「きゃ!」
メイドは開いてしまったドアの向こうから何かが飛んでくるのに気付き、咄嗟に両腕で顔を庇った。
花瓶はメイドに当たらず壁にぶつかり粉々に割れ、
杖や毛布、パンティはへろへろとメイドに届くか届かないかというあたりに落ちた。
花瓶はメイドに当たらず壁にぶつかり粉々に割れ、
杖や毛布、パンティはへろへろとメイドに届くか届かないかというあたりに落ちた。
唯一、勢いを持ったままメイドへたどり着いた円盤は…
【腕と腕の隙間を通ってメイドの頭に突き刺さった】
普通頭に何かが刺さったなら傷口からは血がどくどくと流れ、
痛みを大声で叫び訴えるだろうが、異常な事態が起こった。
血も出ず、メイドの表情から見ても痛みを感じているようではなかったのだ。
痛みを大声で叫び訴えるだろうが、異常な事態が起こった。
血も出ず、メイドの表情から見ても痛みを感じているようではなかったのだ。
円盤は突き刺さってからもゆっくりゆっくりとメイドの頭に吸い込まれていく。
「あ、あ、アァァァァァァ!!!!!」
痛みからではなく、自身に降りかかった未曾有の出来事への恐怖からの叫びだった。
ルイズは円盤を投げた体勢のまま、あんぐりと口をあけ愕然としている。
完全に円盤がメイドの頭に収まるまで、二人とも何も出来なかった。
ルイズは円盤を投げた体勢のまま、あんぐりと口をあけ愕然としている。
完全に円盤がメイドの頭に収まるまで、二人とも何も出来なかった。
メイドはふらりと倒れこんでしまった。
ルイズが慌てて近づいてみると失神してしまったようだった。
無理も無いだろうが、今度はルイズが困ってしまった。
このままではドアが閉められないのだ。部屋の外に出しても外聞が悪いだろう。
ルイズが慌てて近づいてみると失神してしまったようだった。
無理も無いだろうが、今度はルイズが困ってしまった。
このままではドアが閉められないのだ。部屋の外に出しても外聞が悪いだろう。
仕方なくルイズはメイドを引き摺って部屋の中へ入れ、
メイドを毛布で包んでそれをロープで縛って床に置いておいた。
人としてどうかと思うような行動だが、ルイズは当然だと思っている。
メイドを毛布で包んでそれをロープで縛って床に置いておいた。
人としてどうかと思うような行動だが、ルイズは当然だと思っている。
仮にもヴァリエール公爵家の令嬢であるルイズと、
何処の馬の骨とも分からないメイドが同じ部屋で寝るのだから用心せねば、と。
何処の馬の骨とも分からないメイドが同じ部屋で寝るのだから用心せねば、と。
翌朝、ルイズが目を覚ますと床にはメイドの簀巻きが鎮座していた。
自分で作ったのだが寝ぼけたルイズは混乱し、部屋を飛び出そうとした。
自分で作ったのだが寝ぼけたルイズは混乱し、部屋を飛び出そうとした。
「おやミス・ヴァリエール、もう起きとったのかね?」
なんと部屋から出た途端、オールド・オスマン校長と出くわしたのだ。
なぜ女子寮にオスマンがいるのだろうか?
なぜ女子寮にオスマンがいるのだろうか?
それはまた次回。