ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マジシャンズ・ゼロ-18

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匿名ユーザー

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ロングビルからの始めの好感度はかなり低かった。他の貴族同様、かなり警戒していたようだった。
冷たい視線に少々感じ入るモノもあったが、やはり仲良くなりたいのが本音だ。
ポルポル辺りなら陽気に話しかけ警戒を解くのだろうが、アヴドゥルはそんなキャラではない。
しかし!それが如何した!
アヴドゥルとて伊達に占い師をやっていない。むしろ若い女性相手の会話はお手の物。
下心が露見しないよう慎重に、ロングビルの心の外堀を埋めていく。
その甲斐あってか、最近はロングビルもいつもの作ったような笑顔ではなく、自然な笑みを零すようになる。
他の人には今まで通りの顔のため、大成功といえる。
………ちなみに特に受けたのは、おもしろおかしく脚色したポルポルのナンパ失敗談(旅の間に何回もしていた)だった。

そして今日…ついに!
ぴぴるぴ~っと好感度が上がる音(幻聴です)を聞くアヴドゥル。
内心ガッツポーズするが、外面は-そんなに楽しんでもらって光栄だ-とでも言うように渋く決めている。
……鼻の穴がピクピクしているのがよく見れば丸わかりだが。

「ふふふ…………ふうッ」
今まで笑っていたロングビルが急に笑いを止め、少しアンニュイな溜息を漏らす。
発生したフラグ。がっつきを抑え、大人の貫禄を出しながら
「何か悩みでもあるのかね?」
「えっ?」
「わたしでよければ聞くが…どうかな?」

本当に一定値まで好感度が溜まったようで新たな展開に移ったらしい。
今までほとんど聞き手に回っていたロングビルが積極的に話を振ってくる。
といっても、悩ましげな顔で語られた内容は………愚痴だった。
某O爺のセクハラ。某教師Kの下心満載の態度。セクハラ。趣味の不振。セクハラ。爺死ね……。
日頃よっぽど鬱憤が溜まっていたのか、段々顔に縦線が入ってき、アルコールも入っていないのに延々と鬱々語りだす始末。
さすがにいきなりの濃い内容に若干引き気味になるが、ここが正念場だと思い直し一つ一つ丁寧に対応する。
--スケベ爺は筋金入りだからな。わたしの知り合いにも、奥さんがいるのに女子大生に手を出した奴がいる。燃やすか?
--はっきりと言うべきだ。相手が勘違いして被害にあってからでは遅い。燃やすか?
--わたしからは何も言えないが…逆に考えてみればどうだ?不振なんではなく新しい趣味が見つかりそうだと。
などなど、親身になって答えてくれるアヴドゥルに顔の縦線も消えていく。
最後はすっきりした顔でお礼を言い帰っていった。

今日の会話でロングビルの好感度もだいぶ上がったと確信し、微妙なニヤケ面で部屋に帰って行くアヴドゥル。
部屋まで後すぐのところで親友フレイムが立ちふさがった。
「きゅるきゅる」
「……ん?」
「きゅる!」
どうやらどこかに連れて行きたいようで、アヴドゥルの服を引っ張るフレイム。
特にこの後用事も無かったので大人しく付いていく。
見覚えのありすぎる廊下を進んだ先は、ルイズの部屋(アヴドゥルの住処)…の横のキュルケの部屋だった。

「きゅる(入ってくれ)」
アヴドゥルに目で懇願してくるフレイム。
「いや…こんな時間にまずいぞ」
ロングビルの愚痴零しが長引き、辺りは真っ暗。婦女子の部屋に尋ねるような時間ではない。
「きゅる!きゅるきゅる~(頼む!俺を助けると思って)」
「…しかし」
「きゅる!」
バンッ
埒が明かないと思ったのかドアを尻尾で叩き、中に連れて来たのを知らせるフレイム。
扉が開くやいなや、瞬時に背後へ回りこんだフレイムの見事な体当たりでアヴドゥルは部屋の中に突き飛ばされる。
「ッ!何をする!?」
何とか体制を建て直し抗議しようと振り向くが、フレイムをあちらに残し扉が閉まる。
薄暗く香が焚かれ蝋燭の明かりしかない部屋で-キュルケとアヴドゥル-二人きりの夜が始まった。

「ようこそ私のスイートルームへ」
背後から発せられる、キュルケのいつもとは違う艶やかな声。
「ねぇ…こっちを見て。顔を会わせてお話しましょ」
アヴドゥルは冷や汗を垂らしながら、脳内で即時退却を満場一致で可決する。
「ダーリン。聞いてるの?」
さっさと要件だけを聞き帰ろうと振り向き、言うが、
「これはどういうことだ。さっさとようk…ッ!」
言葉が止まる。
アヴドゥルの視線の先には……
--キュルケが現れた
  キュルケはベビードールを装備している
  ベビードールによって胸が零れ落ちそうになった
  アヴドゥルに30のダメージ
  アヴドゥルは驚き竦んで動けない
ソレを見、ニヤリとほくそ笑むキュルケ。
(やっぱり、巨乳好きのようね。苦労の甲斐があったわ)

ココ数日間、フレイムをこき使い(お陰で尻尾の炎が消えそうになっている)、アヴドゥルの好みを調べさせていたキュルケ。
こんなこと今までしたことが無く、これからキュルケの異常なまでの気合の入りようが分かる。
ルイズやシエスタなどを相手にしている時は、アヴドゥルに変化はなかった。
とりあえず、メイド属性や貧乳、ロリ、釘宮属性はないと分かりほっと一息付く。
特にロリ系とは全く逆の属性なキュルケなので、知った時の安堵の息は大きかった。
そして安堵から歓喜に変わる。ミス・ロングビル。彼女との接触によって。
ロングビルにはバレ無い様にしていたようだが、第三者視点のフレイムには丸分かりだった。
会話の合間合間にちらりちらり『胸』へ移るアヴドゥルの視線!微かに緩む頬!落ちる目尻!伸びる鼻の下!
完全にアヴドゥルはおっぱい星人!間違いない!


「どうしたのダーリン」
--キュルケはだっちゅーの(死語)で強調し詰め寄ってきた
  アヴドゥルに43のダメージ
  アヴドゥルは正気を取り直した
「これはどういうことだ?それにダーリンとは…「おわかりにならない?」
月明かりをバックに踊るように、アブの話なんて聞いちゃいないキュルケは続ける。
「恋をしたの。…今まで感じたことのない程の燃えるような恋を!」
「いや。だかr「私の二つ名はご存知?」
アヴドゥルの様子なんて気にもせず自分に酔っていくキュルケ。
「松明みたいに燃え上がりやすい『微熱』…でも、それだけじゃないわ!」
「うッ」
--キュルケは二つの凶器を見せ付けてきた
  アヴドゥルに32のダメージ
  アヴドゥルは思わず仰け反ってしまい行動できない

「あの決闘で見せた炎…アレがいけないのよ。スクエアなんて目じゃない炎の化身。
 今までの自分の魔法がいかに火遊びにすぎなかったのか、よ~く気付かされたわ。
 そして!『微熱』を『業火』へと変える炎を持つダーリンこそが、私の運命の相手だと分かったの!」
左手を胸に、右手を天井に構え、右斜め上を見ながらのたまうキュルケ。目が完全に逝っちゃってます。
--キュルケの奇妙なポーズ
  アヴドゥルに11のダメージ
  アヴドゥルは正気を取り戻した
「そ、そうか」
あまりものキュルケの迫力にかなり引きながら答えるアヴドゥル。
(彼女は本気だ!……このままココにいるのはまずい。主にわたしの理性が!)
こうなったらドアを蹴破ってでも逃げ出すしかないと判断し、気付かれぬようゆっくりドアへと後ずさり、
--アヴドゥルは逃げ出した


(ふふッ…計画通りね。ダーリンの性格は既にプロファイリング済みよ!)
完璧にアヴドゥルの行動を予測しているキュルケ。フレイムの苦労は充分過ぎるほどに報われている。
完全にキュルケの掌の上で踊っているアヴドゥル。
--しかし キュルケに背中に抱きつかれ アヴドゥルは逃走に失敗した
  この戦いからは逃げられません
  さらに アヴドゥルの背中に押し付けられるキュルケの胸
  アヴドゥルに43のダメージ
  アヴドゥルは瀕死だ
背中からでも分かるアヴドゥルの動揺。
(…そろそろ詰みね)
キュルケは止めを刺すべく言葉を紡ぐ。
「ねえ、さっき言ったわよね?『ダーリン』ってどういう意味だって」
「……ああ」
「今日呼んだ理由はそれなの」
「どういう意味だ?」
「私……あなたの名前を知らないから。だから『ダーリン』って呼ぶしかなくて」
「何ッ!?君は名前も知らない男に迫っているのか!?」
振り返ろうとしたアヴドゥルだが、胸をさらに押し付けられ固まる。
「……ふしだらな女って思うでしょう」
一転して悲しそうな声になるキュルケにアヴドゥルは慌てて、
「いや、…まあ、ええと、普通はもう少し順序を置いてだn「そんなの無理だわ!」
またも言葉を切られるアヴドゥル。
「ダーリンの事を考えると胸がドキドキして止まらないの。分かるでしょ?
 わたしの胸がドキドキしてるのが。だから…」
背中から離れ、アヴドゥルの腕を引っ張りベッドの方へ誘導するキュルケ。
ベッドに座りこんだキュルケは、アヴドゥルの手を胸に当てながら止めを刺す。
「名前も、過去も、炎も。あなたのこと全て、今晩、私に教えてくださる?」
--ぽにゅんッ
  キュルケの会心の一撃
  アヴドゥルに73のダメージ
  アヴドゥルは息絶えた

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