ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

風と虚無の使い魔-15

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匿名ユーザー

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任務を果たし、フーケは気絶している間に校舎内にある牢の中で捕縛しておいた。
ジャッジメントを出せても、本体が動けなければ脱獄は不可能、という理由でだ。
つまり手錠でフーケを柱に固定してあるのは決してオスマンの趣味でも性癖でもない。たぶん。

「なるほど、スタンドか…」
校長室で任務を終えてきた4人の話を聞く。

「なにか心当たりでもあるんですか?」
キュルケがオールドオスマンに尋ねる。
「うむ、ないことも無いが、明言は避けておこう…じゃが、近いうちに何か伝えられるよう努力しよう。
そして、『土くれのフーケ』捕縛の功で『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。
ただし、ミス・タバサはすでに『シェヴァリエ』の爵位を持っているからにして、精霊勲章の授与の申請をしておいた」

三人の顔が輝く。タバサは無表情のままだったが。
「本当ですか!」
キュルケが声を上げる。
「ああ、本当じゃ。そして君達は今日の『フリッグの舞踏会』主役も勤めてもらう。明日からもその勢いで勉学も頼むぞ。
とにかく、我が友人の命を守ってもらったことについて、心より感謝させてもらう」
全員が感謝を言葉をオールドオスマンに投げかけ、全員が部屋から出て行こうとする。
「おっと、ミス・ヴァリエールには話があるので残ってくれないかな」

部屋を出ようとしていたルイズは怪訝な顔をしつつも、きびすを返す。
ルイズ以外は部屋から出て行き、扉が閉まる音がする。

ルイズは不安そうに尋ねる。
「も…もしかして、退学ですか…?」
オスマンは吹き出す。
「カッカッカ、そんな心配は無用じゃ。第一退学になる生徒のために爵位申請などするものか!」
ルイズの表情が和らぐ。
「話というのは、君の使い魔のことじゃ。ワムウ、と言うらしいが…彼は何者なんじゃ?」
「は、はあ…私にも少ししかわかりませんが…どうやら異世界から来たらしくて…」
その答えにオスマンは驚く。
「なんと、異世界からとな…もしかして『地球』だとか『ドイツ』などとか言っていなかったかね?」
「『ドイツ』はわかりませんが…『地球』を知らないのか、と尋ねられたことはあります」

オスマンは少し考え込む。
「実はな、あの破壊の杖も、護衛を依頼した男も異世界…つまり『地球』から来たらしいのじゃ。わしも
彼にその話を伝えておくから、君からも詳しい話を使い魔君から話を聞いておいてくれ」
「は、はい、わかりました…善処はします…」
命令をまったく聞かない使い魔を問い質すなどできるのだろうか、という思いが強いが一応承諾はする。
「そして…もう一つ…驚くと思うが…あの使い魔のルーンは始祖ブリミルの使い魔の一体、『ガンダールヴ』のものじゃ。
なんでも、どんな武器でも自在に操ると言う。この事は基本的に他言無用じゃ」
「ほ、本当ですか!」
ルイズは驚いて、過去のワムウを思い出すが武器を握っていたのは武器屋にいったときだけで、使いこなしていた描写を
思い出せない、というかない。あのボロ剣が使い手、とか言っていたような気もするがあの剣はそこまで博識には見えない。
「ああ、本当じゃ…まあこの話題はおいておいて、そろそろ君も舞踏会を楽しんでくるといい、ご苦労じゃった」
「はい、それでは」

ルイズが出て行き、扉が閉まる。
「それにしても…異世界の住民…ワムウ…超人的…男の言っていた『柱の男』そっくりじゃ……偶然とは思えんし、
もしかするとミス・ヴァリエールはわしらが思っていた以上にとんでもないものを召還してしまったんじゃろうか…
まるで爆弾じゃな…ミスタ・コルベールすら相手にならない以上、湿気ってることはないようじゃしな…」

オスマンはため息をつき、窓の外の二つの月を眺めた。

 * * *


「あら、退学じゃなかったの?」
律儀にルイズを待っていたキュルケとそれに付き添っていたタバサ。
「大きなお世話よ、それよりワムウしらない?」
「あら、あなた自分の使い魔も呼び出せないの?」
「呼び出せるだけのただのサラマンダーとは違いますからね」
「あら、言ってくれるわね?」
「なんたって、私の使い魔はガンダ・・・」
他言無用と言われたのを思い出して口をつぐむ。
「ガ、ガンダムなみに強いんですからね!」
その発言にキュルケが固まる。
(な、なにを言っているのこの子…?ルイズはこんなときに意味の無いことを言うような女ではない!)

「ど、どうしたのキュルケ急に黙っちゃって…?タバサ、なんで黙ったかわかる?」

(『機動戦士ガンダム並に強い』…『軌道戦士並に強い』…『軌道は強い波で戦死』…『この星の軌道が崩壊』!?
そ、そうか…そういうことだったのか!!またも関わることになるというのか!!ノストラダムスの大予言!)

「私にだって…わからないことぐらい…ある……」
「そ、そう…」

そこにギーシュが入ってくる。
「やあ!フーケを倒した立役者!主役!ギーシュの登場の時間だよベイビー!」
「ねえ、ギーシュ、ワムウ知らない?」
「ワムウかい?見なかったが…そんなことより舞踏会がもうすぐ始まるよ?遅れる前に着替えてきたほうがいいんじゃ…」

ルイズは壁の時計を見る。
「あああ!もうこんな時間じゃない!ワムウとあんたのせいよ!早く着替えてこないと!」
なぜか意味もなく突き飛ばされるギーシュ。

彼はつぶやく。
「やれやれ、僕の見せ場はまだかなあ…」


* *



「ヴァリエール公爵の息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールのおなーーりーーッ!」
衛士がルイズの到着を告げ、楽師が音楽を奏で始める。
周りの男が群がるが、全員断りバルコニーに行く。

「あら、ワムウあんた来てたの」
バルコニーの先の木に立っているワムウ。

「騒がしかったんでな、なんの騒ぎだこれは」
ルイズに尋ねる。
「舞踏会よ、ちょっと任務で活躍してね、私たちが主役よ」
「そうか」
「なによ、少しくらい誉めてくれたっていいじゃない」
「引き受けた役目を終えるくらい当然だ」
「言ってくれるわね、あんた、あとで部屋にちゃんと着なさいよ、話があるから」
「気が向いたらな、それよりお前は主役なら踊らないのか」
「掌を返して媚を売るような奴らしかいない間はお断りよ」
「表面しか見ないような奴など爆発させればいいだろう」
「やあルイズとその使い魔、ごきげんよう。どうだい僕と踊らないかい?」
空気を読まずにギーシュが話に割り込んで来る。

「あら、丁度いいわね、ワムウの言う通りにしてみましょうか?」
「その役目は私よ」
モンモンラシーが腕を組んでギーシュの後ろに立っていた。
「あらモンモンラシー、私もちょっと一番働いてないのに主役ぶってるのがちょっと鼻についててね…
『抜きな! どっちが速いか試してみようぜ』……ってヤツだわ」
「え…ちょっと待っ…」
「『爆風』で『発破』すると書いて『爆発』!」「ビンゴォ!舌を引きちぎった!」
ギーシュはバルコニーから吹っ飛び、墜落した。
「ひでぶッ!」


ワムウがギーシュに呟く。
「しかし人間よ、これだけは覚えておけ。人間負けてしまったら負けだ」
なぜかワムウも一発殴る。

ギーシュ――完全敗北。


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