ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マイク・O-1

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こことは別の、魔法文明が発達した世界、ハルケギニア。
この世界の国々の中では最も古い歴史を持つ国、トリステイン。
この国の魔法養成学校、トリステイン魔法学院。
ここでは日夜勉学に精を出し、立派なメイジになるため多くの貴族が在籍している。
そして今、トリステインに一つの嵐が吹き荒れようとしていた…

――雲一つなく。空一面に染み渡っている青。
――燦々と地上を照らしている太陽。
――緑生い茂る大地。
――優雅に空を飛ぶ小鳥達。
目に映るものすべてが美しい自然である
特に小鳥達の発する声は美しく、さながら天使n「ドグぉオオンッ!」…ん?

ここトリステイン魔法学院では今、生徒達が2年生に進級する為、ある儀式が執り行っている。
その儀式の名は『サモン・サーヴァント』。
この儀式ではメイジ達に一生仕えるパートナーを『召喚』するためのものであり、神聖なものである。
そしてこの儀式は至極簡単なものであり、決して『爆発』を起こすような魔法ではない。

「けほっ…」
爆発の煙の中に人影が見える。
煙が少し晴れると、黒いマントに、白のブラウス、グレーのプリーツスカートという格好が見えた。
煙がもっと晴れてくるとよく見える。
桃色がかった『ブロンド』の髪に透き通るような白い肌、ネコを思わせる鳶色の目。
所々ホコリで汚れているが・・・
これだけの容姿だ、もし現代で街行く人々に彼女の写真を見せれば誰もが十中八九『美少女』と答えるだろう。
だが『容姿だけ』である。
「おい、見ろよ!また『ゼロのルイズ』が召喚に失敗したぞ!」
「ま~た爆発かよ…」
「フハフハフハフハフハハハハハ」
彼女を笑う者の声、諦めたような声、最初から結果が分かり切っていた声、さまざまな声が聞こえる

 「るっさい!わたしだって好きで失敗してんじゃないわよ!」
怒鳴っている彼女の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
泣く子も黙るヴァリエール家の三女である。
いきなりの話だが彼女は魔法をあやつることができない。まったく扱う事ができないのだ。
授業で火の魔法を唱えれば実験用の火薬をブッ飛ばして爆発。
だいぶ前の授業では爆発が他の班の火薬にまで引火してしまって褐色肌の生徒を一人病院送りにしたこともある
(彼女は失敗する事は分かっていたが逃げ遅れてしまった)。
他にも水の魔法を唱えたら爆発してしまい爆発で沸騰した実験用の水が巻き毛の女子生徒に降りかかって火傷をさせた事もあった。
土の魔法を唱えれば(ry
散々である、彼女に関わるとろくな事がない。
何時しか彼らは彼女の事をこう呼んだ、『ゼロのルイズ』と。
しかし彼女だって悪気があったわけではない、仕方がないのだ、そういう人間なのだ。
何か言われるたびに「(貴族に生まれても魔法が使えない者もいるかもしれないじゃない!)」
何度も彼女はそう思ってきた、しかしそれを認めることはなかった、それを認めたらどうなる?
それを認めるということは父の、母の、ヴァリエール家を裏切る行為だ。諦めるという行為は恥ずべき事だ。
「(私はまだ自分の系統に目覚めていないだけ)」そう思って彼女は今日まで諦めずに過ごしてきた。
だが、いくら系統魔法が使えない彼女でも今日という日は成功させなければならないのだ!
「(や、やっぱりわたしには才能がないの?このまま退学するしかないの?そ…そんなのはいや!)」
そう、メイジの半身である使い魔を呼べなければ、サモン・サーヴァントは成功させられなければ…退学なのだ。
「ミス・ヴァリエール…」
「は、はい!」
「続けてどうぞ、もう残っているのはあなただけですから」
他のものは皆成功している。後は自分だけ。ここで失敗したら…。
「(……もう、いい…もういいわ、やってやるわ…やってやるわよ!失敗した後のことなんてもう考えない…!)」

 パッと見、普通に少女が呪文の詠唱をしているように聞こえるが
その場にいた全員には少女の声音から怯えをはっきりと感じる取る事ができた。
「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ…
(お願い…)
神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ
(何でもいい)
私は心より求め、訴えるわ
(鼠でも下品な犬でもいいから)
我が導きに…答えなさいッ!!」
(誰か出てきて!!)

ボンッ!

「…プッ、ぁははははははははw」
「やっぱりまた爆発だァーーー!ゼロのルイズはやっぱり俺達の期待を裏切らねぇw」
「あぁーあ、これでゼロのルイズも退学かぁ、寂しいねぇwww」
彼女に心無い言葉を向けるのは、いずれも彼女の失敗魔法の何らかの被害を受けたものたちである。

「(だめだった。失敗した。爆発が起きただけ。煙が上がっただけ。何にも召喚できなかった。)」

不思議と涙は出なかった、人間、あまりにも悲しい出来事に出くわすと涙は出ないものだと何かで見たことがある。
彼女はふとそんなことを思い出しがら荷物をまとめるために部屋へ戻ろうとする。

ガサ…

「お、おい・・・何かいるぞッ!煙の中で『黒い影』が動いてるぅぅッ!!」
生徒のその言葉を皮切りに、煙の中の『影』は大きくなっていった、こちらに向かって歩いてきたのだ。
煙から出てきた影は変わった格好をしていた、棘が沢山ついたズボンを穿いている、そして黒い肌。
ルイズを彼に近寄りながら恐る恐る話しかけた。
「へ、平民?」
「こ、ここは何処だって世界だ…」
これが彼、マイク・Oのこの『世界』での第一声である。


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