ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

偉大なる使い魔-27

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匿名ユーザー

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……夢を見ている…
夢を見ている時に、その事を認識できるなんて結構めずらしいわね……
でも、真っ暗だ……何も見えないわね。
これから何が始まるのかしら?
子供の時の記憶?脈絡の無いストーリー?
……それとも、プロシュートの体験?

……声が聞こえてきた……
「…………」
「……………………」
フーケとワルド?
「どうした、土くれよ。貴様もあの連中のように、宝石を漁らんのか?」
「私とあんな連中といっしょにしないで欲しいわね」

「あらら。懐かしのウェールズさまじゃない」
「そんな奴は放っておけ」
ウェールズさま?何も見えないのが、もどかしい。

「ひっ!ぷ、プロシュート!」
「ふっ、ガンダールヴか」
プロシュート?
「あんた、マジでこの男に勝ったんだね……
正直、やられると思ってたよ……」
「ああ、正直に言うと、まともに戦っていれば負けていたな」
「なら、どうやって勝ったんだい、教えておくれよ?」
「始祖ブリミルのご加護だ」
「ああ……そう」
フーケの返事から聞くんじゃなかったと、うんざりとした声が聞こえた。
始祖ブリミルのご加護か、なんという皮肉。


「子爵!ワルド君!件の手紙は見つかったかね?」
聞いたことが無い男の声が聞こえてきた。誰だろ?
「閣下。どうやら、手紙は穴からすり抜けたようです。私のミスです。
申し訳ありません。なんなりと罰をお与えください」
閣下?
「何を言うか!子爵!きみは目覚しい働きをしたのだよ。
敵軍の勇将を一人で討ち取る働きをしてみせたのだ!
ほら、そこに眠っているのは、あの親愛なるウェールズ皇太子じゃないかね?
誇りたまえ!きみが倒したのだ!彼は、ずいぶんと余を嫌っていたが……
こうして見ると不思議だ、妙な友情さえ感じるよ。ああ、そうだった。
死んでしまえば、誰もが友達だったな」
ウェールズさまが敵将ということは……
この男が貴族派レコンキスタの閣下……

「子爵、そこの綺麗な女性を余に紹介してくれたまえ。
未だ僧籍に身を置く余からは、女性に声をかけずらいからね」
僧籍……この男、神官なの?
「彼女が、かつてトリステインの貴族たちを震え上がらせた
『土くれ』のフーケにございます。閣下」
「おお!噂はかねがね存じておるよ!
お会いできて光栄だ。ミス・サウスゴータ」
「ワルドに、わたしの名前を教えたのは、あなたなのね?」
「そうとも。余はアルビオンのすべての貴族を知っておる。
系図、紋章、土地の所有権……司教時代に全て諳んじた。
おお、ご挨拶が遅れたね」
「『レコン・キスタ』総司令官を務めさせていただいておる、
オリヴァー・クロムウェルだ。元はこの通り、一介の司教にすぎぬ……」
司教、オリヴァー・クロムウェル……

「ワルド君。ウェールズ皇太子を、是非とも余の友人に加えたいのだが。
彼はなるほど、余の最大の敵であったが、だからこそ死して後は
良き友人になれると思う。異存はあるかね?」
「閣下の決定に異論が挟めようはずもございません」

「おはよう、皇太子」
「久しぶりだね、大司教」
間違い無い!ウェールズさまの声だ。
「失礼ながら、今では皇帝なのだ。親愛なる皇太子」
「そうだった。これは失礼した。閣下」
「きみを余の親衛隊の一人に加えようと思うのだが。ウェールズ君」
「喜んで」
何を言っているんですか、ウェールズさま。





「この男かね?」
「はい、この男は間違いなく我らの『力』となるでしょう」
「ほう、ワルド君の、お墨付きとは心強い」
真っ暗な視界に光が差し込む。
ここは、あの礼拝堂だ。
そこには、ワルド、そのワルドに隠れる様にフーケが立っている。
目の前に知らない男が立っている。こいつがクロムウェルなの?
その隣にウェールズさまが立っていた。
目の前の男、クロムウェルが口を開いた。
「はじめまして。ミスタ・プロシュート」
プロシュート!?これはプロシュートの記憶なの!?
『レコン・キスタ』総司令官を務めさせていただいておる、
オリヴァー・クロムウェルだ、きみは不思議な『力』を
使うそうじゃないか。一つ、それを我々のために
見せてはくれないかね」
プロシュートがアンタなんかの言うことを聞くはず無いじゃない。
「ああ、かまわねえぜ」
……………え?
クロムウェルが左手を差し出してくる。
やめて……やめて、やめてー!!

跪いてクロムウェルの左手にキスをした…………


うああああああぁああああああああああ………………
許さない、絶対に許さないわ!!
オリヴァー・クロムウェル
ヴァリエールの名に懸けて必ずお前を八つ裂きにしてやる!!


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