ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

トリステインで朝食を その②

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トリステインで朝食を その②

洗濯物を干し、部屋に戻る。ちなみに下着を三枚破いてしまった。
(やっぱなれないことはするもんじゃねーぜ!ま・・・破いたのが『4』枚じゃあ
なかったし、よしとすっか)
などと呑気に考えている間に部屋にたどり着いた。
「くー…むにゃ…、……くー…」
ズイブンと気持ちよさそうに眠っている。このままにしていたら間違いなく寝坊だ。
「おいッ起きろ。朝だぞ」
何度か声をかけるが、起きないのでベッドを蹴りつける。
「くー…ほへ?」
衝撃で目が覚めたようだ。
「あんた、誰?」
まだ寝ぼけているようだが。
「てめーが勝手に召喚したんじゃねーか!寝ぼけてんじゃねーぞ!」
「ふ、ふん!寝起きだったから頭が回らなかっただけよ!あと、てめーなんていう
呼び方は無礼だって言ったでしょ!」
「わかりしたよ、『ご主人様』」
バカにした口調で言う。

「わかったらさっさと服を持ってきて着替えさせなさい」
「はぁ?って、てめー服脱ぎ始めてるんじゃねー!!」
ミスタは叫ぶがルイズは意に介した様子も無い。
「いいから早く。タンスに服はあるわ」
「それくらい自分でやれねーのか!」
「うるさいわね!貴族は従者がいるときは一人で着替えたりしないの!早くしな
いと朝ごはん抜きよ!」
(やれやれ、とんだワガママ娘だな。トリッシュの比じゃねーぜ)
なれない手つきで着替えを手伝う。ちなみにミスタはロリコンではないので、
(しかし、ホントに胸がねーな・・・こいつ小学生ぐらいか?)
などと考えていた。
着替えさせ終わった時、ドアが突然開き、赤い髪の扇情的な美女が入ってきた。
   ・・・
(こ、こいつはッ!!!)

破壊力:A 大きさ:A 射程距離:見える範囲まで!
露出度:A 美しさ:A 成長性:完成
(こいつはけしからんッ!!!)

「ちょっと!ツェルプトー!ノックぐらいしなさいよ!」
ルイズが赤髪につっかかっている間、ミスタはゴクリ、とつばを飲み込みつつ
『それ』を見つめていた。
「べつにいいじゃない。あら、そっちは、ホントに平民を召喚したの?さすが
『ゼロ』のルイズね。」
「うるさいわね!あんたはなにを召喚したのよ!」
赤髪がふふん、と得意そうに
「この子、フレイムよ」
と言うと、彼女の後ろから尻尾に火がついた巨大なトカゲのようなものがのっ
そりとした動きで現れた。
「それ、サラマンダー?」
「そう、火竜山脈のサラマンダー、好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」
「・・・あんた、火のメイジだもんね。」
「そうよ、『微熱』の二つ名にふさわしいじゃない?」
二人がテンプレな会話をしている間、興味が胸からフレイムにうつったミスタは
ふたりがなにやら言い争っている(ルイズがつっかかっている)間に『実験』を
することにした。
(『セックス・ピストルズ』)
フレイムの前にかがみこみ、ピストルズでちょっかいを出してみる。
「きゅるきゅる?」
「アギャギャギャギャ」
「きゅるきゅる!」
(このトカゲ!・・・ピストルズを、目で『追っている』!見えているのか!どう
やら、『スタンド』に対する考え方をこの世界では変えたほうが賢明みてーだ)

と、フレイムがピストルズを捕まえようと前足を動かすが、すり抜けている。
「きゅるきゅる?」
(だが触れることはできねーみてーだな。『人間』でもためさねーとはっきりはし
ねーが、警戒したほうがよさそーだな)
ピストルズを解除する。
「きゅる?きゅるきゅる?きゅるきゅる!きゅるきゅる?きゅる・・・」
混乱しているようだ。
「よーしトカゲさーん、今度はオレとあそぼうぜー」
「きゅるきゅる?きゅるきゅる!」
トカゲとあそんでいると、二人の会話もひと段落したようだ。
「あら?フレイムがなつくなんて。あなた名前は?名前ぐらいあるでしょう?」
「オレはミスタ、グイード・ミスタだ。まあよろしくたのむぜ」
再び胸に注目し始める。
「私はキュルケよ。でも、まさか平民とはねー。感覚の共有とかはできるの?」
バカにしたような目線をルイズに送る。
「で、できないわよ!なんかもんくあんの!?」
「やっぱり『ゼロ』じゃあだめね」
ルイズは赤くなって屈辱に震えているが、やがて
「うるさいっ!」
「まあいいわ、せいぜいがんばってね」
まだニヤニヤしながらキュルケは去っていった。
「あ、あの女~バカにしてっ!」
しばらく怒りでブツブツ呟いていたが、
「もういい。食事に行くわよ!」
と、不機嫌そうに歩いていった。ミスタも後を追う。

しばらく歩くと巨大な食堂にたどり着いた。
(バカでけーとこだなおい!しかも朝っぱらからワインまであるぜ。食事もやけに
ごーせーだし、さすが『貴族様』ってとこだな)
「感謝しなさいよね!ふつう平民はこんなとこにくることなんて一生ないんだから!」
ルイズのあとについていく。
「いすを引きなさい」
「それぐれーてめーでできねーのかよ…」
いいつつも引いてやる。もちろん飯のためだが。
ミスタも席に着こうとすると、
「ちがうちがう、あんたはこっちよ」
床を指差す。そこには!
「こ、これは!まさか・・・」
薄いスープとパン二切れがあった。
「何ィィィィィィィィィィ!!」
「平民が貴族と同じもの食べられるわけないじゃない」
「ああああんまりだあああああああ」
これでは食事ではなく『餌』だ。食事があるとおもったから言うことを聞いていたミスタは
ほくそえむルイズと対照的に床にへたり込んだ。
ルイズたちが大仰な祈りをささげている間に
十秒でパンを食べ終わり、スープを飲み干すと、沈んだ顔で食堂から出て行こうとする。
「ちょっと!どこいくのよ!」
「どーせてめーは食い終わるのに時間がかかるんだろ・・・外にいるぜ・・」
「ちょっ・・・」
ルイズがそれ以上言う前に食堂から出て行き、足早に中庭へと進む。
「ちょっとひどかったかしら・・・」
落ち込んだ様子で出て行くミスタをみてルイズが呟く。
「で、でも、ちょっとなにか分けてあげようと思ってたし、すぐに行っちゃうのが悪いのよ!」
次からはちょっとふやしてやろう、と考え食事に向き直る。
「あら?なんだか少ないような・・・まあ、気のせいね。」
左右の席も見てみたが、同じくらいだ。気をとりなおし、食べ始めた。

「ヒヒヒ、成功だぜ。よくやった!ピストルズ!」
皿にのせた肉やパンをかじりつつ、ピストルズにもやる。
「アギャークレクレ!」
「メシダメシダ!」
「ウメー!」
食前の祈りで目をつぶっている間にピストルズをつかって貴族の皿から自分の皿に食事をはじき
飛ばしたのだ。周囲の全員から弾き飛ばしたので、まあまあ量がある。
「以前のおまえらならパワー不足だったが、強化すればいけるぜ!」
「デモミスタ、コノ『パワ―』の原因ハナンナンダ?」
「わからねー。銃をにぎるってのが引き金みたいだが。だが、この左手の模様、おれがルイズに
キスされたときに浮かび上がったみてーだ。奴の『魔法』とみるのが妥当だが・・・聞いてみる
べきだろーな」
食事をパクつきながらピストルズと話すが、食事はうまいものの量はない。まだ食い足りないし
明日からはそうそう食事をギれないだろう。
(これからどーすりゃいいのかね・・・)
「ってピストルズ!てめーら食いすぎだ!」
もうほとんどない鶏肉をピストルズと奪い合う。
「アギャギャギャ、クレクレー!」
「ミスタ、アンタハナンモヤッテネーンダカラオレラニモモットクワセロ!」
「うええーん ミンナオレニモクレヨー」

などとやっていると、
「あの・・・ミスタさん?」
座っているミスタのまえにシエスタがかがみこんでいる。
「それ・・・なんですか?」
ピストルズを指差している。
(見られたああああああ)
内心かなり焦っている。
「よ、よ」
「よ?」
「よ、よ、ようシエスタ!元気?オレは元気だぜ!」
「はい、元気です。で、それなんですか?」
(ごまかせねええええええ)

「よ、妖精さんだよ!妖精さん!オレ、実は妖精さんとお話ができるんだよ!スゴイだろ!」
「へー、すごいですね!まさか、魔法ですか?」
「い、いや違う!この妖精さんは心がキレイな奴にしか見えないんだよ!よかったなシエスタ!
お前も心がキレイっつーことだぜ!」
「心がキレイですか!なんだかうれしいです」
「よ、よかったな!」
(ふー、デタラメを並べたが、どうやら信じてもらえたよーだぜ!嘘をつくのはチト心が痛むが
まあ仕方ねーだろ・・・)
「ところでミスタさん、こんなところで妖精さんと何してたんですか?」
「ああ、メシがすくねーからルイズんとこから逃げてきたんだ」
「それは大変ですね。よかったら厨房で何かお出ししましょうか?」
「マジで!?グラッツェ、悪いが世話になるぜ!」
「アギャギャ、オレタチニモクレー!」
「クレクレー!」
「アギャギャギャギャギャ」
「メシ!メシ!」
「アレダケジャタリネーゼ!」
「ツギハオレニモクレヨ!」
一斉に騒ぎ始めるピストルズにシエスタは目を丸くする。
「よ、妖精さんたちも何か食べたいみたいだな!妖精さんたちも行こうか!」
そのおかしな様子にシエスタはクスっとわらいながら、
「たいしたものお出しできませんけど。こちらです」
と厨房に案内するのだった・・・


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