ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

L・I・A 第07話

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第07話 イタリア料理を作らせに行こう!⑤

ついにッ!ついに始まってしまったッ!『トニオ・トラサルディーの料理』がッ!!!
彼の腕はかなりのモノだ。不味いモノなど出す訳が無いッ!だがッ!オスマン達は知らないッ!アレを『食べたらどうなるか』をッ!
厨房にはメイドの少女とコルベールもいた。仗助達が話をつけている間、別室で待っていたのだ。別に戻っても良かったのだが、この使い魔の青年と謎の料理人に興味があった。
「どのようなモノが出てくるか楽しみですな学院長。あの態度からするに少なくとも下手なモノは出さんでしょうが」
コルベールがオスマンに言う。
「ふむ。しかし、コック長のマルトー君まで唸らせるとなると相当じゃぞ?伊達に長きに渡って料理人をやっている訳じゃあないからのぉ」
そう言いながら出されていたグラスに一口つける。
「ンおッ!?」
オスマンが目を見開き、グラスの水を凝視している。何だか様子が変だ。心なしか体が震えている様に見える。
「どうかされましたかッ!?オールド・オスマンッ!?」
コルベールが狼狽える。まさか何か悪いものでも・・・・・
「うンまァいッ!!」
入って・・・い・・?
「うまいッ!こんなにウマイ水を飲んだのは初めてじゃッ!!」
まるで絶世の美女を誉めるかの如く言い放つオスマン。
「それほどまでなのですか?只の水で?」
コルベールには疑問だった。

「どれ・・・・・・」
オスマンの隣でマルトーも口をつける。
「うめェッ!うめェじゃあねェかッ!」
親父まで大絶賛だ。コルベールはオスマンのモノを一口貰う。
「・・本当ですな」
確かにウマイ。只の水がこんなにも旨いとは。
「まるではるか東方の失われた地で、喉が乾ききった時に見つけたオアシスで飲むかのような味じゃッ!」
「湧き水を濾過して濾過して濾過しまくったまさに純な水じゃあねェかッ!」
二人が口々に賛美の言葉を言う。いつの間にかその目に涙さえ浮かべている。
「お二方、何も泣くことないでしょうに」
コルベールが困ったように言う。
「それでも、何故か泣けてくるのじゃよ」
「溢れるようにして止まらねェんだよォー」
それほどまでに美味だったのか。否ッ!二人の様子がおかしいッ!
「マルトーさん。スゴイ涙の量ですよ?」
「学院長、大丈夫ですか?とんでもない量ですぞ?」
メイドとコルベールが心配になる程の涙を流しているのだッ!
ジョボジョボジョボジョボジョボジョボ
「つ、次から次へと涙が止まらんのじゃァ~~~~~~!」
「いくらでも泣けてくるでよォーーーーー!!」
人間の出すとは思えないほどの量が流れ出てくるッ!
「学院長ォーーーーー!!」
「マルトォーさァーーーーん!!」
「「目の白目の部分がしぼんでいってますッ!!」」
まるで風船が縮んでいくかの様に眼球がしぼんでゆくッ!

「一体何をしたのですッ!?」
コルベールが仗助に詰め寄る。
「そ、それはよォ・・・・」

「慌てナいで下サイ」

そこにはトニオが立っていた。
「その水ハとある山林ニ湧き出る天然水デス。世界各地にあるよく言う『奇跡の水』と言うヤツデス」
日本の福岡の日田にあるとある井戸水に代表される、飲むとガンが治ったなどの逸話があるアレである。
トニオはヨーロッパに行った際に、とある山で汲み取ってきたのだッ!
「含まれル成分もとてもクリーンで、体全体ヲ癒シテくれるのデス。今は眼球内ノ不純物ヲ取り去っているのデス」
そうは言っても出過ぎではないのか?少女とコルベールは思った。
「コルベール君ッ!!」
オスマンのやけにに元気な声が聞こえ、何事かと向いてみれば、
「雑務続きで寝不足だったのが治・っ・た♪」
「俺も仕込みと研究で疲れていた目がスッキリしたでよ♪」
「なんですとーーーー!?」
「ええェーーーーーー!?」
コルベールと少女の叫びが木霊する。
「まるでぐっすりと一晩寝た翌日の朝の様な気分じゃよ!」
オスマンが言い放つ。
それにしてもこの二人、不思議な現象を前にしてもノリノリである。

ニコッ
オスマンの言葉を聞いて満面の笑みを浮かべるトニオ。
「喜んで頂ケテ幸いデス。それでハ料理を続けまショウカ」

テーブルに一つずつ違う料理が出される。
「学院長サンには『ブルスケッタ』、マルトーサンには『トマトとモッツァレラチーズのサラダ』デス」

ブルスケッタ
フランスパンの様な切って具を乗せられるようなパン(いわゆるバケットって言ったりするヤツ)をにチーズなどの食材を乗せて食べるオードブル。
材料
  • バケット 五枚(スライス)
●トマトとアンチョビ
  • ミニトマト 5個
  • アンチョビフィレ 2本
  • バジル 2枚
  • オリーブオイル(エクストラヴァージン) 大さじ1杯
  • 塩、ニンニク 適量
●生ハムとクリームチーズ
  • 生ハム 適量
  • クリームチーズ 適量
●クルミとゴルゴンゾーラ
  • クルミ 適量
  • ゴルゴンゾーラ 適量
  • ハチミツ 適量
※お好みでお好きな具をドーゾ

トマトとモッツァレラチーズのサラダ
コミックス及び文庫本参照
「はて?ブルスケッタとな?」
「初めて聞くチーズだな」
見慣れぬ料理に勝手がわからない様である。
「どちらも私ノ祖国イタリアの料理デス。ブルスケッタはパンに具を乗せたオードブル、モッツァレラチーズは脂肪抜きした弾力のあるチーズデス」
一部、彼の持ち物から出している様だ。
「ふむ、では頂くとするかの」
「どれ・・・・・」
ア~ン。パクッ!モキュモキュモキュモキュモキュ・・・ゴックン・・・・・・
その時、一瞬空気が震えたと、その場に居た者が証言している。

「「ゥンまあ~~~~~~~~~~~イ!!!!!!」」天にも昇る満足気な顔が現れたッ!
「これはッ!これはッ!!なんというハーモニーなんじゃあァーー!!パンに乗る生ハムやチーズが絶妙に引き立て合いッ!独特の味のするモノが多いが、全くクセを感じさせず軽やかに口に出来るではないかァー!まるでラグドリアン湖と住まう妖精の調和ッ!!」
「なんだこりゃァ、こんな味俺ァ初めてだぞッ!このチーズの弾力と味の深さッ!酸味の効いたトマトとのフルーティーなコーラスッ!例えるならよォ~そうだッ!女王陛下の宰相ッ!大オーケストラの指揮者ッ!最強の武器に対する最強の戦士ッ!!」
「そんなにおいしいのですか?」
少女が訊ねる。しかし、二人の迫力に完全に飲み込まれているッ!
「お、オールド・オスマン・・・・」
コルベールも普段見ない二人の異常なハイテンションっぷりに空いた口が塞がらない。
「お二人共、『上着を脱ぐ』事をオススメ致しマス」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
突然、トニオがそんな事を言う。
「ん?なんだか腰の辺りがムズムズするのう」
「俺ァ、肩の辺りが・・・」
上着を脱いで問題の部分を触ってみると・・・
ベリィッ!!!
皮がどんどん剥がれていくではないかッ!
「なんじゃァー!?」
「な、なんだァー!?」
二人も驚きの表情を隠せない。
「な、なんなんですかあれは!?」
コルベールらも負けず劣らず驚いている。
「垢デス」
「垢?」
「ソウデス。古くなった角質である『垢』デス。今、お二人が食ベタチーズやトマトの成分デ代謝が良クなっテいるノデス。さ、ドンドン垢を落としテ下サイ」

ガリガリガリガリガリ
どんどんと垢が大量に落ちていく。
「お、お二人共ッ!肉が抉れ始めていますぞッ!」
ヒステリックになったコルベールが言うも、二人は手を止めることはない。さらにオスマンに至っては、
ゴキィッ!バキッ!ボゴォッ!
なんとッ!腰の骨が蠢いているのだッ!
「おおおおおおおお!!」
「アンチョビは勿論カルシウムタップリなモノを使いマシタシ、骨も砕いテ混ぜてアリマス。チーズも栄養価の高いモノを選りすぐってイマス」
「もう止めるんです二人ともッ!」
「マルトーさんッ!大変な事になっていますよッ!?」
二人も取り乱し始めている。
「学院長様達に何を為さったのですかッ!?」
トニオに詰め寄ってくる。

「私は二人が『幸福』になレル料理ヲ作っタだけデスヨ?」
コルベールも何か言おうとして・・・
「コルベール君ッ!」
またもやオスマンの叫びでそちらを向く。すると、
「見るんじゃッ!調子の悪かった腰とッ!」
「コリが酷かった肩がッ!」「「全部治っ・ちゃ・った♪」」

「ぅえェェーーーーー!?」
「えェーーーーーー!?」」もう何がどうなっているのか。
「ほらッ!ブリッヂだって出来るのじゃぞッ!?」
「こんなに後ろに手が回るんだぜ!?」
二人とも常人の可動域を超越しはじめている動きをする。
「トニオ君と言ったな・・・・」
「お前ェ、トニオって言ったな」
「君は・・・・・・・・」
「お前ェは・・・・・・」
「「天・才だッ!!!」」
ニコッ
「アリガトウございマス」

見ている二人は思った。
「(何者?)」

トニオは先程から変わらぬ笑みを浮かべている。

「さッ、料理を続ケまショウカ?」

To Be Continued・・・・・


「俺のよォ~~~~~出番はよォ~~~~~~一体ドコにいっちまったんだァーーーーーー!!!!」


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