ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

風と虚無の使い魔-13

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匿名ユーザー

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男の小屋。
外から大きな足音が聞こえる。
タバサが外のゴーレムを見つけ、全員小屋から出て、臨戦体制に入る。

男はいきり立つ。
「あれがフーケとやらかッ!あのような木偶人形我が重機関砲で穴だらけにしてみせるわァアアアッ!」
「やめた方がいい、弾の無駄」
「ゴーレムに多少穴開けたところで数秒で元通りよ」
二人が止める。

「シルフィードなら待機させてる、私が本体を狙う」
「上空からタバサが魔法で本体を狙うから、私と貴方とミス・ロングビルでゴーレムの動きを止めるわよ」

口笛を鳴らすと上空から風竜が飛んでくる。それにタバサは杖を持って飛び乗り、ゴーレムの斜め下の森を旋回し始める。

「くらえッ!重機関砲ゥウウウウッ!スカッとするぜーッ!!」
キュルケはルーンを唱え、炎を飛ばす。
魔法と弾丸がゴーレムの脚部を襲う。
穴が空き、修復のために動きが止まる。
そこを森から急上昇したシルフィードとタバサ。
タバサ得意の氷の矢が正確にフーケに突き刺さる。

「やったわ!」

しかし、そのフーケの影は土となり、崩れる。
シルフィードの真下から石礫が飛来し、直撃する。

「きゅいきゅいーーッ!」

数キロ離れた地点に滑空しながら落ちていく。

「つ、土人形!?どういうこと、あんな精巧に動きまでする人形はスクウェアでもそう…」
「うおォォォォォオオオッ!」

シュトロハイムの脚が崩れる。
鉄でできていた二つの義足は水銀に錬金されていた。

「なんだかわからないけど…あのフーケの人形は囮だったのね…ミス・ロングビル、気をつけて…」
錬金の射程距離は長くは無い以上、その辺りに潜んでいると考える。

その時!
杖を持ったフーケが飛び出してくる。

とっさにファイヤーボールを放つが、それは土人形であった。
後ろから石礫が飛んでくる。

「その程度のちゃちな細工じゃ『微熱のキュルケ』は止められないわよッ!」
あらかじめ攻撃が来ることは予測していたため、さっと身を避けようとする。

しかし、それをミス・ロングビルが後ろから羽交い絞めにして抑えつける。

「あ、貴方も土人形だった…」
キュルケは正面から石礫を受け、嗚咽を漏らす。

羽交い絞めにされたままのキュルケは暴れる。
「は、放しなさいよッ!」
「嫌よ、だって貴方を食べちゃいたいから…」
ロングビルの土人形は歯を立てる。

しかし、ロングビルの胴体が粉々になる。
「はあ…はあ…錬金なんて慣れないもの使わせないでよ…とっとと出てきなさいよ…」
フラフラで杖を構えるのすらおぼつかない。

しかし、表情を変え、気丈であろうとし、杖を構える。

「出てこないなら…炙り出すだけよッ!」
杖を構え森に火を放つ。
乾いていた木はあっという間に燃え上がる。
「ぬう、貴様なにをしているゥウウウウッ!正気か貴様ァアアアアッ!」
上半身だけの男が叫ぶ。
「見てのとおりよ、森に火をつけて本体をあぶりだすのよッ!森中燃やせばいくらなんでも出てくるでしょうッ!」

森から煙が立ち昇る。
その煙の中からのそり、と杖を構えフードを被った女が出てくる。
「森中に…火つけなくて済んだわね……この距離なら、その怪しい土人形も、ゴーレムも関係ないわ…」

杖を構え、ルーンを唱える。
「食らいなさい!私の『ファイアーボール』ッ!」

しかし、その炎弾はフーケの手前で弾かれる。
「なにがこの距離ならだって?」
薄緑色の魔人のような人形が姿を現す。

「願い事を言えッ!」


「な、なによこれ…」
「俺の名はジャッジメント…この『土くれのフーケ』の使い魔かなにかだと思ってもらえればいい…
私は立ち向かうもの…スタンドと呼んでいる」

「こ、来ないでッ!」
「いいだろう、だが願い事は今日は2つまでだ。主の機嫌がお前のせいで悪いのだからな…Hail 2 U!」

タバサとルイズの土人形ができる。
「キュルケ」
「キュルケ」
二人が迫ってくる。

「ひッ!や、やめて…」
キュルケは杖を構え、たじろぐ。

「逃げないで」
「キュルケ、いくら仲悪いからって言っても魔法なんか私に放たないわよね?」
二つの土人形がキュルケに迫る。

「やめてえええッ!」

キュルケが悲鳴をあげる。
が、それはフーケの石礫の直撃を受け、遮られる。

「やれやれ、かなり手間取っちゃったね」
フーケは上半身だけの男を見据える。
「貴様ッ!この体を戻しやがれェエエエッ!」

「あら、まだ喋れたの?なかなか不死身ね。あなたのその胴体だけはかなり強力な『固定化』がかかっているみたいだし…
やっぱり近づくのは危ないわね……じゃあ、私のゴーレムの拳で潰されてもらおうかしら、破壊の杖の使い方なら聞き出したしね」

巨大なゴーレムが近づき、フーケがその肩に乗る。
そして、数歩近づき、ゴーレムの拳を振り下ろす準備ができる。

「覚悟はいいかしら?辞世の句があるなら聞いてあげてもよろしくてよ?」
「土くれのフーケ………ヨーロッパの格言にこんなのがある。『カップを唇まで近づけても、こぼすことはよくある』」


小屋の前に少女と少年が立っていた。
「やれやれ、遅いぞ若きヒーローども、脚さえあれば俺一人でもやれたと思うがなァアアアッ!」

「あんた達はッ!?死んでいたはずッ!」
「運が悪かったわね、私たちがワムウの主人と決闘の相手で」
「彼が本気で殴ってきたら気を失わないなんてことありえないからね、少なくとも殴る軌道が僕にも見えたしね」

ルイズとギーシュが立っていた。
「なぜ!心音は服の中になにか挟むなりしていくらでも誤魔化せるとは思うけれど、脈が止まっていたのは…」
「転がっていた石ころをわきの下にはさんで動脈を圧迫すると手首の脈が止まるのよ、まさかここまで綺麗に決まるとは
思わなかったけれどね、ミス・ロングビル」
「僕も青銅の板を錬金してわきに石を挟めなんていわれたとき何をするかわからなかったよ。もっとも、死んだと思って声をかけたのは
うかつだったね、土くれのフーケ」

正体がバレたとはいえ、フーケは表情を崩さない。
「あら、そんなこと言っていいの?隠れていれば生きて帰れたかもしれないのに…口封じしなきゃいけないわね!」

フーケはゴーレムの上から杖を構える。
二人もゴーレムに向けて杖を構える。

「ギーシュ、私の言った作戦は覚えてるわよね!ゼロとドットじゃまともにやっちゃ勝てないんだからね!」
「わかってるさッ!僕だってこんなところで死ねないよ!」

ギーシュが杖を振り、叫ぶ。
「ワルキューレッ!」


To be contined...


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