ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-19

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匿名ユーザー

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モンモランシーは困っていた。
惚れ薬を作るのに高い材料を買い、お金が少なくなってしまったのだ。
これではもう新しいポーション作りが出来ない。
だがどうしても今作りたいポーションがあるのだが、それは趣味である以上あまり無茶な事はしたくない。
「ああ困ったわ、どうしましょう」

そこに現れたのは薔薇のように美しい男!ギーシュ・ド・グラモン!
彼は薔薇のように美しい声で語りかけた。
「どうしたんだい?愛しのモンモランシー」
モンモランシーは自分の悩みについてちょっと曖昧に話した。
「ポーションの材料が足りなくて困ってるの」
ギーシュは薔薇のように美しい顔を驚きの表情にし、
「なんと!それは一大事だ!僕が何とかしてあげよう!」
そう言って薔薇のように美しく走っていった。

そして数分後。
薔薇のように美しいギーシュは再びモンモランシーの前に薔薇のように美しく現れた。
「君が必要としているのはコレだろう?」
そういってたった今城下町で買ってきた物を差し出す。
「まあ!コレは私が作りたいポーションに必要な材料!どうしてコレが必要だとわかったの?」
薔薇のように美しい男、ギーシュ・ド・グラモンは杖を掲げ、言った。

「愛の力さ」


「―――ってな事をしたいんだ」
「無理だろ」
そもそもムカつく。『どこが』って聞かれても『全部』としか答えようが無いくらいに。

ギーシュの妄想を聞いているのはおれとキュルケとタバサ。
でも別に3人で集まっていたんじゃ無くておれが勝手にこの二人のとこにいるだけだ。
何故かと言うとルイズの側に居たくないからだ。ハッキリ言って今のルイズはおかしい。
惚れ薬を飲む前と同じように作詞をしているのだが、何か妙な迫力があるのだ。
そんなルイズの近くにいても何も面白くないので散歩していたらキュルケとタバサを見つけ、
ちょっと雑談していたらギーシュが来て妄想を語り始めた。と言うのが今の状況だ。

「でね、コレをするには足りないものがあるんだ」
足りないもの?
「お金さ、自慢じゃないが僕はほとんどお金を持っていない。だから材料を買って渡せないのさ」
脳みそも足りないだろ。
「それで一儲けする方法を考えたんだ。僕一人じゃちょっと大変だから手伝って欲しい」
一儲けと言う単語にキュルケはちょいと興味を持ったらしく顔をギーシュの方に向ける。
「そしてその方法とは…コレだ!」
ギーシュが自信タップリに出したものは紙切れだった。
「埃被ってた宝の地図さ!確かめたのなら伝説じゃない!」
宝の地図と言えば宝の場所を示した地図だ。そこにある宝を見つけて売れば確かに金にはなるだろう。
だが期待はできない。財宝が発見できる確率は
= 大金持ちが存在する確率
× 大金持ちがその宝物を隠す確率
× 大金持ちがその宝物を隠したまま死ぬ確率
× その周囲の誰もがそのことを忘れていた確率
× 誰もその宝物を今までに発見しなかった確率
× それをあなたが発見する確率
となるらしい。引用元は『スーパーリアルRPG』だ。面白いぞ。興味がわいたらググって見ると良い。

しかも今回は隠し場所を地図にした確率まで含まれる為、さらに可能性は低くなるだろう。
「それはどこで見つけたんだ?」
「城下町の露店とかで買ってきたのさ」
地図が本物かどうかも疑わしい。ってかぜったい偽物だなそれは。

おれは以上の論理をもってギーシュにこの世の現実を説いた。
ギーシュは聞いてるうちに自分がどれだけ愚かだったかを悟り、どこかに向かって懺悔を始めた。
そしてそれが終わり、口を開いた。
「でも買っちゃったしもったいないから行かない?」
「そうだな、もったいないよな」
貧乏性だって?しっかりしてると言ってくれ。
さあ冒険だ。ワクワクするなー。

なんやかんやでキュルケも参加すると言いだした。
なんでもそういうギャンブルみたいな事は好きらしい。
そしてタバサもだ。単純にキュルケが行くから自分も、という理由でだ。
もっと積極的な理由で動けないのかとも思うが正直助かった。
シルフィードを使うつもりだったので、許可を得る手間が省けたからな。

集合前に準備をする、と言ってもおれの準備は前と一緒でルイズに一言言うだけ。
「ちょっと出かけてくる」
「どこに行くのよ?」
「宝探しに行ってくる」
「誰と?帰りは何時?」
まるで浮気してるんじゃないかと夫を疑う妻みたいな事を言いやがる。
「ギーシュ、キュルケ、タバサと。帰りは何時になるか分からない」
「そう、いってらっしゃい」
おれは見た。
キュルケの名前が出たときルイズが一瞬だけ反応したのを。
だがそれが何を意味するのかは分からない。
部屋を出るときに見たルイズの顔は例えるなら自分が意外な奴の事を好きだった事に気付き、その事を必死に否定しようとするツンデレ少女のような顔だった。


To Be Continued…

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