ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

L・I・A 第15話

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
第15話 ギーシュの怨みと仗助の過去

昼の食事時に起きた事件。
『ギーシュ・ド・グラモンが平民にのされた』
彼はドットながらも優秀なメイジとして通っている。副産物として浮気性の女誑しというのがくっついてくるが。
浮気。今回は二股の証である香水を仗助が拾ったわけだが、そこからはノンストップ破局の修羅場。正直居たたまれなくなっていたが、馬鹿にされプッツンしてしまった仗助は、ギーシュをハッ倒したッ!無論クレイジー・ダイヤモンドでッ!

「ううううう」
医務室。顔の所々に手当てのあとを残す少年。言わずもがなギーシュ。
仗助の逆鱗な触れたならば、普通なら完膚無きまでにボコられるのだが、渾身の一撃のみで犬神家にされたため『比較的』軽傷で済んだ。
顔面の打撲傷に、衝撃や破片による上半身の裂傷。
顔はともかく上半身を何故怪我しているのかと言えば、あの時一体化されたのは顔と首回りだけだった為である。
最も、ギーシュに知る由も無いが、某アンジェロのように完全一体化されなかっただけマシである。そういう意味では確かに彼は幸運だった。
しかし、水の魔法で治したとはいえ、治癒しきれなかった生々しい痕はいくらか残っている。
「クソッ、あの平民の使い魔め・・・・・僕をこんな目に合わせるなんて・・絶対に・・・」
憎しみの感情を隠さない負の言葉。有るのは『憎悪』只一つ。
奇しくもその時、別れを告げられたはずのモンモランシーがその場に現れた。彼女にしてみればギーシュの浮気は今に始まった事ではない。しかし、幾度も聞こえてくるのは「君が一番」。
そんな彼にどこか憎めない感情を彼女は感じていたのだった。
ギーシュを見つけ、足取りを彼に向けたが、
 ・・・・足が思わず止まった。

「ギー・・・シュ・・・?」
見詰める先にあるのは彼、そして彼の2つの目、濁ったドス黒い瞳。怨みの言葉を独り吐き出し、憎しみを募らせるギーシュの姿であった。
彼女はそれ以上、足を進める事が出来なかった。

「アンタ何やってんのよ!?」
部屋中に響く大声。ルイズが感情の赴くままに、眼前に佇む仗助へ言葉をぶつける。
「ギーシュの家だって名のある貴族よ!?それを、あんな事するなんて信じられない!!下手したら殺されるわよ!?」
「(アイツじゃあねぇーが)だが断るぜ」
当の仗助はどこ吹く風といった様子だ。
「今からでもいいわ、謝ってきなさいッ!誠心誠意!」
「やだね」
完全拒否ッ!!
「なっ、な、何言ってるのよ!?ふざけてる場合じゃないのよ!?」
仗助と出会ってまだ間もない。マイペースに飄々としている彼が、気に入らないというノリだけで言っているのではとルイズは思っていた。
「だけどよォ~ルイズ~、アイツぁ俺のリーゼントを馬鹿にしやがったんスよォ~?」
「そりゃ、その頭がへ・・・ンンンッ!・・み、皆と変わってるからじゃないの?」
一瞬『変』と言いそうになったが、仗助のNGワードだということにギーシュのやられた光景を思い出すと共に気付き、曖昧に誤魔化した。
「コイツは変えるつもりはねーっスよ」
仗助の遠くを見る目にルイズは何も言えなくなった。この髪型が何なのだろう。?
「この髪型はよォ~~~・・・」
ポツリ、ポツリと仗助が洩らし始める。隠されたエピソードを。

大雪で荒れたあの日、高熱を出し母親が彼を連れ出した時。
タイヤをとられ動かなくなった車(ルイズには油を燃やして走る馬無しの馬車みたいなモノだと説明してやった)に近付いてきた一人の影。
タイヤを地面に噛み合わせる為に、自らの上着を惜し気もなく敷き、後ろから車を押してくれたあの青年。

幼かった仗助もそれだけは覚えていた。寒いはずであろう外で、上着の中のシャツ一枚姿で必死に押していたあの姿を。
仗助にとってあの青年は輝くヒーロー。そしてあの人のようになりたいと思う憧れであり目標なのだ。
「・・・・・・・・・」
全くもって知らなかった。そしてルイズは恥じた。自分も内心彼の頭を馬鹿にしていた。

自分だったらどうだろう。絶望的な状況で救われたら?
間違いなくその助けてくれた人物に感謝すると共に憧れを抱くに違いない。自分が最も慕う姉の様に、彼女の様になりたいと願うのと同じ様に。
「だからよォ~このリーゼント馬鹿にされるのだけはどうしても許せねーんだよ」
だから彼はギーシュに一撃を喰らわせたのか。いつまでも心に残る『ヒーロー』を守るために。
「ご、ごめんなさい。私も、アンタの頭馬鹿にしてたわ・・・・でも、もうしないわ」
俯き加減に。いつもツンツンしているルイズにしては珍しく素直。解るから。彼女にも慕う姉がいるから。
「謝ってる相手にプッツンする程馬鹿じゃねーッスよ」
穏やかに仗助は言った。

夜は静かに過ぎていく・・・・・

To Be Continued・・・・・⇒

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー