朝食も済ませ、つやつやとした顔色のルイズは、キラークイーンを従え教室へと向かっていた。
余談だが、朝食の席でルイズがキラークイーンに食事が必要かどうか試すために与えたパンの欠片は、やはり必要ないと判明。
ついでとばかりに能力実験も行い、爆弾にされ投げ捨てられた。
ついでとばかりに能力実験も行い、爆弾にされ投げ捨てられた。
・・・それがギーシュの朝食に当たり、彼のそれが吹き飛んだことはまた、別のお話。
ここでは彼の色男っぷりが上がったということだけを記しておこう。
ここでは彼の色男っぷりが上がったということだけを記しておこう。
「ああん、ワイルドなギーシュも素敵よぉ~」
「ケホッゴホッ・・・ありがとう、モンモランシー。しかし一体何なんだ?」
「ケホッゴホッ・・・ありがとう、モンモランシー。しかし一体何なんだ?」
・・・ケッ!色気づきやがって・・・おっと失礼。続きといきましょうか。
そんなこんなで扉の前。
教室へ入ったときのみんなの反応を想像(多分に妄想を含む)しながら、
そのためににやつく顔を必死で抑え・・・ざわめく教室へと踏み込む。
教室へ入ったときのみんなの反応を想像(多分に妄想を含む)しながら、
そのためににやつく顔を必死で抑え・・・ざわめく教室へと踏み込む。
・・・。
それまで騒がしかったその場が一瞬、静寂に包まれた。
「ゼロが成功・・・。」
「ありえねえ・・・。」
「しかもわりとまともな・・・。」
しかしそれも一瞬のこと、すぐに失礼にも程がある声がいくつも聞こえてきた。
「ゼロが成功・・・。」
「ありえねえ・・・。」
「しかもわりとまともな・・・。」
しかしそれも一瞬のこと、すぐに失礼にも程がある声がいくつも聞こえてきた。
妄想世界の住人となっていたルイズには少々キツイ洗礼である。
しかしさすがにゼロと呼ばれ続けた少女。
このような場合を無意識に想定していたためか、いきなりブチ切れるといった失態は見せない。
しかしさすがにゼロと呼ばれ続けた少女。
このような場合を無意識に想定していたためか、いきなりブチ切れるといった失態は見せない。
しかしくやしいものはくやしいし、ムカつくものはムカつく。
内心は穏やかではなかった。
内心は穏やかではなかった。
その怒りは授業の最中にも燻り続け、普段ならばありえない態度となって表れていた。
「ミス・ヴァリエール?ちゃんと授業に集中なさいね。」
「あ・・・すみませんでした・・・。」
「ルイズ~授業くらいはちゃんと聞けよな、ゼロのルイズの唯一のと・り・え・なんだからさぁ~。」
「こ、この・・・風邪ッぴきの分際でッ・・・!」
「僕はッ!風上だッ!二度と間違えるな!」
「あらあら、間違えるなと言うのなら、やっぱり風邪っぴきよ。」
「風上だと言っているッ!!」
「あ・・・すみませんでした・・・。」
「ルイズ~授業くらいはちゃんと聞けよな、ゼロのルイズの唯一のと・り・え・なんだからさぁ~。」
「こ、この・・・風邪ッぴきの分際でッ・・・!」
「僕はッ!風上だッ!二度と間違えるな!」
「あらあら、間違えるなと言うのなら、やっぱり風邪っぴきよ。」
「風上だと言っているッ!!」
「お二人ともいい加減になさい!誇り高き貴族たるもの、そのようなくだらない言い争いは控えるものです。」
「「・・・すいませんでした。」」
「よろしい。では・・・ミス・ヴァリエール。話を聞いていなかった貴方に錬金を命じます。
それで帳消し、ということにしておきますから。さて、何か聞いておくことは?」
「いえ、問題ありません。」
「「・・・すいませんでした。」」
「よろしい。では・・・ミス・ヴァリエール。話を聞いていなかった貴方に錬金を命じます。
それで帳消し、ということにしておきますから。さて、何か聞いておくことは?」
「いえ、問題ありません。」
「先生ッ!?それは・・・危険ですっ!!」
「そうです、なんなら代わりに僕がっ!」
キュルケを筆頭に皆が叫ぶ。
「黙りなさい!・・・先生、この私にお任せを。」
優雅に一礼すると、ルイズは教卓に歩み寄った。背後にはキラークイーンが憑いている。
「ときにミス・ヴァリエール・・・先ほどから気になっていたのですが、何故使い魔を?」
「そういう性質なんです。」あらヤダ。この娘、嘘ついた。離れてもムズムズするだけなのに。
「そうです、なんなら代わりに僕がっ!」
キュルケを筆頭に皆が叫ぶ。
「黙りなさい!・・・先生、この私にお任せを。」
優雅に一礼すると、ルイズは教卓に歩み寄った。背後にはキラークイーンが憑いている。
「ときにミス・ヴァリエール・・・先ほどから気になっていたのですが、何故使い魔を?」
「そういう性質なんです。」あらヤダ。この娘、嘘ついた。離れてもムズムズするだけなのに。
カワイソーだけど数秒後には粉微塵になってるのね・・・という視線が幾つもそそがれている石ころ。
だがそれも少しの間だけのこと、ルイズが杖を構えるころには皆、机の下に避難していた。
一部、教室外に逃亡した者もいるようだ。
だがそれも少しの間だけのこと、ルイズが杖を構えるころには皆、机の下に避難していた。
一部、教室外に逃亡した者もいるようだ。
そして・・・ついにルイズが魔力を込めて呪文を唱えたッ!
ドッグォオ~ン!!
石が爆ぜ、机も巻き込んで吹き飛んでゆく!
ミセス・シュヴルーズも吹っ飛んだ!さながら壊れた人形のように!
ルイズにも破片が襲い掛かる!
しかし・・・キラークイーン!
この程度の衝撃、破片など恐るるに足りぬ!見事に全てを防ぎきった!
ミセス・シュヴルーズも吹っ飛んだ!さながら壊れた人形のように!
ルイズにも破片が襲い掛かる!
しかし・・・キラークイーン!
この程度の衝撃、破片など恐るるに足りぬ!見事に全てを防ぎきった!
「・・・ちょっと失敗しちゃったみたいね。」
「「「「どこがだっ!」」」」生き残りからの突っ込みが入る。
「「「「どこがだっ!」」」」生き残りからの突っ込みが入る。
幸運にしてミセス・シュヴルーズは気絶しただけであり授業は中止。
元凶であるルイズに下った罰は教室の掃除であった。
元凶であるルイズに下った罰は教室の掃除であった。
「細かいのはいけるとして、こういう大きいのは・・・キラークイーン、まとめてやっちゃえ!」
使い魔を駆使して掃除を終えたルイズは、しかし昼食に間に合うことはなかった。
使い魔を駆使して掃除を終えたルイズは、しかし昼食に間に合うことはなかった。
「うぅ・・・お腹空いた・・・。」まるで幽鬼だ。
ふらふらと行くあてもなく彷徨うルイズ。行き着いた中庭で落ち込んでいた。
ふらふらと行くあてもなく彷徨うルイズ。行き着いた中庭で落ち込んでいた。
「あ、あの・・・。」
今にも誰かを道連れに自殺しそうな雰囲気のルイズに、一人のメイドが声をかけた。
何のことはない、メイド仲間に無理矢理行かされたのだ。
今にも誰かを道連れに自殺しそうな雰囲気のルイズに、一人のメイドが声をかけた。
何のことはない、メイド仲間に無理矢理行かされたのだ。
↓経緯
「彼女よね?食べそびれたのって。何かお出しした方が・・・。」
「で、でも恐い・・・。」
「シエスタァ・・・お願い。」
「わっ私ですか!?」
「「「お願い!」」」
「うぅ・・・。」
かくして彼女に白羽の矢が立った。
「彼女よね?食べそびれたのって。何かお出しした方が・・・。」
「で、でも恐い・・・。」
「シエスタァ・・・お願い。」
「わっ私ですか!?」
「「「お願い!」」」
「うぅ・・・。」
かくして彼女に白羽の矢が立った。