ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

精霊! ほんとのきもち その①

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精霊! ほんとのきもち その①

到着したラドクリアン湖はやけに水位が上がっていた。
かつて精霊との交渉役を務めていたモンモランシ家の娘であるモンモランシーは、使い魔のカエル、ロビンに自分の血を一滴垂らして水の精霊を呼びに行かせた。
するとモンモランシ家の血を覚えていてくれたらしく、水の精霊が現れる。
不定形の姿のそれはウニョウニョと動いて不気味だった。
「私はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。
 水の使い手で、旧き盟約の一員の家系よ。カエルにつけた血に覚えはおありかしら?
 覚えていたら、私達に解るやり方と言葉で返事をしてちょうだい」
すると水の精霊はいろいろな形に変えた後、全裸の美女の姿になった。
さっそく身体の一部(通称、水の精霊の涙)を分けてもらうよう頼むと、精霊はニッコリ笑って「断る。単なる者よ」と言い放った。
そして水の中に帰ろうとしたため、ルイズは慌てて呼び止める。
何でもするからどうか、と食い下がると、水の精霊は条件を出した。
自分に仇なす襲撃者、人間を退治しろとの事。
争い事を嫌がったモンモランシーだが、ルイズはその条件を飲んだ。

「という訳でジョータロー、ギーシュ、よろしく」
しかし結局戦うのは男二人らしい。
ギーシュとモンモランシーの見ている前で虚無の魔法を使う訳にはいかないし、モンモランシーは戦いは苦手で足手まといにしかならないので仕方ない。
ちなみに花びらを油に錬金して燃やす戦法は、水の精霊を怒らせるかもしれないという事で禁止された。
「ならば新しく開発したゲッター・ワルキューレの出番かな。
 ワルキューレ3に変身すれば水の中でも通常のワルキューレより一割は強い」
一割かよ、と三人とも呆れる。
それより普通にワルキューレを七体出して承太郎のフォローをしろとルイズは命令。


戦闘準備を整えて一時間ほどすると、水の精霊が言っていた襲撃者が現れた。
漆黒のローブで姿を隠した二人組は、水辺に立つと呪文を唱え出す。
間違いないと踏んで、承太郎は木陰から二人に忍び寄る。
そしてギーシュも花びらを舞わせて七体のワルキューレを出現させた。
承太郎とワルキューレの挟み撃ちだ。
即座に二人の襲撃者は、囲まれた時にもっとも有効な対処法を取った。
すなわち一点突破。
その場にとどまり四方八方からの敵を迎え撃つより、包囲網が狭まる前に一箇所の敵を倒してそこから逃れる方が簡単なのだ。
そして二人が一点突破に選んだのは一人で向かってくる承太郎ではなく、七体が列を成して迫るワルキューレの方だった。
一人で襲ってくる得体の知れない強そうな相手より、数をそろえねばならない七体のゴーレムの方が御しやすいと考えたらしい。
二人はワルキューレに迫りながら素早く詠唱、炎の魔法が一体のワルキューレを吹き飛ばした。
続いて放たれた魔法の竜巻他のワルキューレを薙ぎ払う。
「そ、そんな! フーケを倒したこの僕のワルキューレが!!」
ワルキューレの指揮を取っていたギーシュが木陰から姿を出してうろたえる。
フーケを倒した晩にキュルケと決闘して負けた時点で気づくべきだったが、所詮ギーシュはドットメイジであり魔法の威力はお話にならず、発想力も乏しいので花びら錬金油戦法を禁止されたらろくな作戦を考えられず、 さらに第一部ラストバトル補正がついてない彼が格上の敵に勝つのは至難であった。
モンモランシーはギーシュがフーケを倒したという話を『デマ』だと確信した。
ちなみにフーケを倒した現場を見てないルイズも、ギーシュが一人でフーケを倒したという話に半信半疑になってしまった。
証人はタルブの村の皆さんです。残念ながら学院にはシエスタしかいません。
さらに今ここには証人誰一人としていません。ギーシュピンチ。

二人の謎のメイジの魔法がギーシュを襲おうとした瞬間、承太郎がスタープラチナを出現させた。
「スタープラチナ・ザ・ワールド」
世界が反転するような錯覚の後、止まった時間を認識しているのはルイズと承太郎だけだ。
承太郎は一気に敵メイジとの距離を詰め、即座に手に持っていた杖を奪い取る。
距離があったため、それだけでもう時間切れになってしまい時間が動き始めた。
突然杖を失った襲撃者二人は困惑し、ギーシュとモンモランシーは承太郎の瞬間移動に唖然とする。
「よし! そいつ等を捕まえて、湖を襲ってた理由を吐かせなさい!」
勝利を確信してルイズは木陰から飛び出した。
「え、ルイズ?」
間の抜けた声を出した襲撃者のフードを後ろから掴んだ承太郎は、引っ張り倒すようにしてフードを脱がせる。
すると見覚えのあるシルエットが現れた。
「さて。キュルケにタバサ、命が惜しかったらなぜ精霊を襲っていたのか話しな。
 さもねーといくらお前達でも容赦しねー」
「え、キュルケにタバサ?」
ルイズ達は慌てて襲撃者に駆け寄り顔を確認する。
それは確かにキュルケとタバサだった。

なぜ水の精霊を襲っているのか、なぜ水の精霊を守っているのか、お互いが疑問をぶつけ合い、事情を説明し合う事になった。
ルイズがこれまでの経緯をあらいざらい話すと、キュルケは呆れ返ってしまった。
「惚れ薬ねぇ。自分の魅力に自信の無い女って最低」
「し、仕方ないじゃない! ギーシュったら浮気する事しか頭にないんだから!」
「い、いやそういう訳では……しかし元をたどれば僕のせいなのか? うーむ」

はい今宵もやって参りました『一番悪いのは誰ですか?』ターイムッ!
回答者の皆様は答えをフリップに書いてお出しください。
では一番悪いのは誰ですか!?

ルイズ『ギーシュとモンモランシーの両方』
キュルケ『魅力に自信を持てないモンモランシー』
タバサ『コッパゲ』
ギーシュ『タバサの×』(何かを書いて消した後がある)
モンモランシー『浮気者のギーシュ』
承太郎『魅力的すぎるルイズ』

「……見事に意見が分かれたわね。というかタバサとギーシュの答えは何よ?」
キュルケに視線を向けられた二人は、お互いの顔を見る。
「いや……ジョータローが飲み物を欲しがった元々の理由は君にあるだろう」
「コッパゲが飲ませたのが悪い」
タバサ特製はしばみ茶の件を知らないルイズとキュルケとモンモランシーは、二人の会話の意味を理解できなかった。
キュルケは承太郎とはしばみ草のファーストコンタクトの一件を知っているものの、その後タバサがはしばみ茶なんて物を作っているとは全然知らないのだ。
知っているのは被害者である承太郎、ギーシュ、コルベール、シルフィードと、加害者のタバサのみなのである。


「まあギーシュとモンモランシーに二票ずつって事でとりあえず決着ね。
 それじゃ今度は私達の事情を説明するわ」
無口なタバサに代わりキュルケが理由を話す。
水の精霊が水かさを増やしたせいで領地が被害に遭い、原因である水の精霊を退治するようタバサの実家に依頼が来たとの事だ。
そうなるとキュルケ達も手ぶらで帰る訳にもいかない。
そこで承太郎がアイディアを出した。
「ならもう一度水の精霊と交渉してみよう。
 水を増やす理由を教えてもらって、そっちを解決すりゃあ問題ねー。
 水浸しになった領地が何とかなれば、水の精霊を退治する必要も無くなるだろ」
「さすがダーリン、惚れ直しちゃう」
「だが交渉に失敗した場合、この二人をどうにかして……精霊から涙をもらうとするか。
 そうしねーとルイズに俺の気持ちを解らせる事ができねーからな。
 それとキュルケ、次にルイズの前で俺をダーリンなんぞと呼びやがったら、スタープラチナをおめーに叩き込む。いいな?」
「……モンモランシー。万が一の時はあなたも道連れにするわよ」
キュルケに杖を向けられて、モンモランシーは蒼白な顔をうなずかせた。

そして翌朝、再び水の精霊を呼び出し水を増やすのをやめるよう頼んでみる。
とりあえず襲撃者を止めたという事で、水の精霊は理由を話し任せるべきかを思案した。
だがルイズ達が約束を守ったのだから、自分も約束を守り、また信用して話すべきだろうと言うと、水の精霊の涙を分けてくれた。
慌ててギーシュが持っていたビンで水の精霊の涙を受け取る。
すると水の精霊は水を増やす理由を語り出した。

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