ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第十五話 『澱んだ風と立ち向かう土くれ ~決路~』

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第十五話 『澱んだ風と立ち向かう土くれ ~決路~』

裏口に「桟橋組」が向かうのを確かめると、キュルケはギーシュに命令した。
「さあて、開幕前の仕込みといきますか。ギーシュ、厨房の揚げ物鍋に油が入っていたわよね?あれを取ってきてちょうだいな」
「お安い御用だ」
ギーシュがテーブルの裏で造花を振り、ワルキューレを呼び出す。ワルキューレは厨房目指して走り出した。矢が飛んできたがなんとか耐えきって厨房にたどり着き、油の鍋を掴んだ。
「それを入口めがけて放ってちょうだい」
キュルケは手鏡とにらめっこをしながら呟いた。
「やれやれ、君はこんな時にまで化粧かい?」
ギーシュは呆れながらもワルキューレに指示を出して鍋を放り投げた。
「言ったでしょう?幕開けだと。炎の歌劇第一幕、主演はもちろんあたし。助演はタバサとギーシュ。バックコーラスは――」
油を辺りに撒き散らしながら飛ぶ鍋に向けて杖を振るう。
「あなた方の悲鳴よッ!」
キュルケの火の魔法が油に引火して、『女神の杵』の入口を炎の海に変えた。さらにタバサの風が炎を運び、外にいた傭兵たちも慌て始める。何人かはすでに火が燃え移り地獄のような悲鳴を上げて地べたを転がっいた。
「おーほっほっほ!あなた方があたしたちを狙う理由は知らないけれど、幕が上がったからには最後まで付き合ってもらいますわよ?さあ、道化のごとくステップを刻みなさいッ!」
炎を見たせいかテンションが上がってきたキュルケ。それを見ていたギーシュの袖をタバサが引いた。
「出番」
「委細承知さ!」
これだけお膳立てしてもらったのだからギーシュも自分が何を求められているのかくらいはわかった。造花を振り花びらが宙を舞う。そこにタバサの風の魔法が合わさり、花吹雪となって外の傭兵たちに向かう。
「今だ!」
ギーシュが花びらに『錬金』を唱えて油に変化させた。その油も炎に燃え盛り傭兵たちはもはや軍勢の体裁を保てないでいた。
「よしッ!これでやつらは烏合の衆だ」
ギーシュがガッツポーズを取る横で、燃え盛る炎わものともせずにキュルケが騒いでいた。
「おーほっほっほ!おーほっほっほ!もっと燃えなさい!もっと踊りなさい!おーほっほっほ!」


油によって赤々と燃える炎に撒かれて傭兵たちが散り散りになって逃げ出す。その様子をフーケと仮面の男はゴーレムの肩から見下ろしていた。
「ふん、こんなものか。所詮は傭兵、期待はしていなかったがな」
仮面の言葉にフーケは答えずにただ光のない目で『女神の杵』を見ていた。
「もっとも計画に狂いはない。さあフーケよ、君が奴らを始末すれば終わりだ。一仕事頼もうか」
相変わらず虚ろな目で店を見つめているフーケに白仮面が言う。しかし彼女の目に今の景色は映らない。彼女は今、果ても見えぬほど広い暗闇に立っていた。
炎のせいか薬のせいか、彼女の目の前には貴族然とした、男性と女性が立っているのが見えた。恐らくは・・・いや、確実に夫婦だ。なぜなら彼らは――
(何で今さらあなたたちが出てくるのよ・・・)
夫婦は答えない。ただフーケを見つめたまま揺らいでいるだけだ。
(私はもう貴族じゃないんだ・・・もう私はマチルダ・オブ・サウスゴータじゃない・・・)
すると夫婦は微笑んでフーケを手招きするのだ。どこまでも優しそうな笑みで。
(私もそっちに来いって?そうだね、悪くはないかもね・・・正直、疲れちゃったよ・・・)
フーケが誘われるままに足を踏み出そうとした時、遠くから声がした。遥か遠くからだったが、確かに聞こえた。
[俺はお前の『覚悟』を信じている]
同時に後ろから肩を捕まれた。足が止まる。驚いて振り返ると今度はとんでもない美少女がいた。だけではなく他にも少年少女たちがいる。
(あんたたち・・・そうだったね、私はもう決めたんだ。『覚悟』はとうにできている!)
その瞬間、一面暗闇だった視界に光がさした。一筋の光が足下へ伸びて道のように見える。
(もう迷わない。これが私の進むべき『輝ける道』!)
フーケは力強く踏み出した。


夢を見ているかのように虚空を見つめたフーケに幾度命令を下しても。
仮面の下の表情が歪んだ。
「フーケ、聞こえないのか?奴らを蹴散らせ」
肩を強く捕まれたフーケが急に頭を抱えて苦しそうに唸りだした。まるで頭に住み着いた寄生虫を振り払うかのように体を震わせる。
「おいフーケ?」
「・・・だが断る」
明確な拒絶の意思を込めた言葉だった。
「フーケ、私のフーケよ。君は今の自分の立場を理解できていないのかな?君の命は私が握っているのだよ?」
仮面の男は子供に言い聞かせるようにゆっくりと言葉を紡いだ。一見落ち着いて見えるが明らかに反抗したフーケに対する怒りが見える。
「これは最終警告だ、フーケ。奴らを踏み潰せ」
「同じことを・・・二度も言わせるんじゃあないよ。盗賊は無駄なことを嫌うし・・・やらないもんさ」
フーケはなおも仮面の男に言い返す。
「薬が切れたか?それとも『教育』が足らなかったかな?フーケ、悪い子にはお仕置きをしなきゃいけないぞ」
その言葉にフーケが一瞬震えたが、口を閉じはしない。
「わたしはフーケ・・・『土くれ』のフーケ・・・」
「そうだ、私のフーケよ。お前は私の命に忠実に従えば、新たな『世界』で自由も金も与えてやる」
その言葉にフーケの震えがピタリと止まる。
「私は・・・盗賊『土くれ』のフーケ・・・金も自由も貴族から恵んでもらうもんじゃない・・・『土くれ』のフーケ様はねぇ・・・」
フーケは素早く杖を抜くと仮面の男に向けて吼えた。その眼には確固たる『覚悟』の光が宿っている。
「奪うんだよッ!」
仮面の男がフーケの杖に気を取られるがこれはフェイク。狙いは仮面の男の背後に上がったゴーレムの拳。
「なにッ!」
仮面の男が気付いた頃にはすでに拳は目の前だった。
轟音が響く。


キュルケたちは傭兵を追い払いはしたものの、まだフーケのゴーレムが控えているために気を抜けずにいた。
「マズイな、残りの精神力がほとんどないぞ」
「あたしだって正直とっくにエンプティーよ。タバサは?」
「余裕はない」
全員消耗は激しく、大技なら一発が限度だろう。
三人はバリケードから顔を出して外を窺う。炎がいまだにパチパチと燃えていた。
「・・・来ないわね」
「ならこちらから攻めるかい?」
「それはダメ。退却が最良」
「目的はあくまで『ルイズたちの時間稼ぎ』だものね。充分でしょ」
「しかし・・・」
渋るギーシュを無視してタバサがシルフィードを呼ぼうとしたとき、外の方から轟音が響いてきた。

フーケはゴーレムが拳を振り下ろした所を睨み付ける。
「・・・チッ、そう簡単にはいかないか」
首を真上に向けると無傷の白仮面が浮いていた。
「貴様・・・あれだけの目に会わせたと言うのに、脳ミソまで土くれでできているとは思わなかったぞ」
怒鳴りこそしないものの、その言葉の一つ一つから怒りを読み取るのは容易だった。
「おあいにく様。薬の力か知らないけどね、貴族なんぞに良いように扱われる気はさらっさら無いんだよ!
 ま、その土くれを信じたアンタの脳ミソは泥沼ってところだったんだろうね」
軽口を叩いてはいるが内心フーケは舌を巻いていた。
完全に不意を突いた一撃。それも手加減なしの必殺の一撃を無傷でかわされたのだ。スクウェアと理解はしていたがよもやこれほどとは。
フーケ自身も体に違和感を感じている。恐らくは薬のせい。精神も引っ掻き回されたみたいだ。チンタラはしてられない。


白仮面が杖を引き抜きフーケに狙いを定める。
「矜恃が薬に勝ったか・・・いや、単に薬が足りなかっただけか。そうに決まっている。そうだったな、貴様ごとき盗賊など信ずるべきではなかったな。
 しかし貴族としてより盗賊としての名の方が知れ渡るとは堕ちたものだな、マチルダ・オブ・サウスゴータよ」
「その名を呼ぶなッ!」
ゴーレムの腕が伸びるがひらりひらりとかわされる。頭に血の上ったフーケはさらにもう片腕も使い捕まえようとするが、白仮面はそれを待っていた。
ゴーレムの頭の上でギリギリまで引き付けて掌で押し潰そうとした瞬間に、閃光のような速さでかわし、無防備なフーケに杖を向け呪文を完成させた。
「『ライトニング・クラウド』!」
白仮面の周辺から稲妻がフーケめがけて伸びる。しかしフーケも詠唱の段階で魔法を見切っていたのでゴーレムの肩から『練金』で岩の壁を出して防ぐ。
しかし壁は稲妻が直撃すると土煙を上げて崩れてしまった。
「くっ!」
「遅いぞッ!」
いつの間にかフーケの背後に回り込んでいた白仮面が再び杖を向けた。詠唱は完成している。
「背中を取ったッ!死ねいッ!」
再び放たれた稲妻は狙い違わずフーケの心臓を貫いた。その瞬間フーケが爆発したのだ。
「何ッ!」
土煙に視界を奪われながらも周囲に気を配る。
「これは『試練』よ。マチルダ・オブ・サウスゴータという未熟な過去に打ち勝てという『試練』と私は受け取ったわ」
声のした方に振り向きざま『ウィンド・ブレイク』を放つが手応えはない。
「壁を出すのと同時に私の身代りを岩で『練金』したわ」
土煙で方向感覚が分からずに白仮面は首を回すだけしかできない。そこにゴーレムの腕が煙を払いながら伸ばされた。
間一髪で反応できた白仮面は咄嗟にゴーレムの腕の射程の外に飛び出す。

「まだよッ!」
フーケが『練金』を唱えるとゴーレムの腕の先からさらに小さな腕がいくつも伸びていき白仮面に迫る。安心していた白仮面は呆気なく捕まり次々と腕に巻き付かれて巨大な繭になってしまった。
フーケは再度『練金』を唱えて繭を鉄に変えると、ゴーレムの腕から切り離し改めてゴーレムに掴ませた。
「私はこの『覚悟』で!暗闇の荒野を切り開くわッ!」
フーケの咆哮と共にゴーレムが鉄繭を空に放り投げ、その両手でラッシュをかける。
「バニバニバニバニバニバニバニバニバニバニッ!」
両の腕を鉄と化した拳のラッシュに鉄繭は呆気なく砕け散った。

「バニッシング(消え失せな)」

炎の明かりを受けて輝きながら鉄屑が地面に降り注いだ。
「あなたの敗因は射程外だと安心した心の油断よ。そしてあなたを踏み越えて私は『成長』するわ」
髪をかきあげて鉄繭の残骸を眺める。返事は返ってこなかった。
しかし消耗は激しい。基礎呪文とは言え心身はズタズタなのだ。ゴーレムを操りながらの連続使用は堪えたらしくゴーレムの首にもたれるように背中を預けた。
「やだわ、汗かいちゃったじゃない・・・うっ」
緊張が解けた途端に激しい吐き気が襲ってきたがなんとかこらえる。
下が騒がしいので覗いてみると魔法学院の生徒たちが出てきてこちらを指差し何か騒いでいる。


「あの子たちどーしよーかしらねえ・・・戦う理由はないし」
その時、背筋がゾクリと震えた。まるで刃物で背骨をなぞられるような異質感。フーケは咄嗟に身を捻ったが左肩が熱くなるのを感じた。
「なるほど、教育になったよ。確かに敗因は安心した心の油断のようだな、フーケよ」
背後にいたのは圧殺したはずの白仮面だった。仮面の下で笑っている。フーケの肩に何かが刺さっている。それが『エア・ニードル』だと理解すると急に力が抜けてきた。
「あんた・・・風のユビキ・・・」
肩に刺さった魔法が抜かれるのと同時に力の抜けたフーケがゴーレムの肩から落ちる。フーケは薄れゆく意識の中、自分の生き甲斐とも呼べる存在たちを思い浮かべた。
(あー・・・やっばー・・・ゴメンね、みんな・・・)
仮面の男は追い討ちをかけようとしたがそれよりも早くシルフィードが空中でキャッチしたのを見て体勢を立て直す。
「下衆な盗人風情がやってくれたものだな。殺られたのは久方ぶりだ。やれやれ、いつ見ても気分が悪いな。自分が殺される瞬間というのは」
まるでフーケの灯火のように崩れゆくゴーレムも見届けずに男はシルフィードめがけて飛び立った。


ギーシュたちが外に出たときに見たものは上位クラスメイジ同士のハイレベルな戦いだった。しばらくは手を出すことも忘れて見とれていたが、とうとうフーケが仮面のメイジを捕らえて潰したのだった。
「あれ何だったの?」
「フーケは敵ではない」
「反逆?まあ戦わずに済むならそれが一番・・・ギーシュ?」
ギーシュは動くことが出来なかった。ドットとは言え同じ『土』系統のメイジとしてフーケの実力はよくわかる。しかし彼女はゴーレムのレベルもそうだが『練金』までがスゴい水準なのだ。
『練金』は『土』の魔法では基礎の基礎であり、また『土』系統の基盤でもある重要な術だ。『土』のメイジの実力は『練金』で見ろと言われているほどである。
『土』は他の三系統に比べてイメージに依るところが大きい。ゴーレムがいい例だろう。より固く、より強く。『練金』にも言えることで、自分が何に練金するのか、そのイメージが大事なのだ。
あれほどまでに速く、確かなイメージと集中力を持ったフーケをギーシュは素直に尊敬できた。貴族も盗賊もない、純粋な力への憧れがあった。



「あれ見てッ!」
キュルケの叫びで現実に引き戻されたギーシュがキュルケの指差した方を見ると、潰したはずの白仮面がフーケの後ろに立っていたのだ。ギーシュは思わず叫んでいた。
「後ろだフーケ!」
しかしフーケはよろめいて落ちてしまう。
「タバサ!」
ギーシュが頼むまでもなくすでにタバサとキュルケはシルフィードにまたがっており、ギーシュも慌てて飛び付いた。
「奴が来るぞ!」
「シルフィード」
「きゅいきゅい!」
加速したシルフィードが白仮面よりもさきにフーケにたどり着き受け止める。一度着地して『女神の杵』亭の火の回っていない場所にフーケを降ろすと傷口に布を巻いた。そして改めて三人は白仮面に向き直った。
「無理に戦う必要はないと思うけれど?」
「向こうはやる気。さらに今の戦いで疲労している」
「それに盗賊とは言えレディーの体に傷をつけるなんてこの薔薇が許さない!」
「オッケー、満場一致ね。三人まとめて踊れる器量はお持ちかしら、仮面の殿方?」
シルフィードが力強く羽ばたき白仮面に向けて飛び立った。



『桟橋』にたどり着いたルイズが不意に町の方に首を回した。ひどく焦燥した顔をしている。
「ルイズ、今は進むんだ」
「・・・わかってるわ」
どこまでも悲痛な顔をしたまま応える。仲間の事が心配なんだろう。
恐らくフーケはそんなに困ったことにはなるまいとウェザーは考えている。以前見た覚悟は死んだわけではなさそうだった。問題は隣にいた仮面の方だろう。
ルイズは前を向くと再び階段を上り始めた。『桟橋』と言っても海や河に架けられているわけではないらしく、丘に続く階段を上っているのだ。
ウェザーは丘の上に出るとちょっとした山みたいな大きさの、巨大な樹が四方八方に枝を伸ばすというなんとも現実離れした光景に思わず息を飲んでしまった。背景が夜空でよく見えないが果実らしき物がぶら下がっているのが見える。
「これが『桟橋』なら、あの果実が『船』か?」
「?当たり前じゃない・・・そっか、ウェザーの世界とは違うんだ」
「ああ。船は海を渡る手段だからな」
そうこうしているうちにワルドが鉄のプレートから目的の場所を見つけたらしく、先導するように階段を駆け上がっていく。
その階段からラ・ロシェールの街明かりが見えた。その中でも一際明るい場所があったような気もしたがすぐに隠れて見えなくなってしまった。
ウェザーが視線を階段に戻そうとしたとき下から異様な空気の乱れが接近しているのに気づき振り向くと、黒い影が迫っていた。
「ルイズ急げッ!」
ウェザーは『ウェザー・リポート』を発動して迎え撃つが影は身を翻してウェザーを飛び越そうと跳躍する。しかしウェザーはうろたえない。
「お前の足止めをするだけなら文字通り『壁』になればいいだけだからな・・・」

「なに!」
空中に飛び上がった影はウェザーが作り出した『空気の層』に突っ込んだことで空気抵抗摩擦によって燃え出し階段に落ちた。捕まえるためにウェザーが接近しようとした時、影が杖を取り出す。
動けまいと油断していたウェザーに稲妻が飛来する。
「うおおおおおおおおお!」
咄嗟に左腕でガードするが焼けるような痛みに膝が崩れた。同時に影も炎の回りが早いらしく階段から足を踏み外して地面に墜落していった。
「ウェザー!」
ルイズがウェザーに駆け寄り手をかそうとしたがウェザーはそれを制する。
左腕がひどく重たく感じられて様子を見てみると、服は溶けて皮膚も焼けていた。まだ皮膚がじくじくと音を立てている気がする。
「ひどい傷!早く手当てをしなきゃ・・・」
「構うな・・・船へ急ぐぞ・・・」
「でも!」

何としてもウェザーを治療させようとするルイズの肩をワルドが優しく叩く。
「彼の言うとおりだ。我々はアルビオンにいかなければならない。それに傷の手当てなら船内でもできるさ」
ルイズはまだ不服そうだったがウェザーが立ち上がるとそれを支える形で従った。ワルドはしばしそんな二人を見ていたが階段を上がり船へ向かった。
「でも本当、よく左腕一本ですんだわね。さっきのは『ライトニング・クラウド』っていう『風』の上位魔法よ。普通なら全身黒焦げなのに・・・」
「ああ、あれはマイナスの電化を帯びた空気を周りに作り出して電撃を逃がしたんだ・・・咄嗟だったから完全には分散出来なかったがな」
ルイズはわかってない顔をしていたので船に乗りながら科学の授業をした。


空では雷を払うことができたが、地表では不穏な空気が一帯を覆っていた。土くれを砕いた黒雲が雪風と微熱と青銅の上に閃光とともにのし掛かる・・・

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