ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

L・I・A 第04話

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第04話 イタリア料理を作らせに行こう!②


「ま、マジにトニオさんスかぁ!?」

トニオ・トラサルディー。
若きイタリア人コックであり、仗助たちの住む杜王町に自身の店『トラサルディー』を構える。
自身の求めるものの為世界を渡り歩き、体に良い料理を日々作り続ける。
ただこれだけを聞けば、なんてことはない只の優秀なコックであろう。
だがッ!彼はどの他のコックよりも一味違っていたッ!何故ならッ!彼もまた『スタンド使い』なのであるッ!
『パール・ジャム』
それが彼のスタンドだ。能力は、彼の料理を食した者の『身体の異常を治す』事ッ!仗助のクレイジー・ダイヤモンドでは為し得ない人の『体内』の異常を治す事が出来るのだッ!
「ソウですヨ。仗助サン。あなたの知ってル、トニオ・トラサルディーですヨ」
ニコッ
笑みを浮かべるトニオ。仗助は心から安堵した。信じたくても信じられなくても、自分はファンタジーの様な世界にいるらしい。
驚きと不安を覚える中で、見知った顔と出会えた事にとても安らぎを覚えたのだ。
「グレートだゼ、トニオさん。しっかし何でトニオさんがここにいるんだ?」
最もな質問をぶつけてみる。

「わたしにもよくワカリません。ドアを開けたラ、いきなりピカッ、デスヨ。気が付いたら森の中にいたんです」
「何か、鏡みてぇなのが見えなかったスかぁ?」
「OH!そんな気もしマシタ!それでですネ、昨日からずっと、この辺を見て回ってたんですヨ。この辺もイイ所デス!スバラシイ事に、とても清んだ水に手の加えられてない上質のハーブなどが自生しているんデスヨ!」
仗助は何故?と思った。自分がここに来たのは今日だ。トニオは昨日からいたと言う。そしてココまで来て料理の事を考えていたとは。
「ところで仗助サン」
そんな事を考えているとトニオが何か聞きたいらしい。
「何スかぁ~?」
「ところでココ、ドコだかわかりますカ?」
 ・・・・・・・・・・・
解ってなかったッ!このイタリア人、ベタな事にッ、
『月を見ていない』のだったッ!
「トニオさん、それはよォ、空を見てみれば一発スよォ~」
そう言って指を上に向かって指す。
「それはどういうことデスカ?」
トニオが空を見上げる。
「マンマミーアッ!月が2つもアリマスッ!どういうことデスカッ?」
やっと気付いたらしい。仗助は自分の考えを彼に伝える。
「どーゆー訳か、俺達、ファンタジーな世界に、いわゆる異世界ってヤツに来ちまったみてェ~ですよ?」
「なんてことデスッ!?スタンド攻撃ではないのですカ?」
「俺も最初はそう思ったんだけどよォ、どうやら信じるしかないみたいだゼ、トニオさん?」
「どうやらソウみたいですネ」
心無しか驚愕と落胆が入り交じった様な表情をする。まぁ、いきなり異世界に来てしまいましたなどと言われてしかもそれが本当の事だったら誰もが思うだろう。

「トニオさん、行くあてはあるんスか?」
「そんなわかり切った事ハ聞かないで下サイヨ」
場を切り換える積もりで言ったが、瞬時に現実を受け入れ立ち直ったようだ。顔も微笑みを浮かべている。「何かアソコに城みてェな建物が見えるッスよね?」
先程見ていた所だ。
「ハイ。見えますネ」
「とりあえず、アソコに助けてもらうッつーのはどうすか?」
「この際仕方ないと思いマスヨ。ワタシの荷物は食べ物こそあってモ、パスタやチーズが多いデスから。普通には食べられまセンヨ」
乾麺やチーズの塊なんぞをそのまま口にしていたら気が滅入りそうだ。それ以前に、有限である以上いつかは無くなる。
「それじゃあ決まりッスねッ!」
「エエ。では、イキマしょうカ」
そうして彼らは向こうにそびえる城、『トリステイン魔法学院』に足を進めるのであった・・・・・
「(しっかし何でトニオさんがいるんだろォな?他のヤツらもいるのか?」
仗助はその疑問が頭に残っていた。

時は1日前に遡る。
トニオ・トラサルディーは更なる自身のスキルアップの為に店を休業し、ヨーロッパ諸国を旅していた。様々な食材を見て、触れ、味わって回り、締めくくりとして祖国・イタリアに戻っていた。
久しぶりの祖国を見て回りたかったし、パスタに関してはイタリアで仕入れるのが一番であった為でもある。
実家の両親の顔を折角だから見ておきたかったので回るついでに寄る積もりでもあった。
パスタやチーズなどを少々仕入れ、いよいよ実家に寄った所であった。驚かせようとインターホンを鳴らさずドアを開けた時だった。
彼の目の前に、仗助と同じ様なモノが現れたのだッ!そのまま吸い込まれてしまい、気が付けば森の中という訳だった。
何だかよく分からないので歩き回っていたのだが、途中で川や泉を発見し、水を口にしてみるとなんとウマイッ!
新たな発見に徐々に興奮し、ハーブなどを発見した時は自分の料理に使えばどれだけ喜んでもらえるだろうと最高潮に達した。
そのまま一睡もする事なく今に至るのだった。夜の闇も空の月も、火のついたトニオには関係の無いことだった。

同時刻・・・・・
少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは不安だった。
明日は進級に際する使い魔召喚の儀式。普段から強気にでいるものの、成功するかどうか不安だった。
系統魔法の成功率0%。故に『ゼロのルイズ』
明日失敗してしまえば留年かもしれない。そうなってしまえば自分のプライド云々以前に、由緒あるヴァリエール家の名に泥を塗ってしまう。それだけは避けなくてはいけない。
絶対に失敗出来ない。そのため、彼女はこっそりと練習する事にした。勿論やってはいけないことだ。
しかし、学院内でコモン・マジック意外の魔法を使っているものもよくいたし、失敗出来ないという気持ちが彼女の行動を後押ししてしまった。
精神を落ち着かせ、心穏やかに自分を保つ。杖を振り上げ目の前を指す。そして呪文の言葉を唱え始める。
ちなみに、あくまでも“サモン・サーヴァント”は系統魔法ではなくコモン・マジックである。しかし言うまでもなく使い魔召喚は特別な儀式。ホイホイとやっていいものではない。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。我の運命に従いし、“使い魔”を召喚せよ」
すると、使い魔召喚の為の白く光る鏡の様なゲートが彼女の目の前に現れた。
「やっ、やったッ!やったわッ!私にもちゃんと出来るッ!」
これで大丈夫だ、明日はゼロなんかとは呼ばせない。ルイズは成功した喜びで胸が一杯だった。
ほんの僅かな時間であった。しかしッ!喜びのあまり彼女はすぐにゲートを閉じなかったッ!
「・・・はッ!すぐに閉じないとね」
そうしてまたゲートに向き直り
「扉よ、閉じて」
そうするとゲートは何もなかったかの様に消える。
「これで明日は安心ね。ぐっすりと眠れるわ♪」
そうしてルイズは床についたのだった。

やってしまったッ!この時ルイズはやってしまったッ!
『ゲートをすぐに閉じなかった』ばかりにッ!
何の因果かは分からないッ!何故彼なのかも分からないッ!しかしッ!彼女はやってしまったッ!

チュミミ~~~~~~~ン

この日、史上最強のイタリアンコックが彼の地に降り立った・・・・・・


To Be Continued・・・・・・・

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