ルイズが到着する、ちょっと前の舞踏会場。
新たなる出会いを求め、それなりにおめかしをした
マリコルヌ・ド・グランドプレは、
人生かつてないほどの衝撃を受けていた。
その視線は、近くのテーブルで豪華な料理と格闘している女の子……
タバサに余すところ無く注がれている。
いつもの制服ではなく、黒いパーティードレスに身を飾った彼女からは、上品な雰囲気が醸し出されている。
しかしタバサはそんなことなど全く気にしたようもなく、
ただひたすらにテーブルの上の料理と格闘している。
その子供っぽさが、衣装が生み出す上品さとの間にギャップを生み出し、
マリコルヌの魂(ハート)を激しく震わせていた。
新たなる出会いを求め、それなりにおめかしをした
マリコルヌ・ド・グランドプレは、
人生かつてないほどの衝撃を受けていた。
その視線は、近くのテーブルで豪華な料理と格闘している女の子……
タバサに余すところ無く注がれている。
いつもの制服ではなく、黒いパーティードレスに身を飾った彼女からは、上品な雰囲気が醸し出されている。
しかしタバサはそんなことなど全く気にしたようもなく、
ただひたすらにテーブルの上の料理と格闘している。
その子供っぽさが、衣装が生み出す上品さとの間にギャップを生み出し、
マリコルヌの魂(ハート)を激しく震わせていた。
「…………………ベネ」
今もまた、汚れた口元を無造作にゴシゴシと拭うタバサを見て、
マリコルヌのハートが更にヒートする。
燃え尽きるほどに。
気がつけば、マリコルヌはふらふらとタバサに近づいて行っていた。
今もまた、汚れた口元を無造作にゴシゴシと拭うタバサを見て、
マリコルヌのハートが更にヒートする。
燃え尽きるほどに。
気がつけば、マリコルヌはふらふらとタバサに近づいて行っていた。
「……ね、ねぇ、ミス・タバサ」
なけなしの勇気を総動員して話しかけたマリコルヌだったが、
タバサはそんな彼を無視した。
なけなしの勇気を総動員して話しかけたマリコルヌだったが、
タバサはそんな彼を無視した。
だがしかし、マリコルヌは諦めない。
『モテない歴=年齢』のマリコルヌには、
女性に無視をされることなど慣れっこだった。
『モテない歴=年齢』のマリコルヌには、
女性に無視をされることなど慣れっこだった。
「き、綺麗な夜だね、ミス。
……でも今夜は、き、ききき君の方が、綺麗だよ!」
綺麗と言われたことに反応したのか、
タバサが初めてマリコルヌの方を向いた。
無知な子犬のように首をかしげるタバサに、
マリコルヌはもう辛抱たまらなかった。
脈ありだ、と脳内で勝手に審判を下したしたマリコルヌは、
すぐさまダンスの申し込みをした。
……でも今夜は、き、ききき君の方が、綺麗だよ!」
綺麗と言われたことに反応したのか、
タバサが初めてマリコルヌの方を向いた。
無知な子犬のように首をかしげるタバサに、
マリコルヌはもう辛抱たまらなかった。
脈ありだ、と脳内で勝手に審判を下したしたマリコルヌは、
すぐさまダンスの申し込みをした。
「よ、よければ、ぼぼ僕と一曲、ダンスを踊ってくれませんか!?」
―――言った、はは、言ってやったぞ!
うわはは!つ、ついに僕にも女の子が!!
し、し、しかも!
ここここんなロロロロリっ娘! しかもメガネ! 完璧!
バンザイ!
マリコルヌは、これから起こるだろう至福のひとときを妄想して、1人心の中で悶えた。
しかし、タバサはマリコルヌの申し込みには応えずに、
マリコルヌの後ろのテーブルにあるワインボトルを指さした。
―――言った、はは、言ってやったぞ!
うわはは!つ、ついに僕にも女の子が!!
し、し、しかも!
ここここんなロロロロリっ娘! しかもメガネ! 完璧!
バンザイ!
マリコルヌは、これから起こるだろう至福のひとときを妄想して、1人心の中で悶えた。
しかし、タバサはマリコルヌの申し込みには応えずに、
マリコルヌの後ろのテーブルにあるワインボトルを指さした。
「取って」
「へ?
あ、もちろんだとも!!」
一瞬呆気にとられたが、
麗しのミ・レイディのお願いとあり、マリコルヌは超高速でテーブルのワインボトルを取り、
グラスに注いでタバサに手渡した。
タバサはグラスを受け取ると、
それを水のように一気にグビグビと飲み干した。
その豪快な飲みっぷりに、マリコルヌは目を白黒させた。
直ぐに空になってしまったグラスをテーブルに置き、
タバサは真っ赤な顔でひっくとしゃっくりをした。
小柄な少女がさらす無防備な様子に、
マリコルヌははっと息をのんだ。
もう限界だ。
ぐいっとタバサの腕を掴む。
あ、もちろんだとも!!」
一瞬呆気にとられたが、
麗しのミ・レイディのお願いとあり、マリコルヌは超高速でテーブルのワインボトルを取り、
グラスに注いでタバサに手渡した。
タバサはグラスを受け取ると、
それを水のように一気にグビグビと飲み干した。
その豪快な飲みっぷりに、マリコルヌは目を白黒させた。
直ぐに空になってしまったグラスをテーブルに置き、
タバサは真っ赤な顔でひっくとしゃっくりをした。
小柄な少女がさらす無防備な様子に、
マリコルヌははっと息をのんだ。
もう限界だ。
ぐいっとタバサの腕を掴む。
「は、放して……」
「だ、大丈夫!
僕はこれでも、ダンスの教養はふ、深いんだ。
きききききっと、上手に君をリリ、リードしてみせるさ!
心配しないで、さぁ!
さぁ!」
タバサの片手を掴んだまま、鼻息荒く詰めかけるマリコルヌ。
ぶっちゃけもう犯罪者だ。
「や、やめて…触らないで……あ、頭が………」
飢えた狼の視線を向けられて、たじろいでいるかに見えた。
か弱い抵抗をするタバサだったが、
ふと、彼女の体の力がすうっと抜けた。
「だ、大丈夫!
僕はこれでも、ダンスの教養はふ、深いんだ。
きききききっと、上手に君をリリ、リードしてみせるさ!
心配しないで、さぁ!
さぁ!」
タバサの片手を掴んだまま、鼻息荒く詰めかけるマリコルヌ。
ぶっちゃけもう犯罪者だ。
「や、やめて…触らないで……あ、頭が………」
飢えた狼の視線を向けられて、たじろいでいるかに見えた。
か弱い抵抗をするタバサだったが、
ふと、彼女の体の力がすうっと抜けた。
それをオーケーのサインと見たマリコルヌが、
タバサを体ごと引き寄せようとした瞬間……
タバサを体ごと引き寄せようとした瞬間……
「心配するのはてめえの方だぜ……
このアホがァアア!!」
突如として口調が変わったタバサ。
しかし、マリコルヌには疑問の声をあげることなど出来なかった。
グワシィ! とノドを掴まれ、宙ぶらりんにされたからだ。
ちなみにこのマリコルヌ、男子の中でもとりわけ身長の高い男ではないが、
明らかにタバサよりも大きい。
大きいはずだ。
このアホがァアア!!」
突如として口調が変わったタバサ。
しかし、マリコルヌには疑問の声をあげることなど出来なかった。
グワシィ! とノドを掴まれ、宙ぶらりんにされたからだ。
ちなみにこのマリコルヌ、男子の中でもとりわけ身長の高い男ではないが、
明らかにタバサよりも大きい。
大きいはずだ。
「な……何だ……あんた!?
その体は……!?
ね、年齢がぁあ……!!」
気がつけば、タバサはいつのまにか175サントほどまでに大きくなっていた。
キュルケよりも大きい。
肩口で切りそろえられた髪はそのままに、
スラリと伸びた細い足。引き締まったウェスト。
朱を引いたような唇。
猛禽類のような冷たく、鋭い目。
ドレスのサイズが合わなくなったせいで、
限りなくギリギリなミニスカートになってしまっている。
バストはもうはちきれんばかり。
何とも扇情的だ。
とりわけ変化が顕著だったのは、胸だった。
一言で言うと、
で か い。
その体は……!?
ね、年齢がぁあ……!!」
気がつけば、タバサはいつのまにか175サントほどまでに大きくなっていた。
キュルケよりも大きい。
肩口で切りそろえられた髪はそのままに、
スラリと伸びた細い足。引き締まったウェスト。
朱を引いたような唇。
猛禽類のような冷たく、鋭い目。
ドレスのサイズが合わなくなったせいで、
限りなくギリギリなミニスカートになってしまっている。
バストはもうはちきれんばかり。
何とも扇情的だ。
とりわけ変化が顕著だったのは、胸だった。
一言で言うと、
で か い。
ついさっきまで平原のようだったソレが、
メロンさながらたわわに実り、重力に反旗を翻す様は、
まさに胸革命(バスト・レヴォルーション)。
旧体制(アンシャン・レジーム)はひっくり返ったのだ。
ボンッ! キュッ! ボンッ! な大人タバサに罵られ、
お姉さまスタイルもいいなぁ、なんて不覚にも思ってしまったマリコルヌ。
彼は隠れMだった。
メロンさながらたわわに実り、重力に反旗を翻す様は、
まさに胸革命(バスト・レヴォルーション)。
旧体制(アンシャン・レジーム)はひっくり返ったのだ。
ボンッ! キュッ! ボンッ! な大人タバサに罵られ、
お姉さまスタイルもいいなぁ、なんて不覚にも思ってしまったマリコルヌ。
彼は隠れMだった。
驚異的な腕力でマリコルヌにネックハンキングツリーをかましながら、
ありったけの憤りを詰め込んでタバサが言った。
ありったけの憤りを詰め込んでタバサが言った。
「いつも寄ってくる……
こんなアホが……」
こんなアホが……」
"タ、タバサ様が!
おおお…タバサ様がぁああ!!
タバサ様が戦闘態勢に入られたぞぉおお!!!"
などと、遠くから悲鳴交じりの歓声が聞こえてくる。
おおお…タバサ様がぁああ!!
タバサ様が戦闘態勢に入られたぞぉおお!!!"
などと、遠くから悲鳴交じりの歓声が聞こえてくる。
「この世はアホだらけなのかァアア!!」
そして、タバサの怒りの鉄槌が、マリコルヌ目掛けて無慈悲に振り下ろされた。
そして、タバサの怒りの鉄槌が、マリコルヌ目掛けて無慈悲に振り下ろされた。
『タバサ・クリムゾン』!!!
"ドグシャア!"、と壮大な音を響かせて、哀れマリコルヌはテーブルごと叩き潰されてしまった。奇妙なことに、その口には何やら野菜のような物がつっこまれている。
地獄のトロルも泣いて謝るはしばみ草だ。
悲鳴を上げる暇もない、一瞬の出来事だった。
"ドグシャア!"、と壮大な音を響かせて、哀れマリコルヌはテーブルごと叩き潰されてしまった。奇妙なことに、その口には何やら野菜のような物がつっこまれている。
地獄のトロルも泣いて謝るはしばみ草だ。
悲鳴を上げる暇もない、一瞬の出来事だった。
地面に倒れるマリコルヌタのとなりに、
タバサが静かに佇む。
タバサが静かに佇む。
「これが………『タバサ・クリムゾン』だ。
私が時を数秒吹き飛ばした。
その間起こった出来事は全て無かったことになり、
後には『お前がはしばみ草を食った』という事実だけが残る……!」
マリコルヌは口から泡を吐き始めている。
やがて、タバサの体がガクガクと痙攣を始めた。
痙攣が収まった後には、元の身長に戻ったタバサの姿があった。
タバサは床に倒れ伏すマリコルヌには一瞥もくれず、
食事を再開した。
私が時を数秒吹き飛ばした。
その間起こった出来事は全て無かったことになり、
後には『お前がはしばみ草を食った』という事実だけが残る……!」
マリコルヌは口から泡を吐き始めている。
やがて、タバサの体がガクガクと痙攣を始めた。
痙攣が収まった後には、元の身長に戻ったタバサの姿があった。
タバサは床に倒れ伏すマリコルヌには一瞥もくれず、
食事を再開した。
To Be Conti…「おいキュルケ」
「はい」
いきなり呼び捨てなタバサに、キュルケは直立不動で即座に答えた。
いきなり呼び捨てなタバサに、キュルケは直立不動で即座に答えた。
「昼間、廃屋に向かっていたとき……ルイズの奴が、
『根掘り葉掘り聞き出すのは良くない』とか言ってたよな?
そうだろ?」
………………タバサはこの後、再び爆発することとなった。
キュルケは心の中で悲鳴を上げた。
『根掘り葉掘り聞き出すのは良くない』とか言ってたよな?
そうだろ?」
………………タバサはこの後、再び爆発することとなった。
キュルケは心の中で悲鳴を上げた。