ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

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匿名ユーザー

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「くっ! ……くぅぅ~……」
悔しがるルイズの、呻くような声が聞こえる。
現在、トリステイン魔法学院から出発して、体感で約3時間。
ルイズの胴に両手を回し、『変なとこ触ったらお仕置きだからね!』と釘を刺された分、余計に神経を使って、初めて乗った馬の背に、しこたま尻を打ちつけ今はもう皮が擦り剥けているに違いないと自覚した才人の前に。
意気揚々と風を切りながら二人の前を駆ける、ジャイロの後ろ姿があった。
ことの始まりは、この日――、虚無の曜日に、才人の希望であった剣を買い求めに、城下町まで三人そろって繰り出したことにある。
城下町までの道のりは長い。だから馬を使うのだと、ルイズは使い魔たちに言った。
ルイズが厩から、一頭の馬を連れ出しす。日の下に現れたその馬を見て、ジャイロが声色を変えた。
「ほぅー。おチビ、そりゃオメーの馬だったのか」
才人にはよく分からないことだったが、いつか厩を覗いたとき、ジャイロは馬を眺めて回ったのだ。
その中でも特に、素晴らしく良い馬がいたことを、彼は覚えていたのだったが――、まさかそれが、彼女の馬だったとは気付かなかった。だからこそ、余計に驚いたのだろう。
「あの厩の中にいた中じゃ、そいつが一番手入れされてる。文句ねー良い馬だぜ、そりゃ」
ジャイロが珍しく彼女を……、いや、正確には彼女の馬なのだが、褒めちぎった。それに気を良くしたのか、ルイズはしきりに、
「と、とーぜんじゃない。そんなこと褒めたってなんにも出ないわよ」
と言っては、まんざらでもなさそうな顔だった。
「さ、行くわよ」
ひらり、と慣れた動作でルイズは愛馬の背に跨った。
「あ、あのさあ、ルイズ。お、俺らは?」
才人が尋ねる。
「あんた達も乗りなさいよ」
そっけなく言われる。なんとなく、突き放された印象を受けるも、気を取り直して――、才人はルイズの馬によじ登ろうとして、鞭で引っ叩かれた。
「なにしてんのよあんたは!」
「い、いや、だから馬に乗ろうと……」
「あんたも馬を借りて来て乗るの!」
「は? 俺も? ……無理! 無理無理無理! だって俺乗ったことねーもん!」
首を猛烈な勢いで振りながら弁解する。
「はあ? 馬にも乗ったこと無いなんて、ほんとに能無しね。これだから平民は……」
馬に乗った高い位置から、見下すように向けられるルイズの視線が痛い。あからさまに“こいつ使えねー”という視線なんだもの。
「ひ、ひどい……。そこまで言わなくても」
いじけた態度で、胸の辺りで人差し指をくるくる回す才人だった。
「乗せてやれよ、おチビ」
ジャイロが、厩から別の馬を一頭連れてきた。その馬は、才人が見ても、ルイズの馬と比べても明らかに見劣りする、老いて痩せた馬だった。
「嫌よ。あんたが乗せて行けばいいじゃないの」
ルイズは頑なに拒む。
「そりゃ無理だおチビ。この馬は老いている。力もねェ。オレが乗っただけで息切れしちまいそうだ」
ジャイロが馬の鼻を撫でながら言った。
「なによ……。他に馬は無いの?」
「ねーんだ。オレのような平民が乗る馬は、出払ってて他には一頭もいねえとさ。残った馬はみんな、貴族のものだ」
あれだけいながら――、貸してもらえない。
ここはそういう世界なのだと、才人は改めて認識する。
「しょーがねーんだおチビ、乗せてやれ。オメーの馬なら若いし、パワーもある。二人乗せても大丈夫だ」
ジャイロの言葉に、頬を少し膨らませたようなルイズも、納得したようだった。
「仕方ないわね。……ほらサイト、今回だけ特別なんだから。ここに足をかけて、登るように乗るの」
鐙から足を外し、才人が乗りやすいように体をずらす。
言われたとおりによじ登った才人が、落ち着かない馬の背に違和感を覚えながら腰を下ろす。
「それじゃ、出発しましょ。サイト、途中で落っこちないでよ」
「へいへい」
二頭の馬が、蹄の音を鳴らす。その動きに慣れない才人は、思わずよろめいた。
反射的に、ルイズの体を掴んで振り落とされないように踏ん張る。
右手はルイズの腰を。左手は肩を掴む。
掴んだつもりが、しっかりした骨の感触の中に、小さいながらも柔らかい何か。
あれ? ここってもしかして、ム…… と思った瞬間、才人は馬の背から叩き落された。

「なァおチビ」
「チビは止めなさいってば」
学院から町に向かう途中の野道で、ジャイロがルイズに声をかける。
「城下町っつーくらいだから、かなり人はいるんだろーな」
「そうね……あんた達と同じ平民がいっぱいいるわ。人が多い分混むわゴミだらけだわ変な匂いはするわ……。普段ならあんまり行きたくないところね」
あんまり気乗りしない抑揚で、ルイズは答えた。
その態度とは裏腹に、ジャイロは普段のおどけたような声で続ける。
「そして城下町っつーことは、城があるってことだ」
「そんなの、当然じゃない」
後ろにいるジャイロを見もせずに、ルイズは言う。
「城には入れんのか?」
この使い魔、ものを知らないにも程があるわ、とルイズはなんだかむっとして。
「入れるわけないでしょ! あんたじゃ門前の吊り橋で追い返されるわよ!」
そう、大声をあげた。
「ほー……。そんじゃーよォ、貴族のオメーなら、入れるのか?」
にやりとした挑戦的な口調で、ジャイロが言う。
「わたしが? わたしがどうして王宮に行かなくちゃいけないのよ。私が詔も無しに太后陛下に拝謁するなんて、恐れ多くてできないわ。……いえ、そりゃわたしも貴族なんだし、お父様やお姉様にお願いすれば、お目にかかれないことはない、かもしれないけど……」
そう言ってなにやら口ごもるルイズだった。
そして才人には、ジャイロの質問の真意は汲み取れない。
「なあ、おチビ……。 勝負しねーか?」
「……え? 勝負?」
ルイズが首をかしげた。
ここでジャイロが、いきなり勝負などという意図が、読めない。
「オレとこっから、町まで競走だ。オメーが勝ったら、オレは今後、オメーをおチビと呼ばねェ」
「それは普段から言ってるじゃないの。……まあいいわ。それで? あんたが勝ったら、どうするっていうの?」
ルイズは、使い魔の提案に最初は不審気な顔をしたものの、受け入れる。
魔法を使った勝負ならいざ知らず、馬同士の競走なら、彼女は負ける気がしなかった。魔法を使って空を飛んだことがない代わりに、馬と駆け巡った道は数え切れない。
ましてや城下町までの道のりは知り尽くした庭のようなもの。負けるなんてことは、何一つ思いつかなかった。
彼女がすでに勝利をものにしたような顔で勝負を受け入れたことで、ジャイロは彼女と馬を並べた。
歩みを止めた二頭が、鼻息を荒げて、首を振る。
ジャイロもまたこの世界に来て相当の日数が経過し、様々な出来事があったが……、彼の望みはまだ果たされない。
元の世界に戻る。
ただそれだけの願いなのだが。
そのために手がかりを得ようと、学院の図書室で様々な書物を読んだ。
タバサの協力もあり、文字の読み方も勉強した。お陰で、今は簡単な文章ならそらで読めている。
しかし、元の世界に戻る手段は、掴めない。
もうすでに、この世界でもかなりの日が経過している。
この世界の数日が、元の世界と同じ時を刻んでいるのなら……。
そうとも考えた。しかしその答えを、彼は頭の中から追い出す。最悪の結末は考えない。今は一刻も早く、あの場所に戻ることを考えるだけだと。
あいつがいる、あの場所に、戻るのだと。
そのために。
王宮……この国の頂点に立つ者がいる場所。
そこにいる一番偉い人間なら、何か知っているかもしれない。
そんな空想にさえ、一縷の望みを彼は賭けた。
そして、彼はいつもの口調であっさりと。
「王宮にいるっつぅ、太后に会わせてくれ」
そう言ったジャイロが、老いた馬に合図する。
老馬はあらん限りの速さで、風を巻いた。
「えっ……? え、えっ?! ええっ!?」
その言葉に意表を突かれ、彼女は手綱に込めた力が抜けて出遅れてしまう。
慌てて鐙を蹴り、彼女の長い髪は勢いよく風を受けてなびいた。その後ろで、才人は急な加速にのけぞり、首がこきっと音を鳴らした。鞭打ちのような痛みに首を擦ると、顔はルイズの髪にちくちくと叩かれ、おかげでまた振り落とされそうになった。
城下町の入り口はここからでも、小さく、三人の目にしっかりと見えていたのだった。
「まっ! 待ちなさいよあんたぁーーーっ!」
ルイズが後ろから叫ぶ。
「なんか言ったか~~~? 生憎おケツに喋られてもよォ~~~。聞こえやしねぇ~ゼェ~~~。ニョホホホ」
「な、なんですってぇ!? こらーーー! このバカ使い魔ぁーーー! ご主人様にむかってなんて口きくのよぉーーー!」
余裕を見せ付ける挑発。だが、彼と彼の乗る馬には余裕は殆ど無い。彼女が出遅れたせいでリードが広がったが、その差は僅か数馬身。
気を抜けば追い抜かれることを彼は自覚している。そしてこの差を抜き返されれば、それは挽回不能の決定的な敗北なのだと、彼は知っている。
馬の実力が違いすぎる。真っ向勝負では勝ち目が無いことを、彼は嫌というほど理解している。
なら、それ以外のどこかで勝負しなければならない。
答えは一つ。
騎手としての、力の差しかない。
ゴールまで最短の距離を走り抜けるように、馬を誘導する。
スタミナにも気を使う。最後の最後まで走り抜けるように配分を考える。
風の向きと強さを知る。地形の変化を読む。太陽と木々が造り出す影に障害物がないかを判断する。
「……後ろにいるおチビより早く辿り着くためには……いつも以上に、こいつらを読み取らなくちゃならねぇ。……っ、あいつにこういうことをもっと聞いとくべきだったぜ」
だが、それでも限界はある。この道を、このままルイズの前を走っているだけでは、リードはこれ以上広がらない。
だから、賭けなのだ。
ジャイロは――、さらにリードを広げるために、広がった道を走ることを選ばず、脇にあった林に飛び込んでいく。
「な、何やってんのあんた?!」
ジャイロの行動に、ルイズはまたも面食らう。
まさか、走りにくい林の中を突き抜けることを敢えて選び、距離を縮めようと考えるとは、思いつかなかったからだ。
定石から外れた行動をとる。この男の奥底を、ルイズは見通せない。
「ショートカットかよ!」
才人は、いつか自分の世界でやったレーシングゲームを思い出していた。
ゲームセンターで人気を博する定番のレースゲーム。
そこで上級者と呼ばれる奴らは、格下相手に性能の劣る車を敢えて選び、その差を技術で補っていた。
いま、ここでは、才人は間違いなく傍観者だ。
二台並んで走るレースカーの軌跡を、ギャラリーとして見物する側なのだ。
だからこそ、見通せるものがある。
ならばこそ、気付くことがある。
……この勝負の、勝者は。
密集した木々を避けながら、ジャイロは遠く木々の向こうから零れる光の先へ進んでいく。
この林を抜ければ、ルイズとの距離は相当広がるだろう。
だが……、それだけで、確実に勝てるとは、彼自身どうしても思えなかった。
そのために、保険もかけた。さっきの憎まれ口――挑発である。
ルイズの性格は、彼もそこそことはいえ理解している。直感的でひねくれ者。そのくせ根は素直で単純明快。
あの程度の挑発ですぐに熱くなる彼女は、勝負や駆け引きには向かない。
冷静さを欠いた今の彼女は、手綱に余計な力が入っているため、僅かとはいえ馬の加速を殺してしまっていた。
さらにルイズは、単純に自分の前を走ろうとしかしない。障害物が見えれば避ける、くらいの操作しか行っていないのだ。
走行は馬に任せている。いくら優秀な馬でも、それだけでは力を引き出すことはできない。
そして……、彼の後ろを追ってこようとはしない。彼女の腕では木々の間をすり抜けるよりも、道なりに走ったほうが良いだろうし、そのほうが速い。それに彼女だけならまだしも、才人という同乗者がいる。
わざわざ危険を冒すことはしないし、しても意味がないと判断したのだ。
賢い選択だろう。だが、甘さがある。
そこが、彼にとって、この勝負で最も、つけ入る隙だった。
彼女がこのままでいてくれたなら、勝てるだろう。
だが、そんな幸運が最後まで続くとは、信じきれない。
「運には頼らねぇ……。実力で掴み取るんだ!」
手綱を操り、木々の隙間をかいくぐるように、雑木林を抜けた。
少し眩しく感じた光景の奥に、町の入り口が、さらに近くに見えた。

「うわ! ちょ、ちょっとタンマ! タンマだってばルイズ!」
ルイズの後ろにいた才人が叫ぶ。差を縮めるため馬を加速させようと振り上げた鞭の軌道に、才人の顔があったからだ。
「どきなさいよサイト! そこにいると邪魔でしょ!」
後ろを一瞥してルイズが叫ぶ。
「無茶言うな! どけるわけないだろ!」
「それじゃ今すぐ降りなさい! 軽くなるし!」
「それこそ無茶だろ! こんな速さで降りたら怪我するぞ! 常識で考えて!」
「あーもう! うるさいうるさいうるさぁーーーい!」
才人が乗って、やっとジャイロと同じくらいの重量なので、条件としては申し分ないと認めていたスタート前とは、言っていることが違う。
「……っにしても、すげえな、ジャイロ。馬に乗れたんだ」
がっくんがっくんと上下する馬の背で、才人はそうぼやく。
「……ただ馬に乗れるだけじゃないわ。とんでもなく慣れてるのよ、あいつ。それも、こういう競走みたいな馬の操り方を」
本当に、あいつ何者よ。と、ルイズは呟いた。
「じゃ、じゃあ、ジャイロ競馬騎手なのか? あのガタイでジョッキー? ありえねぇー!」
「どうでもいいわよそんなこと! あいつがどこの誰でも、わたしの使い魔あることには変わりないわ! それよりあいつがこのまま勝負に勝ってしまったら、わたしは使い魔のいいなりで太后陛下に謁見しなくちゃならないってことなのよ! そんなの! 絶対に認められないわ!」
ルイズが、再び、鞭を振り上げる。
風を切った音が、遅れて聞こえると、ルイズと才人は、視界がさっきの倍以上に、早く流れていくのを実感した。
十数馬身と広がっていたジャイロとの差が、一気に迫っていく。
「ゴールまで、あと数百メートルってところか……。こんなとき、あいつならどうする」
後ろから迫ってくる蹄の音を背中に受けながら、ジャイロは自問する。
今の彼と同じように、老いた馬を駆り、過酷なレースに挑む青年の姿を、脳裏に思い出していた。
「いや……。あいつはいねぇ。じゃあ……、オレだ。 オレなら、どうする!?」
町の入り口――ゴールまでは、あとは曲がった道など無く、ほぼ一本の直線だった。
こんなにも単純で分かりやすいパドックでは、どんな馬が勝つかなど、誰にでもわかる。
「……馬の実力が」
「ものを言うわ!」
ラスト・スパートだ。
騎手は馬に持てる力を出し切るように指示をする。
ジャイロの馬が、荒い息を返し、前に進む。
だが、ルイズの馬はまるでものが違う。
ジャイロの速さが弓から放たれた矢だというのなら、さしずめ、稲光の如く!
迫る! 風が強く吹きつける。 迫る! 顔にあたる。 迫る! 空気がまるで鉛のように重く感じた。
そして、男の背中が自分の横に並び、ルイズは追いついたことを確認した瞬間、見せ付けるように勝ち誇った笑みを浮かべた。

そこには老馬も、敗者の姿も無かった。

ルイズは我が目を疑った。全力を出し尽くす勢いの疾さを、抑えつけるように前を走る者がいた!
「やっぱし速えーなぁ。その馬はよォ。」
その声は、こんなときなのに、太陽のように明るく、青空のようにどこまでも爽やかに。
そして、えらく余裕たっぷりに聞こえてきた。
「ところでおチビ。……オメー、船に乗ったことはあるか? 帆船だ。船いっぱいに帆を広げた船だ。オレはあるがな」
「……な、え? な……、何……?」
ルイズは理解できない。ジャイロが何を言い出したのか、それになんで自分の前にいるのか。どうしてこんなにも勝ち誇った顔をしているのか?!
「知ってるか? 帆船ってのは海で向かい風を帆に受けるほど、速くなるんだぜ。 『向かい風』だぜ! 向かい風ってのは――愛馬が走るのを、助けるためにあるんだ」
そう言った声が、また一馬身、遠くから聞こえた。
これが、ジャイロの最後の賭けだった。
『鉄球』が無く、不完全ながらもマントにかけた『回転』が、マントを帆と化したのだ。
自らを帆と化し、風を受けながら荒海に乗り出す鋼船が如く、ジャイロが前に乗り出した。
その姿を、少女は呆然と見つめるしかない。
この勝負が、決する。



「い」
ただ一つの誤算は。
「いや」
彼が、彼女の。
「負けるのは、嫌ぁーーー!」
負けず嫌いを、甘く見ていたことである。
彼女は、右手に鞭を、左手に手綱を持っていた。
それが今は、左手に杖を持っていた。手綱を放り投げることを、彼女自ら選択したのでは、なかった。
いつの間にか、左手は杖を握っていた。
彼女の意思とは無関係に、左腕が動く、地面を向いた腕が、指した杖の先で。

爆発が起こった。

それはルイズの愛馬がそのあたりを踏んだときに起こり。
地面を剥がすようにして起こった爆発は、板のように剥れた地面とルイズと才人と、ルイズの愛馬を傷つけることなく、高く宙に放り出した。
彼女らはジャイロの少し上を飛んで行き、そして、そのまま彼の前に抜け出たのある。

そして、その場所こそが、町の入り口だった……。という、事実。
「………………」
「…………え?」
一番信じられないのは、……誰だったか。
「……おい」
「……か、勝った、のか?」
「……そ、そうよ! 勝ちよゴールよ!」
「ちょっと待て」
「すげえ! すげえよルイズ!」
「なんでお前らが先にゴールできんだ?」
「と。当然じゃない! この勝負、私が勝つって決まってたんだから!」
「今の待て」
「サイト、そろそろ降りなさいよ。ここからは徒歩で武器屋まで行くんだから」
「わーったよ……。しっかし、狭い道だなー」
「違う!」
「狭いって……。これでも大通りなんだけど」
「タンマ!」
「あ! なあルイズ! あれなんだ?!」
「あれって……。出店でしょ。あーほら、うろちょろしない!」
「おい才人! おチビ! てめーら! 待ちやがれえ!!」
まだ馬に乗っているジャイロと、馬を繋いで大通りの奥へ進んでいく、ルイズと才人。
そして彼の大声に、やっと気付いたようにルイズが彼に向き直ると。

「おチビは止めでしょ!」

そう、一喝したのであった。

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