「さすがに『アン・ロック』程度の魔法では開かないわね」
メガネをはずした、ミス・ロングビルは嘆息した。
実は彼女、巷では「『土くれ』のフーケ」と呼ばれている、メイジの盗賊であった。
この学院に保管されている、あるマジックアイテムを手に入れる為、
ミス・ロングビルという偽名を使ってこの学院に潜入していたのである。
そして、その『目標の物』は、ここ、宝物庫に保管されている。
「ッ!」
真夜中にもかかわらず足音がする。近づいてくるようだ。
フーケは、とりあえず20メイル先の胸像の影に身を潜めた。
メガネをはずした、ミス・ロングビルは嘆息した。
実は彼女、巷では「『土くれ』のフーケ」と呼ばれている、メイジの盗賊であった。
この学院に保管されている、あるマジックアイテムを手に入れる為、
ミス・ロングビルという偽名を使ってこの学院に潜入していたのである。
そして、その『目標の物』は、ここ、宝物庫に保管されている。
「ッ!」
真夜中にもかかわらず足音がする。近づいてくるようだ。
フーケは、とりあえず20メイル先の胸像の影に身を潜めた。
コッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッ…
通路中に響く足音とともに現れたのは…
「……」
岸辺露伴であった。
「……」
岸辺露伴であった。
「どうだ?『デルフリンガー』の具合は?」
屋外では巨大な二つの月が天を彩っている頃、
ブチャラティは、すでに待ち合わせ場所にいた露伴に話しかけた。
ここは魔法学院本塔5階。
学院長室の1階下にある、宝物庫がある階である。
「いや、ダメだねありゃ。何を聞いても『思い出せねえ』ときた。
さすが6千年前に作られただけあって、相当ボケてるようだ。
取材対象としては失格だな。」
露伴は宝物庫の扉に寄り掛かりながら答えている。
「ところで、用件はなんだ?それにこんなところに呼び出して」
「ああ、ルイズの魔法のことなんだが、あの『爆発』。本当に『失敗』だと思うかい?」
「いや、違うな…本当に失敗したのならば対象に何の変化も起こらないはずだ。
おそらく、彼女はあの『爆発』に関係するような系統のメイジなのだろう。
オレの知っている系統のなかでは『火』が一番関係ありそうだが…」
「僕は、彼女は『虚無』の系統のメイジだと思う」
「なるほど。そう考えれば『俺たちを召喚できた事実』も納得がいくな…」
屋外では巨大な二つの月が天を彩っている頃、
ブチャラティは、すでに待ち合わせ場所にいた露伴に話しかけた。
ここは魔法学院本塔5階。
学院長室の1階下にある、宝物庫がある階である。
「いや、ダメだねありゃ。何を聞いても『思い出せねえ』ときた。
さすが6千年前に作られただけあって、相当ボケてるようだ。
取材対象としては失格だな。」
露伴は宝物庫の扉に寄り掛かりながら答えている。
「ところで、用件はなんだ?それにこんなところに呼び出して」
「ああ、ルイズの魔法のことなんだが、あの『爆発』。本当に『失敗』だと思うかい?」
「いや、違うな…本当に失敗したのならば対象に何の変化も起こらないはずだ。
おそらく、彼女はあの『爆発』に関係するような系統のメイジなのだろう。
オレの知っている系統のなかでは『火』が一番関係ありそうだが…」
「僕は、彼女は『虚無』の系統のメイジだと思う」
「なるほど。そう考えれば『俺たちを召喚できた事実』も納得がいくな…」
「でだ、ブチャラティ君」
「なんだ?いまさら君付けで呼び出して?」
「この『宝物庫』なんだが、中には貴重なマジックアイテムや伝説のお宝が多数眠っているんだ」
「もしルイズが『虚無』系統のメイジであるならば、
この中に何か彼女にとって助けになるようなものがある可能性が高い」
「?」
「この宝物庫には『固定化』という魔法が強力にかかっていて、ちょっとやそっとの魔法じゃ進入できない。
それに、常識的に考えて、物理的な破壊も難しいような壁の厚さに設計しているだろう」
「何が言いたい?」
「そこでだ…」
「なんだ?いまさら君付けで呼び出して?」
「この『宝物庫』なんだが、中には貴重なマジックアイテムや伝説のお宝が多数眠っているんだ」
「もしルイズが『虚無』系統のメイジであるならば、
この中に何か彼女にとって助けになるようなものがある可能性が高い」
「?」
「この宝物庫には『固定化』という魔法が強力にかかっていて、ちょっとやそっとの魔法じゃ進入できない。
それに、常識的に考えて、物理的な破壊も難しいような壁の厚さに設計しているだろう」
「何が言いたい?」
「そこでだ…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「君は教室で、『ジッパー』を床に取り付けて地面にもぐり、あの爆発を回避していた」
「なにッ!見えていたのか?」
「君の『スタンド』能力を使えば、この宝物庫の中に入れるんじゃあないか?」
「つまり、君は…」
「そう。僕も『スタンド使い』さ」
「なにッ!見えていたのか?」
「君の『スタンド』能力を使えば、この宝物庫の中に入れるんじゃあないか?」
「つまり、君は…」
「そう。僕も『スタンド使い』さ」
「…なるほど、心理的立場では君がひとつ『上』の立場にいるのか…」
「つまり、君は『オレのスタンド能力を使ってこの『宝物庫』に侵入したい』と?」
「そんなに気にするなよ。いいだろォ?同じ『使い魔』同士なんだし、さ?」
「…ひとつ条件がある。」
「何だい?」
「つまり、君は『オレのスタンド能力を使ってこの『宝物庫』に侵入したい』と?」
「そんなに気にするなよ。いいだろォ?同じ『使い魔』同士なんだし、さ?」
「…ひとつ条件がある。」
「何だい?」
「この場で君の『スタンド』を出してみろ…そうすれば手助けの件は考えてやらんでもない…」
「いいだろう…」
「いいだろう…」
『ヘブンズ・ドアー』!!
岸辺露伴がブチャラティの目の前に『スタンド』を出現させる。
岸辺露伴がブチャラティの目の前に『スタンド』を出現させる。
「なるほど、これが君の『スタンド』か…さすがに能力は教えてはくれないんだろうな…」
「ああ、僕の『ヘブンズ・ドアー』の能力はかなり特殊でね。
君の『スタンド』能力と違って、敵に知られてしまうと圧倒的に不利になってしまうんだ。」
(やはり使い魔には僕の『スタンド』能力は発揮できないか…これはなかなか厄介だな)
「ああ、僕の『ヘブンズ・ドアー』の能力はかなり特殊でね。
君の『スタンド』能力と違って、敵に知られてしまうと圧倒的に不利になってしまうんだ。」
(やはり使い魔には僕の『スタンド』能力は発揮できないか…これはなかなか厄介だな)
「…わかった。ルイズの為であるのならば『宝物庫』に侵入するのを手伝おう」
「だぁ〜い丈夫だって。ちょっと見るだけだからさ?」
「…どうだか…」
「だぁ〜い丈夫だって。ちょっと見るだけだからさ?」
「…どうだか…」
物陰に潜んで聞き耳を立てていた『土くれ』のフーケは、信じられない音を耳にした。
ギギギィ…
『宝物庫』の扉が開く音である。
フーケはあわてて物陰から顔をのぞかせて確かめる。
彼女に内容は聞き取れなかったが、『宝物庫』の前で話をしていた男達は何か話をしていた。
この男達(たしか二人共ミス・ヴァリエールの使い魔のはず)は、両者ともメイジではないはずだ。
にもかかわらず、彼らは、フーケが『アン・ロック』の魔法に失敗した扉を堂々と『開け』、中に入っている。
『スクウェア』クラスのメイジが『固定化の呪文』をかけている扉を、である。
ギギギィ…
『宝物庫』の扉が開く音である。
フーケはあわてて物陰から顔をのぞかせて確かめる。
彼女に内容は聞き取れなかったが、『宝物庫』の前で話をしていた男達は何か話をしていた。
この男達(たしか二人共ミス・ヴァリエールの使い魔のはず)は、両者ともメイジではないはずだ。
にもかかわらず、彼らは、フーケが『アン・ロック』の魔法に失敗した扉を堂々と『開け』、中に入っている。
『スクウェア』クラスのメイジが『固定化の呪文』をかけている扉を、である。
フーケは驚きながらも、先日に起こった「決闘騒ぎ」を思い出していた。
(あの使い魔の能力なら『扉』をあけることは可能かも知れないわ。)
(しかし、『あれ』を盗むのは今が最大のチャンス!)
フーケは、学院での秘書生活を完全に終える決断を下した。
(あの使い魔の能力なら『扉』をあけることは可能かも知れないわ。)
(しかし、『あれ』を盗むのは今が最大のチャンス!)
フーケは、学院での秘書生活を完全に終える決断を下した。
「すごいな…いろいろあるぞ。
こいつを見てみろ!どうやって使うんだろうな?」
「やっぱりルイズは関係なしか…」
子供のような目をして倉庫内を走り回る露伴を尻目に、ブチャラティはため息をついていた。
ふと、部屋の中央にある『筒』に目が行く。
「お、おい。ロハン!あれを見ろ!
なんであんなものがここにあるんだ?」
ブチャラティは『破壊の杖』と説明書がされてある物をみて、驚愕した。
こいつを見てみろ!どうやって使うんだろうな?」
「やっぱりルイズは関係なしか…」
子供のような目をして倉庫内を走り回る露伴を尻目に、ブチャラティはため息をついていた。
ふと、部屋の中央にある『筒』に目が行く。
「お、おい。ロハン!あれを見ろ!
なんであんなものがここにあるんだ?」
ブチャラティは『破壊の杖』と説明書がされてある物をみて、驚愕した。
「これは…確か『M72ロケットランチャー』だな」
露伴が『破壊の杖』を手にしながらいう。
「うん。このダサいセンスのデザインは間違いなくアメリカ製だ。
『固定化の魔法』で劣化を防いでいるようだが…
おいおい、安全ピンが抜かれているじゃないないか!
非常識な保管をしているな。いや、こいつの取り扱い方法を誰一人として知らないのか…」
そのとき、ブチャラティの目に、部屋の隅で動くものが映った。
露伴が『破壊の杖』を手にしながらいう。
「うん。このダサいセンスのデザインは間違いなくアメリカ製だ。
『固定化の魔法』で劣化を防いでいるようだが…
おいおい、安全ピンが抜かれているじゃないないか!
非常識な保管をしているな。いや、こいつの取り扱い方法を誰一人として知らないのか…」
そのとき、ブチャラティの目に、部屋の隅で動くものが映った。
「誰だッ!」
「どうした?ブチャラティ」
「いま、俺たちの背後で誰かが隠れる気配がした」
「なにッ」
露伴が『破壊の杖』を元の場所に戻しながら応じる。
〔オレが先に行く。ロハンは後ろでサポートしてくれ〕
〔分かった〕
「どうした?ブチャラティ」
「いま、俺たちの背後で誰かが隠れる気配がした」
「なにッ」
露伴が『破壊の杖』を元の場所に戻しながら応じる。
〔オレが先に行く。ロハンは後ろでサポートしてくれ〕
〔分かった〕
(まずい!バレた?)
宝物庫に侵入し、身を隠しているフーケの体が硬くなる。
宝物庫に侵入し、身を隠しているフーケの体が硬くなる。
ブチャラティ達はそのままフーケが隠れているところまで一直線に歩いていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
グァシッ!
華奢な腕を『スティッキィ・フィンガーズ』が掴む。
「捕まえたぞ…」
「捕まえたぞ…」
「ちょっと痛いわ!放して!そんなに強く握らないで!」
「キュルケか…こんなところで何している?」
「それはこちらのセリフよ!宝物庫なんかに侵入して!
バレたらどんな処罰が下されるかわからないわ!最悪処刑されてしまうわ!」
「それは『バレたら』の話だろ?」
「それよりも君に尋ねたいことがある。『破壊の杖』のことなんだが…」
「『破壊の杖』?何よ、それ。どこにあるの?」
「あそこに……無いな…」
「キュルケか…こんなところで何している?」
「それはこちらのセリフよ!宝物庫なんかに侵入して!
バレたらどんな処罰が下されるかわからないわ!最悪処刑されてしまうわ!」
「それは『バレたら』の話だろ?」
「それよりも君に尋ねたいことがある。『破壊の杖』のことなんだが…」
「『破壊の杖』?何よ、それ。どこにあるの?」
「あそこに……無いな…」
ブチャラティが指差した先の壁には、
新しく文字が刻まれていた。
新しく文字が刻まれていた。
『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
「…しまった…」
「…ヤバいな…」
「…ヤバいわね…」
「…ヤバいな…」
「…ヤバいわね…」
その頃
宿舎では…
宿舎では…
「フフフ…無駄よぅ、キュルケぇ。
私の使い魔の能力で『あなたと私のムネを入れ替えた』わ……ふにゃ」
私の使い魔の能力で『あなたと私のムネを入れ替えた』わ……ふにゃ」
To Be Continued...