ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

味も見ておく使い魔-10

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匿名ユーザー

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「僕はフラッシュ」
「オレはフルハウスだ」
「…ワンペアです」

『フリッグの舞踏会』が解散した後、コルベール、ブチャラティ、露伴の三人はアルヴィーズの食堂に残り、露伴が持っていたトランプでポーカーを行っていた。
誰かさんが圧倒的に一人負けしている。

「ところで…」
露伴が珍しく真剣にブチャラティに話しかける。
「君は元の世界に返る気はないか?」
「僕の『ヘブンズ・ドアー』で君の『使い魔』の契約は解除できる。
同じように、ルイズに『地球に繋がるサモン・サーヴァント』を唱えさせることも可能だ。
僕自身はいい。絶好の取材ネタがそこら中に転がっているからな…
だが、君は、『あちら』に戻る気はないのかい?」

ブチャラティは少し考えて、口を開いた。


「結論から言おう。俺はここに残る」
「まず、ロハンには話したと思うが、俺は『あちら』ではすでに死んでいる。
元に戻っても、生きていられるという保障はどこにもない。
そして、俺の『使命』は仲間が果たした。『あちら』に『悔い』はない」

「それにだ」

「ルイズは自分自身に劣等感を抱いているようだ。
魔法が使えない自分は見下されていると感じている。
それにはどうしようもない憤りを感じている。
一方でそれ以外の能力は人並み以上だと思っている前向きな精神の持ち主でもあり、自分の家族に誇りも抱いている」

コルベールが相槌をうつ。
「良く観察していますね。さすがです」

「俺が感じたままを言っただけで、間違っているかもしれない。
彼女は、俺達が召喚されるまで、周りにどのように扱われてきたのだろうか?
それにに対し、彼女はどんな思いでそれに対応してきたのだろうか?
そんな中で初めて魔法に成功した『成果』が俺達だ。
それなのに、俺達がこの世界から消えてしまったらどうなる?
彼女はきっと立ち直れないだろう。
オレは彼女の使い魔になることで、ルイズの暗い影が大きくならないようにしていきたいと考えている。
それにはロハン、『使い魔である』君の協力は重要なんだ。
コルベール。君達先生もね」

「肝に銘じておきます」

「…わかったよ…あのじゃじゃ馬が相手じゃあ、これからが大変だな。
とにかく今は乾杯しよう」
露伴が飲みかけのワインボトルから、赤ワインをついで行く。

「何に乾杯しますかな?」

「そうだな…」



「生徒達の未来に」

「「生徒達の未来に」」



岸辺露伴は思い出していた。

タバサの本を読んでいるとき、シャルロットの母が身代わりになるくだりで、正直岸辺露伴は、正直『本』にしたことを後悔した。(マンガにはしたが)
生涯読んだ『本』の中で、二番目にキツイ内容だった。
(ちなみに一番目は、「治療の助けになるかも」と頼まれて読んだ億康の親父の本である。
肉の芽が暴走した後の日々はトラウマになりかけた)
昔はあんなに明るい子だったというのに…
『鈴美お姉ちゃんが助けてくれた』
自分自身の遠い記憶と、シャルロット母身代わりのシーン重ね合わせながら、おてんば娘だったころのシャルロットを回想していた。

「まあ、暇つぶしにでも…彼女を快活にさせてみるか…」
(ヘブンズ・ドアーを使わないで…な)



『ブルーライトの少女』
   <<ネタばれ注意>>
   この書評には内容について触れています。
   まだこの書物を読んだことがない方はお気をつけください。

   1エピソードで完結する冒険譚を集めた短編集のマンガ。
   短編集と銘打ってはいるが、主人公は全エピソードを通じて同一人物であり、
   1巻全体で完結する物語といって良いであろう。
   ロハン・キシベ氏らい、リアリティあふれる臨場感を楽しめるが、なぜか最終話のみ
   『囚われた、主人公である少女メイジを突如出現する勇者が助け出す』という
   ありきたりな内容になっており、全体の雰囲気をぶち壊しにしてしまっている。

   トリスタニア文芸愛好家クラブの評価
      →ロハン・キシベ氏唯一の凡作
   …『トリスタニア文芸書評全集 第3巻(初版)』より抜粋


時は少しさかのぼる…
ここはアルヴィーズの食堂。
『フリッグの舞踏会』が行われている所である。

「おおッ!?」
門の周囲がどよめく。ルイズが会場に入ってきたのだ。
左右にブチャラティと露伴を引き連れていた。後ろには何故か黒髪のメイドもついてきている。
心なしか勝ち誇った表情をしているようだ。
帝王が歩くようにな態度で会場の中央に進んでゆく。
しかし、何よりメイジ達を驚かせたものは、彼女の衣装である。
パーティードレスではない。というか、いつもの制服姿であった。
「ル、ルイズ。控え室では素敵なドレス着てなかった?」
キュルケがおずおずと話しかける。
「……」 
ルイズたちは無言を通す。
突然、ルイズ達が踊り始めた。


ズッタン! ズッズッ タン!
「ち、ちょっとタバサ!何あなたも参加してんのよ!」

ズッタン! ズッズッ タン!
「ギーシュ?モンモランシーまで…」

ズッタン! ズッズッ タン! グイン! バッ!
「…」

「ワンモアセッ!」
ルイズの声がパーティー会場に響き渡った。


ズッタン! ズッズッ タン! 
キュルケも参加する。

ズッタン! ズッズッ タン! 
オスマン氏、コルベールなどもそれらしいマネをしている。

ズッタン! ズッズッ タン! グイン! バッ!
他のメイジたちも全員踊りだす。衛兵すら参加しだした。

「ワンモアセッ!」
ルイズは、今まで生きてきた人生の中で、一番輝いた表情をしていた。

ズッタン! ズッズッ タン! 
ズッタン! ズッズッ タン! 
ズッタン! ズッズッ タン! グイン! バッ!
「ワンモアセッ!」
……


第1章 『味も見ておく使い魔』    FINE...

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