ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

外伝~オスマンの過去~-1

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『土くれ』のフーケが破壊の杖を強奪していった夜の夜明け前、トリステイン魔術学院の教師であるコルベールは、大慌てでその大事件を学院長である、オールド・オスマンに報告に来ていた。

「学院長、一大事ですぞ!!!」
「なんじゃ、そんなに慌てよって。この世に大事などない。
全ては小事じゃよ」

ドアを開けざまに叫ぶコルベールに、オスマンは半ば呆れながら返した。
が、次のコルベールの言葉でオスマンは仰天した。

「『土くれ』です!!学院長!!『土くれ』のフーケが、ゴーレムを用いて、宝物庫を襲撃、
破壊の杖以下、その他数十点の秘宝が強奪された模様です!!!」

「な………なんと…!!」
オスマンは椅子を蹴倒しながら立ち上がった。
そうとう慌てている様子のオスマンに、コルベールは萎縮した。

「今夜の当直は、ミス・シュヴルーズだったのですが…その……自室で居眠りをしていたようで……」
「そんなことはどうでもよい!!」

老人とは思えないオスマンの一喝だった。
だがその言葉にコルベールは些か困惑した。

「『アレ』は………『アレ』は、無事なのか!!?」
「は………、『アレ』、と申されますと?」
「例の禁書じゃよ!!」

その言葉でハッとしたコルベールだったが、フォローのしようもなく、彼は事実を言うしかなかった。

「そ、その……なにしろ事件が起こってまだ数時間しか経っておらず、まだ被害の正確な把握には至っておりません……」
「なんという……おぉなんということじゃ…!!」
顔面蒼白になってうろたえるオスマン。
コルベールは、以前から気になってはいたが、今日までついに聞くことが出来なかったアレについて、絶好のチャンスとばかりに聞くことにした。
彼は好奇心が強かった。
「あの、学院長…。王室の立ち入り検査の折りに、私も何度かあの禁書を目にしたことがあるのですが…
その……私にはアレが学院長の言うような代物だとは到底思えないのです」

オールド・オスマンは深いため息をついた。
これからコルベールがするであろう質問を既に分かっているようだった。
「……よろしければ、アレの由来について、お聞きしてもよろしいでしょうか?
学院長が直々に宝物庫に封じたと聞いておりますが」
「…それを聞いてどうする」

鋭いオスマンの視線に、コルベールは言葉に詰まった。
再び深いため息をついて、オスマンは答えた。

「よい。お主はどうも詮索好きのようじゃのう。仕方あるまい、話してやろう、あの本の由来を。
---思い出すのもおぞましい、あの事件を……」

コルベールは、オスマンの言葉にゴクリと唾を呑んだ。
---やめるなら、今のうちだ、とオスマンの目が訴えたが、生憎彼は好奇心が強かった。
ゆっくりと頷いて、己の意思を示した。

オスマンはポツポツと話し出した。
-----------
----------もう、百数十年前にもなるじゃろうか、トリステインの南部の森の中に、一つの村があった。
大きな村じゃった。
名前はとうに忘れてしまったが、とにかくあったんじゃよ。
今は、湖になっておるはずじゃ。
ホレ、半径数百メイルはあるあの湖じゃよ。
そうか、『禁じられた湖』と呼ばれておるのか、今は。
じゃが、昔は別の名前で呼ばれておった。
『食人湖』……それがあの湖の本当の名前じゃ。
わしが名付けた。
そう顔をしかめるな、聞いたのはお主じゃぞ。
……とにかく、あの湖は元は一つの村じゃった。
いい村じゃった。
---チョコランタンに、ヘンテコピーマン飛んできた---
貴族も、平民も、亜人も、エルフも、お互いがお互いを尊重しあっておった。

---どんなカタチ?---
平和な村じゃった。
---地獄門のなかには…地獄門の中には…---
わしはその村に暫く滞在した。
---亡者ども…亡者ども…---
みんな快くわしを迎えてくれてな、それまで都で身分社会にドップリじゃったわしは、それは面食らったものじゃがの。
---人肉が好きなUFOが---
じゃが、次第にわしはその村の空気をひどく好ましく思うようになったんじゃ。
---子供のハラワタ食べちゃった---
わしはその村に、ハルケギニアのあるべき未来すら夢想した。
---返り血二カ所、ピッピッ---
………そこに、ある日突然、
---触手がデロリ、伸びてきた---
アイツが…
---こっちもデロリ伸びてきた---
突然…
---毒のケムリ、まがまがしい色---
現れたんじゃ…。
---子供の、柔らかい、肉が好きなの、誰だっけ?---

to be continued……

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