ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-17

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匿名ユーザー

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おれはいつもと違う場所で朝を迎えた。
いつもはルイズの部屋のベッドで寝てるのだが何故かシルフィードの寝床で寝ていた。
何でこんな所で寝ていたのかを考える。
だが考えているうちに朝飯を食べたくなってきたので考えるのをやめた。
そのうちわかるだろ、多分。

朝飯を食べ、ルイズと合流するためいつもの場所で待つ。
そしていつもよりちょっと遅れて
「キュルケ~大好き~」
変なの来た。すごく変なの来た。
イメージとしては『キュルケに抱きついているルイズ』が近い。

でもそんなのありえない。
だからおれはそれをスルーした。
だってあんなの知らない。
キュルケに抱きついているルイズに似た何かだ。

ルイズはまだかな、早くしないと遅刻するのに。
いつもより遅い主人を文句一つ言わずに待とう。
本物が来るまで待とう。

結局ルイズが来ないまま授業が始まる時間になってしまったので仕方なくルイズの部屋に戻る。
多分体調を崩したんだ。
きっとそうだ。
そうに違いない。
そうであってください、お願いします。


ルイズの部屋には誰もいなかった。

この時間にルイズが部屋いないって事はルイズは教室で授業を受けてるはずだ。
でもそれならいつもの合流地点でおれが見つけないとおかしい。
おれは考えた。
考えた末に部屋を出た後、体の調子がおかしい事に気づいて医務室に行ったのだと考えた。
なら医務室にお見舞いに行かなきゃな。

「ミス・ヴァリエールですか?いいえ、来ていませんよ。」
医務室にはやっぱりいなかった。

あれ?『やっぱり』?
やっぱりなんて使うって事はおれはどこか心当たりがあるのか?
えーと……うん、無いな。
無いんだし次はどこを探そうかな。

その瞬間爆発が起きた。普段ならルイズがいる教室で、だ。
「あ、やっぱり教室にいるみたいですね」
これは行かなきゃ不自然だよな。
仕方ない、覚悟を決めて戦うか、現実と。
おれは教室に向かって歩き出した。

数分後。
「あれれ~。ここどこだろ」
道に迷ったのなら行けなくても別に不自然じゃないよな。

おれは道に迷い続けた。そりゃもう時間なんて分からなくなるほどに。
自分の力で主人の下に行きたい。そんな思いから人に会っても道を聞く事はしなかった。

だが運命はおれに味方しなかった。
時間を忘れるほどに歩き回った結果。偶然、『アレ』に遭遇してしまった。
しかも今度は他の生徒もいやがった。そしてギーシュのヤツが目ざとくおれを見つけ話しかけてきた。
「ルイズは一体どうしたんだい?」
「ルイズ?ルイズがどこにいるんだ?」
周囲を見回してもルイズはいない。一体ギーシュは何のことを言ってるんだ?
「そこでキュルケに抱きついてるじゃないか」

言われてしまった。
ついに言われてしまった。
おれが認めたくなかった事を。それも一発で。
こうなっては仕方ない。
おれもキュルケに抱きついてるルイズみたいなモノがキュルケに抱きついてるルイズだと認めるしかない。

「で?アレは何なんだ?」
「それを聞いてるのは僕の方だよ。一体なんであんな事になってるのか知らないのかい?」
「知らねーよ、あんなのが生まれた理由なんてどーでもいい。お前もそうだろ?関らないようにしようぜ」
「それが賢明だね」
意見が一致したのでお互いアレにはもう触れない事にする。
一件落着。今日も学院は平和です。

「ちょっと、コレ何とかしなさいよ!」
聞こえない聞こえない、な~んにも聞こえない。
「無視する気?」
そのつもりです。
「そう……なら燃やすわよ?貴方達を」

「一体どうしてそんな事になったんだろうな!」
「不思議だよね。昨日は何も無かったのに!」
別に怖かった訳じゃ無いぞ。ただあまりにもキュルケが可哀想だなーって思っただけで。
あ、でもギーシュは怖かったからだな。絶対そうだ。

そしてキュルケによる尋問が始まった。
「で?心当たりは無いわけ?」
「「無いです」」
「なんで追いかけられてたの?」
「昨日の脱出の事で怒られたから」
「そう…逃げてるときに何か変わった事は?」
「モンモランシーの部屋で僕がモンモランシーに541回目の愛の詩を…」
「要約すると?」
「イギーがモンモランシーの部屋に逃げ込んできました!」
「呼び捨てにすんな」
「そこで変わった事は?」
「「特には」」
「その後は?」
「部屋から逃げ出してその後キュルケに会って、後は知っての通り」
尋問終了。後はキュルケの判断に任せるしかない。

「モンモランシーに話を聞きに行くわよ」

「真実を述べなさい。さもなくば燃やすわよ」
尋問から拷問へと変わりつつあるこの状況にモンモランシーは簡単に屈した。
「惚れ薬を飲ませました」
「なんでそんなものをルイズに?」
「ギーシュに飲ませようとしてあの子が…」
隣でギーシュが驚きのあまり絶句している。
まあ黙ってもらった方がサクサク進むので丁度良いし放置しとこう。

ちなみにルイズはモンモランシーの部屋に来る前に
「モンモランシーのところに行くの?モンモランシーが好きなの?」
と言ったのがきっかけでついにキュルケがプッツンし、
「私は食べるのは好きだけど食べられるのは嫌いなの!」
と言ってしまい、それを聞いたルイズはどこかに行ってしまった。
この言葉で昨晩の勝者が分かってしまうのだがそこには触れないでおく。

惚れ薬を飲んだって事は最初に見たものに惚れるって事だ。
「じゃあ一歩間違ってたらおれがああなってたって事か?」
「それは無いわ。惚れ薬は人間以外に効果は無いもの、
ルイズが飲んだ時に最初に見たのはアンタが隠れてたベッドのはずだけど普通はベッドに惚れたりしないでしょ?」
ちょっと想像してみる。
壁に愛を囁くギーシュ。
机に抱きつくマリコルヌ。
便器を舐めるように綺麗にするポルナレフ。
あれ?問題ないんじゃあないか?

「で、元に戻るのはいつ?」
「詳しくは分からないわ、個人差があるけど大体一ヶ月から一年くらいで…」
その言葉を聞いてキュルケが杖を構えた。
「解除薬!解除薬を作ればすぐに戻るわ!」
「作りなさい」
「それが……ちょっと問題があるのよ。私も失敗した時の為に作っておこうと思ったんだけど一つだけ材料が売り切れで…」
「その材料って?」
「水の精霊の涙なんだけど…最近その水の精霊と連絡が取れなくなっちゃったらしいの」
「場所は?」
「ガリアとの国境にあるラグドリアン湖よ」
「今から行くわよ。30分後にここに集合ね。タバサのシルフィードなら一日で大丈夫よ」
そう言ってキュルケは支度をしに歩き出した。おれも後についていく。

そして部屋に行く途中ででタバサを見つけ、事情を説明し協力してもらえる事になった。
キュルケは自分の支度のために部屋に戻る。
おれもルイズの様子を見ておこうと思ったので部屋に戻る。
部屋が隣同士のため必然的に一緒に行く事になる。
だがそこで事件が起きた。
キュルケの部屋のカギが壊されていたのだ。

キュルケは用心の為杖を取り出し、慎重にドアを開けた。
そして―――

「私を 食・べ・て♥」

ケーキのデコレーションとかに使うクリームを体中に塗りたくったルイズがいた。
なるほど、キュルケは食べられるのが嫌いだから食べてもらおう。という事か。
このToLOVEるのせいでルイズの様子を見る必要はなくなった。
ちょっと早いけど集合場所に行くか。



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