいルイズ、大量のゴーレムを動かすってのはすごい集中力がいるんだぞ!」
「じゃあなんでむやみやたらに増やすのよ…」
「大きくするなら大きく、小さいなら全力をかけて大量生産が僕のポリシーだからね」
「まるで使えないわね…どっかのヒゲ伍長の兵器みたいだわ」
「う、うるさいな、……ん?あれ、おかしいな第十六偵察小隊が動かないなあ、どうしたんだろう」
「あんたのゴーレムでしょ、私に聞かないでよ。そもそもなによその小隊の数は、何体いるのよあんたのゴーレム」
「あ、あれ?どんどん動かせるゴーレムが減っていく、も、もしかして敵襲かなあ…」
キュルケがため息をつく。
「偵察の意味ないじゃない…」
「で、でも敵がいることがわかっただけでも大きな進歩じゃないかね?」
「普通にゴーレム出せばよかったじゃないの、とにかくなんとかしなさいよ」
「わかった、とりあえず集合させよう、これでなにが起きてるかわかるはずだ」

ギーシュが目をつぶって杖を振る。
「お、オーク鬼の集団だ!」
ギーシュが悲鳴をあげる。
「総員退避ィいいいい!こっちまで撤退いいいッ!」
ルイズが慌ててギーシュの肩を揺する。
「ちょ、ちょっと、そんなことやったら私たちのところにオーク鬼が来ちゃうじゃない!」
「あああああ!忘れてたあああ、でももう遅いや、あはははは」

ボロボロの小さなワルキューレが次々と集まってくる。
「なんだこりゃ、オーク鬼にやられたにしては…穴だらけなんて不思議な傷だな…?」

ガサガサよ周りの藪が動く。全員杖(シエスタはフライパン)を構え、場が静まる。
そして、藪からオーク鬼が顔を出した。
「来たわよッ!」
ルイズが叫ぶ。


しかし、いたのはオーク鬼だけではなかった。
キュルケがあとずさりしながら言う。
「ね、ねえ、これはなに?ギーシュのゴーレムなの?なんか小さい兵隊で、銃みたいなのを持ってるけれど…」
「え?僕のゴーレムはもうここに全て集まって……」

小さな兵隊が銃をこちらに向ける。
「伏せなさいッ!」
ルイズが叫んだ次の瞬間、小さな銃からでた弾丸が伏せたルイズ達の上を突き抜けていく。
「ど、どうなってるんだ!?」
ギーシュがうろたえる。
「もしかして…スタンドじゃない?人間以外が持ってるってこともありえるはずよ!」
キュルケが杖を構えて距離をとりながら言う。
シエスタはフライパンを構えて震えている。
「じゃあ、この兵隊はどれかのオーク鬼のスタンドなのね……なら、こうするしかないわね、それは…逃げる!」
ルイズが振り向いて逃げようとする。
「……こともできないみたいね、見事な包囲だわ、ギーシュも少しは見習いなさい」
後ろにも獲物を狙う目をしたオーク鬼が何体も並んでいた。
「さて、観念する?無駄な抵抗してみる?」
ルイズが尋ねる。
「そんなの決まってるじゃない!」
「命を惜しむな、名を惜しめ、この家訓の通りに死ぬまでさ!ミス・シエスタだけでも逃がすぞ!」
二人は杖を構える。


「少年少女ども、相変わらずいい啖呵だな!こんな優れた人間どもをオーク鬼の夕食にするにはあまりに惜しすぎるゥウウウウッ!
そのとき、茂みの後ろから声が聞こえた。
「この世にナチスがあるかぎりィイイイイイイッ!共産主義は栄えないィイイイイイイッ!
この村に俺がいる限りィイイイイイイイッ!オーク鬼どもは栄えないィイイイイイイッ!」
男の後ろから彼女たちがよく見知る男がでてきた。
「やあ、ミスタ・グラモン、ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー、ミス・シエスタ、でしたかな?今週の山場ですぞ」
「食らえオーク鬼どもォオオオオオウッ!重機関砲発射ァアアアアアッ!」

機関砲をぶっ放しながら前進していく。
「どうだオーク鬼どもォオオオオオオッ!我が愛機Bf.109最新型搭載ィイイイイイ機関砲の味はァアアアア!」
小さな兵隊が銃を放つが、もちろん効果はなく、そのうち本体が倒れたのか兵士は消え去った。

オーク鬼が全てやられるか逃げていき、一息をつく。
「それにしても、なぜこんなところにコルベール先生とシュトロハイムさんがご一緒にいらっしゃるんですか?」
ルイズが二人に尋ねる。
「若者がァアアアア!天才コルベールの技術を起点にィ……このシュトロハイムの体の部品は作られておるのだアアア!」
「うむ、彼は柔軟な発想を持っていてね、私の研究を認めてくれた上に色々とアドバイスしてくれるのだよ!
非常にためになっている、研究がはかどってはかどってしようがない!」
コルベールは嬉しそうに顔をほころばせる。

「それで、どうしてここにいるんですか?」
シュトロハイムがうなずく。
「オスマンの計らいでな、この前のゴーレム騒ぎで家が壊されたからな、ここに土地を紹介してもらったのだ。
それにしてもここはいいところだ、風土もいい、人もいい、飯もいい!イギリス人も見習うべきだな!
ということでここに住まわせて貰っておるのだ、こういったところは不慣れだが、近所の人たちも色々と
世話をしてくれる。俺にとってここは第二の故郷とも思えてきたな!」

一行はコルベールに目を向けると、コルベールは口を開いた。
「うむ、シュトロハイムくんにあの空飛ぶヘビくんの話をしましたらね、感心されまして、彼はそれを応用した
『ひこうき』というものについて教えてくれたのですよ!そしてある日、友人の話を聞いていると、ここに『空の羽衣』
という道具があると聞きまして、話を聞く内に、シュトロハイムくんの言っていた『ひこうき』というものと特徴が
似ていることに気付いたのですよ!それを考えるといてもたってもいられなくなって、こちら向かったところ、
なんと彼に出会ったのですよ!」

「『空の羽衣』ですって!?」
シエスタが驚きの声をあげる。
「おや、ミス・シエスタ、ご存じなのですか?」
「ええ……私のひいおじいちゃんの、形見です。ひいおじいちゃんはそれを纏えば飛べるとも言ってたそうですけど、
誰も動かせなくて…きっとインチキなんでしょうね」
そう笑うと、シュトロハイムが口を挟んできた。
「インチキなどではないィイイイイイッ!コルベールの知力と努力の結果ァアアアアアア!
『空の羽衣』を飛ばすことは可能となったのだァアアアアア!」
「ほ、ほんとうですか!」
シエスタが目を輝かせる。
「百聞は一見にしかずゥウウウウウ、ついてこい少年少女どもォオオオオ!」

そういって背を向け歩きだすが、ふと気付いたように振り返る。
「そういえば、ミス・ヴァリエールだったか、君がナチスについてなにか悪いことを言っていたような気がするのだが」
「なに、ナチスって?私そんなもの知らないわよ?」
「そ、そうだな、そうに決まっているな、すまなかったな、では行くぞ、諸君ゥウウウウ!」

To Be Continued...


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