ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ジョルノ+ポルナレフ-1

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匿名ユーザー

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私の名前はジャン・P・ポルナレフ。
私は剣の腕に優れたフランス紳士だ。
スタンド&肉体はもうないが、身長185cm。髪を入れると193cm。体重78㎏、血液型はAB型。
普段はムードメーカー的存在だが、戦いになるとシリアスに。騎士道精神を重んじる律義なナイスガイになる。
好きな色はゴールド。好きな映画は『がんばれ!ベアーズ』。趣味はスポーツ全般、最近は『BONSAI』、絵画、アニメ鑑賞、MANGAも好む。
好きな女の子のタイプは気分によって変わる。
住みかはイタリアのギャング『パッショーネ』が所有する亀ココ・ジャンボの中だ。
おっと、奇妙に思うだろうがまずは話を聞いてくれ。この亀には特殊な力があってな。
ココ・ジャンボには甲羅に嵌った鍵を文字通り発動の『鍵』…入り口にして甲羅の中にある部屋にどんなものでも小さくして収納する能力がある。
パッショーネの前のボスとの戦いで死んだ私は、魂だけとなって天に昇ろうとしていた。
だがこのスタンド亀の能力により、間一髪甲羅にはめ込まれた鍵に指をひっかけ、スタンド亀の中に留まる事に成功した。
以来、私はここで暮らしている。
『BONSAI』などのインドア趣味を始めたのはその為だ。
何せ外に出ると昇天するしかないからな。

私は私が死んでしまった戦いでボスを乗り越え、パッショーネの新しいボスとなったジョルノ・ジョバァーナの話し相手として。
時にはパッショーネの重要な物の預かり手として。

ジョルノはまだ15の子供だが、ギャングだ。
彼らの組織パッショーネは麻薬も売っているしシマにあるカジノとか私としては賛成しがたい収入源を幾つも持っている。
そしてそう言った権利を他の組織と争っている。
私はそれに納得できなかったが…大人が自分の意志で麻薬をやるっていうなら別にジョルノ達は構わない。
危険性などは理解しているだろうし個人の自由と責任ってものがある。
だが、まだ自分の尻も自分でふけねぇような子供に麻薬を売りつけるような真似は許せねぇ。
ジョルノが口にしたわけじゃないが、第三者である私がジョルノの行動から見えてくるのはジョルノはそんな考えの元に動いているように思うって事だ。

麻薬を売るっていう事は賛成できないが、ジョルノの考えには一理ある。
麻薬の存在を根絶する事は私達の力だけでは不可能。
ジョルノ達が売るのを止めた所で他の者がその市場に入り込み売り出す…この街から売人を消し去ろうと、他の街から。
この国の何処かから。この西欧の、この地球の何処から運ばれてくる。
麻薬自体を葬り去る事も不可能に近い…例えば、麻薬をやる原住民もいるが、彼らは麻薬とさえ呼ばない。
それは彼らの文化であり、それはそれで尊重しなければならない。
例えば、私の古い友人の国日本では麻薬とされていてもEUには友人が吸っていたタバコと変わらない扱いを受けているものもあるからな。
そう考えた私は残りの余生を楽しみつつ彼らに協力する事にしたのだ。
それからボスとの戦いで亡くなった仲間の死を乗り越え、日々ギャングスターとして成長していくジョルノ・ジョバァーナらを見るのが、私のささやかな楽しみになった。

そんなある日、私達はいつも通り敵対するギャングの放った刺客を再起不能にし、帰宅する途中のことだった。
ジョルノがボスとなってからパッショーネは急速に組織を立て直しまた勢力を広げていた。
ワキg、ではなくグィード・ミスタ、ナンテコッタいや…パンナコッタ・フーゴらと共に仲間を増やし、困難を乗り越えてパッショーネはEU圏でもちょっとした勢力になりつつあった。
だがそれは同時に敵を増やす事でもある…今日もボスであるジョルノも出向かなければならない仕事を終え学校へと戻ろうとしていた。
勿論仕事の方は成功し、このままいけばまたパッショーネは勢力を伸ばすだろう。
だが暗い路地を抜け、馴染みの店が連なる大通りへ出る為角を曲がった瞬間、私達の目の前に鏡が現れた。

…さて、現実逃避はこのくらいにしておくか。
私は亀の中から頭を出して周囲を窺うのを止めて、気を落ち着けようと一拍時間を置いた…ふむ。
その、なんだ…あ、ありのまま今起こったことを説明するぜ!!
鏡の中に入っちまったと思ったらジョルノがけしからん胸の美少女に迫られていた。
な、何を言ってるのかわかんねーと思うが、私も頭がどーにかなりそうだった…!
あれはけしからんなんてちゃちなもんじゃねぇ! あれは既にスタンド、スピードはA!破壊力はB!正に世界の半分を支配する能力と見た!

…少し若い自分を思い出した私はそこまで言ってからふざけるのをやめて娘を見る。
肌理細やかな白い肌に美しい金髪、グンパツなボディ…妖精かサキュバスか迷ったが、私にも見て取れる妖艶さなどとは無縁の頼りない仕草から察するに、あれは『けしからん妖精』だな。
初めて見る顔だが、まだ意識がハッキリしないジョルノにキスしようとするなんて随分積極的な娘だ。
ココ=ジャンボ…亀の中にいる私はそう思った。
出て止めたりした方がイイのかもしれない。ジョルノには私の知る限り浮ついた話はないが、モテる事は確かだからな。
相手がいるかも知れん。寝込みを襲うってのはあまり感心しないしな。
だが、私は亀の外に出ると死んでしまうし、身を乗り出しても到底手は届かない。
何より無粋だって考えもある。すまんなジョルノ…見物はするがね。

しかし娘には残念な話が一つある。ジョルノもギャングスター。既に目は覚めていた。
ジョルノはいきなり迫ってきた娘を無遠慮に押し退けた。服についた埃を払いながら立ち上がる仕草には押し退けられて尻餅をついた娘を気遣う素振りはない。
冷たささえ感じられる。
「いきなりなんなんです?」
堅気にしか見えないからだろうスタンドを繰り出しもせず静かに訪ねたジョルノに、娘は諦めずまだキスしようとしていた。
もっとうまくやればいいものを。
私は娘の見ていて不安になるような初々しさに苦笑した。
ジョルノは勿論肩を掴んで押し退けてるんだが、娘はまだかなり必死にジョルノにキスを迫り続ける…してやればいいじゃねぇか?
可愛い子なんだからイタリア男児の端くれならやっちまう位の度量はあるんだろうが。
そう思う私とは裏腹にいい加減ジョルノは鬱陶しくなってきたようだ。真面目な奴というかなんというか…あ、押し退けやがった。
チッ、ほら見ろ、娘が泣きそうじゃないか。
だが私が年甲斐もなくちょっとグッと来た娘の表情を見ても、ジョルノは更に鬱陶しそうな顔をするだけだった。
コイツ鬼だな。
ジョルノはそんなことどうでもいいといわんばかりに周りを確認していく。


私もそれに習い周囲を窺うと…かなり綺麗に片付けられた部屋だが、どう見てもなんの変哲もない小屋の中に見える。
置かれているテーブルなどを見るに、今時珍しい手作りのようだ。棚に収納されている食器なども全部人の手によるもののように見える。
使い続ければ味が出そうな、出来のよいものと使いにくそうな悪いものが混在しているからどういう趣味で買い集めたのかはわからないな。
結論として一先ず危険はなさそうだが、私達がつい先ほどまでいたネアポリスとは似ても似つかない場所だ。
ジョルノの態度に諦めたのか、娘は打ちひしがれた様子で何事か呟くのが耳に入った。

私には何を言っているのか聞き取れなかったので、ジョルノを見上げたが…ジョルノも私同様わからなかったらしく私を見ていた。
娘は、私達が知らない言語で話していた。
どこの言葉だ?
我が祖国フランスの言葉に若干似ているようだが…
「ポルナレフさん、彼女が何を言ってるかわかりますか?」
「いや分からん。私に分かるのはイタリア紳士として彼女を慰めてきてやった方がいいんじゃないかって事ぐらいだな」
私の言葉にジョルノは嫌そうな顔を見せた。
「ポルナレフさんの長年の経験でどうにかしてください」
その言葉に私は肩を竦めた。ジョルノにしては情けない話だって思うが、この亀の中で暇をしていた所だ。
偶には年長者として若者の仕事を肩代わりしてやるのも良かろう。
そう思った私はジョルノに亀を娘の傍まで進ませるよう言った。
ジョルノは、ソレに従い私が入った亀を娘の前に持っていく。娘が亀に気付いたらしい。
私は亀から頭を出した。そしてけしからん胸の娘の前で爽やかな笑みを浮かべた!
慰めてやろうとしたんだ…だが、娘は。
私と目が会った次の瞬間。私がウィンクした直後だった。娘は…気絶した。
失礼な奴だ。
嫌そうな態度ばかり取っていたくせにこんな時だけ素早く動いたジョルノは、娘が倒れる前に抱きとめる事に成功する。
その女性を抱き上げる時の一連の動作を見た私は、何故か肩越しに見えるジョルノの横顔が…あのディオに見えた。
以前から気になっていたのだが、ジョルノはどこか私の宿敵だった男に似ている。
若い頃の私が仲間達と共に辛く楽しい旅の末に倒した悪の帝王ディオ・ブランドー。

時を止める能力と吸血鬼の不死性、奇妙な色気と、何より悪党共が自然と惹き付けられる程のカリスマ性を持った恐ろしい男だった。
頭のコロネはともかく、ジョルノにはどこか奴のそう言った部分を感じる。
まるで血を分けた家族だとか兄弟って位にな。だが…まさかな。
「どうも疲れているようだな…」
「どうしました?」
私の口調から何か感じ取ったのかジョルノは尋ねてきたが、私は首を振った。
根拠がない話だ。それにもしそうだったとして、私はどうするというのだ?
「なんでもない、気のせいだ…それより早くここから出てここがどこか調べようぜ」
「…いえ、ここに残りましょう」
言うなりジョルノは胸が特にけしからん娘を抱きかかえたまま立ち上がり、歩き出す。
これでは私が下から覗き見しているようなポジション…!
私が紳士的に背中を向けている間に、ジョルノは部屋の中にあった粗末なベッドに胸だけでなくヒップラインもけしからん娘を寝かせるつもりのようだ。
私はふいに気付いた…まさかジョルノ、胸に目が眩んだんじゃネーだろうな?
「おい、まさかこ…「はい。地元の人の協力を得るのが得策でしょうから」
「協力?」
ジョルノは至極真面目な顔のまま窓の外へ目を向けた。
「ポルナレフさんの高さだと見えませんか? この小屋の外に自生する植物はイタリアでは見ない種類です。少なくとも僕はこの辺りに来た事はありません」
言われるまま外を見ると、確かに窓の外には植物が色々生えているがどー違うとか私には見てもわからんぞ。
承太郎なら分かるかも知れんが…と、とりあえず娘に目が眩んだわけではないようだ。
「そ、そうだな。イタリアとは思えないな」
「はい」
ジョルノは何かを探して部屋を見回す。
視線は水差しで止まるとポケットから微かに刺繍の入ったハンカチを取り出して水で濡らした。
それを軽く絞ってけしからん娘の額に乗せてやるとジョルノの奴は勝手に部屋の中を歩き回りだす。
置物やら本棚に綺麗に並べられた本を調べているようだ。
失礼なことだが、場合が場合だ。私は何もいわずに部屋を調べていくジョルノを見ている。
私も本来なら協力すべきなのかもしれないが、私は亀からでれないし、亀の向かう先を決められるわけでもない。
つまり何もしないのが一番の協力というわけだ。

そんなわけで私にできる唯一の協力方法、ジョルノの代わりに亀の中で寛ろぐを満喫しようとした所、ジョルノが亀の中に頭を突っ込んできた。
「どうした?」
脇に何冊か本を抱えていたジョルノは何故かため息をついて私に向けて本を開いた。
「ポルナレフさん、読めます?」
「いや全くわからん」

文字まで違うとなると、相当遠いところのようだが…俺達をここに誘拐したスタンド使いの目的もここがどこかもマジでわからん。
どこか全くわからんということで結論付け諦めた私達が、特に胸がけしからん娘が目覚めるまでジョルノの能力で生み出したクワガタで虫キング始めるのはそう遠い事ではなかった。
ぶつかり合うヘラクレスオオカブトとオオクワガタ。
勿論はなからサイズが違うのであっさり私のクワガタは負けた。
…大人と子供くらい違うんだぜ?
勝てるわけがないっ!
「おい。どー見てもお前のカブトムシの方が明らかにでかいぞ!」
「種類の違いです」
時折空を見ながらしれっとのたまうジョルノはヘラクレスを操っていつか見たアブドゥルのようにチッチッ、とポーズを決めさせている。
「せめてサイズ位合わせろ…!」
「何度も言わせないでください。こんなもんです」
私の抗議にもジョルノにはコレッぽっちも変える気はないらしい。
クワガタを角で持ち上げさせひっくり返させるジョルノは薄く笑っていた。
おいおい…八百長にも程があるとおもわねぇか?

そう思う私を無視してまた空を見たジョルノは何か考え込んでいるようだった。
「知っている星が一つも見えない上に妙な場所だ…この場所が動いているのか?」

やれやれ…何を考えているかと思えば、星が見えねぇし今いる場所が動いてるんじゃないかだと?
どうやらこいつも疲れてるらしいな。
私は暖かい眼差しをジョルノに向け、娘がおきるまでもう少し付き合ってやることにした。


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