ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第一訓 ちらっと目に入った物の方が印象に残る

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「ちょっとメローネ、あんた芸できる?」
「はぁ!?オレはショタ趣味はあってもウホッ!な趣味はない!」
「何いってんのよ。曲芸できるかって聞いてんの。」
ルイズの話はこうである。
召喚した使い魔をお披露目するための品評会というのが5日後あるらしい。
本当はもっと早くにあるはずなのだが、いろいろ立て込んだので延期になっていたらしい。
「へー。・・・なんで今更言うかな。」
「うるさいわね!こっちは筋肉痛で大変だったのよ!!」
舞踏会の後、ルイズは原因不明の激しい筋肉痛に襲われたのだった。メローネは二日酔いに襲われていた。
「まぁいい。オレは第三十二回パッショーネ隠し芸大会において、ポルポの腹踊りやリゾットの一人とかちつくちてを
 おさえて見事優勝をかざったメローネ様だぞ。戦艦長門に乗ったつもりで構えていろ。」
「・・・そんなに自信があるなら良いわ・・・。」

ゼロの変態マキシマム
第一訓 ちらっと目に入った物の方が印象に残る

メローネ達は教室に来ていた。
ルイズが席に着くのを確認すると、メローネは近くにいたフレイムに話しかけた。
「なぁ、フレイム。お前は品評会で何をするつもりなんだ?」
「きゅるきゅる(あ、ダンナ。自分は炎がブァーッとなってゴォーってなってドブァーってなるのをやるっす。)」
「そ・・・そうか。」
メローネは内心ヤバイと思った。ここは魔法世界なのだ。火をふいたりイオナズンしたりは当たり前なのだ。
自分の一発ギャグだけで何とかなるのかと思ったが、「競うなッッ!!持ち味を生かせッッッ!」と言う台詞を思い出し
ま、なんとかなるかと考えなおした。
そして、教師が入ってきて授業が始まった。

その教師は『疾風』のギトーと名乗った。メローネから見た第一印象は劣化スネイプである。
「さて諸君、最強の系統と言えばなにかね?・・・ミスタ・グランプレ。」
「え・・・」
マリコルヌはいつの間にか前に出ていたメローネの『次でボケて』のサインを見て、一瞬考えた後こう言った。
「・・・白スク?」
「伝説の話をしている訳じゃあない。現実的な答えを聞いているんだ。」
「・・・じゃあ普通のスク水です。どんな体型の者がが着ようとも全てを萌やし尽くせるのはスク水だけじゃあありませんか?」
「残念ながらそうではない。私は眼鏡だとおも・・・て何を言わせるんだ!」
ギトーはメローネにノリツッコミをかました後、同じ質問をキュルケにした。
「火に決まってますわ。全てを燃やし尽くせるのは炎と情熱、そうじゃあありませんこと?ミスタ・ギトー。」
「残念ながらそうではない。試しに君の得意な魔法を私に撃ってみたまえ。」
杖を構えながら、ギトーは煽るように言った。

『雷』と『山』どっちが強いかな?『地』は『雷』が好きなんだっけ?
『火』と『水』は微妙だな。『月』もないな。結局『天』だろうな。
とりあえず『風』はないな。強いかどうかでは『風』だけはない。
そんなことをメローネが考えていると凄い物音がした。
キュルケが火の玉をギトーに放ったようだが風により無効化されキュルケも吹っ飛ばされたというところだろうか。
前にいて良かったとメローネは思った。
「諸君、風が最強たる所以を教えよう。簡単だ。風は全てを薙ぎ払う。
 竜巻を避けられると思うかね?後ろに回って『火』や『土』の魔法を撃ち続けてもいずれは風に飛ばされるだろう。
 いくら『虚無』でもおそらく竜巻相手じゃあ意味があるまい。『水』の回復魔法なんて(以下略)」
そしてギトーは『風』の最強たるもう一つの理由を見せるといった。
「・・・ユビキタス・デル・ウィンデ」
ギトーが詠唱していると、急にドアが開きコルベールが現れた。
しかしそれはコルベールというにはあまりにも髪が多く、服が豪華で――滑稽だった。
それはまさに間抜けだった。

「・・・ミスタ・コルベール。授業中ですぞ。」
「うおっほん!今日の授業は全て中止であります。」
「なんでだよ。このオッサンのいうこと、長文コピペみたいで面白いぜ?」
ギトーのトラースキックの連打を避けながら尋ねるメローネ。答えるようにコルベールが言う。
「えー、皆様にお知らせがあります。」
コルベールがのけぞった拍子にヅラが落ちる。たちまち微妙な空気になる教室。
ここでタバサが一言。
「滑りやすい。」
教室中が爆笑の渦に包まれる。
「黙りなさい!ええい!黙りなさいこわっぱ共が!」
「もっとヒップホップっぽくお願いします。クックックww」
「Hey!シャーラップ、ファッキンチルドレン!」
「ひゃっひゃっひゃ!ただの英語じゃあねぇかwww」
ここいらでコルベールの堪忍袋が爆発した。

「皆さんが静かになるまで5分かかりました。・・・何か言うことは?」
「「「いや、ホント調子に乗りすぎました。すいません。」」」
教室にいる全員が正座していた。
「まったく、アンリエッタ姫殿下がいらっしゃるというのにこんな体たらくでは・・・」
「ちょっと待ってください。姫殿下がいらっしゃる?」
どうやらこの国の姫が隣国ゲルマニアからの帰りにここに来るらしい。
よって全生徒で歓迎しなければならないのである。メローネには何も関係のない話であったが。
「諸君が立派な貴族に成長したことを姫殿下にお見せする絶好の機会ですぞ!
 御覚えがよろしくなるように各々しっかりと杖を磨いておきなさい!!」

「アンリエッタ王女殿下のおなぁぁぁぁぁりぃぃぃぃぃ!!」ポンポンポンポンポン、ポン
重々しい音を立てて正門が開き、王女の乗った馬車の一行が到着した。
整列した生徒達はいっせいに杖を掲げる。オールハイルトリステイン!といった感じである。
馬車の窓からアンリエッタが顔を出し手を振る。
(あの顔・・・典型的なお姫様タイプだな。脳味噌の代わりにお花畑があるタイプだ。
 顔は良いが・・・興味ないな。)
そう言って部屋に戻ろうとするメローネ。
「君が、メローネかい?」
メローネの足は、その一言で止まった。

その声の主は女だった。
褐色の肌に金髪のセミロング。着ている服はどう見てもこの世界の物ではない。
メローネは警戒した。見知らぬ女に声をかけられたからではない。いや、それもあるけど。
その女に異様な雰囲気が漂っていたからである。
メローネの体中から脂汗が噴出する。ゴクリ。この女、かつて無いほどヤバイ。
「あ、警戒しないで。私は『貴方と同じ』。ただの使い魔だから。」
そう言いながらヘソの近くにあるルーンを見せる女。感想なんて無い。脂汗しか出ない。
何が同じだ。修羅場を何度かくぐり抜けたことのあるメローネだったが、こんな規格外は見たことがない。
パソコンを置いてきたのでデルフリンガーを抜こうとする。ない。そういえばどっかに逝ったような気がする。オレ死んだな。
八方ふさがりになったメローネは、こう言うのが精一杯だった。
「・・・お前・・・人間か?(ヤバイヤバイ、マジヤバイ)」

「違うよ。」
その女はやけにあっさり答えた。
「簡単に言うと私は私たちの端末。・・・理解できそうにないから見せてあげる。」
そういうと女の口から大量の虫が出てきた。かなりグロい。
「この虫一つ一つが私の感覚のネットワーク。・・・安心して。私は傍観するだけだから。
 君にこれを渡しに来ただけ。だから引くなって。」
そう言って女はメローネに剣を渡した。それはまさにデルフリンガーである。
「あいぼぉぉぉぉぉ!!テメェオレのこと今の今まで忘れてたってひどくね?」
「デ・・・デルフ・・・。一体どうしてここに?」
「君とロボがドンパチやってるのを見物してたらこれを忘れたまま帰って行ったからね。
 掘り出して君の名前を聞き出して持ってきたというわけ。」
「見物・・・?その虫を使ってか?」
「やろうと思えば女湯ののぞきから重要な極秘会議の盗聴まで。マスターは知らないけどね。」
「・・・知らせない方が良い。厄介ごとになるぞ。えーーっと・・・」
「じゃあ、確かに渡したからね。」
そう言って女は去っていった。
(名前聞きそびれた・・・。というか誰があんなバケモノ召喚したんだよ・・・)
そんなことを考えることしかメローネにはできなかった。

一方こちらは馬車の中。
「はぁ・・・。」
顔を引っ込めたアンリエッタがため息をついていた。
「姫様、これで十四回目ですぞ。王女ともあろうお方が国民の前でため息など・・・。」
そう言って注意するのはマザリーニ枢機卿。国民からの人気は最悪であるが国政は彼がいないと成り立たないとまで言われている。
気苦労が多いのか、その姿は年齢以上に老け込んで見える。国民に『鳥の骨』と揶揄されるのも不思議ではない。
「でも・・・幻覚が見えるほど疲れているんですもの・・・。」
「といいますと・・・」
「さっき変な白いペンギンオバケみたいなのがちらっと目に入ったんですもの。はぁ・・・」
「そんなもの、只の使い魔でしょう。」
そういって外を見るマザリーニ。
「・・・。姫様。私も疲れているのでしょうか。変なアフロの骸骨が見えました・・・。」
「何言ってるの。やっぱり気のせいよ。そんな変な生き物・・・。今度は変なクマーが見えたわ・・・。」
「誰か!誰かおらんか?」
その声を聞いて、立派な髭のオッサンがあらわれた。

「どうかしましたか?姫様の気分が優れないのですか?」
「いや・・・後ろを見てくれ。」
「・・・?さっきの銅像の男がいましたね。」
「東方の服を着たジュウシマツは?」「いましたね。」
「烏の頭をしたマッチョな鳥人間は?」「あれ頭なんですか?仮面みたいな物だと思いましたが・・・。」
「魚の頭のマッチョマンは?」「人みたいなトドもいましたね。」
「姫様!どうやら幻覚ではなくて使い魔だったようですぞ。」
その言葉にアンリエッタは胸をなで下ろす。
「あなた、名前は?」
「グリフォン隊隊長、ワルドでございます。」
「そう・・・。ワルド、貴方のおかげで不安が無くなりました。礼を言います。」
しかし、幻覚でないことがわかって、アンリエッタには新たな気持ちが芽生えていた。

―――学院長室
「これはこれは姫殿下。ようこそいらっしゃいました。」
「こちらこそ急にお邪魔してしまい・・・」
「何をおっしゃりますか!姫殿下をお目にかかれて皆光栄に思っておりますわい。」
「そういえば、オールド・オスマン・・・」
挨拶を終え、アンリエッタが尋ねる。
「今年の使い魔は・・・」
「おお、さすが姫殿下、お目が高い!今年の二年生は妙な使い魔を召喚する者が多くて!
 ・・・そうです!姫殿下。品評会を見ていかれませんか?多少日程を早めましょう。」
「本当ですか!お心遣い感謝します。」
好奇心がツンツン刺激されていたアンリエッタは心の中でガッツポーズをした。

アンリエッタ達が退室した後。
「なぁ・・・小結君。」
「コルベールです。」
「ホント今年は変な使い魔多いよね。というか亜人系おおすぎね?」
「ホントですね・・・。やはり彼の影響なんでしょうか・・・。」
「それは違うんじゃない?」
「「!!?」」
突然の声に驚く二人。そこには猫耳の軍服を着た子供が!
「何者ッ!まさか姫殿下を狙う刺客!?」
「そんなんじゃないよ。あんた達の言う、ただの変な使い魔だよ。」
「どうやって入った!!」
「愚問だよ。僕はどこにでもいるし、どこにもいない。」
「そうか・・・。で、こんな所になんのようじゃ?」
「特に用はないんだけどね。僕達みたいなのが召喚された理由さぁ、その変態の所為じゃあないと思うんだけど。」
「というと・・・?」
「彼が召喚されたのは一番最後。僕達が召喚されたことに関係無いと思うんだけど。」
「そ・・・そう言われるとそうですね・・・」
「つまり原因のイレギュラーは・・・寧ろ彼女さ。」
「「・・・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール!!」」


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