ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-18

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匿名ユーザー

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 集合場所にはおれが一番乗りだった。
 それからギーシュ、タバサ、モンモランシー、キュルケ&ルイズの順に集まり、いざ出発!って時にモンモンが意見を出した。
「解除薬の材料で足りないものがあるのよ。だから二手に分かれない?」
 どうやら今ある材料を調べてみたらしいのだが別のことに使ってしまって足りないらしい。
 まあ足りないといっても水の精霊の涙みたいに店で買えないわけじゃあないらしいので買い物組と遠足組に分かれようって事だ。
 班分けはシルフィードの主人であるタバサと、水の精霊との連絡手段を持つモンモランシーが遠足組までが決まった。
 人数的に後一人遠足組に加えようって事になり、おれが選ばれた。
 なんでおれなのかはタバサの「軽くて強いから」とのご意見があったからだ。
 ギーシュはモンモンがいるこっちに入りたそうだったがおれも水の精霊を見てみたいので譲らない。

 そんな訳で最終的にはおれとタバサとモンモンとシルフィードが遠足組。
 ギーシュとキュルケ&ルイズが買い物組になった。

 タバサがシルフィードを呼び遠足組が乗り込む。そしてシルフィードが翼を広げ飛び立つ。
「タバサ!お願いだからちゃんとやりなさいよ!」
 キュルケの激励みたいな懇願が聞こえてきた。見てみるとルイズがまたやきもちを焼いていた。
「モンモランシー!愛してるよ!」
 ギーシュの言葉を無視するモンモランシー。素直じゃねーなあ、おれが一肌脱ぐか。
「ギーシュ!私もよー!」
 モンモランシーがこっちを睨んできた。おれはスマイルを向け、聞いた。
「似てた?」

 ラグドリアン湖まではモンモランシーとの口喧嘩のおかげで退屈しなかった。



 普通は馬で三日かかる場所らしいがシルフィードで行ったので十分日帰りできる時間に着いた。
 ラグドリアン湖は結構綺麗な所だった。
 モンモランシーはカエルと針を取り出し、針で指先を突いた。そして出てきた血をカエルに垂らす。
「これで精霊は私のことがわかるわ、水の精霊を見つけて、盟約の持ち主が話をしたいと告げてちょうだい」
 カエルは頷き、湖に飛び込んだ。
「これで良いいわ、後は待つだけね」
「どれくらい待つんだ?」
「分からないわよ、すぐに見つかれば早いし、中々見つけられなければ遅いわ」
 そのままだな、じゃあ暇つぶしに何かしようぜ。


 三十分後……
「ある~晴れ~た日~の事~♪」「敵のスタンドつ~かいが~♪」(中略)「オラ!」「オラ!」「「裁くぜ♪」」
 おれ達は池の側で歌っていた。
 これ次はおれが出てくるけど歌わないで花京院に行っちゃうんだよな。ひどい話だと思わない?
 でもモンモンがこんなにノリが良いとは思わなかった。
 何か色がちょっと変わった気がするけど多分時間がたって光の加減が変わったんだろう。
 おれ犬だから色の見分けあんまり出来ないし。


 レロレロの所をモンモンが歌っているのを聞きながらなんとなくタバサの方を見る。
 予想通り読書をしているのタバサの横には鞘に収まったまま今回は使われる事の無いだろうデルフと……
 何故だかモンモンがいた。今まで寝てたらしく目をこすっている。(罪悪感から夕べはあまり眠れなかったらしい)

 あれ?おかしいなモンモンは俺の隣で……「君の意見を聞~こう~♪」おっと俺の番だ。
「飛行機~墜落~♪確~実じゃコーラ飲んだら~♪ゲップがで~るくらい確~実~♪魂を賭けよう!」
「ちょっと!」
「『ちょっと』じゃない『グッド』だ!」
 歌詞間違えんなよ。まったくもう。
「そうじゃなくて!来てるじゃない!」
 何が?
「水の精霊よ!」
 どこに?
「アンタの隣に!」
 隣を見る。今までおれとデュエットしていたモンモンはモンモンじゃなくてモンモンの形をしている水の塊だった。
 誰だ?コイツが水の精霊か?とりあえず聞いてみよう。
「アンタが水の精霊?」
「YES I AM ! チッチッ」
 テンション高いな~、交渉するのはモンモンって決めてたしおれはデルフたちの所に行こう。

「水の精霊よ、お願いがあるの。あつかましいと思うけどあなたの体の一部を分けて欲しいの」
「NO I'M NOT ! チッチッ」
 断られた。
「じゃあしょうがないわね、帰りましょ」
 諦めるのが早すぎねーか?
「でも…しつこくして水の精霊を怒らせる訳には…」
 モンモンはかなり弱気だ。トラウマでもあるのだろうか?
 どっちにせよ弱気なヤツに任せるわけには行かない。だからおれが交渉を再開する事にした。
「こっちも結構大変なんだよ。だから頼む。体の一部をくれ!」
「あ、アンタも欲しいんだ。じゃあ良いよ、あげる」
 唐突に細かく震え始め、体の一部が跳んだ。モンモンは慌ててビンでそれをキャッチした。
「友達の頼みなら聞いてあげないとね」
 一緒に歌を歌っただけなんだけどなー。

 さて帰ろうかって所で水の精霊が口を開いた。
「そういえば」
 なんだなんだ、とみんなで水の精霊を見る。
「ちょっと頼みがあるんだけど良い?」
 頼み?とりあえず言ってみろ。
「月が三十ほど交差する前の晩にレコン・キスタってヤツらが現れたんだ」
 レコン・キスタだと?
「それでおれの持ってる秘宝『アンドバリ』の指輪が欲しいって言うから」
 戦ったのか?
「あげちゃった」
 おいおいおい秘宝なんだろ?そんな物を簡単に渡してもいいのか?
 もしかしてそいつらは大人数で来てみんなでじょー☆すたを歌ったのか?
 それなら納得だ。むしろおれも参加したかった。おれの出番少なそうだけど。
「偽物だけどね」
 なるほど、そういう事か。あらかじめ偽物を用意しておいて盗みに来た奴にはそれを渡してサヨウナラ。
 けっこう賢いんだな。流石に精霊ってだけはあるな。
「で頼みってのはあの後あいつらがどうしたかを教えて欲しいんだ。
 あ、別にやらなくても良いよ。ただ機会があったら調べて教えて欲しいってだけで」
「別に良いぜ」
 おれは深く考えることなく頼み事を引き受けた。
 だっておれも気になる。
「ちなみに偽物ってどんなの?」
「コケのびっしり生えた木製のちゃっちいヤツ」
 何でそれで騙されるんだか。レコン・キスタは放っておいても壊滅する気がするぜ。

 そんなこんなで水の精霊の頼みを引き受け、学院に帰る事になった。
 ちなみにモンモンのカエルは回収済みだ。
 カエルが見つけたわけでもないのに水の精霊が現れたのは単純に『楽しそうだったから』らしい。
 行きと同じようにシルフィードに乗り込み、水の精霊に挨拶する。
「今度はDouble-Action歌おうな!」
「それならRod Formが良い!」
 水の精霊だからか?まあ良いや、どっちがどっちをやるのかは決めてないから両方練習しとこう。
 しかし二人ともアカペラでよくあそこまで盛り上がれたよな。

 学院に帰り、モンモンが解除薬を作る。
 それはなんとか今日中に出来たらしく、モンモンはキュルケに燃やされずにすんだ。
 それをモンモンの部屋でルイズが飲み、おれはギーシュの後ろに隠れた。別に ギーシュを盾にしようって訳じゃあない。
 ルイズはプッツンして辺りを爆発させるだろうからその為の対策で、たまたまルイズとおれの間にギーシュがいるだけだ。
 ルイズの雰囲気が変わったのを感じる。どうやら成功したらしい。
 そしてルイズは周りを見回し、顔を赤くして無言で部屋を出て行った。

 あれ?



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