ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

うわっ面の使い魔-2

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匿名ユーザー

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いつの間にか気を失ってしまったらしい。間田は仰向けのまま、ゆっくりと目を開けた。

「う・・・・」
眩しい。太陽の光が双眸に突き刺さる。―――太陽?
そんなバカな。自分は学校から帰宅する途中だったはず。そんな時間帯に真上を見上げても、日の光に
目を焼かれるようなことはまずない。
今度は直に太陽を見ないように注意しながら、頭を持ち上げる。
視線の先には雲ひとつない青い空が広がり、太陽がさんさんと輝いていた。

「・・・・・ど、どうなってんだ・・・」
慌てて上半身を起こす。すると、身体を支えるため地面についた手のひらに、妙な感触が伝わってきた。
草だ。それもきれいに刈り揃えられた芝生。冷たいアスファルトの上ではなかった。

「・・・・・・・・・・・・・」
右を見る。灰色の壁が目に入った。視線を上にずらすと壁と同じ色の塔が見える。
まるでお城の中にいるようだった。

「杜王町にこんな場所あったっけか?」
今度は左を見る。黒いマントを身につけた妙ちきりんな連中が見えた。
なんだあれ。新興宗教か。しかし時代錯誤な格好してやがるな。
まるでRPGの登場人物がそのまま現実世界に出てきたかのような、古めかしい格好をしている。
あの青い髪の女の子なんて、でけえ杖持ってドラゴンまで従えてるぞ・・・って。
「・・・・・・・ドラゴン!?」

スタンド使いか、と間田は思わず身構えるが、よく見るとドラゴンは『実体』だった。
間違いなく、モノホンの血の通った『生き物』だ。
「ホントに・・・どうなってんだよ?」
そう呟き、頭を抱える。すると、すぐそばで草を踏みしめる音がした。
―――反射的に正面を見る。

「あんた、誰?」
ド派手な桃色の髪に、鳶色の瞳を持った女の子が間田を見下ろしていた。

「・・・・俺は・・・間田敏和」
「どこの平民?」
「平民だぁ?」
聞きなれない言葉に、間田は思わずオウム返しで答える。
今どき、人のことをそんなエラそーに呼ぶ文化なんてあるんだろうか。
訝しげに女の子を観察していると、いつの間にか周りにいた黒マントの連中のひとりが声をあげた。

「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
誰かがそう言うと、間田を見下ろしている女の子以外の全員がどっと笑う。
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
女の子は振り向き、鈴のようによく通る声で怒鳴る。
「間違ったって、ルイズはいつもそうじゃん!」
「さっすが、ゼロのルイズは言うことが違いますなァ~」
再び爆笑が沸き起こる。
ルイズと呼ばれた女の子はそっちを睨みつけると、人垣に向かって叫んだ。

「ミスタ・コルベール!」
人垣が割れ、ハゲ頭の中年男性が姿を現す。
間田は吹き出しそうになった。彼があんまりな格好をしていたからだ。
手には長い杖を持ち、真っ黒いローブを身に着けている。漫画やゲームに出てくる『魔法使い』そのまんまの格好だった。
その男に向かって、ルイズがお願いします、とかもう一回やらせてください、とか言いながら腕をぶんぶん振っている。
「あの! もう一回召喚させてください!」
「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」
ミスタ・コルベールと呼ばれた男は首を横に振る。
召喚?なんだそりゃ。ファンタジーやメルヘンじゃないんだから。それとも、この子は頭がカワイソーなことになってるのか。
間田は気味悪げにルイズとコルベールを眺めていたが、しばらくするとルイズががっくりと肩を落とし、こちらに向き直る。

「あんた、感謝しなさいよね。平民が貴族にこんなことされるなんて、ありえないことなんだから」
「はあ? 貴族?」
アホか、と間田は付け足した。中世のヨーロッパじゃあるまいし、今どきそんなものいるわけがない。
間田を無視して、ルイズは諦めたように目を瞑り、手に持った指揮棒のようなものを振る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
朗々とわけのわからない言葉を並べると、ルイズは座ったままの間田に顔を近づけてくる。

「な、何すんだ」
「いいから・・・じっとしてなさいよ!」
がし、とルイズは間田の頭を押さえ、頭突きするかのような勢いで間田の薄い唇に自らの唇を重ね合わせたッ!
ズキュウゥゥゥン、と奇妙な効果音が周囲に鳴り響いたとか鳴り響かなかったとか。

「ん・・・・・・・・」
「・・・・・・・・!?!?!?」
一方、初対面の女の子にいきなりファーストキスを奪われた間田敏和!
スタンドも月までブッ飛ぶ衝撃ってやつを、間田は身を持って体感していた。
ああー、でもあったかいッ! そして柔らかいッ! 女の子と手すら繋いだことも無いというのに、いきなりキスとは!!
俺って果報モンだなあ、とか思った直後。

「―――うわっチィィィィィ!?」
「キャアッ!? なっ、何すんのよ!」
突如として間田の左手の甲に、焼きごてを押し付けられたかのような熱さと痛みが走った!
思わずルイズを突き飛ばし、手の甲を押さえてうずくまる。
「ぐぅぅ・・・あ、熱ッ・・・・!」
呻く間田に、ルイズの呆れたような声が届く。
「使い魔のルーンを刻んでるだけよ。すぐ終わるからしばらく我慢してなさい」
「つ、使い、魔ァ?」
痛みは徐々に引いていく。恐る恐る右手をどけると、見たこともない文字が手の甲に刻まれていた。
コルベールが近寄り、呆然としている間田の手を取ってその文字をしげしげと観察する。

「ふむ・・・・・珍しいルーンだな。さて、それじゃあ皆、教室に戻るぞ」
コルベールはそう言うと、ふわりと宙に浮かび上がった。周りにいた黒マント達もそれに続く。
去り際に、黒マントの連中が何人か、ルイズに声を投げかけてきた。
「ルイズ! お前は歩いてこいよ!」
「あいつ、『フライ』はおろか『レビテーション』も使えないんだぜ」
「その平民、あんたにはお似合いよ!」
口々にルイズを馬鹿にした言葉を残し、黒マントたちは塔の高いところにある窓に吸い込まれるように入っていく。
間田はその様子をぽかんと口を開けて見つめていた。

「空、飛びやがった・・・・・・」
スタンドかと思ったがどうも違うようだ。スタンドのヴィジョンはまったく見えないし、何よりあれだけの人数が『空を飛ぶ』という同じ能力を持つスタンドを有しているとは考えられなかった。
自分の知らない未知の能力なのか、それとも―――。
間田は先ほどまでのことを思い返す。コルベールのどこからどう見ても『魔法使い』な格好。ルイズが口走った『召喚』という単語。そして、左手の甲に突如出現したこの妙な文字。

空を飛ぶという事象も、こう考えれば納得が――――。

「・・・・いくわけねーだろ。マンガの読みすぎだな、『魔法を使ってる』なんてよォ~」
頭を振ってこの馬鹿げた考えを断ち切る。起きたばっかりで頭がまともに働かないんだろう、そう考えることにした。

空を飛ぶ謎は結局解明できていないのだが、間田はそんなことはどうでもいいとばかりに立ち上がった。
まずここがどこなのかハッキリさせなくては。連中がどんなヤツらか考えるよりも、まずそっちを確かめる方が重要だ。
そう思い、憮然とした表情で突っ立っているルイズの肩を叩く。
「なあ、ここはどこなんだ?」
ルイズは振り向いた。間田をジト目で見ながら、『なんでこんなのが使い魔なのよ・・・』と呟く。
そして仏頂面を崩さず、不機嫌そうに言った。

「トリステインよ。そしてここはトリステイン魔法学院」
「・・・・・・ハイ?」
ルイズの口から出た言葉に、思わずマヌケ面で聞き返す間田。
魔法学院、と彼女は確かに言った。『まほう』という地名・・・・・ではなさそうだ。

「聞こえなかった? それとも頭脳がマヌケ?」
「・・・・・『まほう』って、まさかあの『魔法』か?」
「あの、って何よ。魔法は魔法でしょ? はぁ、陰気臭いうえにとんでもない田舎者なのね。魔法を知らないなんて」
「空飛んでたのも魔法?」
「そうよ、当たり前じゃない! ・・・ああもう、授業が始まっちゃう・・・! ほら、教室に行くわよ!」
苛立った様子でルイズは踵を返し、塔の入り口に向かって行く。
「あ、おい!」
間田は慌てて地面に落ちていた自分の荷物を回収し、ルイズの後を追う。

これが虚無のメイジ、ルイズと、優しくてタフで頼りになる(予定の)使い魔、間田敏和の出会いだったのである。

ルイズは不機嫌だった。今日召喚した使い魔のせいである。
ベルトだらけの奇妙な服を着た、17、8歳くらいの平民の少年だ。彼は部屋についてから、色々なことをルイズに聞いた。
ここはどこなのか? ルイズたちは何者なのか? 貴族とは? 平民とは? 質問は多岐に渡った。
トシカズ、と名乗った彼はひっきりなしに質問を繰り返す。それこそ子供でも知っているようなことまで聞いてくるものだから、ルイズはいい加減イライラしていたのだ。
おまけに、最後には『自分は違う世界から来た』とのたまった。これにはさすがのルイズも『こいつはイカれてるのか?』という疑念を持たざるを得なかった。
しかし、ルイズから見て間田の言動はハッキリしているし、何より彼が語る異世界とやらの様子が非常に詳細で、クスリ漬けのイカレポンチの狂言だとはとても思えなかった。


「・・・・でも、いくらなんでも信じられないわ。違う世界なんて・・・」
ルイズは困った顔で言う。テーブルを挟んだ向かい合わせの位置に座った間田は、夜食にともらったパンをかじりながら、神妙な顔つきでうんうん頷いている。

「俺も最初は夢でも見てんのかと思ったけどな、アレを見て確信したぜ。ここは間違いなく別の世界だ」
そう言って、窓を指差す。空には紅と翠の、それぞれ大きさの違う二つの月が浮かんでいる。間田の話では、自分のいた世界には月はひとつしかないのだという。

「別の世界に来た割にはえらく落ち着いてるじゃない」
「わけのわかんねーことが連続するとかえって落ち着くもんだ」
もし自分が異世界とやらに来てしまったのなら相当に取り乱してしまうだろう。ルイズはそう思ったが、目の前の使い魔の少年は異様に落ち着いた態度で、パンの最後の一口を口に放り込んでいた。

この落ち着きっぷりに、やはりこの平民は自分を騙しているのでは?という疑念が拭えないルイズは、あることを間田に問う。
「何か、証拠を見せてよ。あんたが住んでる異世界の物とか持ってないの?」
「・・・・証拠ねえ」
ルイズの問いに、間田は一緒に召喚された自分の通学鞄を取り出す。
写真つきの教科書でもあれば良かったのだろうが、あいにく置き勉ばかりしていたため、登校中に買ったマンガ雑誌しか入っていなかった。
仕方なく、間田は『ピンクダークの少年』が表紙を飾っているそれをテーブルの上に置く。

「何これ?」
「俺の世界の本」
「絵ばっかりじゃない。あんた絵本を読む趣味でもあんの?」
「絵本じゃねえ! んだよ、マンガがねーのか、ハルケギニアってのは」
ルイズはページをパラパラとめくる。確かに、四角い枠で区分けされたページにはディフォルメされた絵と見たこともない文字が書かれており、ハルケギニアのものではないということがわかる。
しかし、これだけでは・・・とルイズが悩んでいると、間田と一緒に召喚されたらしいもう一つの荷物が目に入った。
その荷物―――大きなナップザック―――は、所々がいびつに歪んでいて、わずかに開いた口の部分からは、入りきらなかったのか太い木の棒が一本飛び出している。

ルイズはその変な荷物を指差す。
「あっちは何?」
「え?・・・・・・いや、あれは・・・。その、ちょっとな」
先ほどまでの冷静さもどこへやら。急にしどろもどろになった間田に、ルイズはピンと来た。
――――この平民は、何か怪しいモノを持っているッ!

人が見せたがる物は別に見たくもないが、人が隠そうとする物はすごく見たい。
今のルイズはまさにそれだった! すかさず間田に高圧的な態度で迫る。

「いいから見せなさいよ。それとも何? ご主人様に見せられない物でも入ってるのかしら?」
「そんなん入ってねーよ」
「じゃあ見せて」
間田は舌打ちし、ナップザックのジッパーに手をかける。
ジィィィ、と口を大きく広げ、飛び出していた木の棒を引っ張り出す。

ズルズルと少しずつ全身像が露になる、その怪しい荷物とはッ!


「・・・・・・・・・何これ」
先ほどと全く同じ言葉を、全く違う調子で言うルイズ。
「えーっと、木の人形、かな?」
『だから見せたくなかったんだ』といった感じの表情の間田。

ナップザックの中に押し込められていた怪しい荷物。
それは関節が人間とほぼ同じように曲がる、人間と同サイズの木製の人形だったのである。
ルイズは知るよしもないことだが、この人形はご存知の通り、間田のスタンド能力を発揮するための媒体。
人形に触れた人間そっくりに化けるコピー人形なのだ。
このバカでかくてクソ重い人形を、間田はナップザックに入れて毎日持ち歩いていたのだった。

もちろん、知らない人間が見ればそれはそれは白い目で見られるのだが、目の前にいるルイズも例外ではなかった。
完全に変態を見る目つきになっているルイズに、間田は慌てて話題を変えようとする。

「な、なあ! ところで使い魔って何すりゃいいんだ?」
「・・・・そうね」
首を傾げて考え込むルイズに、間田は無事話を逸らせたことにほっと息をつく。
やがて、ルイズが口を開いた。

「使い魔には主人の目となり耳となる能力が与えられるんだけど・・・できないみたいね。何にも見えないし、聞こえないもの」
「はぁ」
「あと、秘薬の材料を探してくること。あんた、できる?」
「全然わからん」
にべもなく言う間田。ルイズはため息をつき、続ける。

「最後に、主人を守ること・・・・は、もっと無理そーね」
「何でだよ?」
「オーク鬼とかトロール鬼とかに一発でやられちゃいそうだもん」
ま、あんたじゃその辺の平民にも負けちゃいそうだけどね、とルイズは付け足した。
間田は付け足された悪口にカチンと来たが、言い返すよりも新たに飛び出した単語の意味を知るほうを優先した。

「オークとかトロールって何だ?」
「亜人よ。一匹で手練の戦士5人に匹敵する力を持っていて、人間を食べる怪物なの」
「・・・・そんなのがいるのかよ・・・・」
間田は急に怖くなった。まるでゲームのような世界だと思っていたが、そんなゲームよろしくモンスターまで棲んでいるとは思いもよらなかった。
もし道端でそんなのとエンカウントしたら秒殺されてしまいそうだ。サーフィスは直接戦闘には向かないし、人間じゃない連中をコピーできるとは限らないからだ。

「・・・・やっぱり、元の世界に返してくれ」
「は?」
「だ、だってそーだろ!? なんか話聞いてると俺、役に立たないっぽいし・・・俺なんか送り返して、また新しい使い魔呼べばいいじゃねーかッ!」
見よ! このブザマな主人公(ヒーロー)の姿を。間田は見たこともない怪物の姿に怯え、優しくてタフで頼れる男になるという誓いも忘れ、元の世界に戻してくれと懇願している! だが! だからといって間田がこの物語の主人公の資格を失いはしない! なぜならッ!!

「無理よ・・・送り返す魔法なんてないもの」
「・・・マジで?」
「マジよ」
間田が主人公の資格を失うとすれば、それは間田が死んだときだけなのだッ! 
契約した使い魔が死なない限り、サモン・サーヴァントの呪文を唱えても召喚のゲートは出現しない。間田は死ぬまでこの世界に居続け、この高飛車な女の子の使い魔として暮らさなければならないのだ。
もちろん、ルイズもこんな死にそーなコオロギみたいな男を使い魔とするのはごめんだった。今すぐブチ殺して新たな使い魔を召喚したいというのが本音なのだが、そんなくだらないことで罪に手を染めることはしたくない。
それに、たとえ無知でなんの取り柄もない平民だとしても、一応は初めて成功した魔法の成果なのだ。

「だからあんたには私の身の回りの世話をやらせてあげるわ。掃除、洗濯、その他雑用」
「・・・・・・・・・わかったよ」
間田は露骨に嫌そうな顔をしたが、先ほどのオークだのトロールだのとやり合うよりはマシだと考え、渋々頷いた。
それに、衣食住はこの子に世話してもらうことになるのだ。言うことを聞いておかないと食事を抜くくらい平気でやりそうな気もする。
ルイズはその答えに満足そうに微笑み、ブラウスのボタンをはずし始めた。
当然、間田は目を丸くする。

「ちょ、何やってんのォ!?」
「? 寝るから着替えてるんだけど」
「・・・・男が部屋にいるのにか?」
「男って、あんた使い魔じゃない。別に気になんないわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
いつもの間田なら鼻の下を伸ばしながらチラチラ着替えを拝むのだろうが、さすがにそんな気は起きなかった。
人はペットが部屋にいても気にしない・・・それと同じ。要するに、自分は人間扱いすらされていないのだ。
使い魔とは思った以上に待遇が悪そうだ。そう考えた間田の頭に、柔らかいものが投げつけられた。
手にとって見ると、それはッ!

「こっ、こっ、これわァァ~~ッ!?」
脱ぎたてホヤホヤの、パンティーがッ!!
「それ朝になったら洗濯しとい・・・・・って、何でポケットに入れてんの?」
「え!? ああ~ゴメンゴメン! つい興奮・・・じゃなくて、何でもない! 何でもないから!」
「・・・? 変なヤツね」
ルイズは寝巻きに着替え終わると、ベッドに潜り込む。
ランプを消そうとすると、部屋をキョロキョロ見回している間田が目に入った。

「俺はどこで寝りゃいいんだ?」
「あー、忘れてたわ」
ほい、とボロい毛布を間田に投げる。

「布団が見あたらねーんだけど」
「布団? そんなの必要ないでしょ。それじゃ、おやすみ~」
パチンと指を鳴らすとランプが消え、あたりは闇に包まれる。
間田は仕方なく固い床に寝転んだ。毛布を被ると、どっと疲れが押し寄せてくる。

「ハァ。寝る場所もマトモに与えられないなんて、奴隷と似たようなもんじゃねーか・・・」
耳を澄ますと、ふかふかのベッドの中からルイズの気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なんとなく悔しくなって、ポケットに手を突っ込み、さっき入手したパンティーを取り出す。
まだルイズのぬくもりがかすかに残っている。
固い床の寝床も少しはマシになった気がする。やってることは最低だが。


こうして、間田の使い魔生活第一日目は幕を閉じた。
彼は無事に元の世界に帰ることができるのか。そして、優しくてタフで頼りになる、ハードボイルドな男になることはできるのか・・・。

結末は、まだ誰も知らない。









.....To Be Continued →

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