ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの来訪者-21

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「駄目かな?」
「そりゃ駄目って事は無いけど…」
昨夜タバサに母の治療を頼まれた育郎は、朝の食堂で、食事をとろうとするルイズに、タバサと供に、昨夜の事を話していた。
といっても、タバサが呼び出して襲い掛かった?辺りの話は伏せてだが。
「でも、あんたに治せるかどうかはわからないんでしょ?
 えっと、タバサだっけ、貴方はそれでも良いの?腕の良いメイジに見せた方が」
「かまわない」
タバサが何時もと変わらない無表情で即答する。
「それなら良いんだけど………そっか…ひょっとして…」
しばらくブツブツとつぶやいたルイズが、一度育郎を見、そしてタバサの方に向き直る。
「ねえ…あなたの使い魔って風竜よね。家に帰る時は使い魔に乗ってくの?」
その質問に頷くタバサ。
「じゃあさ…帰りでいいから、私の家に寄ってくれない?」
「わかった」
「じゃあ家に連絡入れないといけないから、出かけるのは来週の虚無の曜日ぐらいに」
「あらタバサ。珍しいじゃない、ルイズと一緒だなんて…あ、そういう事…」
食堂に入ってきたキュルケが、ルイズ達と話しているタバサに気付く。
「キュルケ…何がそういう事なのよ」
「さーねー、にしても相変わらず空いてるわね、貴方達の周り」
先日育郎が生徒達を返り討ちにした事が伝わってから、食事の際、以前にもましてルイズ達の周りに人がいない状況になっていた。
寄って来るのは、何かとルイズにちょっかいをかけに来るキュルケと、何故かギーシュがモンモランシーと一緒に話しかけてくるぐらいである。
もっとも、モンモランシーはいまだに育郎を警戒しているようだが。


「それで、何を話してたのかしら?」
「えっと…今度の休みにこの子の家に行く事になって」
他人の家の事を話すのもどうかと思い、ルイズはそれだけを告げる。
「タバサの家?じゃあ私も行かせてもらうわ」
「な、なんでよ?」
「あらいいじゃない。タバサ、良いわよね?」
「…かまわない」
「ほらね。っとそれとタバサ、こっち!ちょっとこっち来て!」
「ちょ、ちょっとキュルケ、何処行くのよ!」
ルイズを無視し、キュルケがタバサの手を引いて、食堂の外に連れて行く。
「もう、なんなのよキュルケの奴…」
「友達が心配なんだよ、きっと」
「…そうかしら?」
ぶすっとするルイズを育郎がなだめている最中、キュルケは人目の無いところまでタバサを連れて行き、少し躊躇した後、真剣な目で話し始めた。
「あのねタバサ、あたし昨日貴方がイクローに手紙を渡しているところを見てたの…その、なんて言えばいいのかしのね?あたしね、彼が人間じゃないって知って
 びっくりしたって言うか…ほら、あたしの二つ名知ってるでしょ?
 そう『微熱』…でね、実は彼の事いいかなーって思ってたんだけど、
 でも彼が亜人って分かって、さすがにどうかと思って諦めたのよ…」
そんな事を自分に話す意味がわからないが、とりあえず黙って聞いているタバサ。
「だからあたし、貴方の想いに気付いた時ショックだったのよ…
 確かに貴方に恋をするように勧めたわ。でも貴族が亜人となんて…って」

少し間を開けた後、ガシッ!っとタバサの両肩をつかむ。
「でも一晩考えて気付いたの!私が間違ってたわ!そして感動したのよ!
 そう!種族の差なんて、愛の前に関係ないって貴方に教えられたの!
 あ、でも心配しないでね、あたしは貴方の事を応援するから」
「応援?」
何を応援するというのだろう?
「そう、だって親友の貴方が恋をしたんだもの!」
なるほどとタバサは思った。
キュルケは自分が育郎に渡した手紙を、恋文と思ったらしい。
「勘違い」
いつも通り、簡潔にその事を伝える。
「もう、照れなくてもいいのよ!家に帰るのも、親御さんに紹介しに行くんでしょ?
 安心して、そりゃ反対されるでしょうけど、一緒に説得してあげるから!
 そうだわ!いざとなったら私の実家でかくまってあげる!」
しかしキュルケは分かってくれなかったようだ。とはいえ特に害があるとも思えず、さらに言えばめんどくさいので、タバサは一々訂正する事はしなかった。
自分の実家に一緒に来るのだ、その時に分かるだろう。
タバサがそんなことを考えているとは露知らず、キュルケは少し困ったように続ける。
「それでね、彼の全てを受け入れたくなるのは、すっごくよくわかるんだけど……
 あのね………その………一度に2本までにしておくのよ?」
「何が?」

「オールド・オスマン、モット伯をお連れしました」
「うむ、入ってもらいなさい」
王宮勅使、モット伯を案内するミス・ロングビルは、顔にこそ出しはしないが、これ以上ないというほど不機嫌だった。
その原因は2つある。
一つは彼女が王家やそれに近しい貴族が、この世で何よりも嫌いだという事。
そしてもう一つは…
「では、王宮よりの命しかと伝えました」
「うむ、ご苦労」
受け取りの書類をオスマン氏から手渡されたモット伯が、部屋を出る前にミス・ロングビルに話しかける。
「相変わらず美しいですな、ミス・ロングビル。今度是非一緒に食事でも」
「まあ、お上手ですこと。お言葉は嬉しいですが、遠慮させていただきますわ」
モット伯のお世辞を抵当に受け流すロングビルは、彼の目が何を見ているか気付く。
その視線の先にはミス・ロングビルの胸があった。
おっぱいである。
その谷間を見る顔は、好色極まりなく。
そしてその視線はねっとりと執拗で、そして容赦がなかった。

       視 姦 で あ る 

そのスケベ面に拳を叩き込みたくなるが、グッと堪える。

ていうか、いつまで見てるんだいこのドスケベ!

かれこれ5分はたっぷり眺めているが、それでも全く止める気配がない。
何とかしてくれないかと、オールド・オスマンを見る。


「モット伯…それぐらいにしておきなさい」
期待はしていなかったが、なんと意外なことに、オスマン氏がモット伯を諌める。
「オールド・オスマン…」
「よく見ておきなさい」

よく見る?

どういう事かと思っていると、オスマン氏がミス・ロングビルの方を向き、その視線を胸に向けた。
おっぱいにである。
その谷間を見る顔は、モット伯を上回る好色さだった。
そしてその視線はモット伯よりさらに執拗で、そして容赦がなかった。
しかし、そこにはモット伯には無いものも物も含まれていた。
それは愛であった。
おっぱいに対する愛が溢れていた。
その視線には、乳飲み子を見る母の愛にも似たものがあった。

 い っ そ 惚 れ 惚 れ と す る よ う な 視 姦 で あ っ た

「おお、オールド・オスマン…」
モット伯が感極まった声をあげる。
「わかったかね?モット伯」
威厳に満ち溢れる声でそれに応えるオスマン氏。
「お見事!私のような若輩者では、まだ貴方の足元にも…」
「なに、君も後10年もすれば…」
「いやいや、私などまだまだ…」
「いやいや、君もなかなかの…」


「うおおおお!ギブギブ!ギブアップじゃ、ミス・ロングビル!」

あぁもう!ハラがたってしたがないね!

モット伯が部屋を出た後、早速オスマン氏にキャメルクラッチをかけながら、ミス・ロングビルこと、盗賊土くれのフーケは考えた。

まったくあのスケベ親父、人の胸をじろじろと…そのうち盗みに入るつもりだったけど、いますぐホエヅラかかせてやろうかい!?

「し、しかしこれはこれで尻の感触が背中にぃぃぃぃぃぃぃ!
 ミス・ロングビル!それ以上力を入れてはいかん!折れてしまう!」

そういえばあのドスケベ、学院のメイドを一人買い入れてたねぇ…
人が足りないとかほざいてたそうだけど、どうせ夜の相手でもさせるつもりなんだろ

そう考えると、さらに怒りがこみ上げてくるが、ふとあることに気付く。

そう言えばそのメイド、確かあの坊やと…

密かにほくそえむ。
うまくいけば、このうっぷんを晴らすだけでなく、回りくどい事をする必要も無くなるかもしれない。



「そろそろ許してくれんかミス・ロングビル!?
 それとも、もしやワシを真っ二つにしてラーメ」
「ふん!」
ゴキャ!
「うっ!」
オールド・オスマンを昏倒させたミス・ロングビルは、部屋を出て、学院の正門へと急いだ。そして、いままさに出発しようとするモット伯になんとか追いつく。
「おや?どうかしましたか、ミス・ロングビル」
息を切らすミス・ロングビルの、上下する胸を凝視しながらモット伯が尋ねる。
「いえ…その、モット伯。先程の食事の件、やはりお受けする事にしますわ」
笑みを浮かべてそう告げる。
「おお!それは本当ですか?」
「ええ、よろしければ今夜にでも」
「喜んで!」
そのやり取りの最中も、胸からは視線をそらさないモット伯であった。


20<         戻る
+ タグ編集
  • タグ:
  • バオー
  • 橋沢育郎

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー