ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ヤバイ「RUNE」がIN!!

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匿名ユーザー

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ゼロのルイズこと、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは緊張していた。
今まで挑戦した魔法は全て失敗。成功率ゼロ。何一つ上手く行ったことが無い。だが、今回は失敗するわけには行かない!
春の召喚の儀式を乗り越えなければ、トリステイン魔法学院の二年生に進級できないのだ!
前の生徒達が次々に使い魔の召喚に成功して行き、ついに自分の番になる。ただでさえ小柄で小さいルイズの身体は緊張と重圧のせいでさらに縮みそうだ。
(大丈夫…きっと成功するわ…)
心の中で呟く。
(いや、成功する!このルイズ・フランソワーズなら出来るッ!!絶対召喚できるッ!!)
自分を励まし、呪文を唱え始める。
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!
神聖で美しく、そして最強な使い魔よ!!
私は心より求め、訴える!我が導きに答えなさいッ!!」
そして杖が振り下ろされ…
ドグォ――z__ンッ!!
「く、空間が火を吹いたッ!?」
「ルイズの奴また失敗してるぜw」
「いい迷惑だよ全く」
「いや…待て!クレーターの中に何かいるぞ?!」
「うそだろ!マリコルヌ!」
「ああ、嘘だ…と思ったけど、何かちっこいのが動いてるぞ!」
召喚された物にルイズが近づく。
「…これって…カエル?」
そこに居たのは、一匹のカエルだった。
「ふーむ。珍しいカエルだな…」
教師のコルベールがいつの間にやら隣で呟いた。
「何はともあれミス・ヴァリエール!召喚成功おめでとう!」
頭を輝かせながら労いの言葉を掛けてくる。
言われたルイズの方はというと…
(う…成功したのは嬉しいけど…ちょっと両生類ってやつはニガテで、き…気持ち悪いわ)
「どうかしましたか?さあ、早くコントラクト・サーヴァントを。」
「は、はい!」
(…仕方が無いわ。何回か失敗するかと覚悟していた所に、一発で成功してこいつが出てきたんだもん…
これがわたしに最良の使い魔なのね…。それに!貴族とは!敵に後ろを見せない者の事ッ!!私は貴族よ!やってやるわ!……敵じゃないけど)
意を決してカエルに両手を伸ばすルイズ。
(ううう~…やっぱり気持ち悪いわ!ひんやりとしていてヌメヌメしてるし…お腹がぶよぶよじゃないッ!何でこんなに柔らかいのよ!肋骨無いんじゃないの?!)
何とか顔の高さまでカエルを持ち上げた。
カエルの方は大人しくしている。
多分、召喚された影響だろう。
(……先にカエルに口付けしたモンモランシーを尊敬する……毒かもしれないのに…
こんな気持ち悪い生き物に平然と口付けしたあんたをッ!)
「…ミス・ヴァリエール?」
カエルと見詰め合っているルイズを、コルベールが急かす。
「今やります!……う…我が名はルイズ・フランソワーズ……ル・ブラン・ド…ラ・ヴァ……ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。このカエ…者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
ゆっくりとカエルに顔を近づけるルイズ。
そして唇と唇が触れ合った。
………
(……思ったより唇は硬いのね)
そんな事を考えていると、カエルがジタバタ暴れだした。
ただでさえ嫌いなカエルが両手の中で暴れですのだからたまったものじゃあない!
「ちょ、ちょっと!暴れないでって!大丈夫よ、使い魔のルーンが刻まれているだけ…」
言いかけたルイズは、自分の異変に気づく。
熱い!左手が熱い!!そして痛いッ!!
(何?何この痛みはッ!!痛すぎる!!)
「…ぁぁぁあああああああああああッ!!」
我慢しきれず悲鳴を上げるルイズ。
カエルを放り出し、右手で左手を抑えるが、余りの痛みに立っている事も出来なくなりガクッと膝を付いてしまう。
「ミス・ヴァリエール!!どうしたのかね?!!」
コルベールが慌てて駆け寄る。
それも間に合わず、地面に倒れるルイズ。
丁度顔の前に倒れて来た自分の左手。
(…おかしいわ……手の甲のところがおかしいわ…)
薄れ行く意識の中、闇に包まれていく視界に手が映る。
(急におかしくなった…この手、ルーンが……刻まれてる!はっ!!
なるほどうわははははははは、使い魔にされたのはわたしでしたァぁぁぁ!いつの間にかぁぁぁー!)
何が起きたのかを理解したルイズはそのまま意識を失った。
その広場には、
気絶したルイズと、医者を呼ぶよう叫ぶ教師、
呆然とそれを眺める生徒達とその使い魔達。
そして……
見知らぬ異国の文字が書かれた謎のトランクが残されていたという。



その後…
ルイズ――自分に刻まれたルーンの能力と失敗魔法、そして『迂闊にカエルに口
       付けした事の反省』を生かし大いに成長(精神的な意味で)。
       君主であり友人でもあるアンリエッタからさまざまな任務を受け全て達
       成。史上初の『虚無の使い手+アヌb…ガンダールブッ!』となり、
       本来詠唱中は無防備となるが、ガンダールブの能力により、詠唱しな
       がら杖を仕込んだ喋る剣で戦うことが出来、その戦闘能力は他の虚
       無の使い手の追従を許さなかった。
       さらにガンダールブの力で戦うのではなく、逆に思いっきり『逃げながら
       詠唱ぅ~!』は、貴族らしからぬと批判されたが、誰にも打ち破られる
       事が無かったと言う。
       それらの事から、ハルケギニア最強の戦士として歴史にその名を刻
       む事となった。

涙目のルカ――ジョルノに適当な説教を垂れ生存ッ!!

広瀬康一のトランク――トリステイン魔法学院に保管されている。発明好きな名
               物先生の機嫌を取ると見せてくれる。


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