ルイズ達一行は盛大な宴の最中に居た
ラ・ロシェールでの傭兵の奇襲、アルビオンへと向かう船上での空賊の襲撃を切り抜けたルイズ達は
王党派最後の拠点であるニューカッスル城にまで辿り着いていた
(何かある度にディアボロが再召喚される羽目になったのは言うまでもない、だがお陰で誰一人欠ける事無くここまで来れていた)
だが辿り着いた時にはすでにニューカッスル城は5万を数える貴族派の軍勢に包囲されており、
貴族派の宣言した総攻撃により落城そして王党派の滅亡は避けられ得ぬものとなっていた
ゆえに王党派は勝利が得られぬのならば、華々しき敗北によって義務を果たし名誉を守らんとすべく決戦を挑もうとしていた
宴は死を覚悟した者達の別れの宴なのだ
ラ・ロシェールでの傭兵の奇襲、アルビオンへと向かう船上での空賊の襲撃を切り抜けたルイズ達は
王党派最後の拠点であるニューカッスル城にまで辿り着いていた
(何かある度にディアボロが再召喚される羽目になったのは言うまでもない、だがお陰で誰一人欠ける事無くここまで来れていた)
だが辿り着いた時にはすでにニューカッスル城は5万を数える貴族派の軍勢に包囲されており、
貴族派の宣言した総攻撃により落城そして王党派の滅亡は避けられ得ぬものとなっていた
ゆえに王党派は勝利が得られぬのならば、華々しき敗北によって義務を果たし名誉を守らんとすべく決戦を挑もうとしていた
宴は死を覚悟した者達の別れの宴なのだ
「名誉ってそんなに大事なものなの?
愛しい人を残してまで死を選ぶことに価値があるの?
分からない、全然分からないわ」
ウェールズ王子の死の決意に翻意を促すも退けられ、気落ちしたルイズは傍らに立つディアボロに問い掛ける
「他国の侵略を防げなかった無能としてはそれしか縋る物が無かったということだ、意地もあるだろうがな」
「意地?それに侵略って、内乱の筈でしょ」
「己が犠牲になれば貴族派はトリステインに対して開戦する理由を得られない、
それが愛する女に出来る唯一の事だとでも考えているのだろう、無駄な事だ
物資の流れからして貴族派に外国が介入していることは明らかだ、その行動方針も含めてな」
ディアボロは今まで得た情報から導き出した推論を馬鹿にした態度で語る
「じゃあ殿下にそのことをお伝えすれば…」
「それこそ無駄だ、意固地になるだけだろう」
「どうしろっていうのよ!」
「普段私にしている様に命令して見れば如何だ」
「命令…、そうか国王陛下なら…」
ディアボロの皮肉から閃いたルイズはすでに部屋に下がったアルビオン国王ジェームズ一世に謁見すべくその場を駆け出した
愛しい人を残してまで死を選ぶことに価値があるの?
分からない、全然分からないわ」
ウェールズ王子の死の決意に翻意を促すも退けられ、気落ちしたルイズは傍らに立つディアボロに問い掛ける
「他国の侵略を防げなかった無能としてはそれしか縋る物が無かったということだ、意地もあるだろうがな」
「意地?それに侵略って、内乱の筈でしょ」
「己が犠牲になれば貴族派はトリステインに対して開戦する理由を得られない、
それが愛する女に出来る唯一の事だとでも考えているのだろう、無駄な事だ
物資の流れからして貴族派に外国が介入していることは明らかだ、その行動方針も含めてな」
ディアボロは今まで得た情報から導き出した推論を馬鹿にした態度で語る
「じゃあ殿下にそのことをお伝えすれば…」
「それこそ無駄だ、意固地になるだけだろう」
「どうしろっていうのよ!」
「普段私にしている様に命令して見れば如何だ」
「命令…、そうか国王陛下なら…」
ディアボロの皮肉から閃いたルイズはすでに部屋に下がったアルビオン国王ジェームズ一世に謁見すべくその場を駆け出した
国王の部屋を前にしてルイズは弾む息を抑えていた
首尾よく国王を説得出来たなら、ウェールズ王子の命を助ける事が出来る
アルビオンの滅びを止める事は出来ないが、悲しみを一つ減らす事が出来る
私はその為に此処に来た
その為の行いを止める事は困難から逃げる事を意味する、それは貴族である事の否定だ
それだけは嫌だ
困難に立ち向かいけして逃げない者こそ貴族なのだから
そう考えながら扉を叩こうとしたルイズを呼び止める声がした
「ルイズ」
ルイズが振り向いた先には婚約者がその姿を見せていた
「ワルド、どうしたの」
「明日この城の聖堂で結婚式を挙げよう
立会人はウェールズ王子にお願いしてある、快諾して頂いたよ
なにそんな大仰なものじゃない、気持ちを確かめ合うといった程度のものだ
正式な結婚式はトリステインに戻ってから君の両親の前でやりたいからね」
それだけ言うとワルドはルイズの返事を待たずに与えられた部屋へ戻っていった
ルイズはしばし呆然とワルドが歩いていった先を眺めていた
首尾よく国王を説得出来たなら、ウェールズ王子の命を助ける事が出来る
アルビオンの滅びを止める事は出来ないが、悲しみを一つ減らす事が出来る
私はその為に此処に来た
その為の行いを止める事は困難から逃げる事を意味する、それは貴族である事の否定だ
それだけは嫌だ
困難に立ち向かいけして逃げない者こそ貴族なのだから
そう考えながら扉を叩こうとしたルイズを呼び止める声がした
「ルイズ」
ルイズが振り向いた先には婚約者がその姿を見せていた
「ワルド、どうしたの」
「明日この城の聖堂で結婚式を挙げよう
立会人はウェールズ王子にお願いしてある、快諾して頂いたよ
なにそんな大仰なものじゃない、気持ちを確かめ合うといった程度のものだ
正式な結婚式はトリステインに戻ってから君の両親の前でやりたいからね」
それだけ言うとワルドはルイズの返事を待たずに与えられた部屋へ戻っていった
ルイズはしばし呆然とワルドが歩いていった先を眺めていた
予告された総攻撃の刻限が迫る中、ニューカッスル城の聖堂には美しき花が咲いていた
花の名はルイズ、花嫁の衣装を身に着けたルイズは見る者にため息を突かせぬには居られぬ程美しかった
「まさかルイズに先を越されるとわね」
「綺麗」
「馬子にも衣装だな」
3人の参列者は当初王党派最後の船に乗り城を離れる筈だったが、タバサの風竜に乗れば良いという事でこの場に残っていた
式は結婚の宣誓まで進んでいた
立会人を務めるウェールズがワルドに尋ねる
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド
汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とする事を誓いますか」
「誓います」
ワルドの返事を確かめ、続いてルイズに尋ねる
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
「殿下」
唐突にウェールズの言葉をルイズが遮った
「私はこれ以上この式が進む事を望みません」
「ルイズ、何を、何を言っているんだ?」
動揺を顕わにしたワルドがルイズに詰め寄る
「ワルド、貴方は今回の旅の目的を知っている筈よね、それに掛ける私の思いも
でも貴方はそれを無視したわ、私の事を愛していると口で言いながら何か他の目的の為に動いているかの様に」
きっぱりとルイズが告げる
「だからワルド、私は貴方との結婚を望みません」
ルイズの言葉を受けたワルドはよろめく様に一歩下がる
「ルイズ、僕のルイズ、君がそんなことを言うなんて有り得ない、君は僕のものなんだ
君の力は、まだ眠っているだけの力は、誰よりも素晴らしいものなんだ、それは僕の為に」
「私の心も体も力も私の意志の下にあるわ、私が共に在りたいと願うのは私の意志と共に在ってくれる人
貴方の事をそうだと思っていたけれど違ったわ、貴方は自分の事しか考えていないもの、だから嫌、絶対に嫌」
花の名はルイズ、花嫁の衣装を身に着けたルイズは見る者にため息を突かせぬには居られぬ程美しかった
「まさかルイズに先を越されるとわね」
「綺麗」
「馬子にも衣装だな」
3人の参列者は当初王党派最後の船に乗り城を離れる筈だったが、タバサの風竜に乗れば良いという事でこの場に残っていた
式は結婚の宣誓まで進んでいた
立会人を務めるウェールズがワルドに尋ねる
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド
汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とする事を誓いますか」
「誓います」
ワルドの返事を確かめ、続いてルイズに尋ねる
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
「殿下」
唐突にウェールズの言葉をルイズが遮った
「私はこれ以上この式が進む事を望みません」
「ルイズ、何を、何を言っているんだ?」
動揺を顕わにしたワルドがルイズに詰め寄る
「ワルド、貴方は今回の旅の目的を知っている筈よね、それに掛ける私の思いも
でも貴方はそれを無視したわ、私の事を愛していると口で言いながら何か他の目的の為に動いているかの様に」
きっぱりとルイズが告げる
「だからワルド、私は貴方との結婚を望みません」
ルイズの言葉を受けたワルドはよろめく様に一歩下がる
「ルイズ、僕のルイズ、君がそんなことを言うなんて有り得ない、君は僕のものなんだ
君の力は、まだ眠っているだけの力は、誰よりも素晴らしいものなんだ、それは僕の為に」
「私の心も体も力も私の意志の下にあるわ、私が共に在りたいと願うのは私の意志と共に在ってくれる人
貴方の事をそうだと思っていたけれど違ったわ、貴方は自分の事しか考えていないもの、だから嫌、絶対に嫌」
決定的な拒絶を受けたワルドは顔を俯かせ低い声で呟いた
「そう確かに僕には僕の目的があった、君とは異なる3つの目的がね
一つ目は君だ、君の持つ力は何時か僕に必要になる筈だった
二つ目はアンリエッタ王女の手紙、レコン・キスタにとって絶好の材料だからね
三つ目は」
そこまで言うとワルドは杖を引き抜き閃光の二つ名に恥じぬ速度で呪文を唱えると後ろに立つウェールズに向かって突き刺した
「ウェールズ王太子の命!」
「そう確かに僕には僕の目的があった、君とは異なる3つの目的がね
一つ目は君だ、君の持つ力は何時か僕に必要になる筈だった
二つ目はアンリエッタ王女の手紙、レコン・キスタにとって絶好の材料だからね
三つ目は」
そこまで言うとワルドは杖を引き抜き閃光の二つ名に恥じぬ速度で呪文を唱えると後ろに立つウェールズに向かって突き刺した
「ウェールズ王太子の命!」
だが、
(手応えが無い!?)
杖はウェールズに突き刺さるどころか何も無い空間を虚しく灼いていた
ウェールズの姿を求めて周囲を見回すと王子はルイズと共に凄まじい速さでワルドから離れていた
(違う、二人が動いているのではない、これは自分が…)
自分の身に起きている事態を把握すべくワルドは自分の体が向かっている方向に顔を向けた
すると参列者の席に座るルイズの使い魔の顔が見えた
(イ、イカン、このままでは)
杖はウェールズに突き刺さるどころか何も無い空間を虚しく灼いていた
ウェールズの姿を求めて周囲を見回すと王子はルイズと共に凄まじい速さでワルドから離れていた
(違う、二人が動いているのではない、これは自分が…)
自分の身に起きている事態を把握すべくワルドは自分の体が向かっている方向に顔を向けた
すると参列者の席に座るルイズの使い魔の顔が見えた
(イ、イカン、このままでは)
ズッキュゥゥーーン!
■今回のボスの死因
ワルドのエアニードルに貫かれて死亡
ワルドのエアニードルに貫かれて死亡
■おまけのワルド
花嫁と濃厚な間接☆キッス
花嫁と濃厚な間接☆キッス