ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マジシャンズ・ゼロ-19

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ある意味で息絶えたアヴドゥルは沈んだ意識の中、よく知っている人達と全く知らない人達の会話を聞いていた。
「なっ!何をするだァーーーーーッ!ハレンチなッ!」」
「OH MY GOD!アヴドゥルよ死んでしまうとは情けない」
「やれやれだぜ…」
「ちょっ!学生はまずいっスよ~」
「おっぱい星人が巨乳から逃げるなんて無駄なんだ……無駄だから無理なんだ無駄無駄……」
「彼は大丈夫なのか?このままでは……」
「いや。アヴドゥルは極めて真面目な…いわゆる堅物なはずなんじゃが」
「どこがだ。あの調子じゃ今にも落ちるぜ」
「プッツンしかけてますぜ~あの顔。まじに社会人すか?あの人」
「まあ、彼がココを耐えたところで無駄ですがねどっちみち……所詮おっぱい星人のブ男です」
ボロクソの散々に言われ、無性に泣きたくなってくるアヴドゥル。あの一族には味方がいないようだ。
まだまだ続くアヴドゥル批判を、こんな格好→orzで聞いていたアヴドゥルに伝説の紳士が止めを刺す。
「なにアヴドゥル?キュルケの誘惑に負けて過ちを犯しそうだ?アヴドゥル。それは前の世界の法律に囚われているからだよ。
 逆に考えるんだ「異世界だから前の世界の法律なんて関係ないさ」と考えるんだ 」
妙に説得力のある声を最後にアヴドゥルの意識は現実に戻る。

「……はッ!?」
会心の一撃によりGame overになったはずのアヴドゥルが目を覚ます。どうやら片手でがっしり掴んでいる『何か』から残機を貰ったようだ。
ダメージも回復しなんとか戦える状態に戻る。
(おしいッ!どうやら耐え切ったようね。でも…まだ私のターンよ!)
勘で仕留め損なったことに気付いたキュルケは攻撃の手を休めない。アヴドゥルの視線が外れた隙に俯き乙女の必殺アイテムを使う。
―キュルケは目薬を使った
 目薬によりキュルケの目が潤んだ
 キュルケはウルウル上目遣いを使ってきた
 アヴドゥルに24のダメージ
 アヴドゥルは『萌え』状態になった
 『萌え』の効果でアヴドゥルは追加で3のダメージを受けた
(フフ……目薬+の上目遣いの味はいかが?かなりの萌えでしょ…フッ)

『萌え』になってしまいまたもや不利な状況に追い込まれたアヴドゥル。多少冷静になった頭もまたパニクリ出す。
(どうする?このままでは非情にまずい…まずいぞ!)
すると焦るアヴドゥルの頭に謎の電波が飛来した。
――さてここで問題だ!この完全に手玉に取られている状況でどうやってキュルケをかわす?
  3択-ひとつだけ選びなさい  
  答え①ブ男のアヴドゥルは突如反撃のアイデアがひらめく
  答え②ルイズがきて助けてくれる
  答え③かわせない。現実はピンク展開である。

電波を受け平静を取り戻したのかようやく頭が回り始めるアヴドゥル。
(わたしが○をつけたいのは答え②だが期待はできない…。いつもならもう就寝中なのに、あと数秒の間に都合よくあらわれて
ツンデレヒロインらしくドカーンッと登場して「この犬!何勝手に発情してんのよ!」と間一髪助け?てくれるわけにはいかないだろう)
ルイズについてだいぶ詳しくなったアヴドゥルは答え②をあっさり捨てる。

ちなみに当のルイズはというと……
「くー…むにゃみゅにゃ」
心地よい寝息を立てながら布団を捲り上げ寝返りを打つルイズ。布団から覗く太ももが実に眩しく健康的だ。
キュルケとは全く異種の色気を無駄に振りまきながら眠るルイズ。寝顔は良い夢を見ているのか微笑ましいくらいに幸せそうである。
「んみゅ~……ちいねえしゃま~」
以上ルイズの部屋からの中継でした。

(やはり答えは…………①しかないようだ!)
なんとか立ち直り、『まだ』胸を掴んでいた右手を離す。感触が名残惜しいのか右手は空中でにぎにぎしている。
大きく深呼吸し呼吸を整え、アヴドゥルが挽回に出る。
「君の言いたいことhズキューーーーン!
―アヴドゥルは大人の貫禄を使った
 しかし 罠カード『微熱』発動
 キュルケはアヴドゥルを黙らせキスをした
 アヴドゥルに53のダメージ
 キュルケはさらに舌を絡めてきた
 アヴドゥルの急所に当たった
 アヴドゥルに75のダメージ
 アヴドゥルはまた瀕死になった
絡められる舌をぼんやりと感じながらアヴドゥルは新たな電波を受信する。
―答え…③
 答え③
 答え③
 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・
そして夜が明けた!
「おはようございます。昨晩はずいぶんお楽しみのようでしたね」


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