ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの兄貴-7

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匿名ユーザー

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「……は?今なんて?」
「だから私のダーリンがギーシュと決闘するって言ったのよ」
「そういう事じゃなくて何で貴方の新しいダーリンとギーシュが決闘する事を私に報告するのかしら?ツェルプストー」
「そりゃあダーリンが貴方の使い魔だからじゃないの……」
どこか遠くを見るような目でそう言い放つキュルケに対し
(何?さっき打たれたばかりなのに惚れたの?キュルケってもしかしてドM?)
と思い、自分の友人がそっち方面であったのかもしれないと思い多少ドン引く

が、アブノーマル認定されかかっている事も知らずにキュルケが多少熱を帯びた言葉を続ける。
「そりゃあ急に打たれた時は驚いたわ…今までの彼は私自身や私の家を目当てで優しくしてくれたり甘い事を言ってくれた人ばかり…
  でも彼は違ったわ…貴族でもないのに私を対等に扱ってくれた初めての人よ…これが燃えられずしてどうするのよ!ヴァリエールッ!!」
もう微熱どころかイタリア・ヴォルガノ島火山より燃え上がっているご様子。
そして完全に放置食らってるルイズ、半分意識が飛んでいた。

「……………って決闘ぉ~~~~!?何プロシュートが?何でギーシュと!?」
そして、数秒送れて肝心の本題に気付く。
「彼プロシュートって言うの…ステキな名前ね…」
完全に自分の世界へ入っているキュルケ嬢。なんかもうルイズの目に『ラリホ~』と言いながら周りを浮かぶ趣味の悪いピエロが見える。
「早くあいつを止めないと大変な事になる…!止めなきゃ!」
(ギャラリーが出来きるであろう決闘で召喚した時にあいつが使った妙な能力を使われたら大惨事になる)
という事からプロシュートを止めるという事だったがもう一人の方は
「いいじゃない…平民が勝てないと分かっているメイジに挑む…燃えるわぁ~」
などとキュルケがのたまう。
(駄目だこいつ……!はやく何とかしないと……!!)
一瞬だがそういう思考が頭をよぎるが『決闘』という重大事にそれを後回しにする。

半分トリップキメているかのようなキュルケを後にしプロシュートを探す。
居た。というか凄まじく目立っているためほとんど探す必要も無かった。

ちょ、ちょっと!ギーシュと決闘するってどういう事!?」
「仕掛けてきたのはヤツの方だぜ」
(マズイ…!目が本気だ…!)
「人が大勢居る場所であんな物騒な事しないでって言ったばかりじゃない!」
「誰がアレを使うと言った?対処法がバレると厄介なんでな、使うつもりはねぇ」
授業をロクに聞いてはいなかったが水系統の魔法で氷が作り出せるという事は聞いていた。
グレイトフル・デッドの老化に対して唯一有効な手段である「体温を下げる」
生徒とはいえあの大人数の前で広域老化攻撃を使えばそれがバレる可能性がある。
後の事も考えればそれは避けたいとこだ。
「それじゃあアンタに勝ち目なんてあるわけないじゃない!今すぐギーシュに謝ってきて!」
「無駄だな、ヤツは完全にプッツンキてる。例えオメーが謝ったところでどうにかなるもんでもねぇ」
「ああもう、それじゃ逃げなさい!私から何とかうまく言っといてあげるから!」
「ヤツはオレに決闘を挑むという覚悟があってやってるんだぜ?
    一時身を隠したとしても必ず追ってくるだろうよ。だからこっちが先に『やられる前にやる』んじゃあねーかッ!」
プロシュートがそう言い放ちルイズをその場に残し広場に向かう。
「……怪我じゃすまないかもしれないのにどうするのよ!」

だが、ルイズが思い違っている事が三つある。
一つは「グレイトフル・デッドというスタンドの存在」
二つは「プロシュートが一級の暗殺者」
そして三つめ「プロシュートにとっての『やる』は『殺る』」であった事…

そして『ヴェストリの広場』
「遅かったじゃないか…
   逃げ出してしまってたものかと思っていたよもっとも、逃げたところで無駄なんだけどね!」
「殴られた後が顔に出てるぜ?まぁその方が人気が出そうだがな」
「ぐッ…!平民が貴族を馬鹿にした報い受けさせてやるッ!
     僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまい!」
ギーシュが薔薇の造花を振るうと花びらが一枚離れ金属製の人形が一体出現する。
「青銅のゴーレム『ワルキューレ』僕が青銅のギーシュと呼ばれている由縁だッ!」
「その名前ならさっき頭から香水をブチ撒けられた時に聞いたな」
「いつまで減らず口を…!まぁいい、この一体だけで片付けてあげるよ!」

ワルキューレが猛然とプロシュートに突っ込んでいく。
だがプロシュートは動かない。しかし目だけはワルキューレを凝視している。

ワルキューレとプロシュートの距離が2メートルを切りワルキューレが拳を繰り出す。
だが拳が目標に当たりそれを砕く瞬間拳の軌道が瞬時に変わった。
「何ッ!?」

「今の見たか!?」
「ワルキューレの拳の軌道が急に変わったぞ!」
そうギャラリーが騒いでいる間にもワルキューレは両の拳を繰り出すが全て当たる直前に軌道を曲げられてしまう。

「こいつ…!平民のはずじゃないのか!?」
「フン…ノロいな、その程度のスピードじゃあスティッキィ・フィンガースに遠く及ばねー」
自分が最後に戦ったスタンドの名を出しながら性能をS・Fと比較する。
「確かに人間と比べては優れちゃあいるがそれだけだな、特徴としては堅さぐらいか」
そう言い終えた瞬間――ワルキューレが腕と脚と全て弾けさせ砕けた。

「確かに正面装甲は堅いが…関節部はそうでもねーな」
「な…僕のワルキューレに何をした…?
   何をしたと聞いているんだ!答えろォォォオオ!!」
「…………」
無言でギーシュを見据えるプロシュート。だが自慢のワルキューレを破壊されたギーシュはそれを挑発と受け取る。
「いいだろう…言いたくないのならそれでいい!嫌でも言いたくなるようにしてやるさ!」
薔薇の造花を振るい6枚の花びらを舞わせ残り全てを出現させる。

――ギーシュが平民相手に本気になった。そう思った観客が騒ぎ出す

(ちッ…六体か)
プロシュートのグレイトフル・デッドはそれ自体の拳の射程距離だけなら近距離パワー型に属する。
だがヴェネチア超特急クラスの列車丸ごとをカバーできる老化の射程距離。
これが他の近距離型スタンドとグレイトフル・デッドの差だ。
パワーそのものは近距離型に劣るとはいえある程度のものを有するもののスピードと精密動作性が致命的に劣っている。
それを埋める為の老化だが今回はそれを使っていない。―――つまり

ワルキューレの内三体がプロシュートを襲う。
さっきと同じように拳の軌道が変わる、観客達はそう思った。だが結果は違っていた。

ズドォォオオ
一体ワルキューレが吹っ飛ぶ、だが残り二体がその隙を襲う。
片方の攻撃を弾くが、もう片方は間に合わない。
ボゴォ
「うごォっ!」
横からの攻撃を受け吹っ飛ぶ。そしてそれを見たギーシュが勝利を確信したかのように勝ち誇る。

「君のその妙な能力はワルキューレ一体には抗えても複数体だと無理みたいだね
     その弱点が分かったからには次は残り全てでやらせてもらうッ!土下座するならいまのうちだッ!」
(骨には問題ねぇが…内臓を少しやられたみてぇだな)
立ち上がりギーシュに向き直る、だがその口からは血が出ていた。
「フン、血ヘド何て吐いて神聖な決闘を何だと思っているんだい?
    まぁ使い魔だけあって少しだけ妙な力があるようだが魔法を使えるメイジに勝てるはずないのさ!」
だが次のプロシュートの言葉はギーシュにとって意外だったッ!

「ハァー…ハァー…それがどうした?」
「何だって…?」
「それがどうしたと言ったんだ」
「この後に及んで強がりかい?みっともないねッ!」
だがそれに構わず言葉を続ける。
「確かに魔法ってのはスゲーもんだ、オレだってそう思う
   だがなッ!オレが居た場所には空気そのものを凍らせるヤツやあらゆる物体を切断できるヤツなんてのが居るッ!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨
(何だこいつ…!?周りの空気が急に変わったぞ!)
「オレ達チームはなッ!常にそういう連中を相手にしてきているッ!
    オメーらみてーなマンモーニが使う薄っぺらい魔法なんかと一緒にするんじゃあねぇッ!」
「…ハッタリのつもりかい?だとしたらメイジも甘く見られたものだ。いいだろう!もう手加減なんてのは無しだッ!」

ギーシュが武器を精製しそれぞれのワルキューレに武器を取らせる。
どれもこれもマトモに受ければ良くて重症、悪ければ死に至るものばかりだ。
「後悔する時間も与えないッ!」
残った6体のワルキューレをプロシュートを囲むようにして布陣させる。これでもう逃げ道は無い。

ギーシュの号令を待つように囲むワルキューレ達、観客の誰が見てもギーシュの勝ちは明らかだと思っている。

ルイズがそれを止めようと観客達を押しのけ間に割って入ろうとする。だが遅かった。
「行けッ!ワルキューレ!!」
そう聞こえた瞬間ルイズはその場に立ち竦み己の使い魔がなぶり殺しにされる光景が脳裏に浮かび――倒れた。

その声を合図としプロシュート目掛けワルキューレが殺到する。

だがプロシュートが取った行動は実にッ!意外だったッ!
普通4方から囲まれているなら身を守るのが当然だッ!だがプロシュートは逆に……

『思いっきり突っ込んだッ!』

一体のワルキューレ目掛け猛然と突っ込む。その先にはギーシュが居る。
「一体だけなら対処はわけねぇからなッ!」
「ば、バカなッ…!」
固まって動かれればワルキューレの層を突破できない、だから自分を囲ませるように仕向けた。
そうして包囲網が縮まる前に一点突破を仕掛ける。それが狙いだ。
グレイトフル・デッドでワルキューレを投げ飛ばす
壊すのは時間の無駄と判断しての事だ。
「くそぉ…来るなァァァァアアア!!」
ギーシュにさっきまでのような余裕はスデに無い。狼狽しながらも魔法を使うべく杖をプロシュートに向ける。
だが当たらない、ギーシュがいくら魔法を撃っても一発たりとも当たらない。
拳銃と同じだ、落ち着いて心を決めていなければ魔法といえども当たるはずはなかった。

後ろから6体のワルキューレを引き連れたプロシュートが迫り薔薇の杖をグレイトフル・デッドでヘシ折った。

「うぁ……あ…ま、参った…」
貴族が平民に負けた、誰もがそう思った。そしてこの決闘が終わったと思った。

否、実は終わってなどいない(古谷 徹の声で)
どこからか『倍プッシュだ』というような声が聞こえたが多分幻聴だ。

「参った…そんな言葉は使う必要がねーんだ…
   なぜならオレやオレ達の仲間が敵と戦った時の決着は」
次の言葉で観客達のほぼ全てが凍りつく
「どちらかが死んじまってるからだッ!だから使う必要がねェーーーーッ!
   オメーもそうだよなァ~~~~『決闘』を挑んできたんなら…分かるか?オレの言ってる事…え?」
「ひぃ…!こ…殺される…助け…」
だがその言葉は最後まで言えない、グレイトフル・デッドが首を掴みギーシュの体が中に浮く。

「ギ、ギーシュが浮いたぞ!」
「いや…違う!見ろ、首を何かに『掴まれて』いるッ!」
グレイトフル・デッドは見物人達には見えないが何かに首を掴まれている跡だけはハッキリと見えた。

ズキュン!

「何だァーーーーーッ!あれはァーーーーッ!!」
観客達が騒ぎだす。当然だ、ギーシュがあっという間に老人の姿になったのだから…!
「うわぁぁぁぁ!やっぱり…あれは夢じゃあなかったんだッ!『ゼロ』の呼んだ使い魔は…悪魔か何かなんだァーーーーッ!」
そう叫ぶのは最初に巻き込まれた連中だ。それを皮切りに他の者が次々と騒ぎ出す。

ドザァァア

ほとんどミイラと化したギーシュが地面に崩れ落ち、周囲から悲鳴や怒号が上がる。
中にはプロシュートに杖を向けている物さえ居る。

だがプロシュートはあくまで冷静に言い放つッ!
「これぐらいの事で騒ぐんじゃあねぇッ!オレがいた世界ではな!
決闘を仕掛けて『参った』なんていう負け犬は居ねーんだからな…」
ピクリとも動かない元ギーシュの首に足を乗せ――
「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!!」
その言葉と同時に広場に乾いた音が鳴り響びく。この場を見ていない者であれば枯れ木を踏んだかのよに聞こえたであろう。
そして、その瞬間その場に居た者達は理解をする。
仕掛けられた決闘とはいえ貴族を―メイジを顔色一つ変えることなく滅せる者がただの平民ではないという事を。

ギーシュ・ド・グラモン―死亡(頚椎骨折)
            二つ名 「青銅」

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